2015年7月26日日曜日

第117号(2015.07.26)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第117号
□───────────────────2015.07.26─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.117
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


大学は7月末で期末試験が終わり、8月1日から50日ほどの夏休みに入ります。
今年度から就職活動の日程が大幅に変更されたため、選考開始の8月までに
定期試験を終えます。しかし、すでに約3割の学生に対して内定が出ており、
当初のスケジュールは事実上形骸化しています。就活に苦労している学生は
かなり長期戦になってしまう見通しです。とはいえ、自ら行動しないと何も
進まないので、暑い最中ですが体調に気遣いながら頑張ってくれるよう祈念
しています。


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■NGU短信 > ゼミ創立20周年を迎えて(2)の段
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☆関連サイト:http://spotlight-media.jp/article/58848238391158163

いよいよ来月には、待望のゼミの20周年パーティが開催されます。10年に
一度の行事なので、お時間の許す方は是非ご参加ください。ゼミの歴史は
卒業生をはじめ、そこに属した一人ひとりがいたからこそ成立しています。
参加できる、できないを問わず、これを機会に昔のゼミ仲間に連絡を取り
合ってもらいたいと願っています。

皆それぞれ、仕事や家庭での日常があり、過去を振り返る余裕はそれほど
多くありません。今回は、大学を卒業した後に仲間たちがどうなっている
かを知るチャンスです。卒業生の中には、小生に仲間の情報を聞いてくる
強者もいますが、卒業後にこちらから連絡することはほとんどないので、
詳細は知るはずもありません。幸いFBやコジマガもあるので、大学やゼミ
の概況を把握した上、久しぶりに連絡するのがよいかもしれません。

以下は、最近FBのタイムラインにあがっていた記事(関連サイト)です。

 理由もなく会えるのが友人で、
 理由がないと会わないのが知り合いで、
 理由を作って会いたくなる人が好きな人。

なるほどと感心しながら、知り合いであるかつてのゼミの仲間と再会する
には理由が必要です。今回はゼミの記念イベントという大きな理由ができ
ました。

コジマガ第104号で紹介した「緩やかなつながり(紐帯)」はネットワーク
の強さを構成します。一人の学者の意見として、弱くなりつつある紐帯を
再びつなぎ合わせて、人的ネットワークを少し強化しておくことをお勧め
します。「緩やかなつながり」は思わぬ時に効果を発揮しますので、その
意味でも10年に一度のイベントで知り合いと再会するには最適でしょう。

パーティに向けて、皆がいろいろと準備をしています。小生は昨年度まで
に発行した全コジマガを冊子として編集発行しました。計300ページにも
なってしまいましたが、当日は手にとってご覧いただければと思います。
また、多彩なグッズを用意しているとのことなので、これもお楽しみです。
そして、参加予定の方は、当時の写真を持参するといいかもしれません。
参加者との話題が弾みます。

また、普段は、なかなかお近づきになれない学長と同窓会長へご挨拶する
機会もあります。参加者は躊躇うことなく自己紹介してください。自分の
名刺があれば、持参することをお薦めします。ご両人ともとても気さくな
方なので、安心して声をかけてください。

最後に、.netでの案内をここでも転載します。はがきの締切は17日だった
そうです。準備に奔走している卒業生のためにも、できるだけ早めに返信
してあげてください。また、はがきの案内状が届かない方向けにはWebの
エントリーも稼働中だそうです。以下のURLからお願いします。

http://www.kojima-seminar.net/2015/06/20th-entry/

 日時:2015年8月8日(土) 13時から開宴
 場所:名古屋キャッスル・プラザ 孔雀の間


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■最近のゼミから > 春学期のチーム発表のまとめの段
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☆関連サイト:

7月16日(木)は春学期最後のゼミで、3年生がまとめの発表を行いました。
卒業生を含めた社会人が見学に来てくださり、学生はいつもより緊張感が
増したのではないでしょうか。例年のようにチーム発表をビデオ撮影した
ので、さらに緊張したと思います。緊迫する場面は、就活の面接で初めて
経験しているようでは遅すぎます。今回のような経験をできるだけ積んで
おくことが大切です。

