2012年4月18日水曜日

第90号(2012.04.18)


□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□─────────────────────────
■□□> コジマガ kojimag@    第90号
□───────────────────2012.04.18─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.090
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


コジマガはちょうど90号と新年度を迎えるには相応しい号になりました。
例年に比べて桜の開花が1週間も遅くなりましたが、今年度も4月1日に
入学式を挙行し、6日には授業が開始しました。連休前まではいろいろ
慌ただしい日々が続いています。


───────────────────
■NGU短信 > 進化する新入生オリエンテーションの段
───────────────────
☆関連サイト:http://www.ngu.jp/system/article/detail/2418

入学式が終わると授業開始までの4日間は、恒例の新入生向けオリエン
テーションが行われました。基礎セミナー(旧:基礎演習)のクラスを
中心として2日間にわたって実施されました。

第1日目は、ゼミ単位で着席して学部オリエンテーションを受けます。
その後、各教室に分かれての自己紹介ゲームで友達作りです。これらは
6年前より利用しているので、こちら側は慣れたものです。これに少し
工夫をこらすようにしています。

まず、知的好奇心を喚起するため「6次の隔たり(6 degrees)」を説明
します。これは「友達の友達は・・・」と6回辿ってゆけば、全世界に
住む60億人と繋がっているということを意味します。見知らぬ他人でも
接点は多いはずなので、それを見つけることを指示します。さらに大学
で友人を作ること(人的ネットワークの構築)の重要性を少しでも理解
させるようにします。

また、ペアを組んだ後に3分間で話をしますが、指示書通りにペアリング
するのでなく、自分たちで相手を探させるようにします。出席者13名に
上級生(SA)を交えると全部で7組ができます。なので、全員と必ず1回
話をするためには、最低13回の対話が必要となります。ゲームの途中で、
その話題を示し、あと何回で終了できるかを考えさせます。すると皆が
13回で終わるものと思います。しかし、実際は理論どおりにいきません。
必ず相手を見つけることができない(前と同じ人になってしまう)組が
出てきます。その時、どうしてうまくいかなかったのかを考えさせます。
13回で終わるには、相手を効率良くサーチしなくてはなりません。

一見、単純でつまらないゲームですが、このように少し考えさせるだけ
で興味が湧くかも知れません。また、ゲームの目的を達成するためには、
対話の後に握手をさせると互いの心理的距離が縮まるようです。さらに、
ゲーム終了後に携帯電話番号の交換をさせれば、ほぼミッションは完了
です。これもファシリテータの役目でしょう。

第2日目は一人の欠席者もなく全員が揃いました。最初に行うゲームは
「月に迷ったゲーム」です。これは月面調査で遭難するシーンを想定し、
必要と思われる備品の順位付けをします。まず、自分一人で答えを出し、
次に皆と意見を交わして優れた結果(勿論、そうならないケースもあり)
を導きます。ゲーム的な要素としては、自分達の順位とNASA(専門家)
の正解との差(絶対値)の合計の少なさを競います。ここでは話し合い
と協力の重要性を理解します。

ゲームの後は皆で割子弁当をいただきました。今回の弁当選定にあたり、
数社に提案させた(競争)そうです。当然の結果として、従来のお弁当
よりもはるかにコストパフォーマンスに優れていました。確かに学生の
満足度も高かったようです。

さて午後からはウォークラリーです。名古屋キャンパス周辺にウォーク
ラリーの4コースが設けてあり、チェックポイントにあるクイズを解き
ながら目標時間にゴールするというものです。今回与えられたルートは、
宮の渡しまでのコース(約3.2Km)でした。堀川沿いに愛知時計、熱田
空襲の跡を見ながら熱田の宮へ往き、そこから折り返します。宮の渡し
は東海道五十三次の一つで、教科書で学習する内容です。しかし実際に
訪れる機会も少ない場所だけに、貴重な体験です。往時は、桑名までの
4里(約28Km)を多くの旅人が船で往来したことでしょう。

新しくできた友達と喋りながらハイキングすること、さらに地元を知る
とことは、今後の学生生活に大きな意味があります。新入生で有意義と
感じるには難しいかも知れません。特に、一部のダルな学生にとっては
このような行事は「やらされている」という感覚でしょう。この行事を
楽しい機会にできるかどうかは参加者の意識で変わります。昔に比べて、
オリエンテーションはかなり改善が進んでいますから、今後は参加者を
ワクワクさせるようなイベントにしたいものです。


───────────────────
■最近のゼミ・講義から
───────────────────
☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/menbers.html

3年ぶりにゼミが始まりました。今年度は以下のように実施中です。

1年 基礎セミナー  金曜1限 曙館516教室
2年 演習(2年)  火曜2限 曙館517教室
3年 経済演習(3年) 木曜4限 言館503教室(日比野学舎)

ゼミは大教室での授業と違い、少人数指導ならではという面があります。
チームとしてうまくまとまれば、相当の成果が得られますが、一人でも
ダルな学生がいるとそれに引きずられてしまいます。

通常、春学期は2年と3年ゼミで同じ内容(グループワーク)で進めて
いますが、今年度は2年ゼミの内容を大幅に変更しました。というのも
第一志望で加入した学生とそれ以外で、完全に二極化しているからです。
昨年は留学していたので、現2年生はほとんど児島を知りません。一方
3年生は1年の時に授業を受けた学生が応募してきたので、第一次志望
ばかりです。

したがって、2年ゼミでは最低限の要求水準として「コア6」演習など
を課しています。1年次でこの演習が完成できていないので、教材には
最適です。ネットの課題なので到達度や目標もわかりますし、自分では
意欲が続かくなとも、ゼミの時間を使えば誰でも達成可能と思われます。
このように全体はプルアップ(引き上げ)よりもボトムアップで対応し、
やる気のある学生は3年生ゼミに参加させて、より力をつけさせる方針
としました。

今年の3年生のグループ研究のお題は以下の4つ通りです。

A:電子書籍と紙媒体はどのように共存するか?
B:パケット定額制は維持できるか?
C:日本のSNSは生き残れるか?
D:サイマル放送で地域限定するメリットは?

OB・OGで、ちょっとした休みができた時は是非、遊びに来てください。
学生の研究成果を聞いてみたい人や、意地悪な質問から学生をいじって
みたいと思う人はどうそお越しください。


───────────────────
■編□集□後□記□
───────────────────
☆関連サイト:http://booklog.jp/

春休みに読書をしました。以前は読みっぱなしで本棚へ直行という状態
でしたが、最近はブクログで読書の記録をつけています。これを使えば
いつ何を読んだのかがわかるので、重宝しています。Web2.0のツールで
管理をすれば、思わぬところにも活用できます。例えばコジマガで紹介
した作品にはタグを付けていますので、ブログに一覧を添付することが
できます。

すでにコジマガ・ブログをチェックした方ならばお分かりですが、画面
右フレーム下に「本の紹介」というガジェットが貼ってあります。これ
はコジマガで紹介した作品が本棚のごとく並んでいます。

また、最近知ったことはBloggerでモバイル版が自動的に作成されている
ことです。ブログがモバイル向けにカスタマイズされており、QRコード
まで自動作成という手軽さです。かつてあれだけ苦労したのは何だった
のかと感慨にふける瞬間でした。


■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
───────────────────