□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□─────────────────────────
■□□> コジマガ kojimag@ 第144号
□───────────────────2018.11.10─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.144
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
収穫の秋です。春から育ててきた大切な作物を収穫できたことへ感謝する祭も
国や宗教を超えて行われます。アメリカのThanksgiving Dayも今月の第4木曜日
です。大学でも4年間の学修成果として、立派な卒業研究やしっかりとした卒業
論文を一人ひとりが取り組む時期であると思います。
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■NGU短信 > 「主体的な学び月間」の段
───────────────────────
今年度から新たに「主体的な学び月間」を設定しました。これは学生の自主的
な学びを大学として促進する取り組みです。秋学期は学生による発表会などの
学生が関わるイベントが多いため、全学へ取り組んでいることを周知していく
ことで、学生に興味や関心を与える機会としたいという趣旨で設置されました。
現在、各学部や部署で実施している情報を収集している段階です。
本学における教育の弱点としては、教員が一方的に教えてしまうことで学生が
主体的に学ぶ機会が少ないという点です。昔ながらのゼミは輪読という授業の
延長のような形態が主流で、ゼミ生数が多かったためにそのような指導法しか
できなかった事情もあります。また、ゼミでの飲み会や発表会・合宿・旅行と
いう点でも活発なゼミは少なかった印象です。ゼミのイベントは、必要以上に
手間がかかるので敬遠する先生も多かったのでしょう。こうした風潮が続いた
ために主体的な学びも進まなかったことは否めません。
教室で聞いているだけは学生の力はつきません。アクティブラーニングの効果
は、学生が互いに議論し教え合うことで、本当の力が身につくという点で注目
されています。とはいえ、この手法に対する理解が進んでいないのも現状です。
いまだに、大教室で外部講師を招聘して、普段では聞けない話を聞かせること
がよいことと思っている教員も少なくありません。聴衆を増やしたり、関心の
ある外部の人を集める目的で、公開授業とするのはいかがかと思います。本当
に学生のためになっているかは甚だ疑問です。
しかし、最近は積極的な活動のゼミが増えてきています。個々で頑張っている
学生もいるので、学修活動を学内へ見えるようにしたいと考えています。ゼミ
での発表会や研究サークルの活動などを応援し、またアクティブラーニングを
推進するために新た着手しました。例えば、主体的な学びとして経済学部では
卒業研究発表会があります。まちづくり提言コンペや名証株式投資コンテスト
も相当します。児島ゼミでは、サブゼミやゼミ内での発表会もあります。学情
センター4階のガラス張りのセミナールームは、学生たちの勉強に取り組む姿が
外からでもわかります。夜遅くまで自分たちで学習する習慣が常態化すれば、
他の学生らの姿勢も変わっていくかもしれません。ひいては本学に対する高い
評価につながる契機になることを期待しています。
────────────────≪ books ≫─
■本の紹介 > 『走ることについて語るときに僕の語ること』
───────────────────────
☆関連サイト:https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163695808
村上春樹,文藝春秋・文春文庫,2007年10月
最近、走ることが趣味の一つになり、この本と出合いました。村上春樹氏の
作品では『ノルウェイの森』や『1Q84』といった有名どころは読んでいます。
ハルキストではないので、彼について詳しいわけでありません。有名人です
から彼がノーベル文学賞の最有力候補であること、英語が堪能であることは
知っていました。しかし、ランナーであることは知りませんでした。
この本では、自分の経歴について語っているので、まさに自叙伝です。なぜ
走り始めたか、ランニングがどれだけ辛いのか、それでもなぜ続けるのか、
走っている気持ちが作家の独特な表現で描かれているので、マラソンレース
に出た経験がある人には、大変興味深く読めると思います。また、練習量や
達成タイムを知っていれば、彼の練習量が半端ではないこともわかります。
サロマ湖100㎞やトライアスロンにも挑戦した身体レベルを考えると生半可な
態度ではなく、真摯にマラソンに向き合ってきたことが分かります。
超一流の作家で多忙を極めているであろう人がいかに毎日の練習時間を確保
しているのか、そのタイムマネジメントや練習方法などにも興味が湧きます。
同じような人に山中伸弥さんもいます。京都大学教授でiPS細胞では世界の
第一人者で、誰もが知っているノーベル医学・生理学賞を受賞した先生です。
京都マラソンでの完走タイムは、普通のオジサンが適当に走って達成できる
レベルではありません。少なくとも毎日1時間のトレーニングは必要となる
はずです。どこからそのような時間を捻出しているか大変興味がわきます。
彼は莫大な費用が必要なiPS細胞研究の支援のために、自身が走ることでPR
に努めています。
二人の有名人から得られる教訓は、マネジメント能力です。人間として必ず
平等に与えらているのは1日24時間です。どのように使うかは本人次第です。
辛いトレーニングをルーティン化したり、強い意志で臨んでいるのかもしれ
ません。大きな仕事を成し遂げている人達なので、彼らの姿勢に見習うべき
点は多いと思われます。
マラソンを趣味とする高校時代の陸上部の友人にこの作品を紹介しました。
ストイックさに感動したと言って、大変感謝されました。友人の感動は共有
できます。彼が「走ることができるのは、本当にありがたいこと」と呟いた
のも、病気に悩まされている患者と常に接しているか医師だからでしょう。
元気であること、さらに走ることができるという健常者にとっては当たり前
のことに喜びを見い出しているのです。年齢を重ねると身体の衰えをいかに
受け入れるかという問題に直面します。病気になってから健康のありがたみ
に気づく人も多いでしょう。
小生は社会経済を研究対象とする者として、100年ライフへと社会が変わる
時に、家族や他人へ迷惑をかけることなく、いかに健康で過ごすかに関心が
あります。マクロ的には増加し続ける国の医療費を削減するため、高齢者が
元気で社会参加をするためには、健康寿命を延ばすことが何より重要と考え
ます。人類史上初めて超高齢社会を迎える日本にあって、環境問題と同じく
ひとり一人が自ら考えて取り組まなければならない問題だと思っています。
───────────────────────
■最近のゼミから > 卒業研究発表会の段
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次年度のゼミ募集が始まり、今年も経済学部と商学部でゼミのポスターが
2階の展示されました。児島ゼミのデザインはほぼ毎年同じですが、内容は
少しずつ変えています。今年は、卒業生が働いている企業のリスト(一部
のみ)を付け加えました。その効果があったかどうかはわかりませんが、
ありがたいことに、2年生・3年生のどちらとも1次・2次併せて定員以上の
応募がありました。次年度も志望者のやる気に応える指導をします。
さて、いよいよ卒業研究発表会が始まります。学内審査会は3年ゼミのある
4時限目からスタートになります。児島ゼミからの出場予定者は6名となり、
発表日と教室は以下の通りです。なお、ここで発表できない人も11月23日
までにはビデオ撮影を終えるよう、皆で協力して進めてください。
11月12日(月) 岩井(曙201)
11月13日(火) 鈴木大(曙201)
11月15日(木) 稲葉(曙202)・鈴木啓(曙201)
11月17日(金) 山本(曙301)・花村(曙302)
今年度の卒論指導で特筆すべきは、かなり順調に進めているゼミ生がいる
ことです。前回のコジマガで紹介した作成ペースより速く進んでいます。
10月中に中身のあるストーリーや結論もほぼ完成したので、Wordに入って
よいという指示を出しました。この調子が続けば、年内終了できるゼミ生
が数名現れるのではないかと期待しています。
何より嬉しいのは、最初に提示したペース(決して無理なスケジュールを
示した訳ではありませんが)で走り続ければ、必ずできることを実証して
くれたことです。多くの4年生がのんびり構えているだけに、やり抜く力
(Grit)の重要性を改めて認識しました。
さて、2年ゼミと3年ゼミでは、名証株式投資コンテストが中心です。最近、
世界的に株式市場は低調なので、大幅なキャピタルロスが生じ面白くない
と感じる学生が多いように思われます。とはいえ、常に政治経済ニュース
をチェックする習慣がつき始めているようで学修成果が顕著に見られます。
これまでのやらされ感から主体的に活動するように変化すれば大成功かと
思います。今回の卒論でAIの株価予測を実際のデータから検証するという
興味深い研究テーマを進めている4年生がいます。ゼミの2・3年生に対して
株式の仕組みや名証株式投資コンテストについて解説をしてもらいました。
教員が説明するよりも学生らの食いつきがあるように感じます。
6年ほど前から名証株式投資コンテストをゼミで取り入れました。ようやく
アクティブラーニングとして効果的な運用方法ができるようになりました。
単なるマネーゲームでなく、金融リテラシーだけでなく企業の業績や社会
に向き合う姿勢などを考えさせることができるようになりました。経済学
とキャリア教育を結び付けた内容にもなっているように思います。
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■編□集□後□記□
───────────────────────
名古屋証券取引所の方がゼミに来られました。名証株式投資コンテストの
ご担当なので、ゼミ生に証券や企業について簡単なお話をもらいました。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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コジマガ第144号を2018年11月10日に発行しました。
kojimag@ Vol.144の主な記事は・・・
■NGU短信 > 「主体的な学び月間」の段
■本の紹介 > 『走ることについて語るときに僕の語ること』
■最近のゼミから > 卒業研究発表会の段
などです。
2018年11月10日土曜日
2018年3月29日木曜日
第140号(2018.03.29)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@ 第140号
□───────────────────2018.03.29─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.140
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
いずれの職場にも、年度末で異動や退職という人がおられます。経済学部では
40年余り教鞭を執られた先生がお二人、定年を迎えました。ゼミ卒業生ならば
名城先生と藤井先生の授業を受けたのではないでしょうか。職員も異動があり、
去る人、来る人で新年度から再スタートとなります。昔から組織は、新陳代謝
を繰り返しながら発展していきます。
───────────────────────
■NGU短信 > プレイスメントテストの段
───────────────────────
☆関連サイト:https://www.youtube.com/user/NagoyaGakuinUniv/playlists
3月24日(金)に今春の入学予定者に対して、能力別クラス編成のための試験
「プレイスメントテスト」を実施しました。現在は、英語・日本語・情報の3
科目を行っています。この成績を元にして、教務課が1年次での必修クラスの
クラス分けを行います。進学率が上昇し、受験制度や機会が多様化したために
新入生の基礎学力という点でバラツキが広がっています。関連科目を既修した
者と未修者が同じ教室に混在していると、授業を受ける学生だけでなく、担当
する教員も対応に苦慮します。そこで、多くの大学がプレイスメントテストを
行い、能力に応じたクラス編成をしています。本学では10年以上も前から実施
しているので、プレイスメントテストの経験がある方も多いでしょう。
プレイスメントテストは入学以前の学生が対象なので、試験実施は学生支援課
(教育学習センター)が担当しています。小さな部署にもかかわらず、1500名
ほどの入学予定者を名古屋キャンパスに集めるという大きなイベントの運営を
しなければなりません。また、入試とは違ったケアが必要です。例えば、地方
会場入試やセンター利用入試での合格者は、初めて大学へ来ることになるので
不慣れです。さらに、一般入試でこれほど多くの受験生が一カ所に集まること
はありません。そこで、受験生を分散させるために、入試区分で午前と午後に
分けて試験を行っています。
午前は一般入試(センター試験入試を含む)や一般推薦の合格者で、午後の部
では、主にAO入試と指定校入試の合格者で、入学準備学習プログラムを受講者
を対象としています。午後は、入学準備学習プログラムの事後指導をするため
テストの終了後、全員をクラインホールに集めます。そこで、教務部長が入学
準備学習プログラムについて全員に話をします。なぜ入学準備の学習が必要か?
全体の取り組み状況と個人の成績票、これからの大学での学修に必要なことに
ついてデータで説明しました。ほぼ満席状態でしたが、知り合いが少ない状況
なので、静かに話を聞いてくれました。
また、テスト終了後に各受験会場で配布したチラシに基づき、クラブサークル
の紹介と履修要項ビデオクリップ(YoutubeのNGUチャンネル)を紹介しました。
折角、大学に来ているにもかかわらず、試験だけで帰宅するのでなく、新しい
キャンパスライフへの期待が膨らむような情報を提供する機会としました。
受験生の中には、不本意ながら入学する人もいるはずですので、少しでも興味
関心が湧くような話題を提供したいと考えています。プレイスメントテストで
来学することは、0回目の入学ガイダンスであり、最後のオープンキャンパスに
相当します。また、大学が入学生に与える第一印象という点で、このテストは
とても重要です。その割に、学内で重要性を共有できていないのが大きな課題
です。
現在、文部科学省は高大接続を大学・高校に求めています。これは入試だけで
扱える課題ではなく、大学としての取り組みが重要です。本学では、高大接続
のひとつとして、上記のような取り組みを行っています。とはいえ、関係者の
プレイスメントテストや入学準備学習プログラムへの関心が希薄なので、その
意義や新入生の気持ちに寄り添ったイベントへと進化させることが望まれます。
────────────────≪ books ≫─
■本の紹介 > 『データ分析の力』 伊藤公一朗(光文社新書)
───────────────────────
☆関連サイト:https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334039868
今回のお薦めは新書でありながら、サントリー学芸賞と日経・経済図書文化賞
をW受賞している本です。読みやすい新書なので、是非、一読をお勧めします。
ゼミ生にも春休み中に読んでほしい一冊です。中室牧子著『「原因と結果」の
経済学―データから真実を見抜く思考法』も併せてお薦めします。
この本のサブタイトルは「因果関係に迫る思考法」です。この本が売れる背景
として、情報社会への遷移がいよいよ次のステージに入ったことにあります。
現代では、経済活動のほとんどがコンピュータによる支援が関わっています。
処理の過程は数値化され、データは蓄積されます。いわゆる、ビックデータを
いかに扱うかという課題に企業は直面しています。たとえ、データはあっても
どのように分析してよいかわからないケースが増えています。この本は、意味
のある分析について分かりやすく書かれています。
特に、相関関係と因果関係の違いを理解するのにも良い本です。データ同士に
関係があっても、原因と結果を明確にさせることが重要です。経済政策が有効
かどうかは、まさに因果関係です。アメリカでは、すでにエビデンスベースド
(Evidence Based )の議論が一般的になっています。この本の第2章にある
オバマ大統領の選挙で使用された事例は、興味深い話題です。
RCT(ランダム化比較試験)については、15年以上前に教えてもらったことが
あります。アメリカでは教育研究として、Aグループはeラーニングでの授業、
Bグループでは用いず授業をし、比較結果を統計的な検証をして、初めて論文
となるということでした。また、実際の教育現場で、実験を兼ねた授業が日本
では許されるのか?という話も聞いたことがあります。また、アメリカへ留学
していた時、エビデンスに基づく議論は当たり前でした。
実は、自分もRCTの被験者になったことがあります。約6年前に、ピロリ菌の
除菌に関する治験に参加したことがあります。大学での健康診断の結果から
胃カメラでの精密検査を受けるよう指導があり、胃腸科で診てもらいました。
幸い異常は見当たりません(軽い慢性胃炎)でしたが、昔から養生している
ピロリ菌を指摘されました。その時、副院長から治験に誘われたので、この
ような機会も勉強かと思って受託しました。
まずは、胃カメラで状態を確認(自分の検査に加えて、2回目)です。次に
製薬会社の治験担当者から薬を渡され、しっかり説明を受けました。そして
投薬指導に従い、2週間きちんと飲んでいました。その後、どのような状態
になったかを胃カメラでチェックされます(3回目)。残念ながらこの治験
の結果は、除菌されないままでした。
1年後に、たまたま院長と話す機会があり、ピロリ除菌の話題になりました。
除菌のスケジュールなどを相談後、あの治験はどうだったのかと聞くことが
できました。「あれは胃に全く負担を与えない栄養剤です。」という答えに
唖然です。たしかに治験はRCTで行われるので、半数の介入グループにしか
実際に投薬されません。自分は投薬されない比較グループにいたのかと知る
ことができました。ただし、もう一方の介入グループだったとしても新薬が
効かなかった可能性もありえました。
今から考えると、真剣に除菌へ取り組んでいたので、我ながら模範的な治験
者だったと思います。単なる栄養剤を決められた時間や作法で飲んでいたと
思うと笑えてきます。
───────────────────────
■最近のゼミから > 経済学部卒業パーティの段
───────────────────────
☆関連サイト:
3月20日(火)に学位授与式が名古屋国際会議場にて挙行されました。あいにく
雨模様でしたが、ゼミの22期生が全員揃って、卒業できました。全員が卒業式
に出席できたのは久しぶりです。途中で音信不通になって留年したり、仕事の
関係で当日に出席できなかったり、自主的に欠席する変わり者などもいたり、
卒業予定者全員が揃うことが珍しくなっています。今回、学位記を同時に全員
へ手渡すことができて何よりです。
今回はいつものゼミ教室ではありませんでしたが、3年生の5名が卒業をお祝い
するために駆けつけてくれました。贈る言葉と一人ひとりへのプレゼントには
心が温まります。(写真や動画がFacebookのゼミページにアップされています
のでご確認ください。)クラブサークルではありますが、本学のゼミとしては
あまり見られない光景です。人と人のつながりを感じます。
さて、経済学部の卒業パーティは午後2時より金山のANAクラウンプラザホテル
で行われました。今回は地上28階の会場で大変眺望もよかったのが印象的です。
パーティの後半には恒例の抽選会がありました。今回は教員が賞品をチョイス
し、先生からのコメント後に抽選する当選者に渡すという趣向になりました。
見ていて面白かったのは、先生が選ぶ賞品のセンスと学生の反応です。
ちなみに児島が選んだのは、腕時計型の活動計です。予算が限られていたので
高機能までとはいきませんが、心拍数や活動量が測定でき、スマホのアプリで
管理できるものです。児島自身、昨年の7月から同じような活動計をいつも身に
つけています。記録されたデータによって自分自身の活動が可視化されます。
リアルタイムの心拍数、一日の歩数計、アクティブな活動時間、心拍数の推移
に加えて、睡眠時間とその質までチェックできます。腕時計の機能もあるので、
入浴シャワータイム以外は着けっぱなしです。
さて、プレゼンターとして抽選箱から当選番号を引くと、ゼミ生が大当たり!
