2017年2月7日火曜日

第131号(2017.02.07)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□─────────────────────────
■□□> コジマガ kojimag@    第131号
□───────────────────2017.02.07─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.131
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。

2017年になって初めてのコジマガです。節分も終わり、今年も1ヶ月以上が
経ちました。年明けには卒論指導や大学院の修論審査、学期末試験や入試が
あり、気忙しい日々が続きました。これから新年度を迎えるまでにも追試・
再試から卒業判定という教務事項、中期・後期の入試業務があります。また、
卒業関連では学位授与式と卒業パーティもあります。さらに教務部長の業務
として、全学のFD研修会やプレイスメントテストなどが控えています。

───────────────────────
■NGU短信 > 新学長決定の段
───────────────────────
☆関連サイト:

すでに新聞記事にもなりご存じの方もおられますが、次期学長が決まり
ました。現代社会学部の学部長の小林甲一教授です。これまで経済学部
で社会保障論を担当されていましたので、先生の授業を受けた卒業生も
多いかと思います。

木船学長時代の後半3年間で、教務部長として業務改善に着手しました。
取り組みの難易度はさまざまでしたが、一定の成果を残すことができた
と自負しています。任期も決まっていますので、その期間内での見通し
を立てて実行しました。それ故、特段のやり残しはないと思っています。

4月に新体制がスタートしますが、教務部長として留任することになり
ました。今回の続投はまさに青天の霹靂だったので、次年度に何をする
かが全く見えない状況です。戸惑いながら、さてどうしようかと思案を
重ねる日々が続きます。

────────────────≪  books ≫─
■本の紹介 > LIFE SHIFT
───────────────────────
☆関連サイト:https://store.toyokeizai.net/books/9784492533871/

『LIFE SHIFT(ライフ・シフト): 100年時代の人生戦略』(2016年)
リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット 、東洋経済新報社

この本の内容については、卒論指導のサブゼミで何度か紹介しました。
問題意識は「寿命が100歳まで伸びる時代でどのように生きるか」です。
最初に、寿命がいかに長くなっているかが、統計データや科学的な知見
を元に説明されています。確かに、日本の平均寿命は男性が80歳、女性
は87歳を超えています。30年前には100歳以上の高齢者は稀でしたが、
現在では6万人以上が100歳を超えています。

医学や健康科学が進歩し、スポーツや食生活でも健康的な生活に価値が
高まり、アンチエイジング関連の市場が広がっています。致死率が高い
病気も、早期発見技術やゲノム解析により、昔ほど恐れる病でなくなる
と予想されています。驚くべきは、今の20歳以下の世代は2人に1人が
100歳まで生きると主張している点です。自分が100歳まで生られると
誰が考えているでしょうか?ほとんどの人が、今の平均寿命(ピリオド
平均寿命)で考えると思います。コーホート平均寿命である100歳まで
生きられるならば、80歳からのさらなる20年間をどう過ごすべきかは
大きな課題となります。

すると2つの問題が出てきます。老後の生活資金と充実した毎日を送る
ための人間関係です。現在でも老後資金への備えを啓蒙していますが、
さらに20年伸びるのであれば、有形資産の蓄えは必要性は高まります。
経済的問題は解決できたとしても、時間の使い方、とりわけ生きがい
に気を配る必要が出てきます。家族や友人、仕事仲間などの人的関係
が重要で、これを無形の資産と呼んでいます。

一生を通じて、どのように有形資産と無形資産を形成すべきかを本で
は指南しています。これまでは、人生を教育(20代前半まで)、仕事
(60代半ばまで)、引退という3つのステージで考えてきました。
しかし、寿命の伸長や社会の変化によって従来の生き方では対応でき
ないとしています。先が見えない将来に対して、マルチステージでの
生き方をこの本は提言しています。

新しいステージには、エクスプローラー、インディペンデント・プロ
デューサー、ポートフォリオ・ワーカーが紹介されていますが、詳細
は本を参照ください。ここで気になったのは、エクスプローラーの訳
を探検家でなく、冒険者としています。将来への不安やリスクを考え
れば、訳者の選択である冒険者がぴったりきます。

読後の感想は、将来に不安を感じる反面、自分もあと50年も生きられる
のであれば、いろいろ挑戦できるという前向きな気持ちになりました。


───────────────────────
■最近のゼミから > 卒論指導の2極化の段
───────────────────────
☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/

卒論指導がほぼ終わりました。今年度の特徴は2極化だったといえます。
ほぼスケジュール通りに修了できた先行集団がいた反面、先の見通しや
自己管理が極めて甘く、かつ病気といった不意のアクシデントへの備え
が不十分で遅れてしまった集団に二分されました。結果として、昨年と
終了時期が同じになってしまいました。今年度は、全員が1月中に修了
できると大きな期待を持っていただけに、落胆も大きくなりました。

「はじめに」「おわりに」などの赤ペン指導の回数は延べ60回以上に
なりました。ただし、昔に比べてしんどさは激減しています。その理由
は3つあります。第1に、昨年から導入したFeedback用のルーブリック
で、よくあるミスの指摘を一人ひとりに記載する必要がなくなったこと
です。第2に、進度が2極化したため一度に大量の赤ペン指導がなくなり
ました。指導も急かされると精神的に疲れがたまりますが、そのような
事態がほぼなかったので質の高い個別指導ができたと思います。第3に、
ゼミ生のダメ出し能力がかなり向上したことです。先行したゼミ生への
ダメ出し指導内容が、遅れた学生の文章を添削するという実践を通じて
日本語能力が著しく向上しました。彼らのチェックにより、些末なミス
を指摘するケースが減り、本質的な論文指導ができました。その意味に
おいて、大きな成果があったように思います。

期限内にきっちり仕上げた卒業論文は論文集として製本され、卒業式
当日にお披露目できる予定です。巻頭言を付けていますので、併せて
読んでもらえればと思います。論文集は研究室に置いておきますので、
卒業後に大学へ訪問した際に見てもらうのもよいでしょう。


───────────────────────
■編□集□後□記□
───────────────────────

すでにFacebookで連絡されていますが、2月9日(木)に卒業予定の
4年生の追い出しコンパが開催されます。卒論が終わった直後なので、
この時期の追いコンもいいものです。3年生は先輩らの苦労話をよく
聞いて、早めに取り組んで欲しいと願っています。いつか年内に全員
がしっかりした卒論を提出してくれるのが目標です。やればできます。


■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
───────────────────────

0 件のコメント:

コメントを投稿