2012年5月21日月曜日

第91号(2012.05.21)


□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第91号
□───────────────────2012.05.21─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.091
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


今朝は金環食でした。凡人の想像を超えるようなスペクタクルに遭遇できて、
大変ラッキーでした。普段の日常生活では考えることのない太陽系の出来事
です。歴史で驚くのは、江戸時代に日食を予測できた天文学者がいたことです。
麻田剛立については鹿毛敏夫『月のえくぼを見た男』(くもん出版)をご一読
下さい。中学生の課題図書なので、とても読みやすいと思います。


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■NGU短信 > 「システム」から「サービス」への段
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☆関連サイト:http://blog.ngu.ac.jp/president/2012/05/ccs-1.html

大型連休中にCCS(キャンパスコミュニケーションシステム)のバージョン
アップ作業が行われ、2012年5月7日からCCS2.0が稼働しました。2002年から
スタートしたCCSは10年ぶり(!)に一新されました。これまで多くのGPを
獲得するなど高い評価を受けてきた情報ツールですが、今回の改変に併せて
名称をキャンパスコミュニケーションサービスへと変更しました。

「システム」は「系」という日本語に訳されます。以下は個人的な考えです
が、システムは決まった型の中に収まっているようなイメージを持ちます。
全体がうまく動作するようにいつも管理されて、ユーザもその要素のひとつ
として扱われているような感があります。一方、「サービス」はユーザ志向
が強く出ているような響きがあります。

CCSは学生を管理するためのツールではありません。CCSは教育ツールなので、
時にひとつの型にはめることも必要でしょうが、最終的な目的は個々の学生
の能力を伸ばすようなトータルサービスを展開することです。現在では、Web
サービスという用語もあるだけに、CCSをシステムよちもサービスとした方が
時代に適していると考えます。

実際、学生への支援サービスは強化されました。まず、ネット世代の学生へ
対応し、ユーザ画面が一新しました。また、時代を先取りした新機能も搭載
しています。これまで携帯電話へ授業スケジュール(教室)を毎朝配信して
いましたが、これは廃止しました。その理由は、学生が携帯の画面に従って、
教室へ向かうという状況が社会人基礎力に繋がらないからです。携帯依存性
が過剰になり、スケジュールを自ら管理する習慣がない学生が見られました。
その代わりにメールは「CCSニュース」へリニューアルし、授業連絡や必読
情報に加えて「今日は何の日」を毎日配信しています。「今日は何の日」は
キリスト教の暦や政治経済社会の事件を取り上げることから学生に社会への
関心を持たせるのが狙いです。これは経済学部で実施している「コア6+」の
教育コンテンツを利用しています。

CCSの科目ポータルでは、受講生の理解度を毎回調査できる機能が標準装備
になりました。さらに、スマートフォンから受講者の意見分布を確認できる
クリッカーアプリも開発しました。これは、教育GPの活動で構想・開発した
スマホ対応アプリです。クリッカーとは、みのもんた「クイズミリオネア」
でのオーディエンスと似たような機能で、大教室で教員が学生の意見分布を
知りたいときに利用できます。もちろん、以前のバージョンでも同様の機能
はパソコンで利用できましたが、クリッカーでどの教室からでも使えるよう
になりました。すでに、学生のスマホ所有率は50%を超えており、次年度は
80%以上に達する見込みです。

先日、CCSから学生にダウンロードさせました。このアプリはアンドロイド、
iOSの双方に対応していますが、スマホ所有者全員が何のトラブルもなく簡単
にインストールできました。そこで、以下のように試用してみました。まず
授業中、学生へ1~5の選択肢を板書や口頭で示し、教員はCCSで受付ボタンを
クリックします。次に、学生は専用アプリを起動して1~5の回答ボタンを押す
と、各学生の回答データはCCSへ送られます。その結果は、教員の画面で直ち
にグラフ化されました。

何てことのないアプリですが、学内の教育情報システムとスマホを連動させた
のは、おそらく世界初でしょう。まだまだ課題は多そうですが、新たな分野へ
のチャレンジなので、しばらく試行錯誤の日々が続きそうです。


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■最近のゼミ・講義から
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☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/menbers.html

3年ゼミが始まって、グループ発表も2回目に入りました。2年生からの
連続性がないので、ゼミ生は調査・発表で四苦八苦しているようです。先日、
卒業生が遊びに来てくれたので、彼らには良いアドバイスとともに、大きな
刺激になりました。

本来ならば、4月中に実施するはずの新歓コンパですが、5月末に開催する
運びになりました。今回は4年生がいないので、児島でマネジメントします。
すでにFacebookで日時の連絡はしていますが、具体的には下記のようになり
ました。OB・OGの参加を歓迎しますが、飛び込み参加はご遠慮下さい。理由
として、今回、学生の指導以外の負荷がかかっているので、計画以外の対応
が困難になるからです。ご理解の程、よろしくお願いします。

○今後のゼミ行事
 新歓コンパ
 日時: 5月31日(木) 19:00~
 場所: やきとり居酒屋しんちゃん 金山南店
     金山総合駅南口から徒歩3分、沢上交差点すぐ
     → 金山に3店舗を構えるので、要注意
 OB/OG参加はFacebookからお願いします。
 連絡の締切は、5月28日(月)です。

さて、新歓コンパが終われば、彼らも夏の合宿に向けて準備に入ります。


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■編□集□後□記□
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名古屋では932年ぶりの金環食だったそうです。その当時、金環食を見た
我々の祖先はどのように感じたのかに思いを馳せました。当時は、西暦
1080年ですので、大河ドラマ「平清盛」よりも以前の平安時代です。

学問の中でも天文学は古くから研究されていましたが、現代ほどの観測
技術がない時代です。一般の庶民が日食や月食の暦を正確に知ることは
ほぼありません。何の予備知識もなく、金環食に遭遇すれば、大騒ぎに
なったことでしょう。そして、自然への畏敬の念を強くしたと思います。

また、食が最大となっても夕闇のように暗くならなかったことが、今回
の体験で分かりました。太陽が月に隠されても、「少し暗いかなぁ」と
いう程度で、かなりの光度にビックリしました。あらためて、太陽光の
強さを認識しました。すなわち、当時の人でも気づかないままでいた人
もいたように想像します。

稀な自然現象が続いたり、加えて原因がわからなければ、人間は不安に
陥ります。この2年では東日本大震災もあったので、もし昔と同じ状況
だったならば、きっと人々は天変地異の噂をして、口づてに世界の終り
という流言飛語に怯えたことかも知れません。このような庶民の不安が
社会動乱・政情不安にもつながっていくのでしょう。

かつてのようにパニックにならないことは、科学技術の進歩がもたらす
ひとつの成果です。ただし、ブラック・スワンはどこにでもいて、想定
以上の規模となる現象については正確に予測できません。何事も過信は
禁物です。