いかさまという疑念が生じそうになるほど、引いた本人がビックリしています。
抽選会でかなり多くのゼミ生が賞品をゲットしました。(さすがに最高の賞品
であるニンテンドースイッチの当選は逃しましたが・・・裏話として先生方の
賞品はパーティ代またはそれ以上なので、当選者は完全に元が取れています。)
やはり頑張ってきたグループに神様は微笑むのかもしれません。
───────────────────────
■編□集□後□記□
───────────────────────
☆関連サイト:http://city-marathon.nagoya/
春の名古屋ウィメンズマラソンには裏イベントとして、名古屋シティマラソン
があります。今回、25年ぶりにエントリー(当時は秋の開催だったと思います)
し、クオーターですが無事に完走できました。参加者が多いので、ウィメンズ
のスタート後、ハーフ・クオーターがスタート。とはいえ、出走者が多すぎて
20分ほど経過してようやくスタート地点にたどり着きました。道中はコスプレ
など楽しんで走っている人たちもいるので、瑞穂運動場まで雑踏が続きです。
見慣れた街並みを走っていると、あっという間にゴールできました。
Facebookや出場リストを見ると、ゼミの卒業生も何人か参加しているようです。
もはや30代のようなアツい走りはできませんが、ゼミの皆でマラソンへ参加も
よいかもしれません。最近はゴルフのメンバも増えてきているので、スポーツ
で体力と健康を増進するとともに、コミュケーションを持つのもありかなぁと
思います。若い卒業生において行かれないように、コツコツとトレーニングを
積んでおきます。いつか一緒に走りましょう。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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■□□> コジマガ kojimag@ 第140号
□───────────────────2018.03.29─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.140
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
いずれの職場にも、年度末で異動や退職という人がおられます。経済学部では
40年余り教鞭を執られた先生がお二人、定年を迎えました。ゼミ卒業生ならば
名城先生と藤井先生の授業を受けたのではないでしょうか。職員も異動があり、
去る人、来る人で新年度から再スタートとなります。昔から組織は、新陳代謝
を繰り返しながら発展していきます。
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■NGU短信 > プレイスメントテストの段
───────────────────────
☆関連サイト:https://www.youtube.com/user/NagoyaGakuinUniv/playlists
3月24日(金)に今春の入学予定者に対して、能力別クラス編成のための試験
「プレイスメントテスト」を実施しました。現在は、英語・日本語・情報の3
科目を行っています。この成績を元にして、教務課が1年次での必修クラスの
クラス分けを行います。進学率が上昇し、受験制度や機会が多様化したために
新入生の基礎学力という点でバラツキが広がっています。関連科目を既修した
者と未修者が同じ教室に混在していると、授業を受ける学生だけでなく、担当
する教員も対応に苦慮します。そこで、多くの大学がプレイスメントテストを
行い、能力に応じたクラス編成をしています。本学では10年以上も前から実施
しているので、プレイスメントテストの経験がある方も多いでしょう。
プレイスメントテストは入学以前の学生が対象なので、試験実施は学生支援課
(教育学習センター)が担当しています。小さな部署にもかかわらず、1500名
ほどの入学予定者を名古屋キャンパスに集めるという大きなイベントの運営を
しなければなりません。また、入試とは違ったケアが必要です。例えば、地方
会場入試やセンター利用入試での合格者は、初めて大学へ来ることになるので
不慣れです。さらに、一般入試でこれほど多くの受験生が一カ所に集まること
はありません。そこで、受験生を分散させるために、入試区分で午前と午後に
分けて試験を行っています。
午前は一般入試(センター試験入試を含む)や一般推薦の合格者で、午後の部
では、主にAO入試と指定校入試の合格者で、入学準備学習プログラムを受講者
を対象としています。午後は、入学準備学習プログラムの事後指導をするため
テストの終了後、全員をクラインホールに集めます。そこで、教務部長が入学
準備学習プログラムについて全員に話をします。なぜ入学準備の学習が必要か?
全体の取り組み状況と個人の成績票、これからの大学での学修に必要なことに
ついてデータで説明しました。ほぼ満席状態でしたが、知り合いが少ない状況
なので、静かに話を聞いてくれました。
また、テスト終了後に各受験会場で配布したチラシに基づき、クラブサークル
の紹介と履修要項ビデオクリップ(YoutubeのNGUチャンネル)を紹介しました。
折角、大学に来ているにもかかわらず、試験だけで帰宅するのでなく、新しい
キャンパスライフへの期待が膨らむような情報を提供する機会としました。
受験生の中には、不本意ながら入学する人もいるはずですので、少しでも興味
関心が湧くような話題を提供したいと考えています。プレイスメントテストで
来学することは、0回目の入学ガイダンスであり、最後のオープンキャンパスに
相当します。また、大学が入学生に与える第一印象という点で、このテストは
とても重要です。その割に、学内で重要性を共有できていないのが大きな課題
です。
現在、文部科学省は高大接続を大学・高校に求めています。これは入試だけで
扱える課題ではなく、大学としての取り組みが重要です。本学では、高大接続
のひとつとして、上記のような取り組みを行っています。とはいえ、関係者の
プレイスメントテストや入学準備学習プログラムへの関心が希薄なので、その
意義や新入生の気持ちに寄り添ったイベントへと進化させることが望まれます。
────────────────≪ books ≫─
■本の紹介 > 『データ分析の力』 伊藤公一朗(光文社新書)
───────────────────────
☆関連サイト:https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334039868
今回のお薦めは新書でありながら、サントリー学芸賞と日経・経済図書文化賞
をW受賞している本です。読みやすい新書なので、是非、一読をお勧めします。
ゼミ生にも春休み中に読んでほしい一冊です。中室牧子著『「原因と結果」の
経済学―データから真実を見抜く思考法』も併せてお薦めします。
この本のサブタイトルは「因果関係に迫る思考法」です。この本が売れる背景
として、情報社会への遷移がいよいよ次のステージに入ったことにあります。
現代では、経済活動のほとんどがコンピュータによる支援が関わっています。
処理の過程は数値化され、データは蓄積されます。いわゆる、ビックデータを
いかに扱うかという課題に企業は直面しています。たとえ、データはあっても
どのように分析してよいかわからないケースが増えています。この本は、意味
のある分析について分かりやすく書かれています。
特に、相関関係と因果関係の違いを理解するのにも良い本です。データ同士に
関係があっても、原因と結果を明確にさせることが重要です。経済政策が有効
かどうかは、まさに因果関係です。アメリカでは、すでにエビデンスベースド
(Evidence Based )の議論が一般的になっています。この本の第2章にある
オバマ大統領の選挙で使用された事例は、興味深い話題です。
RCT(ランダム化比較試験)については、15年以上前に教えてもらったことが
あります。アメリカでは教育研究として、Aグループはeラーニングでの授業、
Bグループでは用いず授業をし、比較結果を統計的な検証をして、初めて論文
となるということでした。また、実際の教育現場で、実験を兼ねた授業が日本
では許されるのか?という話も聞いたことがあります。また、アメリカへ留学
していた時、エビデンスに基づく議論は当たり前でした。
実は、自分もRCTの被験者になったことがあります。約6年前に、ピロリ菌の
除菌に関する治験に参加したことがあります。大学での健康診断の結果から
胃カメラでの精密検査を受けるよう指導があり、胃腸科で診てもらいました。
幸い異常は見当たりません(軽い慢性胃炎)でしたが、昔から養生している
ピロリ菌を指摘されました。その時、副院長から治験に誘われたので、この
ような機会も勉強かと思って受託しました。
まずは、胃カメラで状態を確認(自分の検査に加えて、2回目)です。次に
製薬会社の治験担当者から薬を渡され、しっかり説明を受けました。そして
投薬指導に従い、2週間きちんと飲んでいました。その後、どのような状態
になったかを胃カメラでチェックされます(3回目)。残念ながらこの治験
の結果は、除菌されないままでした。
1年後に、たまたま院長と話す機会があり、ピロリ除菌の話題になりました。
除菌のスケジュールなどを相談後、あの治験はどうだったのかと聞くことが
できました。「あれは胃に全く負担を与えない栄養剤です。」という答えに
唖然です。たしかに治験はRCTで行われるので、半数の介入グループにしか
実際に投薬されません。自分は投薬されない比較グループにいたのかと知る
ことができました。ただし、もう一方の介入グループだったとしても新薬が
効かなかった可能性もありえました。
今から考えると、真剣に除菌へ取り組んでいたので、我ながら模範的な治験
者だったと思います。単なる栄養剤を決められた時間や作法で飲んでいたと
思うと笑えてきます。
───────────────────────
■最近のゼミから > 経済学部卒業パーティの段
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☆関連サイト:
3月20日(火)に学位授与式が名古屋国際会議場にて挙行されました。あいにく
雨模様でしたが、ゼミの22期生が全員揃って、卒業できました。全員が卒業式
に出席できたのは久しぶりです。途中で音信不通になって留年したり、仕事の
関係で当日に出席できなかったり、自主的に欠席する変わり者などもいたり、
卒業予定者全員が揃うことが珍しくなっています。今回、学位記を同時に全員
へ手渡すことができて何よりです。
今回はいつものゼミ教室ではありませんでしたが、3年生の5名が卒業をお祝い
するために駆けつけてくれました。贈る言葉と一人ひとりへのプレゼントには
心が温まります。(写真や動画がFacebookのゼミページにアップされています
のでご確認ください。)クラブサークルではありますが、本学のゼミとしては
あまり見られない光景です。人と人のつながりを感じます。
さて、経済学部の卒業パーティは午後2時より金山のANAクラウンプラザホテル
で行われました。今回は地上28階の会場で大変眺望もよかったのが印象的です。
パーティの後半には恒例の抽選会がありました。今回は教員が賞品をチョイス
し、先生からのコメント後に抽選する当選者に渡すという趣向になりました。
見ていて面白かったのは、先生が選ぶ賞品のセンスと学生の反応です。
ちなみに児島が選んだのは、腕時計型の活動計です。予算が限られていたので
高機能までとはいきませんが、心拍数や活動量が測定でき、スマホのアプリで
管理できるものです。児島自身、昨年の7月から同じような活動計をいつも身に
つけています。記録されたデータによって自分自身の活動が可視化されます。
リアルタイムの心拍数、一日の歩数計、アクティブな活動時間、心拍数の推移
に加えて、睡眠時間とその質までチェックできます。腕時計の機能もあるので、
入浴シャワータイム以外は着けっぱなしです。
さて、プレゼンターとして抽選箱から当選番号を引くと、ゼミ生が大当たり!