さて、今年度は全体のテーマが「IoTの応用」という内容だったので、少し
難しい課題だっかもしれません。しかし、これまでと違って、発表5回目に
提言を入れさせたことで、かなり身近な話題になったと思います。例えば、
既に発表した内容をまとめるだけでは、最先端の事例紹介ばかりになって
しまい、現実感覚が希薄になります。提言になると、地元の企業や自治体
が抱えている個別の問題に対して、最先端のIoTを使うことで、どのように
解決できるのかを具体的に提案しなければなりません。

このような工夫で、発表はいゆる課題解決型(PBL)になります。自分達が
導いた結論に正しい答えなどありません。自分らの提案がクライアントに
訴求できるかという点のみがフォーカスされます。実際の問題は何であり、
どのように解決するのか?そのために発生する費用は?本当に効果はある
のか?将来のビジネスパーソンに求められる能力です。

例年のように発表後は慰労会を兼ねた飲み会の予定でしたが、台風の接近
につきやむなく中止としました。準備をしていた学生らには残念な結果と
なりましたが、仮に暴風雨警報が発令されて、大学が休校になったいたら、
さすがに飲み会は大きな問題となります。19年前の発表会にも台風が到来
しましたが、この時は労働者研修センターでの合宿で、帰宅の心配も無用
だったために、難なく実施できました。名古屋の都心にキャンパスがあり、
便利過ぎる欠点でしょうか。

16週目は定期試験なので、通常のゼミ発表はありません。しかし、前回の
まとめの発表や春学期を通しての振り返りが必要です。そこで、自己評価
をテストに位置付け、全員集合してもらいました。PDCAや反省をしないと
成長の速度は遅くなりますし、頑張った時にこそ振り返りが大切です。
同時に、今夏の計画を提出してもらいました。就活前の最後となる夏休み
をいかに有意義に過ごすかを考えさせます。1週間を単位として、7週間で
何を達成するかを予め記録しておきます。

夏休み明けには、実際に自分が過ごした時間と当初の予定を照らし合わせ
ます。いつまでも学生ではいけないので、自分の立案した計画はしっかり
とこなせるだけのマネジメント能力を求めています。これも社会人として
最重要な能力のひとつなので、ゼミ活動を通じて鍛えておかねばならない
と痛感しています。


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■編□集□後□記□
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名古屋学院大学では、2000年頃から授業評価アンケートを実施しています。
毎学期、履修者が授業に関するアンケートに回答しすることで、授業運営
について評価します。その結果から担当者が内省し、授業改善につなげる
というものです。多くの卒業生もこれを体験したのではないでしょうか。
現在では、ほとんどの大学で実施されています。

実施方法は、授業中に教員がマークシートを配付し、受講生が回答をして、
回収して、専門部署が集計します。一連の処理には、実施科目の決定後に
紙のアンケート用紙を用意する前処理。回収後にはデータ読み取り・集計
からまとめ(返却)といった一連の後処理があります。すぐ理解できると
思いますが、実施には大変多くの労力や費用が発生しています。

名古屋学院大学では全員にノートPCを配付しています。最近では、時代は
BYOD(Bring Your Own Divice)で、95%以上の学生がスマートフォンを
常時携帯しています。それらを活用して、授業アンケートをWeb化すれば、
プロセス効率化のソリューションとして期待できます。現状把握から提案
までを1年がかりで行い、今学期ようやくWebでの試行にこぎつけました。
試行で得られた問題点を洗い出して改善をします。そして、今後は新しい
イノベーションを学内へ普及させるという難題に挑戦です。


■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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2015年7月1日水曜日

第116号(2015.07.01)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第116号
□───────────────────2015.07.01─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.116
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


