2018年3月29日木曜日

第140号(2018.03.29)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第140号
□───────────────────2018.03.29─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.140
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


いずれの職場にも、年度末で異動や退職という人がおられます。経済学部では
40年余り教鞭を執られた先生がお二人、定年を迎えました。ゼミ卒業生ならば
名城先生と藤井先生の授業を受けたのではないでしょうか。職員も異動があり、
去る人、来る人で新年度から再スタートとなります。昔から組織は、新陳代謝
を繰り返しながら発展していきます。


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■NGU短信 > プレイスメントテストの段
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☆関連サイト:https://www.youtube.com/user/NagoyaGakuinUniv/playlists

3月24日(金)に今春の入学予定者に対して、能力別クラス編成のための試験
「プレイスメントテスト」を実施しました。現在は、英語・日本語・情報の3
科目を行っています。この成績を元にして、教務課が1年次での必修クラスの
クラス分けを行います。進学率が上昇し、受験制度や機会が多様化したために
新入生の基礎学力という点でバラツキが広がっています。関連科目を既修した
者と未修者が同じ教室に混在していると、授業を受ける学生だけでなく、担当
する教員も対応に苦慮します。そこで、多くの大学がプレイスメントテストを
行い、能力に応じたクラス編成をしています。本学では10年以上も前から実施
しているので、プレイスメントテストの経験がある方も多いでしょう。

プレイスメントテストは入学以前の学生が対象なので、試験実施は学生支援課
(教育学習センター)が担当しています。小さな部署にもかかわらず、1500名
ほどの入学予定者を名古屋キャンパスに集めるという大きなイベントの運営を
しなければなりません。また、入試とは違ったケアが必要です。例えば、地方
会場入試やセンター利用入試での合格者は、初めて大学へ来ることになるので
不慣れです。さらに、一般入試でこれほど多くの受験生が一カ所に集まること
はありません。そこで、受験生を分散させるために、入試区分で午前と午後に
分けて試験を行っています。

午前は一般入試(センター試験入試を含む)や一般推薦の合格者で、午後の部
では、主にAO入試と指定校入試の合格者で、入学準備学習プログラムを受講者
を対象としています。午後は、入学準備学習プログラムの事後指導をするため
テストの終了後、全員をクラインホールに集めます。そこで、教務部長が入学
準備学習プログラムについて全員に話をします。なぜ入学準備の学習が必要か?
全体の取り組み状況と個人の成績票、これからの大学での学修に必要なことに
ついてデータで説明しました。ほぼ満席状態でしたが、知り合いが少ない状況
なので、静かに話を聞いてくれました。

また、テスト終了後に各受験会場で配布したチラシに基づき、クラブサークル
の紹介と履修要項ビデオクリップ(YoutubeのNGUチャンネル)を紹介しました。
折角、大学に来ているにもかかわらず、試験だけで帰宅するのでなく、新しい
キャンパスライフへの期待が膨らむような情報を提供する機会としました。

受験生の中には、不本意ながら入学する人もいるはずですので、少しでも興味
関心が湧くような話題を提供したいと考えています。プレイスメントテストで
来学することは、0回目の入学ガイダンスであり、最後のオープンキャンパスに
相当します。また、大学が入学生に与える第一印象という点で、このテストは
とても重要です。その割に、学内で重要性を共有できていないのが大きな課題
です。

現在、文部科学省は高大接続を大学・高校に求めています。これは入試だけで
扱える課題ではなく、大学としての取り組みが重要です。本学では、高大接続
のひとつとして、上記のような取り組みを行っています。とはいえ、関係者の
プレイスメントテストや入学準備学習プログラムへの関心が希薄なので、その
意義や新入生の気持ちに寄り添ったイベントへと進化させることが望まれます。


────────────────≪  books ≫─
■本の紹介 > 『データ分析の力』 伊藤公一朗(光文社新書)
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☆関連サイト:https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334039868

今回のお薦めは新書でありながら、サントリー学芸賞と日経・経済図書文化賞
をW受賞している本です。読みやすい新書なので、是非、一読をお勧めします。
ゼミ生にも春休み中に読んでほしい一冊です。中室牧子著『「原因と結果」の
経済学―データから真実を見抜く思考法』も併せてお薦めします。

この本のサブタイトルは「因果関係に迫る思考法」です。この本が売れる背景
として、情報社会への遷移がいよいよ次のステージに入ったことにあります。
現代では、経済活動のほとんどがコンピュータによる支援が関わっています。
処理の過程は数値化され、データは蓄積されます。いわゆる、ビックデータを
いかに扱うかという課題に企業は直面しています。たとえ、データはあっても
どのように分析してよいかわからないケースが増えています。この本は、意味
のある分析について分かりやすく書かれています。

特に、相関関係と因果関係の違いを理解するのにも良い本です。データ同士に
関係があっても、原因と結果を明確にさせることが重要です。経済政策が有効
かどうかは、まさに因果関係です。アメリカでは、すでにエビデンスベースド
(Evidence Based )の議論が一般的になっています。この本の第2章にある
オバマ大統領の選挙で使用された事例は、興味深い話題です。

RCT(ランダム化比較試験)については、15年以上前に教えてもらったことが
あります。アメリカでは教育研究として、Aグループはeラーニングでの授業、
Bグループでは用いず授業をし、比較結果を統計的な検証をして、初めて論文
となるということでした。また、実際の教育現場で、実験を兼ねた授業が日本
では許されるのか?という話も聞いたことがあります。また、アメリカへ留学
していた時、エビデンスに基づく議論は当たり前でした。