いかさまという疑念が生じそうになるほど、引いた本人がビックリしています。
抽選会でかなり多くのゼミ生が賞品をゲットしました。(さすがに最高の賞品
であるニンテンドースイッチの当選は逃しましたが・・・裏話として先生方の
賞品はパーティ代またはそれ以上なので、当選者は完全に元が取れています。)
やはり頑張ってきたグループに神様は微笑むのかもしれません。
───────────────────────
■編□集□後□記□
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☆関連サイト:http://city-marathon.nagoya/
春の名古屋ウィメンズマラソンには裏イベントとして、名古屋シティマラソン
があります。今回、25年ぶりにエントリー(当時は秋の開催だったと思います)
し、クオーターですが無事に完走できました。参加者が多いので、ウィメンズ
のスタート後、ハーフ・クオーターがスタート。とはいえ、出走者が多すぎて
20分ほど経過してようやくスタート地点にたどり着きました。道中はコスプレ
など楽しんで走っている人たちもいるので、瑞穂運動場まで雑踏が続きです。
見慣れた街並みを走っていると、あっという間にゴールできました。
Facebookや出場リストを見ると、ゼミの卒業生も何人か参加しているようです。
もはや30代のようなアツい走りはできませんが、ゼミの皆でマラソンへ参加も
よいかもしれません。最近はゴルフのメンバも増えてきているので、スポーツ
で体力と健康を増進するとともに、コミュケーションを持つのもありかなぁと
思います。若い卒業生において行かれないように、コツコツとトレーニングを
積んでおきます。いつか一緒に走りましょう。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
───────────────────────
2017年3月11日土曜日
第132号(2017.03.11)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□─────────────────────────
■□□> コジマガ kojimag@ 第132号
□───────────────────2017.03.11─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.132
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
今年度の学位授与式(卒業式)は3月21日(火)です。年末から卒論完成
まで、多くの時間を共有した4年生との再会を楽しみにしています。
───────────────────────
■NGU短信 > 豊明花卉での市場見学の段
───────────────────────
☆関連サイト:http://www.toyoake.or.jp
2月20日(月)にゼミ2期生の久野くんが勤務している豊明花卉(き)を
訪問しました。ゼミ1期生の梅村くんとともに見学させてもらい、朝早く
から花の市場取引を目にすることができました。昔のゼミでは、年1回程
の社会見学を実施していましたが、ここ数年はできずじまいです。どこか
至便な場所はないかと(中央卸売市場は大学の周辺にありますが・・・)
思っていました。豊明花卉は名鉄豊明駅の目の前にあり、交通至便です。
国道23号と1号線に囲まれ伊勢湾岸道豊明ICの横にあり、物流面で優位性
が高い場所です。
普段、観賞用の花の流通や市場価格を気にかけることは、関係者以外で
はないと思います。お花屋さんが直接、農家で買うと思っているゼミ生
もいました。また、教室での学びでなく、アクティブラーニングとして
地元の企業や業界を訪ねる機会も重要です。さらに、キャリア学習でも
関連する業界がいかに広いかという知識も必要です。もちろん、経済学
の中心テーマである市場の見学は、教室での学びと繋げる意味で貴重な
体験となります。
価格決定は経済学の市場メカニズムの肝です。実際の市場では、いかに
値段が決まるかが目に見えます。消費者に販売する買付業者(買い手)が
朝から市場に集まって、複数のレーンから流れてくる花々を品定めします。
通常のオークションでは最高価格で入札した人が購入します。これは一般
的な「せり上げ方式」(イングランド方式)です。しかし、大量の取引が
あり、時間が十分にかけれられない場合、「せり下げ」方式を採用します。
この方式はオランダ式のダッチオークションと呼ばれ、豊明花卉ではせり
下げによるオークション取引が見られます。
例えば、高価な胡蝶蘭が取引レーン流れてくると、20000円からスタート
し、瞬く間に価格が下がっていきます。1000円単位で下がるので見学者は
大きな下がりように少し面食らいます。きっと売り手と買い手には大体の
市場価格(均衡点)の範囲を知っているので、こうした動きになると思い
ます。花屋さんは希望価格でボタンで落札します。しかし、もっと下がる
まで待ち過ぎると他人に買われてしまいます。理論的には、誰からも入札
がなければ、価格が下がり続けて原価割れになってしまいます。現実には、
ある程度の下限価格で、市場の方が取引をストップします。限られた市場
参加者での長期的な取引なので、原価割れするような価格で無理に取引を
成立させる必要はありません。無理をすると、売り手はその市場へ出品を
避けるようになってしまいます。
理論的な話題は『オークションの人間行動学』(日経BP社)を参照して
ください。この本にも、オランダの花市場の事例が出ています。最近は、
ネットオークションが盛んなので、こうした研究も進んでいます。
現場の見学後、花業界に関する説明をしてもらいました。市場の参加者は、
550程の買い付け業者(花屋さん)とその10倍の販売者(農家)とのこと。
取引のピークは5月の母の日直前で、見学日の取引はピーク時の1/4程度だ
そうです。寒い2月や暑い8月は取引が少ないそうです。農作物と同様に花
は長期保管ができず、質やサイズとも全く同じ商品はありません。また、
生活必需品でなく奢侈財という性質もあります。すなわち、買い手は余裕
のあるときでないと購入しません。
説明を受けながら、花の市場で面白い研究テーマが見つかると感じました。
例えば、消費者が花を選ぶようになる方策は?消費大国のロシアや香港で
考える、といったテーマです。また、日本人がどのような機会や場所で花
を購入するか?花をもらった時の効用水準に関するアンケート調査もあり
でしょう。さらに、今後のICTでの取引(ネットやICタグでの管理、需要
予測、AIでの価格設定)はどのようになるか?といったテーマは市場関係
者から直接、話を聞くことができるので、中身の濃い研究ができるように
思います。
日本には、古来、生花や供花といった花を愛でる文化があります。しかし、
消費経済が最優先されたことで、花も商品としてしか考えられなくなった
のかも知れません。GDPでなく幸せを基準に経済活動を測るのであれば、
花の取引量は大きく寄与するすることになるでしょう。
────────────────≪ books ≫─
■本の紹介 > やり抜く力
───────────────────────
☆関連サイト:http://www.diamond.co.jp/book/9784478064801.html
『やり抜く力 GRIT』(2016年)
アンジェラ・ダックワース 、ダイヤモンド社
前号に引き続き、最近の話題となっている本を紹介します。本屋さんで
平積みになっているので、知っている方も多いと思います。本の主張は
「成功するのは、IQや才能ではなく、やり抜く力」です。これと反対の
視点で書いているのが、橘玲氏の『言ってはいけない』(新潮新書)と
思います。こちらもベストセラー本ですが、読んでも内容が腑に落ちず、
途中で読むのをやめました。
「やり抜く力」は「情熱」と「粘り強さ」の2つの要素でできていると
主張してします。児島ゼミのテーマが「好奇心と情熱」なので、親近感
を覚えます。ゼミとしては『やり抜く力』の主張を支持します。最近は
主にKindleで読書しており、気になった箇所はKindleのハイライト機能
を使っています。ハイライトした一部を以下に紹介します。
・大変なことをするには、「ルーティン」にまさる手段はない
・赤ちゃんや幼児は、失敗から学ぶことが苦にならない
・天職との出会いは、完成したものを見つけることではありません。
受け身の姿勢ではなく、自分から積極的に行動することが大事
・大学生でも楽観的な学生のほうが、成績がよく中退率が低かった
・どの調査においても「成長思考」と「やり抜く力」は比例する
・「成長思考」でいると、逆境を楽観的に受けとめられるようになり、
そのおかげで粘り強くなれる。
また、本の後半には「やり抜く力」を鍛えるくだりもあります。鍛錬法
にはグリットの高い集団に身を置くという提案があります。まとまりを
維持発展させるにはスローガンも必要であるそうです。児島ゼミの理想
は、一生涯に渡って志を高く持ち続ける集団です。「好奇心と情熱」を
積極的に使っていくべきかとも思いました。
なお、この本はTEDでの6分間のプレゼン後に書かれたそうです。興味
のある方は、まずネットでTEDをご覧ください。著者の風貌や話し方
が伝わりますので、読みやすくなるかもしれません。
───────────────────────
■最近のゼミから > ゼミでの「やり抜く力」の段
───────────────────────
私事で恐縮ですが、昨秋の10月から早朝のジョギングを始めています。
ちょうど4年生が卒論に着手した時期です。卒論作成は、ルーティンの
作業にしたり、皆で取り組むことから辛い時期を乗り切るように指導
していました。彼らに言うだけでなく、自分でも新たに困難なことを
やってみると説得力は増すかもと思いたちました。
昔、ジョギングで膝を痛めた経験があり、正直、続ける自信はゼロ。
朝の寒さが厳しくなるだけに諦めるのは時間の問題と思っていました。
そこで、自分の弱さを克服するための対策をとりました。周囲の人に
宣言する、スマホアプリの活用で成果を目に見えるようにする、無理
をしないでしんどい時は歩く、雨や体調不良の日は走らない、生活の
ルーティンなので必要以上に努力をしない、などです。
お陰で、体を痛めることもなく、5ヶ月以上週3日以上のペースで継続
できています。また、目に見える成果(筋力・スピードなど)がでて
います。毎日30分程度ですが、続けることの重要性に改めて気づいた
次第です。前号の『LIFE SHIFT』での主張する100年ライフを健康に
生き抜くために、また、不健康から周りに迷惑をかけなることのない
よう、自分の体調管理を目標にしておきたいと思います。
───────────────────────
■編□集□後□記□
───────────────────────
☆関連サイト:http://kojimag.blogspot.jp/2011/03/7320110330.html
ちょうど6年前に東日本大震災がありました。その時、アメリカ留学
でしたが、第一報を聞いた時のショックは、今でもはっきりと脳裏
に焼き付いています。当時のコジマガ(ブログ)を読み返すと自分が
どのように考えていたかを再認識できます。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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□─────────────────────────
■□□> コジマガ kojimag@ 第132号
□───────────────────2017.03.11─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.132
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
今年度の学位授与式(卒業式)は3月21日(火)です。年末から卒論完成
まで、多くの時間を共有した4年生との再会を楽しみにしています。
───────────────────────
■NGU短信 > 豊明花卉での市場見学の段
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☆関連サイト:http://www.toyoake.or.jp
2月20日(月)にゼミ2期生の久野くんが勤務している豊明花卉(き)を
訪問しました。ゼミ1期生の梅村くんとともに見学させてもらい、朝早く
から花の市場取引を目にすることができました。昔のゼミでは、年1回程
の社会見学を実施していましたが、ここ数年はできずじまいです。どこか
至便な場所はないかと(中央卸売市場は大学の周辺にありますが・・・)
思っていました。豊明花卉は名鉄豊明駅の目の前にあり、交通至便です。
国道23号と1号線に囲まれ伊勢湾岸道豊明ICの横にあり、物流面で優位性
が高い場所です。
普段、観賞用の花の流通や市場価格を気にかけることは、関係者以外で
はないと思います。お花屋さんが直接、農家で買うと思っているゼミ生
もいました。また、教室での学びでなく、アクティブラーニングとして
地元の企業や業界を訪ねる機会も重要です。さらに、キャリア学習でも
関連する業界がいかに広いかという知識も必要です。もちろん、経済学
の中心テーマである市場の見学は、教室での学びと繋げる意味で貴重な
体験となります。
価格決定は経済学の市場メカニズムの肝です。実際の市場では、いかに
値段が決まるかが目に見えます。消費者に販売する買付業者(買い手)が
朝から市場に集まって、複数のレーンから流れてくる花々を品定めします。
通常のオークションでは最高価格で入札した人が購入します。これは一般
的な「せり上げ方式」(イングランド方式)です。しかし、大量の取引が
あり、時間が十分にかけれられない場合、「せり下げ」方式を採用します。
この方式はオランダ式のダッチオークションと呼ばれ、豊明花卉ではせり
下げによるオークション取引が見られます。
例えば、高価な胡蝶蘭が取引レーン流れてくると、20000円からスタート
し、瞬く間に価格が下がっていきます。1000円単位で下がるので見学者は
大きな下がりように少し面食らいます。きっと売り手と買い手には大体の
市場価格(均衡点)の範囲を知っているので、こうした動きになると思い
ます。花屋さんは希望価格でボタンで落札します。しかし、もっと下がる
まで待ち過ぎると他人に買われてしまいます。理論的には、誰からも入札
がなければ、価格が下がり続けて原価割れになってしまいます。現実には、
ある程度の下限価格で、市場の方が取引をストップします。限られた市場
参加者での長期的な取引なので、原価割れするような価格で無理に取引を
成立させる必要はありません。無理をすると、売り手はその市場へ出品を
避けるようになってしまいます。
理論的な話題は『オークションの人間行動学』(日経BP社)を参照して
ください。この本にも、オランダの花市場の事例が出ています。最近は、
ネットオークションが盛んなので、こうした研究も進んでいます。
現場の見学後、花業界に関する説明をしてもらいました。市場の参加者は、
550程の買い付け業者(花屋さん)とその10倍の販売者(農家)とのこと。
取引のピークは5月の母の日直前で、見学日の取引はピーク時の1/4程度だ
そうです。寒い2月や暑い8月は取引が少ないそうです。農作物と同様に花
は長期保管ができず、質やサイズとも全く同じ商品はありません。また、
生活必需品でなく奢侈財という性質もあります。すなわち、買い手は余裕
のあるときでないと購入しません。
説明を受けながら、花の市場で面白い研究テーマが見つかると感じました。
例えば、消費者が花を選ぶようになる方策は?消費大国のロシアや香港で
考える、といったテーマです。また、日本人がどのような機会や場所で花
を購入するか?花をもらった時の効用水準に関するアンケート調査もあり
でしょう。さらに、今後のICTでの取引(ネットやICタグでの管理、需要
予測、AIでの価格設定)はどのようになるか?といったテーマは市場関係
者から直接、話を聞くことができるので、中身の濃い研究ができるように
思います。
日本には、古来、生花や供花といった花を愛でる文化があります。しかし、
消費経済が最優先されたことで、花も商品としてしか考えられなくなった
のかも知れません。GDPでなく幸せを基準に経済活動を測るのであれば、
花の取引量は大きく寄与するすることになるでしょう。
────────────────≪ books ≫─
■本の紹介 > やり抜く力
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☆関連サイト:http://www.diamond.co.jp/book/9784478064801.html
『やり抜く力 GRIT』(2016年)
アンジェラ・ダックワース 、ダイヤモンド社
前号に引き続き、最近の話題となっている本を紹介します。本屋さんで
平積みになっているので、知っている方も多いと思います。本の主張は
「成功するのは、IQや才能ではなく、やり抜く力」です。これと反対の
視点で書いているのが、橘玲氏の『言ってはいけない』(新潮新書)と
思います。こちらもベストセラー本ですが、読んでも内容が腑に落ちず、
途中で読むのをやめました。
「やり抜く力」は「情熱」と「粘り強さ」の2つの要素でできていると
主張してします。児島ゼミのテーマが「好奇心と情熱」なので、親近感
を覚えます。ゼミとしては『やり抜く力』の主張を支持します。最近は
主にKindleで読書しており、気になった箇所はKindleのハイライト機能
を使っています。ハイライトした一部を以下に紹介します。
・大変なことをするには、「ルーティン」にまさる手段はない
・赤ちゃんや幼児は、失敗から学ぶことが苦にならない
・天職との出会いは、完成したものを見つけることではありません。
受け身の姿勢ではなく、自分から積極的に行動することが大事
・大学生でも楽観的な学生のほうが、成績がよく中退率が低かった
・どの調査においても「成長思考」と「やり抜く力」は比例する
・「成長思考」でいると、逆境を楽観的に受けとめられるようになり、
そのおかげで粘り強くなれる。
また、本の後半には「やり抜く力」を鍛えるくだりもあります。鍛錬法
にはグリットの高い集団に身を置くという提案があります。まとまりを
維持発展させるにはスローガンも必要であるそうです。児島ゼミの理想
は、一生涯に渡って志を高く持ち続ける集団です。「好奇心と情熱」を
積極的に使っていくべきかとも思いました。
なお、この本はTEDでの6分間のプレゼン後に書かれたそうです。興味
のある方は、まずネットでTEDをご覧ください。著者の風貌や話し方
が伝わりますので、読みやすくなるかもしれません。
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■最近のゼミから > ゼミでの「やり抜く力」の段
───────────────────────
私事で恐縮ですが、昨秋の10月から早朝のジョギングを始めています。
ちょうど4年生が卒論に着手した時期です。卒論作成は、ルーティンの
作業にしたり、皆で取り組むことから辛い時期を乗り切るように指導
していました。彼らに言うだけでなく、自分でも新たに困難なことを
やってみると説得力は増すかもと思いたちました。
昔、ジョギングで膝を痛めた経験があり、正直、続ける自信はゼロ。
朝の寒さが厳しくなるだけに諦めるのは時間の問題と思っていました。
そこで、自分の弱さを克服するための対策をとりました。周囲の人に
宣言する、スマホアプリの活用で成果を目に見えるようにする、無理
をしないでしんどい時は歩く、雨や体調不良の日は走らない、生活の