ゼミの20周年パーティの準備が着々と進行しています。準備に奔走して
くださっている卒業生の皆さんには本当に頭が下がる思います。すでに
同窓会から案内ハガキが送られたそうですが、小林くんから面白い話が
ありました。それは往復ハガキを切り取ることなく、返信されたものが
いくつかあったということです。最近は、Webサイトやメールなどでの
申込が一般化しているので、往復ハガキを目にする機会も減ったのかも
知れません。ですから、返信作法がよく分からないのではという推測が
なされていました。


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■NGU短信 > 「コア博士」のLINEスタンプの段
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☆関連サイト:https://store.line.me/stickershop/product/1122551/ja

経済学部の教育プログラム「コア6」のキャラクタである「コア博士」が
LINEスタンプに登場しました。1セットに40種類のスタンプがあり、学生
が利用する状況をイメージして作られています。遅刻や休講・学食・試験
など学生生活に即したスタンプが用意されています。

上記の話題が中日新聞(6月19日付朝刊、市民版)でカラー写真入り記事と
なりました。中日新聞は地元で圧倒的な読者を有しているだけに、新聞を
読んだ知人(その多くはシニア層)から声をかけられました。

LINEスタンプの話が持ち上がってからおよそ1年で頒布に至りました。その
過程は2段階でした。まず、最初に商標登録をしなくてはなりません。この
ため特許庁に商標登録を申請しました。登録商標を初めて見ましたが、菊の
ご紋が入った証書で威厳があります。次にLINEの審査です。LINEは国際事業
が進行しているので、審査には大変多くの日数を要しました。ようやく審査
を終えて、晴れてスタンプとなりました。

さて、経済学コア6とは、2009年度の文部科学省の教育GP(Good Practice)
に採択された事業で、初学者が経済学への興味・関心を深める2年間の教育
プログラムです。身近なテーマを題材にした6分野に関する設問(合計60題)
を解きながら、Webで学習を継続します。この学習ナビゲータとなっている
のがコア博士で、知恵の神様であるフクロウをモチーフにしたマスコット・
キャラクターです。学生の勉学を応援するということから、これまで多くの
ノベルティグッズに登場しました。例えば、携帯ストラップ、ポストイット、
アクアマウス、クリアファイルなどです。

この取り組みを開始してから、既に5年が経過しているとは万感の思いです。
今年度から新経済学部へ改組したので、それに合わせてコンテンツの見直し
を実施しています。古くなったデータを改訂したり、1年生向けのコンテンツ
は入門者向けに少し易しくしました。また。1年5月のテーマは「ものづくり
と歴史のまち熱田」に変更して、地(知)の拠点事業いわゆる大学COC事業と
コラボを行っています。想定する学びのシチュエーションは以下のようです。

 ”基礎セミナーで大学周辺の地域課題について学習している。
  その一環で熱田区の状況を調べた後、地元の工場を見学した。
  この周辺は「ものづくり」が盛んな街であるという説明を受けた。”

実際に多くの基礎セミナーのクラスが街歩きをして、地域の課題を発見して
どのようにすればよいかを考えます。これを課題解決型授業といい、PBL型
授業と呼びます。全学の基礎セミナーが参加するPBLのイベントを用意して、
これに参加するという一大事業を展開中です。具体的には、全1年生を対象に
「まちづくり提言コンペ」を実施しています。基礎セミナーという授業時間
で取り組むとはいえ、関連する教材も充分でありません。そこで、コア6で
1年生が取り組む関連教材を準備し、ネットで勉強しながら実際の熱田のまち
を学習することにしました。

現在、「まちづくり提言コンペ」への応募を受け付けています。どのような
斬新なアイディアが出てくるか、今から楽しみです。教育GPも大学COC事業も
文部科学省が認定する事業なので、コラボによってシナジー効果が生まれる
ことが期待されます。


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■最近のゼミから > タイピング能力の養成の段
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☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/rublic.pdf

