2016年2月23日火曜日

第123号(2016.02.23)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第123号
□───────────────────2016.02.23─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.123
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


先日、キャリアセンター主催のOB/OGによる業界説明会が開催され、そこに参加
したOBと会うことができました。彼とは卒業以来になります。また、その翌日の
結婚披露宴でも、卒業生との再会がありました。いずれも30歳前のOBで、社会人
として活躍している姿を見て、大変嬉しく思いました。お世辞が半分だとしても、
ゼミで学んだことが役に立っているという言葉は、今のゼミ生たちに伝えてもら
いたい内容です。


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■NGU短信 > 2年ゼミとゼミ対抗コア6コンペの段
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☆関連サイト:

久しぶりに2年ゼミの話題です。3・4年ゼミと異なり、2年ゼミは毎年の構成員
の状況を見ながら、レベルや内容を調整します。今年度の2年ゼミは学生の2極
化が色濃く出ていたので、難しさを抑えながら進めました。

春学期は「デジタルプレゼンテーション」の復習と発展、「データ表現技法」
での技量確認と簡単な統計量の体得を目指しました。4月の最初はPowerpoint
を使った自己紹介プレゼンです。予想通り、スライドの見栄えや美しさなど
全く意識されていないプレゼンが目立ちました。そこで、『伝わるデザイン』
をテキストに指定し、どこがダメなのかを指摘しながら、デザインのルールを
徹底しました。

あわせて、タイピング能力の向上を目指しました。案の定、ほとんどの学生が
キーボード入力を苦手としています。驚くことにホームポジションを知らない
という学生も少なくありません。そこで、毎回、タイピング練習をさせ、その
スコアをExcelに記録させました。繰り返し練習から多くのデータが蓄積され
ますので、毎回、平均・最高・最低・標準偏差といった統計値を計算させます。
さらに、データをグラフ描画することで、自分の成長度合いを実感させました。
データ表現技法では15回の授業でグラフを作成しましたから、忘れてしまった
学生がいても、ゼミの誰かがフォローできます。ですから、2軸グラフという
応用も、作成のヒントさえ与えれば、ゼミ生同士で解決できました。

春学期の最後は発表のリベンジです。自己紹介にタイピング成果を加えて発表
させました。すると、ほぼ全員が見違えるようなプレゼンへと改善することが
できました。最終回の授業時間では、自分の成長の振り返りとして、自己評価
を実施しました。

秋学期には「名証株式投資コンテスト」の参加のためにチームを編成しました。
春学期では個人作業が中心でしたので、社会性を養うためチームでの話し合い
を持たせるように努めました。チーム株や個人株の選択について相談をさせて、
ゼミのチーム同士で競わせるようにしました。すると株式投資に興味が表れて
いる姿が確認できました。約2ヶ月間のイベントで、ゼミ生らは経済ニュースを
チェックするようになったのもひとつの成果です。

また2年ゼミでは、学部行事としてゼミ対抗コア6コンペが開催されます。この
学部教育イベントに、後半は全力を注ぎました。毎回、出題範囲の一部をCCSの
小テストで復習させます。全部で16ヶ月分もあるので、練習だけでも大変です。
毎週コツコツと続ければ、出題範囲すべてを復習できます。その結果、5年目に
して初めて基準A・基準Gとも制覇することができました。今、研究室には、2つ
のトロフィーが鎮座しています。優秀な成績のゼミには、副賞としてランチの
補助制度があります。そこで最後のゼミ時間は、祝勝を兼ねたランチパーティ
としました。デリバリーの寿司を食しながらの慰労会になりました。

1年間のゼミを終えて、全員がゼミの単位を取得できたことに安堵しています。
2年生といえば、生活リズムが乱れる学生も少なくありません。確かに、欠席や
遅刻が目立つ学生やマネジメント能力が欠如している学生もいましたが、彼ら
を一定の水準まで引き上げることができ、責任を果たしたように思います。


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■最近のゼミから > 卒論仕上げに大苦戦の段
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☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/Feedbacksheet_A4size.pdf

今年度の卒論指導がほぼ終わりました。今回は取り掛かりは早かったものの、
ゴールが極めて遅くなってしまったという点で大失敗だったと思います。どの
ような学生であっても最低限のマネジメントができて、皆でコツコツ進めれば、
必ず成果は出ます。それが全員に十分伝わらなかったことは大きな反省です。

それでも、終盤にはゼミ生の中で仲間を助けようとする姿勢が見られたのが
唯一の救いでした。一方で、その思いに真摯に応えていない学生には失望し
ました。学生ならば許されるのかもしれませんが、社会人となる直前だけに
自分への甘えを断ち切ってもらいたいと願って止みません。今回の反省点は、
卒業論文集の巻頭言に譲ることにしましょう。

今年度の指導法での成果としては、赤ペン指導でFeedbackシートを付けて返却
したことです。毎年、一人ひとりに問題点の指摘と改善点を記入してきました。
従来の指導方法では、年末になると右手が腱鞘炎のようになってきます。また、
文字が乱れるので、ますます読みづらくなります。そこで、毎年よくあるミス
をチェックしました。赤ペン指導をPDFに記録していたので、ここに記載されて
いる主な内容をカテゴライズしました。するといくつかの典型的なパターンに
なっていることがわかりました。

まとめた内容をFeedbackシートとし、該当箇所にラインマーカを引き、注意を
喚起しました。昨年度から導入した点数の記入欄、さらに必要な指導について
はコメント欄に記載しました。この指導方法によって、赤ペンの使用量が格段
に減少し、手の痛みもなくなりました。また、ゼミ生と何度もやり取りを繰り
返すことから、指摘項目の見直しができました。

試練の一年でしたが、次年度は新たなメンバとともにさらなる改善に取り組み
たいと考えています。また、大きな期待を持ってゼミに臨みたいと思います。
来年度のゼミ募集は終了しており、ほぼメンバは決定しています。新2年ゼミは、
1年次の基礎セミナーを担当していなかったので、定員の半分も埋まらないので
はと思っていました。それでも前向きな学生らが、ゼミのポスターを見たとか、
先輩の講演で聞いたからという理由で応募してくれました。彼らの期待に応え
られるようなゼミにしたいと考えています。また、3年ゼミは1次募集から定員
を超過する応募がありました。それだけに内定したゼミ生諸君は、今の気持ち
を持ち続けてもらいたいものです。


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■編□集□後□記□
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最近、新たに出会う人とどこかでつながっているケースが異常に多いように
感じます。それだけに出会いを大切にしなければなりません。日頃から一所
懸命に取り組む姿勢が必要ということを感じます。もし手を抜いてしまうと、
それが評価を下げてしまう恐れがあります。すると、将来どこかでつながる
人たちとのネットワークに悪い影響をもたらすかもしれません。50歳を過ぎ、
人生は面白いものだとしみじみ感じるようになりました。

株式市場では「申年は騒ぐ」といわれますが、今年は政治・経済ニュースに
限らず、芸能も話題に事欠きません。大変な1年のスタートになっています。
上のコラムのように卒論指導も例外でなく、大変な状況でした。これで落ち
込むことなく、試練を糧に次のステップアップとしたいと思います。


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☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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