ルーティンなので必要以上に努力をしない、などです。
お陰で、体を痛めることもなく、5ヶ月以上週3日以上のペースで継続
できています。また、目に見える成果(筋力・スピードなど)がでて
います。毎日30分程度ですが、続けることの重要性に改めて気づいた
次第です。前号の『LIFE SHIFT』での主張する100年ライフを健康に
生き抜くために、また、不健康から周りに迷惑をかけなることのない
よう、自分の体調管理を目標にしておきたいと思います。
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■編□集□後□記□
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☆関連サイト:http://kojimag.blogspot.jp/2011/03/7320110330.html
ちょうど6年前に東日本大震災がありました。その時、アメリカ留学
でしたが、第一報を聞いた時のショックは、今でもはっきりと脳裏
に焼き付いています。当時のコジマガ(ブログ)を読み返すと自分が
どのように考えていたかを再認識できます。
■コジマガ・バックナンバー
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2017年2月7日火曜日
第131号(2017.02.07)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□─────────────────────────
■□□> コジマガ kojimag@ 第131号
□───────────────────2017.02.07─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.131
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
2017年になって初めてのコジマガです。節分も終わり、今年も1ヶ月以上が
経ちました。年明けには卒論指導や大学院の修論審査、学期末試験や入試が
あり、気忙しい日々が続きました。これから新年度を迎えるまでにも追試・
再試から卒業判定という教務事項、中期・後期の入試業務があります。また、
卒業関連では学位授与式と卒業パーティもあります。さらに教務部長の業務
として、全学のFD研修会やプレイスメントテストなどが控えています。
───────────────────────
■NGU短信 > 新学長決定の段
───────────────────────
☆関連サイト:
すでに新聞記事にもなりご存じの方もおられますが、次期学長が決まり
ました。現代社会学部の学部長の小林甲一教授です。これまで経済学部
で社会保障論を担当されていましたので、先生の授業を受けた卒業生も
多いかと思います。
木船学長時代の後半3年間で、教務部長として業務改善に着手しました。
取り組みの難易度はさまざまでしたが、一定の成果を残すことができた
と自負しています。任期も決まっていますので、その期間内での見通し
を立てて実行しました。それ故、特段のやり残しはないと思っています。
4月に新体制がスタートしますが、教務部長として留任することになり
ました。今回の続投はまさに青天の霹靂だったので、次年度に何をする
かが全く見えない状況です。戸惑いながら、さてどうしようかと思案を
重ねる日々が続きます。
────────────────≪ books ≫─
■本の紹介 > LIFE SHIFT
───────────────────────
☆関連サイト:https://store.toyokeizai.net/books/9784492533871/
『LIFE SHIFT(ライフ・シフト): 100年時代の人生戦略』(2016年)
リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット 、東洋経済新報社
この本の内容については、卒論指導のサブゼミで何度か紹介しました。
問題意識は「寿命が100歳まで伸びる時代でどのように生きるか」です。
最初に、寿命がいかに長くなっているかが、統計データや科学的な知見
を元に説明されています。確かに、日本の平均寿命は男性が80歳、女性
は87歳を超えています。30年前には100歳以上の高齢者は稀でしたが、
現在では6万人以上が100歳を超えています。
医学や健康科学が進歩し、スポーツや食生活でも健康的な生活に価値が
高まり、アンチエイジング関連の市場が広がっています。致死率が高い
病気も、早期発見技術やゲノム解析により、昔ほど恐れる病でなくなる
と予想されています。驚くべきは、今の20歳以下の世代は2人に1人が
100歳まで生きると主張している点です。自分が100歳まで生られると
誰が考えているでしょうか?ほとんどの人が、今の平均寿命(ピリオド
平均寿命)で考えると思います。コーホート平均寿命である100歳まで
生きられるならば、80歳からのさらなる20年間をどう過ごすべきかは
大きな課題となります。
すると2つの問題が出てきます。老後の生活資金と充実した毎日を送る
ための人間関係です。現在でも老後資金への備えを啓蒙していますが、
さらに20年伸びるのであれば、有形資産の蓄えは必要性は高まります。
経済的問題は解決できたとしても、時間の使い方、とりわけ生きがい
に気を配る必要が出てきます。家族や友人、仕事仲間などの人的関係
が重要で、これを無形の資産と呼んでいます。
一生を通じて、どのように有形資産と無形資産を形成すべきかを本で
は指南しています。これまでは、人生を教育(20代前半まで)、仕事
(60代半ばまで)、引退という3つのステージで考えてきました。
しかし、寿命の伸長や社会の変化によって従来の生き方では対応でき
ないとしています。先が見えない将来に対して、マルチステージでの
生き方をこの本は提言しています。
新しいステージには、エクスプローラー、インディペンデント・プロ
デューサー、ポートフォリオ・ワーカーが紹介されていますが、詳細
は本を参照ください。ここで気になったのは、エクスプローラーの訳
を探検家でなく、冒険者としています。将来への不安やリスクを考え
れば、訳者の選択である冒険者がぴったりきます。
読後の感想は、将来に不安を感じる反面、自分もあと50年も生きられる
のであれば、いろいろ挑戦できるという前向きな気持ちになりました。
───────────────────────
■最近のゼミから > 卒論指導の2極化の段
───────────────────────
☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/
卒論指導がほぼ終わりました。今年度の特徴は2極化だったといえます。
ほぼスケジュール通りに修了できた先行集団がいた反面、先の見通しや
自己管理が極めて甘く、かつ病気といった不意のアクシデントへの備え
が不十分で遅れてしまった集団に二分されました。結果として、昨年と
終了時期が同じになってしまいました。今年度は、全員が1月中に修了
できると大きな期待を持っていただけに、落胆も大きくなりました。
「はじめに」「おわりに」などの赤ペン指導の回数は延べ60回以上に
なりました。ただし、昔に比べてしんどさは激減しています。その理由
は3つあります。第1に、昨年から導入したFeedback用のルーブリック
で、よくあるミスの指摘を一人ひとりに記載する必要がなくなったこと
です。第2に、進度が2極化したため一度に大量の赤ペン指導がなくなり
ました。指導も急かされると精神的に疲れがたまりますが、そのような
事態がほぼなかったので質の高い個別指導ができたと思います。第3に、
ゼミ生のダメ出し能力がかなり向上したことです。先行したゼミ生への
ダメ出し指導内容が、遅れた学生の文章を添削するという実践を通じて
日本語能力が著しく向上しました。彼らのチェックにより、些末なミス
を指摘するケースが減り、本質的な論文指導ができました。その意味に
おいて、大きな成果があったように思います。
期限内にきっちり仕上げた卒業論文は論文集として製本され、卒業式
当日にお披露目できる予定です。巻頭言を付けていますので、併せて
読んでもらえればと思います。論文集は研究室に置いておきますので、
卒業後に大学へ訪問した際に見てもらうのもよいでしょう。
───────────────────────
■編□集□後□記□
───────────────────────
すでにFacebookで連絡されていますが、2月9日(木)に卒業予定の
4年生の追い出しコンパが開催されます。卒論が終わった直後なので、
この時期の追いコンもいいものです。3年生は先輩らの苦労話をよく
聞いて、早めに取り組んで欲しいと願っています。いつか年内に全員
がしっかりした卒論を提出してくれるのが目標です。やればできます。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
───────────────────────
□─────────────────────────
■□□> コジマガ kojimag@ 第131号
□───────────────────2017.02.07─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.131
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
2017年になって初めてのコジマガです。節分も終わり、今年も1ヶ月以上が
経ちました。年明けには卒論指導や大学院の修論審査、学期末試験や入試が
あり、気忙しい日々が続きました。これから新年度を迎えるまでにも追試・
再試から卒業判定という教務事項、中期・後期の入試業務があります。また、
卒業関連では学位授与式と卒業パーティもあります。さらに教務部長の業務
として、全学のFD研修会やプレイスメントテストなどが控えています。
───────────────────────
■NGU短信 > 新学長決定の段
───────────────────────
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すでに新聞記事にもなりご存じの方もおられますが、次期学長が決まり
ました。現代社会学部の学部長の小林甲一教授です。これまで経済学部
で社会保障論を担当されていましたので、先生の授業を受けた卒業生も
多いかと思います。
木船学長時代の後半3年間で、教務部長として業務改善に着手しました。
取り組みの難易度はさまざまでしたが、一定の成果を残すことができた
と自負しています。任期も決まっていますので、その期間内での見通し
を立てて実行しました。それ故、特段のやり残しはないと思っています。
4月に新体制がスタートしますが、教務部長として留任することになり
ました。今回の続投はまさに青天の霹靂だったので、次年度に何をする
かが全く見えない状況です。戸惑いながら、さてどうしようかと思案を
重ねる日々が続きます。
────────────────≪ books ≫─
■本の紹介 > LIFE SHIFT
───────────────────────
☆関連サイト:https://store.toyokeizai.net/books/9784492533871/
『LIFE SHIFT(ライフ・シフト): 100年時代の人生戦略』(2016年)
リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット 、東洋経済新報社
この本の内容については、卒論指導のサブゼミで何度か紹介しました。
問題意識は「寿命が100歳まで伸びる時代でどのように生きるか」です。
最初に、寿命がいかに長くなっているかが、統計データや科学的な知見
を元に説明されています。確かに、日本の平均寿命は男性が80歳、女性
は87歳を超えています。30年前には100歳以上の高齢者は稀でしたが、
現在では6万人以上が100歳を超えています。
医学や健康科学が進歩し、スポーツや食生活でも健康的な生活に価値が
高まり、アンチエイジング関連の市場が広がっています。致死率が高い
病気も、早期発見技術やゲノム解析により、昔ほど恐れる病でなくなる
と予想されています。驚くべきは、今の20歳以下の世代は2人に1人が
100歳まで生きると主張している点です。自分が100歳まで生られると
誰が考えているでしょうか?ほとんどの人が、今の平均寿命(ピリオド
平均寿命)で考えると思います。コーホート平均寿命である100歳まで
生きられるならば、80歳からのさらなる20年間をどう過ごすべきかは
大きな課題となります。
すると2つの問題が出てきます。老後の生活資金と充実した毎日を送る
ための人間関係です。現在でも老後資金への備えを啓蒙していますが、
さらに20年伸びるのであれば、有形資産の蓄えは必要性は高まります。
経済的問題は解決できたとしても、時間の使い方、とりわけ生きがい
に気を配る必要が出てきます。家族や友人、仕事仲間などの人的関係
が重要で、これを無形の資産と呼んでいます。
一生を通じて、どのように有形資産と無形資産を形成すべきかを本で
は指南しています。これまでは、人生を教育(20代前半まで)、仕事
(60代半ばまで)、引退という3つのステージで考えてきました。
しかし、寿命の伸長や社会の変化によって従来の生き方では対応でき
ないとしています。先が見えない将来に対して、マルチステージでの
生き方をこの本は提言しています。
新しいステージには、エクスプローラー、インディペンデント・プロ
デューサー、ポートフォリオ・ワーカーが紹介されていますが、詳細
は本を参照ください。ここで気になったのは、エクスプローラーの訳
を探検家でなく、冒険者としています。将来への不安やリスクを考え
れば、訳者の選択である冒険者がぴったりきます。
読後の感想は、将来に不安を感じる反面、自分もあと50年も生きられる
のであれば、いろいろ挑戦できるという前向きな気持ちになりました。
───────────────────────
■最近のゼミから > 卒論指導の2極化の段
───────────────────────
☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/
卒論指導がほぼ終わりました。今年度の特徴は2極化だったといえます。
ほぼスケジュール通りに修了できた先行集団がいた反面、先の見通しや
自己管理が極めて甘く、かつ病気といった不意のアクシデントへの備え
が不十分で遅れてしまった集団に二分されました。結果として、昨年と
終了時期が同じになってしまいました。今年度は、全員が1月中に修了
できると大きな期待を持っていただけに、落胆も大きくなりました。
「はじめに」「おわりに」などの赤ペン指導の回数は延べ60回以上に
なりました。ただし、昔に比べてしんどさは激減しています。その理由
は3つあります。第1に、昨年から導入したFeedback用のルーブリック
で、よくあるミスの指摘を一人ひとりに記載する必要がなくなったこと
です。第2に、進度が2極化したため一度に大量の赤ペン指導がなくなり
ました。指導も急かされると精神的に疲れがたまりますが、そのような
事態がほぼなかったので質の高い個別指導ができたと思います。第3に、
ゼミ生のダメ出し能力がかなり向上したことです。先行したゼミ生への
ダメ出し指導内容が、遅れた学生の文章を添削するという実践を通じて
日本語能力が著しく向上しました。彼らのチェックにより、些末なミス
を指摘するケースが減り、本質的な論文指導ができました。その意味に
おいて、大きな成果があったように思います。
期限内にきっちり仕上げた卒業論文は論文集として製本され、卒業式
当日にお披露目できる予定です。巻頭言を付けていますので、併せて
読んでもらえればと思います。論文集は研究室に置いておきますので、
卒業後に大学へ訪問した際に見てもらうのもよいでしょう。
───────────────────────
■編□集□後□記□
───────────────────────
すでにFacebookで連絡されていますが、2月9日(木)に卒業予定の
4年生の追い出しコンパが開催されます。卒論が終わった直後なので、
この時期の追いコンもいいものです。3年生は先輩らの苦労話をよく
聞いて、早めに取り組んで欲しいと願っています。いつか年内に全員
がしっかりした卒論を提出してくれるのが目標です。やればできます。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
───────────────────────
2016年7月20日水曜日
第126号(2016.07.20)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□─────────────────────────
■□□> コジマガ kojimag@ 第126号
□───────────────────2016.07.20─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.126
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
今年の海の日(7/18)も大学は授業営業日で、名古屋港では花火が上がりました。
まるで日を合わせたかのように、東海地方で梅雨が開けました。本格的な夏の訪れ
で、いよいよ大学にも学期末が来たことが感じさせられます。
さて、不思議なもので卒業生の来訪が続く時期があります。大学には5月11日から
大学4営業日連続で、高田くん、上野くん、曽我くん、志知くんが来てくれました。
また、その週末には東京より奥田くんが訪ねてきてくれました。いずれの卒業生も
わずかな時間でしたが、いろいろな話を聞かせてもらいました。一人ひとりが自分
らしい人生を生き抜いており、大変嬉しく思いました。不透明な世の中をどう生き
てゆくか?人の真似もできない、答えのない一番難しい問題です。
───────────────────────
■NGU短信 > 授業アンケート全面CCS化の段
───────────────────────
☆関連サイト:http://kojimag.blogspot.jp/2015_12_01_archive.html
コジマガ122号で紹介したCCSを活用した授業アンケートを、今年度から全面的に
CCSで実施しました。同時に、従来の紙での回答用紙を廃止しました。そのお陰で、
終了日翌日にアンケート結果を教員側に提示できるようになりました。学期内に
授業は3回あるので、アンケート結果を教員から学生へフィードバックできます。
また、大学の限界費用はゼロで実施科目を増やすことに成功しました。今学期は
全学で1,353科目が開講されており、授業アンケートは全科目を対象としました。
ただし、10名以下の少人数科目やリレー科目・再履修クラスなどは除外しました。
結果として、全体で1107科目という過去最多の実施科目になりました。
さらに、受講生からの全回答数は3万件を超え、これも最多記録を更新しました。
学生の協力には本当に感謝です。学生には基本的に授業時間内でスマートフォン
から回答してもらいます。スマートフォンがない場合には、大学が配付している
ノートパソコンや学術情報センターや図書館で、パソコンから時間外に回答して
もらうという対応をしています。名古屋キャンパスでは学内教室にも無線LANが
整備されているので、アクセシビリティには問題ありませんが、大教室では同時
接続で支障が出るケースもあります。混雑時には公衆回線からのアクセスを回避
策としてお願いしています。
紙からWebへ切り替えたことで極めて大きな成果が得られました。ただし、1科目