実は、自分もRCTの被験者になったことがあります。約6年前に、ピロリ菌の
除菌に関する治験に参加したことがあります。大学での健康診断の結果から
胃カメラでの精密検査を受けるよう指導があり、胃腸科で診てもらいました。
幸い異常は見当たりません(軽い慢性胃炎)でしたが、昔から養生している
ピロリ菌を指摘されました。その時、副院長から治験に誘われたので、この
ような機会も勉強かと思って受託しました。

まずは、胃カメラで状態を確認(自分の検査に加えて、2回目)です。次に
製薬会社の治験担当者から薬を渡され、しっかり説明を受けました。そして
投薬指導に従い、2週間きちんと飲んでいました。その後、どのような状態
になったかを胃カメラでチェックされます(3回目)。残念ながらこの治験
の結果は、除菌されないままでした。

1年後に、たまたま院長と話す機会があり、ピロリ除菌の話題になりました。
除菌のスケジュールなどを相談後、あの治験はどうだったのかと聞くことが
できました。「あれは胃に全く負担を与えない栄養剤です。」という答えに
唖然です。たしかに治験はRCTで行われるので、半数の介入グループにしか
実際に投薬されません。自分は投薬されない比較グループにいたのかと知る
ことができました。ただし、もう一方の介入グループだったとしても新薬が
効かなかった可能性もありえました。

今から考えると、真剣に除菌へ取り組んでいたので、我ながら模範的な治験
者だったと思います。単なる栄養剤を決められた時間や作法で飲んでいたと
思うと笑えてきます。


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■最近のゼミから > 経済学部卒業パーティの段
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☆関連サイト:

3月20日(火)に学位授与式が名古屋国際会議場にて挙行されました。あいにく
雨模様でしたが、ゼミの22期生が全員揃って、卒業できました。全員が卒業式
に出席できたのは久しぶりです。途中で音信不通になって留年したり、仕事の
関係で当日に出席できなかったり、自主的に欠席する変わり者などもいたり、
卒業予定者全員が揃うことが珍しくなっています。今回、学位記を同時に全員
へ手渡すことができて何よりです。

今回はいつものゼミ教室ではありませんでしたが、3年生の5名が卒業をお祝い
するために駆けつけてくれました。贈る言葉と一人ひとりへのプレゼントには
心が温まります。(写真や動画がFacebookのゼミページにアップされています
のでご確認ください。)クラブサークルではありますが、本学のゼミとしては
あまり見られない光景です。人と人のつながりを感じます。

さて、経済学部の卒業パーティは午後2時より金山のANAクラウンプラザホテル
で行われました。今回は地上28階の会場で大変眺望もよかったのが印象的です。
パーティの後半には恒例の抽選会がありました。今回は教員が賞品をチョイス
し、先生からのコメント後に抽選する当選者に渡すという趣向になりました。
見ていて面白かったのは、先生が選ぶ賞品のセンスと学生の反応です。

ちなみに児島が選んだのは、腕時計型の活動計です。予算が限られていたので
高機能までとはいきませんが、心拍数や活動量が測定でき、スマホのアプリで
管理できるものです。児島自身、昨年の7月から同じような活動計をいつも身に
つけています。記録されたデータによって自分自身の活動が可視化されます。
リアルタイムの心拍数、一日の歩数計、アクティブな活動時間、心拍数の推移
に加えて、睡眠時間とその質までチェックできます。腕時計の機能もあるので、
入浴シャワータイム以外は着けっぱなしです。

さて、プレゼンターとして抽選箱から当選番号を引くと、ゼミ生が大当たり!
いかさまという疑念が生じそうになるほど、引いた本人がビックリしています。
抽選会でかなり多くのゼミ生が賞品をゲットしました。(さすがに最高の賞品
であるニンテンドースイッチの当選は逃しましたが・・・裏話として先生方の
賞品はパーティ代またはそれ以上なので、当選者は完全に元が取れています。)
やはり頑張ってきたグループに神様は微笑むのかもしれません。


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■編□集□後□記□
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☆関連サイト:http://city-marathon.nagoya/

春の名古屋ウィメンズマラソンには裏イベントとして、名古屋シティマラソン
があります。今回、25年ぶりにエントリー(当時は秋の開催だったと思います)
し、クオーターですが無事に完走できました。参加者が多いので、ウィメンズ
のスタート後、ハーフ・クオーターがスタート。とはいえ、出走者が多すぎて
20分ほど経過してようやくスタート地点にたどり着きました。道中はコスプレ
など楽しんで走っている人たちもいるので、瑞穂運動場まで雑踏が続きです。
見慣れた街並みを走っていると、あっという間にゴールできました。

Facebookや出場リストを見ると、ゼミの卒業生も何人か参加しているようです。
もはや30代のようなアツい走りはできませんが、ゼミの皆でマラソンへ参加も
よいかもしれません。最近はゴルフのメンバも増えてきているので、スポーツ
で体力と健康を増進するとともに、コミュケーションを持つのもありかなぁと
思います。若い卒業生において行かれないように、コツコツとトレーニングを
積んでおきます。いつか一緒に走りましょう。


■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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