毎年の風景ですが、7月になると3年ゼミは最終局面にさしかかっています。
ゼミ生達は隔週の発表準備に四苦八苦しながら、寝られない水曜日の夜を
迎えていることでしょう。今年度は木曜日がゼミなので、前夜は大変だと
思います。Blue Wednesdayでしょう。

今年の感想ですが、発表についてはテキストの効果もあって、スライドの
美しさや見やすさは格段に進化しています。他方、発表方法や内容面には
不満が残る点も少なくありません。効果的な発表や内容を深めるためには、
フロアからの質問や指摘が重要になります。クリティカルシンキングの力
を身につけるには、発表を聞いている側が的確に指摘する経験が重要です。
そして、活発な質問がでるように発表者と司会者の役割も大切です。また、
ゼミで一言も発しないという姿勢も矯正する必要があります。

今年のゼミでは、数回にわたる卒業生の参加もあって、3年生にとっては
刺激的だったと思います。先輩達からアドバイスや激励をもらったような
ので、最後のまとめに向けて発奮してくれることを期待しています。また、
先週は、発表の結論やまとめを準備することで、ゼミ生が自主的に発表を
休止し英気を養う時間としました。この時間を利用して、ルーブリックで
この3ヶ月の伸長度を確認しました。まとめを通じて、さらに伸びてくれる
ことを願って止みません。

他方、2年生と4年生のゼミでは、ルーブリックでも示しているタイピング
能力を養成しました。ゼミの基準では、e-Typingで200ポイントを明示して
いますが、100ポイントにも達しない学生が半数以上いたのには、さすがに
危機感を覚えました。1年生の必修科目「情報処理基礎」ではタイピングが
課題となっていただけに、何とかせねばと思い立ちました。

まず、FJのキーの説明やホームポジションの説明と修得からスタートして、
タオルで十指を覆ったトレーニング法を指示しました。未だに目に見える
ほどの結果は得られていませんが、今が飛躍のための辛抱の時だと思って
います。必ずブレイクスルーするはずですので、学生の成功体験と自信に
つながるまでやらせるつもりです。

また、タイピング練習に加えてExcelで統計処理の基本も実習させています。
毎回のスコアをExcelへ入力し、最高・最低・平均の各スコアとともに標準
偏差を計算させています。これらの計算結果をCCSから提出させて、進歩度
をチェックさせています。例えば、一度きりの説明では、標準偏差はどんな
モノサシであるかという実感が湧きませんが、毎回の計算結果からバラツキ
の概念が徐々に理解できるようになると思います。

さらに2年生ゼミでは、毎回、自分の記録をシートに追加し、自動的に計算
させるような指導をしました。Excelでグラフを描画させ、テキストを参考
にして美しい図表に編集するよう指示しています。自分たちで2軸グラフを
復習している姿を見て、微笑ましくなることもありました。同時に、今回の
タイピング練習に関して、自分の進捗度合いや目標などをPowerpointに記載
させています。

4月初め、自己紹介のスライドを作らせて、発表させましたが、スライドの
質や内容があまりに貧弱で、少なからずショックを受けました。というのも
自分が科目責任者である1年生の「デジタルプレゼンテーション」が目標と
する到達度に満たない発表が多かったからです。そこで、タイピング練習の
内容を発表材料として、もう一度、全員に発表させる予定です。自分が取り
組んだことを振り返るとともに、大学生の発表に相応しい水準まで引き上げ
ます。


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■編□集□後□記□
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6月20日(土)に名古屋キャンパスのクラインホールで、父母会総会が開催
されました。今回、ここで40分間の講演を依頼され、次のようなタイトルで
報告をしました。「名古屋学院大学の学びと支援について ―データでみる
学生の実際と能力開発 ―」です。ここで、学生のタイピング能力の話題に
触れました。全データから現状と進歩を示すことで、多くのご父母に興味を
持ってもらえたようです。やはり抽象的な教育理念を語るだけでなく、実際
の学修データで説明することが重要と感じました。


■コジマガ・バックナンバー
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