でも紙での回答方式を残すと全体へ結果の返却がかなり遅れます。従来の方式を
好む人を犠牲にする側面があるだけに、導入には慎重を期してきました。飛躍的
なステップアップには「光と影」があり、全員が喜ぶわけではありません。特に、
イノベーティブな制度変更には様々な軋轢を生みます。そのようなことを減らす
ために、完全実施までに1年間をかけて試行し、組織的な手続きもきちんと進め
てきました。それでも炎上という状況になることもあります。
革新的な製品やサービスを受け入れる態度は人によって異なる理論については、
M.ロジャーズの名著『イノベーションの普及』で詳しく説明されています。簡単
に説明すると以下のようです。まず、イノベーター(革新者)の試行から始まり、
オピニオンリーダでもあるアーリアドプタ(初期採用者)が有用性を見極めた上
で、これらを採用します。続いて、慎重姿勢のアーリマジョリティ(前期追随者)
が選択をすると、徐々に周りの皆がやるのならばという理由から懐疑的ながらも
重い腰を上げるレイトマジョリティ(前期追随者)が動くようになってきます。
最後のグループがラガード(遅滞者)で、全く興味を示さず従来通りのやり方に
拘泥する人々がいます。
例えば、携帯電話ならば、最新スマホ機種をすぐに購入する人もいれば、今でも
なお携帯電話を持っていない(頑なに拒んでいる)人もいます。必要性が普及の
大きな要因であるだけに、学生のスマホ所有率は100%に近づいています。一方、
教員は(他の社会人と比べても)なかなか進んでいないのが現実です。
ICTの教育環境を考えれば、本学では2002年からCCSが稼働しており、全新入生に
ノートパソコンを配付しています。他大学と比較してもイノベーティブな大学で、
活用環境はかなり進んでいるはずです。それゆえ、授業アンケートをすべてCCSで
実施することも障壁は比較的小さいと考えていました。たしかに学生の回答への
協力姿勢は眼を見張るものではありましたが、先進的な大学であっても多くの教員
がいると一筋縄ではいきません。新制度に慣れるまでには、しばらく時間が必要だ
と思います。
まだ授業アンケートをWebのみで実施する大学は全国でも少数で、すでに全面的に
実施している関東の大学は数校です。本学の取り組みは東海地区において先進校を
目指していますが、近いうちにほとんどの大学でWebでの全面実施が採用されると
思います。
────────────────≪ books ≫─
■本の紹介 『未来化する社会』
───────────────────────
☆関連サイト:http://kojimag.blogspot.jp/2016/05/nagoya-gakuin-university-faculty-of.html
『未来化する社会』,アクレック・ロス,ハーパーコリンズ
2016年春に出版された最近の本です。サブタイトルは「世界72億人のパラダイム
シフトが始まった」となっています。著者は、ヒラリー・クリントンが国務長官
時代に側近として世界を見て回っています。この体験をまとめて、世界の潮流の
変わり目について述べています。現在では想像すらできない大きな変化が世界中
にやってくることを副題が表現しています。インターネットがもたらす未来への
大変革というテーマでは、コジマガ第48号で扱ったトーマス・フリードマンの著作
『フラット化する社会』と共通しています。
この本では、日本人が自国について述べるのでなく、米国人から見た日本という
視点もあり、大変興味深い箇所もありました。例えば、日本の産業優位性として
ロボット産業を筆者は取り上げています。この分野の世界の先進5カ国(日・米・
独・中・韓)にはそれぞれに特徴があり、日本は市場のニーズの高まりもあって
介護ロボットで最先端ということを説明しています。反面、日本の弱さとしては、
女性が活躍できない社会構造を挙げています。隣国の中国は女性が多分野に進出
していることを引き合いに出し、安倍内閣の経済成長戦略にも言及している部分
があります。
筆者の話題は最新テクノロジーと世界経済に及びます。フィンテックとしては、
ビットコインなどのデジタル通貨がどうなるか。特にブロックチェーンの技術が
登記の概念を根こそぎ変えてしまう可能性があるという指摘に好奇心が湧きます。
利用者のレーティングから「信用のコード化」はさらなる進展が期待されます。
また、先進国だけでなく後発組であるアフリカなどに大きなチャンスがあること
を説明しています。何もないところから最新の金融システムを導入すれば、従来
型の発展形態を飛び越える可能性があることに驚きます。今後、情報通信技術が
磨かれ、実用範囲が拡大すると利便性が高まると同時に、将来的には必要のない
職業が出てきます。ガラパゴスの日本では、政府の遅い対応や日本語の壁がある
ので、これらが防波堤の役割を果たしてくれると思いますが、ネットの技術革新
という大津波の第2波は必ずや訪れることでしょう。
一方、今後も絶対に失われず必要度が高まる職業として、サイバーセキュリティ
技術者を挙げています。「冷戦(Cold War)」から「Code War」へと移った世界
では、サイバーアタックが益々激化しています。これを収束するルール(国際法)
が不十分な状況だけに納得させられます。
他にも、スーパーコンピュータ活用とゲノム、これをビジネスとするゲノミクス
の進展が注目です。日本が遅れている分野であり、隣の中国が先進国になるかも
という状況には、アジアの成長として考えるのもよいでしょう。ビックデータの
活用方法、シリコンバレーは世界中にできるか?など興味深い話題が盛り込まれ
ています。
自分が知らないことが多いと、批判的思考で読書はできませんが、まずは理解が
重要です。理解するには多様な知識が必要となりますが、ネットをググりながら
読み進めるのもよいでしょう。小生の読後感は「知らない現実が理解でき、また
少しだけお利口になれた」です。
───────────────────────
■最近のゼミから > 春学期のイベントの段
───────────────────────
☆関連サイト:http://expo.nikkeibp.co.jp/cloud/16/ngy/
早いもので、明日のゼミが最後のまとめの発表になります。3年生の4チームが
30分で卒業生向けに分かりやすい発表をしますので、お時間のある方は、是非
ご参観ください。3年ゼミ長がFacebookから日時・場所とともに飲み会の案内を
しています。併せて確認いただけると幸甚です。思い出すと、20年前の今日は、
ゼミ合宿でした。今も昔も学期の終わりにまとめをしていたことが分かります。
さて、6月は2週連続でイベント的なゼミになりました。まず、6/9のゼミでは
大宝小学校の先生方(約20名)が来学し、アクティブラーニングの現場を見学
されました。通常の406教室(パソコン教室)から大教室へ変更し、1チーム
(チーム山下)の発表と質疑応答を参観していただきました。ゼミ生らが退室
後、児島から「大学におけるアクティブラーニングの現状」を報告し、先生方
とディスカッションしました。文部科学省は教育機関に対して学生の主体的な
学び(アクティブラーニング)を強く求めています。小学校にもアクティブで
深い学びが要求されるとのことで、本学の社会連携センター(家本先生)から
見学の依頼がありました。そこで、ゼミでチーム研究を進めている児島ゼミに
白羽の矢が立ったという次第です。
翌週のゼミ(6/16)では、秋葉原でベンチャー企業を起業した服部社長と人事
の石橋さんをお招きしました。同日、名古屋国際会議場で日経ITpro EXPO 2016
in 名古屋が開催され、出展企業として来名しておりました。そこでゼミの中で
「社長が求める大学生とは~大学時代にすべきこと~」という内容でお話して
もらいました。また、人事は学生をどのように見ているのかについても語って
いただきました。3年生は就職意識を持つこと、4年生は就職後3年で3割が離職
する状況でどう考えればよいのかが勉強できたと思います。また、お二人には
少し早めに来学していただき、3年生のチーム研究を見てもらいました。
いよいよ学期末です。3年生は最後までしっかり駆け抜けてもらいたいものです。
そして、就職前最後の夏休みだけにいっそう充実できるように期待しています。
もちろんゼミでの宿題も用意しているので、「よく遊び、よく学べ」るように
します。一方、4年生ではすでに一部の有志がサブゼミを開始しています。まず
研究報告書の見直しからスタートしながら、徐々に卒論の意識を高めてもらう
予定です。
───────────────────────
■編□集□後□記□
───────────────────────
前号(コジマガ第125号)を発行して、コジマガのブログサイトのビューが5,000
の大台を超えました。これまでの動向を統計データで見ると、2012年(第87号)
から各号に10以上のアクセスが見られます。この調子で推移すれば、1万超えは
第200号を発行する頃に到達できるのではと予想します。もっとも、ゼミ生のみ
の限定公開だけで運用しての場合です。広く公開すれば、もっと早く到達する
かもしれませんが、コジマガの読者はゼミの卒業生なので数字を求める必要は
ありません。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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■□□> コジマガ kojimag@ 第126号
□───────────────────2016.07.20─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.126
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
今年の海の日(7/18)も大学は授業営業日で、名古屋港では花火が上がりました。
まるで日を合わせたかのように、東海地方で梅雨が開けました。本格的な夏の訪れ
で、いよいよ大学にも学期末が来たことが感じさせられます。
さて、不思議なもので卒業生の来訪が続く時期があります。大学には5月11日から
大学4営業日連続で、高田くん、上野くん、曽我くん、志知くんが来てくれました。
また、その週末には東京より奥田くんが訪ねてきてくれました。いずれの卒業生も
わずかな時間でしたが、いろいろな話を聞かせてもらいました。一人ひとりが自分
らしい人生を生き抜いており、大変嬉しく思いました。不透明な世の中をどう生き
てゆくか?人の真似もできない、答えのない一番難しい問題です。
───────────────────────
■NGU短信 > 授業アンケート全面CCS化の段
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コジマガ122号で紹介したCCSを活用した授業アンケートを、今年度から全面的に
CCSで実施しました。同時に、従来の紙での回答用紙を廃止しました。そのお陰で、
終了日翌日にアンケート結果を教員側に提示できるようになりました。学期内に
授業は3回あるので、アンケート結果を教員から学生へフィードバックできます。
また、大学の限界費用はゼロで実施科目を増やすことに成功しました。今学期は
全学で1,353科目が開講されており、授業アンケートは全科目を対象としました。
ただし、10名以下の少人数科目やリレー科目・再履修クラスなどは除外しました。
結果として、全体で1107科目という過去最多の実施科目になりました。
さらに、受講生からの全回答数は3万件を超え、これも最多記録を更新しました。
学生の協力には本当に感謝です。学生には基本的に授業時間内でスマートフォン
から回答してもらいます。スマートフォンがない場合には、大学が配付している
ノートパソコンや学術情報センターや図書館で、パソコンから時間外に回答して
もらうという対応をしています。名古屋キャンパスでは学内教室にも無線LANが
整備されているので、アクセシビリティには問題ありませんが、大教室では同時
接続で支障が出るケースもあります。混雑時には公衆回線からのアクセスを回避
策としてお願いしています。
紙からWebへ切り替えたことで極めて大きな成果が得られました。ただし、1科目
でも紙での回答方式を残すと全体へ結果の返却がかなり遅れます。従来の方式を
好む人を犠牲にする側面があるだけに、導入には慎重を期してきました。飛躍的
なステップアップには「光と影」があり、全員が喜ぶわけではありません。特に、
イノベーティブな制度変更には様々な軋轢を生みます。そのようなことを減らす
ために、完全実施までに1年間をかけて試行し、組織的な手続きもきちんと進め
てきました。それでも炎上という状況になることもあります。
革新的な製品やサービスを受け入れる態度は人によって異なる理論については、
M.ロジャーズの名著『イノベーションの普及』で詳しく説明されています。簡単
に説明すると以下のようです。まず、イノベーター(革新者)の試行から始まり、
オピニオンリーダでもあるアーリアドプタ(初期採用者)が有用性を見極めた上
で、これらを採用します。続いて、慎重姿勢のアーリマジョリティ(前期追随者)
が選択をすると、徐々に周りの皆がやるのならばという理由から懐疑的ながらも
重い腰を上げるレイトマジョリティ(前期追随者)が動くようになってきます。
最後のグループがラガード(遅滞者)で、全く興味を示さず従来通りのやり方に
拘泥する人々がいます。
例えば、携帯電話ならば、最新スマホ機種をすぐに購入する人もいれば、今でも
なお携帯電話を持っていない(頑なに拒んでいる)人もいます。必要性が普及の
大きな要因であるだけに、学生のスマホ所有率は100%に近づいています。一方、
教員は(他の社会人と比べても)なかなか進んでいないのが現実です。
ICTの教育環境を考えれば、本学では2002年からCCSが稼働しており、全新入生に
ノートパソコンを配付しています。他大学と比較してもイノベーティブな大学で、
活用環境はかなり進んでいるはずです。それゆえ、授業アンケートをすべてCCSで
実施することも障壁は比較的小さいと考えていました。たしかに学生の回答への
協力姿勢は眼を見張るものではありましたが、先進的な大学であっても多くの教員
がいると一筋縄ではいきません。新制度に慣れるまでには、しばらく時間が必要だ
と思います。
まだ授業アンケートをWebのみで実施する大学は全国でも少数で、すでに全面的に
実施している関東の大学は数校です。本学の取り組みは東海地区において先進校を
目指していますが、近いうちにほとんどの大学でWebでの全面実施が採用されると
思います。
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■本の紹介 『未来化する社会』
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☆関連サイト:http://kojimag.blogspot.jp/2016/05/nagoya-gakuin-university-faculty-of.html
『未来化する社会』,アクレック・ロス,ハーパーコリンズ
2016年春に出版された最近の本です。サブタイトルは「世界72億人のパラダイム
シフトが始まった」となっています。著者は、ヒラリー・クリントンが国務長官
時代に側近として世界を見て回っています。この体験をまとめて、世界の潮流の
変わり目について述べています。現在では想像すらできない大きな変化が世界中
にやってくることを副題が表現しています。インターネットがもたらす未来への
大変革というテーマでは、コジマガ第48号で扱ったトーマス・フリードマンの著作
『フラット化する社会』と共通しています。
この本では、日本人が自国について述べるのでなく、米国人から見た日本という
視点もあり、大変興味深い箇所もありました。例えば、日本の産業優位性として
ロボット産業を筆者は取り上げています。この分野の世界の先進5カ国(日・米・
独・中・韓)にはそれぞれに特徴があり、日本は市場のニーズの高まりもあって
介護ロボットで最先端ということを説明しています。反面、日本の弱さとしては、
女性が活躍できない社会構造を挙げています。隣国の中国は女性が多分野に進出
していることを引き合いに出し、安倍内閣の経済成長戦略にも言及している部分
があります。
筆者の話題は最新テクノロジーと世界経済に及びます。フィンテックとしては、
ビットコインなどのデジタル通貨がどうなるか。特にブロックチェーンの技術が
登記の概念を根こそぎ変えてしまう可能性があるという指摘に好奇心が湧きます。
利用者のレーティングから「信用のコード化」はさらなる進展が期待されます。
また、先進国だけでなく後発組であるアフリカなどに大きなチャンスがあること
を説明しています。何もないところから最新の金融システムを導入すれば、従来
型の発展形態を飛び越える可能性があることに驚きます。今後、情報通信技術が
磨かれ、実用範囲が拡大すると利便性が高まると同時に、将来的には必要のない
職業が出てきます。ガラパゴスの日本では、政府の遅い対応や日本語の壁がある
ので、これらが防波堤の役割を果たしてくれると思いますが、ネットの技術革新
という大津波の第2波は必ずや訪れることでしょう。
一方、今後も絶対に失われず必要度が高まる職業として、サイバーセキュリティ
技術者を挙げています。「冷戦(Cold War)」から「Code War」へと移った世界
では、サイバーアタックが益々激化しています。これを収束するルール(国際法)
が不十分な状況だけに納得させられます。
他にも、スーパーコンピュータ活用とゲノム、これをビジネスとするゲノミクス
の進展が注目です。日本が遅れている分野であり、隣の中国が先進国になるかも
という状況には、アジアの成長として考えるのもよいでしょう。ビックデータの
活用方法、シリコンバレーは世界中にできるか?など興味深い話題が盛り込まれ
ています。
自分が知らないことが多いと、批判的思考で読書はできませんが、まずは理解が
重要です。理解するには多様な知識が必要となりますが、ネットをググりながら
読み進めるのもよいでしょう。小生の読後感は「知らない現実が理解でき、また
少しだけお利口になれた」です。
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■最近のゼミから > 春学期のイベントの段
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早いもので、明日のゼミが最後のまとめの発表になります。3年生の4チームが
30分で卒業生向けに分かりやすい発表をしますので、お時間のある方は、是非
ご参観ください。3年ゼミ長がFacebookから日時・場所とともに飲み会の案内を
しています。併せて確認いただけると幸甚です。思い出すと、20年前の今日は、
ゼミ合宿でした。今も昔も学期の終わりにまとめをしていたことが分かります。
さて、6月は2週連続でイベント的なゼミになりました。まず、6/9のゼミでは
大宝小学校の先生方(約20名)が来学し、アクティブラーニングの現場を見学
されました。通常の406教室(パソコン教室)から大教室へ変更し、1チーム
(チーム山下)の発表と質疑応答を参観していただきました。ゼミ生らが退室
後、児島から「大学におけるアクティブラーニングの現状」を報告し、先生方
とディスカッションしました。文部科学省は教育機関に対して学生の主体的な
学び(アクティブラーニング)を強く求めています。小学校にもアクティブで
深い学びが要求されるとのことで、本学の社会連携センター(家本先生)から
見学の依頼がありました。そこで、ゼミでチーム研究を進めている児島ゼミに
白羽の矢が立ったという次第です。
翌週のゼミ(6/16)では、秋葉原でベンチャー企業を起業した服部社長と人事
の石橋さんをお招きしました。同日、名古屋国際会議場で日経ITpro EXPO 2016
in 名古屋が開催され、出展企業として来名しておりました。そこでゼミの中で
「社長が求める大学生とは~大学時代にすべきこと~」という内容でお話して
もらいました。また、人事は学生をどのように見ているのかについても語って
いただきました。3年生は就職意識を持つこと、4年生は就職後3年で3割が離職
する状況でどう考えればよいのかが勉強できたと思います。また、お二人には
少し早めに来学していただき、3年生のチーム研究を見てもらいました。
いよいよ学期末です。3年生は最後までしっかり駆け抜けてもらいたいものです。
そして、就職前最後の夏休みだけにいっそう充実できるように期待しています。
もちろんゼミでの宿題も用意しているので、「よく遊び、よく学べ」るように
します。一方、4年生ではすでに一部の有志がサブゼミを開始しています。まず
研究報告書の見直しからスタートしながら、徐々に卒論の意識を高めてもらう
予定です。
───────────────────────
■編□集□後□記□
───────────────────────
前号(コジマガ第125号)を発行して、コジマガのブログサイトのビューが5,000
の大台を超えました。これまでの動向を統計データで見ると、2012年(第87号)
から各号に10以上のアクセスが見られます。この調子で推移すれば、1万超えは
第200号を発行する頃に到達できるのではと予想します。もっとも、ゼミ生のみ
の限定公開だけで運用しての場合です。広く公開すれば、もっと早く到達する
かもしれませんが、コジマガの読者はゼミの卒業生なので数字を求める必要は
ありません。
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2016年5月6日金曜日
第125号(2016.05.06)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□─────────────────────────
■□□> コジマガ kojimag@ 第125号
□───────────────────2016.05.06─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.125
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
2016年度が始まり、教務部長の任期も今年度限りです。いろいろな課題に取り組んで
きましたが、持続的かつ効果的に運用されるにはもう少し改善が必要なアジェンダも
多いと感じられます。今年は総仕上げということで、最後まで責任をもって取り組み
たいと思います。
今年5月のゴールデンウェークは1日(月)と6日(金)が平日です。かつては休日扱いと
して、超大型連休を組んでいましたが、今年は1日のみを休日にして、6日は授業日に
しています。授業日を15回確保するには致し方ありません。
───────────────────────
■NGU短信 > 入学者数と文教政策の段
───────────────────────
☆関連サイト:http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/002/002/1360007.htm
今年度の新入生は定員を大きく上回る状況になりました。今春の新入生の定員数は
1,390名ですが、入学者は1,600名を超えました。名古屋学院大学50年の歴史の中で
最多の入学生かと思います。4月1日の入学式では、名古屋国際会議場の1階は新入生、
2階以上は父母席に割り当てられていましたが、ほぼ満員という状況でした。そして
教員席を3階の一部に用意していましたが、急遽、父母向けにするという対応が取ら
れました。
式典後は名古屋キャンパスへ移動し、学生向けオリエンテーションを実施しました。
本年度の新たな取り組みとして学部ごとに父母向けの説明会を開催しました。経済
学部だけでも約150名のご家族(ご父母だけでなく、祖父母や弟妹連れ)が出席しま
したので、たしかに会議場が満杯になったのも頷けます。
経済学部の定員は、現代社会学部が経済学部総合政策学科からスピンオフしたので、
昨年度から250名になりました。今年の入学者は320名以上で、充足率が1.27倍より
大きくなってしまいした。主な原因は、一般入試の歩留まり率の高さにあります。
例年に比べてかなり高かったために、予測が大きくハズれてしまいました。定員に
満たない大学があるだけに、このような状況は喜ぶべきなのでしょう。とはいえ、
多すぎるのは授業計画に支障がでかねないので、望ましいことではありません。
今回の背景には、文部科学省の政策の影響が考えられます。大都市に所在する大学
に対して収容定員数を守るよう指導を強め、また大学の規模が大きいほど充足率の
遵守が求められるようになりました。基準を超えると補助金カットのペナルティが
取られます。詳しい内容は、関連のサイトをご覧ください。ちなみに、この政策は
安倍政権のテーマである地方再生にも関わります。全国に780程の大学がありますが、
国公私立を問わず地方大学は厳しい状況にあります。一方、大都市圏にある大学は
地方から学生を集めています。また、大規模大学ほど知名度が高く入学生数も多い
のに比べて、小規模大学は定員割れという危機に瀕しています。そこで、大学生を
大都市に集めないようにし、地方活性化の担い手となってもらうような政策が施行
されました。
今春は上述の政策が実施された初年度でしたが、これから3年にわたって徐々に強化
される方針が示されています。ということは、しばらくこの傾向が続くと見るべき
なのかもしれません。本学は地域活性化としてCOC事業で大きな成果をあげています。
大学の使命として入学した学生を地域とともにどのように伸ばすことができるか、
いよいよ教育の中身が問われます。
────────────────≪ books ≫─
■ 本の紹介 > 日本でいちばん大切にしたい会社
───────────────────────
☆関連サイト:http://taisetu-taisyo.jimdo.com
就活学生にとって内定は気になるところです。内定を得た学生も嬉しさの中にも、
本当にその企業へ就職すべきかという悩みがあります。すなわち自分が希望して
いるような仕事ができるのかという心配が尽きません。毎年のように内定を得た
学生から相談を受けます。その折、どうしてその企業を選び、断らなかったかと
いう理由を本人に尋ねることで、自らの初心を確認させています。
学生の心配事の一番は「ブラック企業」があります。一般には、労働環境が厳し
過ぎたり、離職率が非常に高いという会社を指しますが、最近、学生の言葉遊び
に使われていると感じることがあります。些細な不条理や自分に合わないことで、
ブラックと一括りにしているようなケースもあります。
そこで、ブラックの反対であるホワイト企業とはどのような会社なのか?と学生
に問うてみます。これは従業員およびその家族を幸せにする会社でしょう。では、
どこのそのような企業があるのか?ひとつの答えがこの本で紹介されています。
著者の法政大学の坂本光司先生は7000社もの企業を直接取材して、日本に残した
いと思う企業を紹介しています。この本は徐々に売上が伸び、今やよく知られた
ベストセラー本になり、シリーズ化されています。最新刊の5が1月に発売されま
した。関連本も多いのでご存知の方もいると思います。ところが、学生に尋ねて
みるとほとんどの4年生は知らないようでした。
かく言う児島も本の存在は知っていましたが、読み始めた理由は不思議な縁から
です。小生が大学時代に大変お世話になった先生が退官で、最終講義のご案内を
いただきました。そこで、1月に名古屋証券取引所に勤務する友人と横浜まで出か
けました。先生の大学で最終講義を聴講した折、教室の最前列に見たことかけた
ことのある人が受講していました。その後のパーティの席でわかったのですが、
鎌倉投信の新井さんでした。NHKの番組の「プロフェッショナル 仕事の流儀」で
彼が出演した番組を観ていたために、どこかの知り合いと勘違いしたようです。
講義後に開かれた退職記念パーティで、鎌倉投信の社長の鎌田さんがのスピーチ
されていました。会社の立ち上げの際のお話でした。彼ら同志は日本のいい会社
を応援する投資ファンドを作りたいという夢を持って、大手のファンドを辞めて
自分たちで創業しました。当時、業界関係者や関係者にはまったく相手にされな
かったそうです。そんな大変つらい時期に自分たちの話を聴いて応援してくれた
先生が二人いて、それが私の恩師と法政大学の坂本先生だったそうです。感涙で
言葉を詰まらせた社長のスピーチを聞きながら、自分の勉強不足さを恥じ入って
いました。そこで、帰名後、坂本先生の本を一気に読みました。
最近、名証株式投資コンテストの参加から、学生たちに地元企業へ関心を持って
もらおうとしています。もっと身近に地元の企業を感じ、経済経営を勉強したい
と意識づけるためには、やはり企業の研究が必要です。そこで、昨年のゼミでは、
株式投資コンテストのチーム戦を通じて、IR情報や企業業績の見方をゼミで研究
させました。このお陰で、他のゼミよりは知識は増えたと思いますが、しかし、
残念ながらゼミ生全員が就活において、十分にその知識を使いこなせているとは
いえません。
そこで、学生がよく口にする「ブラック企業」の反対についてアプローチしよう
と考えました。この夏は、坂本先生の書籍から企業を研究し、就活の際の目安の
ひとつに加えてもらおうと準備しています。現役生だけでなく、卒業生の皆さん
へもお薦めします。また、新井さんの著作『投資は「きれいごと」で成功する』
ダイヤモンド社(2015年4月)もオススメです。
───────────────────────
■最近のゼミから > 新ゼミがスタートの段
───────────────────────
☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/
今年度のゼミは以下のように行われています。卒業生の皆さんによる直接の参観
やFacebookなどからの激励を歓迎します。
2年 演習(2年):15名 金曜2限 曙館512教室
3年 経済演習(3年):18名 木曜4限 曙館406教室
4年 経済演習(4年):18名 木曜5限 曙館406教室
今年度の3年生は18名(内、女子5名)です。4チームに分かれ、それぞれの研究
テーマは以下のようです。
「IoTにより東海地区の○○は10年後どうなるか?」
1. 公共交通:タクシー、電車、バス
2. 観光業:インバウンド
3. 医療健康
4. 福祉教育:子育て支援、児童、障がい者、高齢者
昨年に比べてテーマを限定しました。まず、地域では東海地区(名古屋)に絞り、
自分たちの目で確かめる機会が持てるようにしています。そして、時間的な流れ
として、10年後を考えるには、現在・過去を調査する必要があることを体験させ
ます。さらに、どうなるという視点では、どうすればよくなるか?という提言も
含めてアプローチしてもらいたいと考えています。加えて、基本知識を得る書籍
では、坂村健『IoTとは何か 技術革新から社会革新へ』 角川新書(2016年3月)
を紹介しておきました。さて、どのような結果になるのか?今から楽しみです。
恒例の新歓コンパは5月12日(木)に予定されています。卒業生の皆さんへは4年
ゼミ長からFBで案内されていますので、ご都合がつく方は是非、ご出席ください。
お待ちしています。
───────────────────────
■編□集□後□記□
───────────────────────
連休を利用して、数年ぶりに博物館明治村へ出かけました。小学生の遠足から
数えれば10回ほどは訪れていますが、今回ほど興味深かった経験はありません。
この数年に明治関連の書籍や映画に触れていたからです。またNHKドラマのロケ
地にもなっているので、その映像が蘇ってくるからです。『坂の上の雲』での
シーンは明治村に写真入りで展示されており、なるほどと思うことがしばしば
でした。また、歴史的建造物がどのあたりから移設されたかも理解できるよう
になったことも知的好奇心を駆り立てます。朝の連ドラ『朝が来た』が人気と
なっただけに、明治の経済人や殖産興業に焦点を当てた展示もありだろうなと
感じた一日でした。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
───────────────────────
□─────────────────────────
■□□> コジマガ kojimag@ 第125号
□───────────────────2016.05.06─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.125
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
2016年度が始まり、教務部長の任期も今年度限りです。いろいろな課題に取り組んで
きましたが、持続的かつ効果的に運用されるにはもう少し改善が必要なアジェンダも
多いと感じられます。今年は総仕上げということで、最後まで責任をもって取り組み
たいと思います。
今年5月のゴールデンウェークは1日(月)と6日(金)が平日です。かつては休日扱いと
して、超大型連休を組んでいましたが、今年は1日のみを休日にして、6日は授業日に
しています。授業日を15回確保するには致し方ありません。
───────────────────────
■NGU短信 > 入学者数と文教政策の段
───────────────────────
☆関連サイト:http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/002/002/1360007.htm
今年度の新入生は定員を大きく上回る状況になりました。今春の新入生の定員数は
1,390名ですが、入学者は1,600名を超えました。名古屋学院大学50年の歴史の中で
最多の入学生かと思います。4月1日の入学式では、名古屋国際会議場の1階は新入生、
2階以上は父母席に割り当てられていましたが、ほぼ満員という状況でした。そして
教員席を3階の一部に用意していましたが、急遽、父母向けにするという対応が取ら
れました。
式典後は名古屋キャンパスへ移動し、学生向けオリエンテーションを実施しました。
本年度の新たな取り組みとして学部ごとに父母向けの説明会を開催しました。経済
学部だけでも約150名のご家族(ご父母だけでなく、祖父母や弟妹連れ)が出席しま
したので、たしかに会議場が満杯になったのも頷けます。
経済学部の定員は、現代社会学部が経済学部総合政策学科からスピンオフしたので、
昨年度から250名になりました。今年の入学者は320名以上で、充足率が1.27倍より
大きくなってしまいした。主な原因は、一般入試の歩留まり率の高さにあります。
例年に比べてかなり高かったために、予測が大きくハズれてしまいました。定員に
満たない大学があるだけに、このような状況は喜ぶべきなのでしょう。とはいえ、
多すぎるのは授業計画に支障がでかねないので、望ましいことではありません。
今回の背景には、文部科学省の政策の影響が考えられます。大都市に所在する大学
に対して収容定員数を守るよう指導を強め、また大学の規模が大きいほど充足率の
遵守が求められるようになりました。基準を超えると補助金カットのペナルティが
取られます。詳しい内容は、関連のサイトをご覧ください。ちなみに、この政策は
安倍政権のテーマである地方再生にも関わります。全国に780程の大学がありますが、
国公私立を問わず地方大学は厳しい状況にあります。一方、大都市圏にある大学は
地方から学生を集めています。また、大規模大学ほど知名度が高く入学生数も多い
のに比べて、小規模大学は定員割れという危機に瀕しています。そこで、大学生を
大都市に集めないようにし、地方活性化の担い手となってもらうような政策が施行
されました。
今春は上述の政策が実施された初年度でしたが、これから3年にわたって徐々に強化
される方針が示されています。ということは、しばらくこの傾向が続くと見るべき
なのかもしれません。本学は地域活性化としてCOC事業で大きな成果をあげています。
大学の使命として入学した学生を地域とともにどのように伸ばすことができるか、
いよいよ教育の中身が問われます。
────────────────≪ books ≫─
■ 本の紹介 > 日本でいちばん大切にしたい会社
───────────────────────
☆関連サイト:http://taisetu-taisyo.jimdo.com
就活学生にとって内定は気になるところです。内定を得た学生も嬉しさの中にも、
本当にその企業へ就職すべきかという悩みがあります。すなわち自分が希望して
いるような仕事ができるのかという心配が尽きません。毎年のように内定を得た
学生から相談を受けます。その折、どうしてその企業を選び、断らなかったかと
いう理由を本人に尋ねることで、自らの初心を確認させています。
学生の心配事の一番は「ブラック企業」があります。一般には、労働環境が厳し
過ぎたり、離職率が非常に高いという会社を指しますが、最近、学生の言葉遊び
に使われていると感じることがあります。些細な不条理や自分に合わないことで、
ブラックと一括りにしているようなケースもあります。
そこで、ブラックの反対であるホワイト企業とはどのような会社なのか?と学生
に問うてみます。これは従業員およびその家族を幸せにする会社でしょう。では、
どこのそのような企業があるのか?ひとつの答えがこの本で紹介されています。
著者の法政大学の坂本光司先生は7000社もの企業を直接取材して、日本に残した
いと思う企業を紹介しています。この本は徐々に売上が伸び、今やよく知られた
ベストセラー本になり、シリーズ化されています。最新刊の5が1月に発売されま
した。関連本も多いのでご存知の方もいると思います。ところが、学生に尋ねて
みるとほとんどの4年生は知らないようでした。
かく言う児島も本の存在は知っていましたが、読み始めた理由は不思議な縁から
です。小生が大学時代に大変お世話になった先生が退官で、最終講義のご案内を
いただきました。そこで、1月に名古屋証券取引所に勤務する友人と横浜まで出か
けました。先生の大学で最終講義を聴講した折、教室の最前列に見たことかけた
ことのある人が受講していました。その後のパーティの席でわかったのですが、
鎌倉投信の新井さんでした。NHKの番組の「プロフェッショナル 仕事の流儀」で
彼が出演した番組を観ていたために、どこかの知り合いと勘違いしたようです。
講義後に開かれた退職記念パーティで、鎌倉投信の社長の鎌田さんがのスピーチ
されていました。会社の立ち上げの際のお話でした。彼ら同志は日本のいい会社
を応援する投資ファンドを作りたいという夢を持って、大手のファンドを辞めて
自分たちで創業しました。当時、業界関係者や関係者にはまったく相手にされな
かったそうです。そんな大変つらい時期に自分たちの話を聴いて応援してくれた
先生が二人いて、それが私の恩師と法政大学の坂本先生だったそうです。感涙で
言葉を詰まらせた社長のスピーチを聞きながら、自分の勉強不足さを恥じ入って
いました。そこで、帰名後、坂本先生の本を一気に読みました。
最近、名証株式投資コンテストの参加から、学生たちに地元企業へ関心を持って
もらおうとしています。もっと身近に地元の企業を感じ、経済経営を勉強したい
と意識づけるためには、やはり企業の研究が必要です。そこで、昨年のゼミでは、
株式投資コンテストのチーム戦を通じて、IR情報や企業業績の見方をゼミで研究
させました。このお陰で、他のゼミよりは知識は増えたと思いますが、しかし、
残念ながらゼミ生全員が就活において、十分にその知識を使いこなせているとは
いえません。
そこで、学生がよく口にする「ブラック企業」の反対についてアプローチしよう
と考えました。この夏は、坂本先生の書籍から企業を研究し、就活の際の目安の
ひとつに加えてもらおうと準備しています。現役生だけでなく、卒業生の皆さん
へもお薦めします。また、新井さんの著作『投資は「きれいごと」で成功する』
ダイヤモンド社(2015年4月)もオススメです。
───────────────────────
■最近のゼミから > 新ゼミがスタートの段
───────────────────────
☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/
今年度のゼミは以下のように行われています。卒業生の皆さんによる直接の参観
やFacebookなどからの激励を歓迎します。
2年 演習(2年):15名 金曜2限 曙館512教室
3年 経済演習(3年):18名 木曜4限 曙館406教室
4年 経済演習(4年):18名 木曜5限 曙館406教室
今年度の3年生は18名(内、女子5名)です。4チームに分かれ、それぞれの研究
テーマは以下のようです。
「IoTにより東海地区の○○は10年後どうなるか?」
1. 公共交通:タクシー、電車、バス
2. 観光業:インバウンド
3. 医療健康
4. 福祉教育:子育て支援、児童、障がい者、高齢者
昨年に比べてテーマを限定しました。まず、地域では東海地区(名古屋)に絞り、
自分たちの目で確かめる機会が持てるようにしています。そして、時間的な流れ
として、10年後を考えるには、現在・過去を調査する必要があることを体験させ
ます。さらに、どうなるという視点では、どうすればよくなるか?という提言も
含めてアプローチしてもらいたいと考えています。加えて、基本知識を得る書籍
では、坂村健『IoTとは何か 技術革新から社会革新へ』 角川新書(2016年3月)
を紹介しておきました。さて、どのような結果になるのか?今から楽しみです。
恒例の新歓コンパは5月12日(木)に予定されています。卒業生の皆さんへは4年
ゼミ長からFBで案内されていますので、ご都合がつく方は是非、ご出席ください。
お待ちしています。
───────────────────────
■編□集□後□記□
───────────────────────
連休を利用して、数年ぶりに博物館明治村へ出かけました。小学生の遠足から
数えれば10回ほどは訪れていますが、今回ほど興味深かった経験はありません。
この数年に明治関連の書籍や映画に触れていたからです。またNHKドラマのロケ
地にもなっているので、その映像が蘇ってくるからです。『坂の上の雲』での
シーンは明治村に写真入りで展示されており、なるほどと思うことがしばしば
でした。また、歴史的建造物がどのあたりから移設されたかも理解できるよう
になったことも知的好奇心を駆り立てます。朝の連ドラ『朝が来た』が人気と
なっただけに、明治の経済人や殖産興業に焦点を当てた展示もありだろうなと
感じた一日でした。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
───────────────────────
2015年8月6日木曜日
第118号(2015.08.06)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□─────────────────────────
■□□> コジマガ kojimag@ 第118号
□───────────────────2015.08.06─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.118
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
米国滞在中の2011年秋から開始したコジマガのブログのビューが、4000を
突破しました。XOOPSからブログへ移行してから約4年が経過し、ようやく
といった感じです。1年で約1000というペースで、アクセス分析によれば、
FBへポストすると約50のアクセスが発生することがわかり、いかにリーチ
があるのかを把握できます。
こうした電子媒体のメーリングリスト(フロー)とともに、ブログという
ストックが定着した頃、紙媒体でのまとめとしての冊子体が完成しました。
パーティの席でお披露目となりますが、各媒体の特徴を活かした使い方が
徐々にできているように感じます。
───────────────────────
■NGU短信 > ゼミ創立20周年を迎えて(3)の段
───────────────────────
☆関連サイト:http://www.kojima-seminar.net/2015/06/20th-entry/
いよいよ明後日(8月8日)、児島ゼミ創立20周年パーティが開催されます。
大変多くの方々が参会するということで、大変楽しみなイベントになって
きました。改めて、ここまで準備をしてくださった皆さんに感謝です。
発起人の卒業生だけでなく、多くの現役生もお手伝いしてくれるようです。
この機会に先輩たちとコミュニケーションをよくとり、しっかりしている
と思われるような立ち振る舞いができることを期待しています。
パーティ直前に、前回の創立10周年パーティからのDecadeをザックリ振り
返ってみます。10年間は、コジマガ第14号(発行:2005年8月20日)以降を
読めば、詳細はわかると思います。とはいえ10年間に100号も出されている
ので、扱った話題がかなり細かくなっています。そこで、要約的振り返り
は、分かりやすくするため以下の3つの時期に分類します。
第1期:特色GP獲得(2006夏)まで
第2期:名古屋キャンパス設立(2007年)~アメリカ留学(2010秋)まで
第3期:帰国(2011秋)から現在まで
まず、第1期です。2005年夏に開催された10周年パーティで、児島は41歳
という本厄でした。多くの卒業生らとの再会は、厄祓いという意味もあり
ました。振り返ってみると、いろいろと大変であり、やはり厄年であった
ように思います。そして、迷いに迷った時期だったかもしれません。
厄祓いのご利益なのか、パーティの終了後から大きな転機があったように
思います。それまで苦労していた特色GPについては、内向き思考ではなく、
思い切って外に答えを求めました。結果として、それが自分の位置を知る
ことにつながりました。そこで、知り合った多くの人たちに助けて頂き、
2006年の夏に採択に至りました。念願の特色GP獲得にあたっては、当時の
経済学部長の木船先生には本当に感謝しています。
その後、GP関連の仕事を推進するにつれ、そこから得られた経験が徐々に
自分の力に変わってきました。すると、次第に自分の専門分野との関わり
が見えてきて、これが天職なのかもと考えるようになりました。同時期に
招待制Gmailを2006年6月26日から利用し始めました。Web2.0という言葉が
世の中に出始めて、新しい技術を体験し驚愕していた時期でもありました。
すなわち、新たな仕事やWeb技術にワクワクした頃でした。
シームレスに第2期が訪れます。この頃に、大学は瀬戸から名古屋への移転
という一大事業を敢行しました。いかにスムーズな移転ができるかを真剣
に考えていた時でもありました。経済学部は数年間のダブルキャンパスを
計画し、実行しました。初めてのことばかりで苦労はしましたが、自分の
仕事は好調だっただけに、何とか乗り越えられたのだと思います。
新キャンパスがようやく落ち着きを見せ始めた頃、在外研修を考えました。
移転のミッションを完遂し、次のステージに立つには海外での経験が必要
と感じていました。ただし、一番の気がかりはゼミの継続性です。ゼミは
先輩と後輩という上下関係が重要と考えています。教え合うことが大切な
要素であることを考えると、これまで築き上げたものを留学で壊したくは
ありませんでした。また、3・4年ゼミを強く希望する学生らを落胆させる
のが何より辛いことでした。
失う以上に得るものを追求した留学でした。自分が一番希望していた大学
で1年間の留学をさせてもらいました。初の一人暮らしで、言葉が不自由な
アメリカという無謀な挑戦でした。周りから大変心配されましたが、環境
に恵まれ、充実した楽しい日々を過ごさせてもらいました。ラッキーだと
感謝しています。お陰で、自分の世界観が広がり、帰国後もフロリダでの
多くの体験が生きています。思い出す度にメランコリックになります。
帰国から第3期が始まります。中断していたゼミが再開したので、いち早く
かつての活動レベルに戻そうと努力しました。とはいえ、先輩の姿を直接
見ていない学生に教える難しさを痛感しました。ゼミ生たちもよく努力を
してくれて、現在では、卒業生に対しても恥ずかしくない活動に近づき
つつあります。
個人の仕事では、50歳を前に積年の課題であった博士号を取得できました。
これで、ようやく心の支えがとれました。また、昨年には教務部長を拝命
し、これまで頂いた恩に少しでも報いられるよう精進しています。いまだ
大きな改革には着手できていませんが、関係者がWin=Winとなるよう教務
関連業務のプロセス・イノベーションに挑戦しています。
以上が、ゼミにも関わる児島の10年史のアウトラインでした。このように
文字にしてしまうと味気のないものです。次の節目は、おそらく10年後の
創立30周年ですから、児島も齢60の還暦を迎えます。その時には、どんな
10年の振り返りをしているのでしょう。これまでよりも輝いた10年になる
よう、努力するつもりです。ゼミの目標も達成できるよう、学生とともに
頑張ります。
────────────────≪ books ≫─
■ 本の紹介
───────────────────────
☆関連サイト:http://kojimag.blogspot.com/
『Kojimag@Passionage 1』,児島完二,2015年
児島ゼミの卒業生向けメーリングリストをコジマガ(kojimag@)と呼んで
いますが、ゼミ創立20年目に当たる2014年度末までに発行したコジマガを
冊子(A5サイズ、298ページ)としてまとめました。もちろん非売品です。
これらはブログで読むことができますが、冊子は手にとってパラパラ見ら
れるので重宝します。
巻末に命名の由来などを記載しておきましたので、一度、ご覧ください。
そして、表紙は「コア6」のデザインを担当している荒木さんの作品です。
21世紀を生き抜くキーワード「Curiosity and Passion」が入っています。
本来、ページサイズ全体にデザインが配置されるはずが、印刷屋への指示
を小生がミスしたために、微妙な装丁になってしまいました。
ミスといえば、本文にも数カ所の間違いを発見し、ちょっと凹んでいます。
通常、テキストエディタで原稿を書き上げて、何度も見返します。ミスは
なくなりませんので、ブログにアップして見直したり、メールの下書きで
チェックをします。別のイメージでみれば、それまで気付かなかった誤植
を発見できる可能性が高いからです。今回の編集では表記の揺れを中心に
Word機能でミスを撲滅し、美しくしたたはずでした。しかし、主な原因は
かつてコジマガを送信する際に、慌てていたため文章自体の最終チェック
が甘かったことが一番です。
───────────────────────
■編□集□後□記□
───────────────────────
幸い健康にも恵まれ、何とかこれまで無病息災で過ごすことができました。
明後日、お目にかかれることを楽しみにしています。あいにく今回は都合
がつかなかった方も、いずれお会いしましょう。これを機会に同期生同士
で連絡をとってください。昔の仲間と語り合い、互いを理解しいつまでも
切磋琢磨できる仲間でいたいものです。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
───────────────────────
□─────────────────────────
■□□> コジマガ kojimag@ 第118号
□───────────────────2015.08.06─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.118
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
米国滞在中の2011年秋から開始したコジマガのブログのビューが、4000を
突破しました。XOOPSからブログへ移行してから約4年が経過し、ようやく
といった感じです。1年で約1000というペースで、アクセス分析によれば、
FBへポストすると約50のアクセスが発生することがわかり、いかにリーチ
があるのかを把握できます。
こうした電子媒体のメーリングリスト(フロー)とともに、ブログという
ストックが定着した頃、紙媒体でのまとめとしての冊子体が完成しました。
パーティの席でお披露目となりますが、各媒体の特徴を活かした使い方が
徐々にできているように感じます。
───────────────────────
■NGU短信 > ゼミ創立20周年を迎えて(3)の段
───────────────────────
☆関連サイト:http://www.kojima-seminar.net/2015/06/20th-entry/
いよいよ明後日(8月8日)、児島ゼミ創立20周年パーティが開催されます。
大変多くの方々が参会するということで、大変楽しみなイベントになって
きました。改めて、ここまで準備をしてくださった皆さんに感謝です。
発起人の卒業生だけでなく、多くの現役生もお手伝いしてくれるようです。
この機会に先輩たちとコミュニケーションをよくとり、しっかりしている
と思われるような立ち振る舞いができることを期待しています。
パーティ直前に、前回の創立10周年パーティからのDecadeをザックリ振り
返ってみます。10年間は、コジマガ第14号(発行:2005年8月20日)以降を
読めば、詳細はわかると思います。とはいえ10年間に100号も出されている
ので、扱った話題がかなり細かくなっています。そこで、要約的振り返り
は、分かりやすくするため以下の3つの時期に分類します。
第1期:特色GP獲得(2006夏)まで
第2期:名古屋キャンパス設立(2007年)~アメリカ留学(2010秋)まで
第3期:帰国(2011秋)から現在まで
まず、第1期です。2005年夏に開催された10周年パーティで、児島は41歳
という本厄でした。多くの卒業生らとの再会は、厄祓いという意味もあり
ました。振り返ってみると、いろいろと大変であり、やはり厄年であった
ように思います。そして、迷いに迷った時期だったかもしれません。
厄祓いのご利益なのか、パーティの終了後から大きな転機があったように
思います。それまで苦労していた特色GPについては、内向き思考ではなく、
思い切って外に答えを求めました。結果として、それが自分の位置を知る
ことにつながりました。そこで、知り合った多くの人たちに助けて頂き、
2006年の夏に採択に至りました。念願の特色GP獲得にあたっては、当時の
経済学部長の木船先生には本当に感謝しています。
その後、GP関連の仕事を推進するにつれ、そこから得られた経験が徐々に
自分の力に変わってきました。すると、次第に自分の専門分野との関わり
が見えてきて、これが天職なのかもと考えるようになりました。同時期に
招待制Gmailを2006年6月26日から利用し始めました。Web2.0という言葉が
世の中に出始めて、新しい技術を体験し驚愕していた時期でもありました。
すなわち、新たな仕事やWeb技術にワクワクした頃でした。
シームレスに第2期が訪れます。この頃に、大学は瀬戸から名古屋への移転
という一大事業を敢行しました。いかにスムーズな移転ができるかを真剣
に考えていた時でもありました。経済学部は数年間のダブルキャンパスを
計画し、実行しました。初めてのことばかりで苦労はしましたが、自分の
仕事は好調だっただけに、何とか乗り越えられたのだと思います。
新キャンパスがようやく落ち着きを見せ始めた頃、在外研修を考えました。
移転のミッションを完遂し、次のステージに立つには海外での経験が必要
と感じていました。ただし、一番の気がかりはゼミの継続性です。ゼミは
先輩と後輩という上下関係が重要と考えています。教え合うことが大切な
要素であることを考えると、これまで築き上げたものを留学で壊したくは
ありませんでした。また、3・4年ゼミを強く希望する学生らを落胆させる
のが何より辛いことでした。
失う以上に得るものを追求した留学でした。自分が一番希望していた大学
で1年間の留学をさせてもらいました。初の一人暮らしで、言葉が不自由な
アメリカという無謀な挑戦でした。周りから大変心配されましたが、環境
に恵まれ、充実した楽しい日々を過ごさせてもらいました。ラッキーだと
感謝しています。お陰で、自分の世界観が広がり、帰国後もフロリダでの
多くの体験が生きています。思い出す度にメランコリックになります。
帰国から第3期が始まります。中断していたゼミが再開したので、いち早く
かつての活動レベルに戻そうと努力しました。とはいえ、先輩の姿を直接
見ていない学生に教える難しさを痛感しました。ゼミ生たちもよく努力を
してくれて、現在では、卒業生に対しても恥ずかしくない活動に近づき
つつあります。
個人の仕事では、50歳を前に積年の課題であった博士号を取得できました。
これで、ようやく心の支えがとれました。また、昨年には教務部長を拝命
し、これまで頂いた恩に少しでも報いられるよう精進しています。いまだ
大きな改革には着手できていませんが、関係者がWin=Winとなるよう教務
関連業務のプロセス・イノベーションに挑戦しています。
以上が、ゼミにも関わる児島の10年史のアウトラインでした。このように
文字にしてしまうと味気のないものです。次の節目は、おそらく10年後の
創立30周年ですから、児島も齢60の還暦を迎えます。その時には、どんな
10年の振り返りをしているのでしょう。これまでよりも輝いた10年になる
よう、努力するつもりです。ゼミの目標も達成できるよう、学生とともに
頑張ります。
────────────────≪ books ≫─
■ 本の紹介
───────────────────────
☆関連サイト:http://kojimag.blogspot.com/
『Kojimag@Passionage 1』,児島完二,2015年
児島ゼミの卒業生向けメーリングリストをコジマガ(kojimag@)と呼んで
いますが、ゼミ創立20年目に当たる2014年度末までに発行したコジマガを
冊子(A5サイズ、298ページ)としてまとめました。もちろん非売品です。
これらはブログで読むことができますが、冊子は手にとってパラパラ見ら
れるので重宝します。
巻末に命名の由来などを記載しておきましたので、一度、ご覧ください。
そして、表紙は「コア6」のデザインを担当している荒木さんの作品です。
21世紀を生き抜くキーワード「Curiosity and Passion」が入っています。
本来、ページサイズ全体にデザインが配置されるはずが、印刷屋への指示
を小生がミスしたために、微妙な装丁になってしまいました。
ミスといえば、本文にも数カ所の間違いを発見し、ちょっと凹んでいます。
通常、テキストエディタで原稿を書き上げて、何度も見返します。ミスは
なくなりませんので、ブログにアップして見直したり、メールの下書きで
チェックをします。別のイメージでみれば、それまで気付かなかった誤植
を発見できる可能性が高いからです。今回の編集では表記の揺れを中心に
Word機能でミスを撲滅し、美しくしたたはずでした。しかし、主な原因は
かつてコジマガを送信する際に、慌てていたため文章自体の最終チェック
が甘かったことが一番です。
───────────────────────
■編□集□後□記□
───────────────────────
幸い健康にも恵まれ、何とかこれまで無病息災で過ごすことができました。
明後日、お目にかかれることを楽しみにしています。あいにく今回は都合
がつかなかった方も、いずれお会いしましょう。これを機会に同期生同士
で連絡をとってください。昔の仲間と語り合い、互いを理解しいつまでも
切磋琢磨できる仲間でいたいものです。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
───────────────────────
2014年7月7日月曜日
第107号(2014.07.07)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□─────────────────────────
■□□> コジマガ kojimag@ 第107号
□───────────────────2014.07.07─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.107
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
あっという間に今年も半分が終わり、梅雨模様の七夕です。服装は
クールビズが推奨されており、3.11以降、省エネルギーへの意識が
さらに高まり、超クールビズが進みました。学生ならば自由な服装
でよいのでしょうが、社会人はそうはいきません。
クールビズには出遅れ感があり、ワードローブが不十分で、今でも
苦手です。30代までなら若さがカバーするので、どんな服を着ても
それなりに映えます。しかし、歳を重ねるとルーズな服装はまさに
くたびれ感が際立つだけに気配りが必要です。特に、首周りには要
注意です。なので、暑さも構わずネクタイに頼ってしまいがちです。
消費を牽引するには、暑い夏が一番です。また、日頃から頑張って
いる自分へのご褒美として、夏対策商品の購入やレジャーでの奮発
をお勧めします。
───────────────────
■NGU短信 > 新学部新学科増設の段
───────────────────
☆関連サイト:http://www.ngu.jp/juken/index.html
4月から新しい職務に就任し、3ヶ月が経過してようやく仕事の全貌が
見えてきました。昔から「3日、3週間、3ヶ月、3年」というように、
環境が変わると時間とともに周りの状況が飲み込めてくるものです。
この言葉は卒業時にゼミ生へする話のネタのひとつです。3年すれば
キャリアになるので、「とりあえず3年ぐらいは頑張ってみなさい」と
伝えたい時に使っています。
今回、与えられたミッションの中で何より重要なのは、次年度の円滑な
授業運営です。すでに大学の広報誌「コスモラマ」や広告にも出ている
のでご存じの方も多いと思いますが、来年度には大学に2つの学部と1つ
の学科が誕生します。名古屋キャンパスには、総合政策学科を元に創設
する「現代社会学部」と外国語学部の2学科を元に「国際文化学部」が
設立します。そして、瀬戸キャンパスにあるスポーツ健康学部に「こども
スポーツ教育学科」が新設される予定です。
計画通りに進めば、来春には名古屋キャンパスが6学部8学科へ、瀬戸の
キャンパスは2学部3学科となります。大学50周年の目玉事業で、学部増
により多彩な人材を輩出でき、名古屋地区における大学の存在感や魅力
もアップするでしょう。既存の学部の学生も刺激を受けて、切磋琢磨に
よって、より多くの学修成果を積んでくれることが期待されます。
増設後に重要となるのは、まず支障なく授業を運営することです。昨年
とは前提条件が異なっているので、従来通りという訳にはいきません。
授業運営を効率化するだけでなく、時にはゼロベースで考える必要さえ
あります。これはビジネスの世界でも同じです。限りある学内の資源を
最大限に活かして、効果の高い教育が展開できる環境を整備することが
今回の仕事です。
これに関連する話題として、フロリダでお世話になった先生のお話です。
大学にとって意識しなければならないお客は誰であるか?という問いに、
日本の大学関係者は決まって「学生」と答えるそうです。それに対して、
アメリカでは「学生を雇用してくれる企業」との返答ばかりだそうです。
アメリカの大学生はキャリアアップを目指し、貴重な時間と多くの費用
を自分に投資して大学で学びます。当然、投資のリターンとして給与が
高く将来性のある就職先を求めます。そして、学生の願いが叶いやすい
大学が選ばれるだけに、名声を高めたい大学としては企業が求める人材
の育成に力を入れます。
入学した学生に教育課程でいかに力を付けさせることができるか、また
企業が喜んで採用するような学生を育成できるかが重要です。企業なら、
自社の製品やサービスの付加価値を高め、より高額で買ってもらう狙い
と同じです。大学の研究や教育に対して、上述のような考え方ばかりが
支配的になる風潮には懸念する側面もあります。しかし、グローバル化
が進行する世界で、有用な人材を日本から輩出するには重要な視点です。
フロリダの大学では、毎年、企業がどのような人材を必要としているか、
また、学生にどのような能力を求めているかをヒアリング調査するそう
です。それを元に、常に学部のカリキュラムを見直し、教育方法も変更
するそうです。当然、学生の就職率や満足度にも直結します。まるで、
専門学校のようですが、これは実際にアメリカの州立大学で行われてい
ることなのです。
本学の教育プログラムにはかなり特徴があり、優れた取り組みも少なく
ありません。近隣の他大学と比べても、学生の潜在能力を引き出す教育
プログラムは充実しています。教職員の新陳代謝が進み、今後、さらに
これらが強化されるはずです。うまく組織化して効果的に実施すれば、
大きな成果が得られると期待されます。それには、アメリカ的な方式が
必要かもしれません。例えば、データ指標による現状分析や業務改善が
求めれるでしょう。これからは、成果の「可視化」がキーワードです。
────────────────≪ books ≫─
■ 本の紹介
───────────────────────
☆関連サイト:http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/112578.html
『国家はなぜ衰退するのか』,D.アセモグル,J.ロビンソン,早川書房
なかなか紹介できずじまいでしたが、春休みに読んで面白かったKindle
本を紹介します。今回の本は2分冊なので読了するには、少しばかり時間
がかかります。
書き出しは、アメリカとメキシコの国境隣接地の経済格差を事例にして、
国家体制によっていかに格差が生じるのかという問題提起から始まります。
この本にはいくつもの事例が出ているので、全部を理解するのは困難です。
ですから興味ある箇所を読んでいくのもよいでしょう。
自分にとって、最も印象的な部分はスペインの南米侵略です。マヤ文明や
アステカ文明など先住民族から卑劣で残虐極まりない手段で強奪した話は
読んでいて気分が悪くなるほどです。高校時代に世界史で習ったコルテス
やピサロの話は、表面的になぞっただけのような気がします。一方、南米
に比べて、当時のアメリカには奪うほど価値ある財宝がないためスペイン
は重視していませんでした。
土地は未開拓のままで、奴隷となりうる労働力はインディアンだけなので
侵略者としては魅力的ではありません。もちろん、フロリダ州はスペイン
やイギリスの支配を受けましたが、政治経済の中心になりえませんでした。
自分も1年間フロリダに暮らた経験から、そのあたりの事情がよくわかり
ました。
その後、イギリスの産業革命に至るストーリーも興味深く書かれています。
そして、なぜ民主的な政治経済体制が経済発展するのかについて、過去の
いくつもの国の例を引き合いに説明しています。民主的な国家、内戦状態
である国家、破綻した国家などにも触れています。
また、日本では明治維新の例も出ています。幕末の封建制度から近代化へ
を短期間に成し遂げた日本が、奇跡的な事例であったかをあらためて理解
させてくれます。
───────────────────
■最近のゼミから > 春学期のまとめの段
───────────────────
☆関連サイト:
5月8日(木)に開催された3年ゼミの新歓コンパには、昨年度の卒業生2名
が参加してくれました。年齢が近い社会人の視点から現役ゼミ生に向けた
アドバイスはありがたい限りです。今の学生にはSNSやLINEでの繋がりが
ありますが、やはり飲み会で実際のコミュニケーション機会は重要です。
単なる仲良しグループでなく、先輩や社会人を交えての空間をどのように
過ごすかは、今後のトレーニングとして重要です。そこでの気配りや立ち
振舞いを振り返ることで社会人基礎力も付くことでしょう。
さて、すでにFBから案内されているように7月17日(木)に3年生の発表会
が行われます。今年も春学期のまとめを15時過ぎから名古屋キャンパスの
曙503教室で実施しますので、お時間があれば、是非、見学下さい。今回の
発表会は1年や2年のゼミへも案内をしており、広く公開します。先輩から
の叱咤激励を与えてもらえると助かります。発表会後、18時から金山周辺
で春学期の打ち上げや反省会を兼ねた飲み会が予定されています。卒業生
の皆さんもご参加下さい。
今学期のゼミは、翌週の7月24日が最終の15回目です。今年度から授業回数
はきちんと15回を実施することになりました。定期試験はそれ以降に行わ
るので、15年程前に比べると3週間あまり長くなっていると思います。今が
厳しいというよりも、昔がルーズであったという方が適切でしょう。最後
のゼミでは、自己評価とルーブリックでの振り返り、夏休みの宿題を提示
する予定です。
このように春学期の予定は一昔前とは少しばかり異なっていますが、学生
やその活動、ゼミの雰囲気など一度ご覧頂きたいと思います。
───────────────────
■編□集□後□記□
───────────────────
卒業生がネットで新しいチャレンジをしています。自分の仕事があるにも
かかわらず、その情熱に敬意を覚えます。それだけに、将来の人材である
ゼミ生をしっかり鍛えなければなりません。同時によいコンテンツも提供
したいと考えています。このコジマガもその一助になればと思います。
いつか、連載したコジマガ全部をしみじみと読み返す日が来るはずなので、
それを楽しみに書き綴っていきます。読者の皆さんにもう飽きたと思われ
ないよう、新しい話題を提供してゆくつもりです。
第107号は07月07日、七夕に発行しました。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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■□□> コジマガ kojimag@ 第107号
□───────────────────2014.07.07─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.107
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
あっという間に今年も半分が終わり、梅雨模様の七夕です。服装は
クールビズが推奨されており、3.11以降、省エネルギーへの意識が
さらに高まり、超クールビズが進みました。学生ならば自由な服装
でよいのでしょうが、社会人はそうはいきません。
クールビズには出遅れ感があり、ワードローブが不十分で、今でも
苦手です。30代までなら若さがカバーするので、どんな服を着ても
それなりに映えます。しかし、歳を重ねるとルーズな服装はまさに
くたびれ感が際立つだけに気配りが必要です。特に、首周りには要
注意です。なので、暑さも構わずネクタイに頼ってしまいがちです。
消費を牽引するには、暑い夏が一番です。また、日頃から頑張って
いる自分へのご褒美として、夏対策商品の購入やレジャーでの奮発
をお勧めします。
───────────────────
■NGU短信 > 新学部新学科増設の段
───────────────────
☆関連サイト:http://www.ngu.jp/juken/index.html
4月から新しい職務に就任し、3ヶ月が経過してようやく仕事の全貌が
見えてきました。昔から「3日、3週間、3ヶ月、3年」というように、
環境が変わると時間とともに周りの状況が飲み込めてくるものです。
この言葉は卒業時にゼミ生へする話のネタのひとつです。3年すれば
キャリアになるので、「とりあえず3年ぐらいは頑張ってみなさい」と
伝えたい時に使っています。
今回、与えられたミッションの中で何より重要なのは、次年度の円滑な
授業運営です。すでに大学の広報誌「コスモラマ」や広告にも出ている
のでご存じの方も多いと思いますが、来年度には大学に2つの学部と1つ
の学科が誕生します。名古屋キャンパスには、総合政策学科を元に創設
する「現代社会学部」と外国語学部の2学科を元に「国際文化学部」が
設立します。そして、瀬戸キャンパスにあるスポーツ健康学部に「こども
スポーツ教育学科」が新設される予定です。
計画通りに進めば、来春には名古屋キャンパスが6学部8学科へ、瀬戸の
キャンパスは2学部3学科となります。大学50周年の目玉事業で、学部増
により多彩な人材を輩出でき、名古屋地区における大学の存在感や魅力
もアップするでしょう。既存の学部の学生も刺激を受けて、切磋琢磨に
よって、より多くの学修成果を積んでくれることが期待されます。
増設後に重要となるのは、まず支障なく授業を運営することです。昨年
とは前提条件が異なっているので、従来通りという訳にはいきません。
授業運営を効率化するだけでなく、時にはゼロベースで考える必要さえ
あります。これはビジネスの世界でも同じです。限りある学内の資源を
最大限に活かして、効果の高い教育が展開できる環境を整備することが
今回の仕事です。
これに関連する話題として、フロリダでお世話になった先生のお話です。
大学にとって意識しなければならないお客は誰であるか?という問いに、
日本の大学関係者は決まって「学生」と答えるそうです。それに対して、
アメリカでは「学生を雇用してくれる企業」との返答ばかりだそうです。
アメリカの大学生はキャリアアップを目指し、貴重な時間と多くの費用
を自分に投資して大学で学びます。当然、投資のリターンとして給与が
高く将来性のある就職先を求めます。そして、学生の願いが叶いやすい
大学が選ばれるだけに、名声を高めたい大学としては企業が求める人材
の育成に力を入れます。
入学した学生に教育課程でいかに力を付けさせることができるか、また
企業が喜んで採用するような学生を育成できるかが重要です。企業なら、
自社の製品やサービスの付加価値を高め、より高額で買ってもらう狙い
と同じです。大学の研究や教育に対して、上述のような考え方ばかりが
支配的になる風潮には懸念する側面もあります。しかし、グローバル化
が進行する世界で、有用な人材を日本から輩出するには重要な視点です。
フロリダの大学では、毎年、企業がどのような人材を必要としているか、
また、学生にどのような能力を求めているかをヒアリング調査するそう
です。それを元に、常に学部のカリキュラムを見直し、教育方法も変更
するそうです。当然、学生の就職率や満足度にも直結します。まるで、
専門学校のようですが、これは実際にアメリカの州立大学で行われてい
ることなのです。
本学の教育プログラムにはかなり特徴があり、優れた取り組みも少なく
ありません。近隣の他大学と比べても、学生の潜在能力を引き出す教育
プログラムは充実しています。教職員の新陳代謝が進み、今後、さらに
これらが強化されるはずです。うまく組織化して効果的に実施すれば、
大きな成果が得られると期待されます。それには、アメリカ的な方式が
必要かもしれません。例えば、データ指標による現状分析や業務改善が
求めれるでしょう。これからは、成果の「可視化」がキーワードです。
────────────────≪ books ≫─
■ 本の紹介
───────────────────────
☆関連サイト:http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/112578.html
『国家はなぜ衰退するのか』,D.アセモグル,J.ロビンソン,早川書房
なかなか紹介できずじまいでしたが、春休みに読んで面白かったKindle
本を紹介します。今回の本は2分冊なので読了するには、少しばかり時間
がかかります。
書き出しは、アメリカとメキシコの国境隣接地の経済格差を事例にして、
国家体制によっていかに格差が生じるのかという問題提起から始まります。
この本にはいくつもの事例が出ているので、全部を理解するのは困難です。
ですから興味ある箇所を読んでいくのもよいでしょう。
自分にとって、最も印象的な部分はスペインの南米侵略です。マヤ文明や
アステカ文明など先住民族から卑劣で残虐極まりない手段で強奪した話は
読んでいて気分が悪くなるほどです。高校時代に世界史で習ったコルテス
やピサロの話は、表面的になぞっただけのような気がします。一方、南米
に比べて、当時のアメリカには奪うほど価値ある財宝がないためスペイン
は重視していませんでした。
土地は未開拓のままで、奴隷となりうる労働力はインディアンだけなので
侵略者としては魅力的ではありません。もちろん、フロリダ州はスペイン
やイギリスの支配を受けましたが、政治経済の中心になりえませんでした。
自分も1年間フロリダに暮らた経験から、そのあたりの事情がよくわかり
ました。
その後、イギリスの産業革命に至るストーリーも興味深く書かれています。
そして、なぜ民主的な政治経済体制が経済発展するのかについて、過去の
いくつもの国の例を引き合いに説明しています。民主的な国家、内戦状態
である国家、破綻した国家などにも触れています。
また、日本では明治維新の例も出ています。幕末の封建制度から近代化へ
を短期間に成し遂げた日本が、奇跡的な事例であったかをあらためて理解
させてくれます。
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■最近のゼミから > 春学期のまとめの段
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☆関連サイト:
5月8日(木)に開催された3年ゼミの新歓コンパには、昨年度の卒業生2名
が参加してくれました。年齢が近い社会人の視点から現役ゼミ生に向けた
アドバイスはありがたい限りです。今の学生にはSNSやLINEでの繋がりが
ありますが、やはり飲み会で実際のコミュニケーション機会は重要です。
単なる仲良しグループでなく、先輩や社会人を交えての空間をどのように
過ごすかは、今後のトレーニングとして重要です。そこでの気配りや立ち
振舞いを振り返ることで社会人基礎力も付くことでしょう。
さて、すでにFBから案内されているように7月17日(木)に3年生の発表会
が行われます。今年も春学期のまとめを15時過ぎから名古屋キャンパスの
曙503教室で実施しますので、お時間があれば、是非、見学下さい。今回の
発表会は1年や2年のゼミへも案内をしており、広く公開します。先輩から
の叱咤激励を与えてもらえると助かります。発表会後、18時から金山周辺
で春学期の打ち上げや反省会を兼ねた飲み会が予定されています。卒業生
の皆さんもご参加下さい。
今学期のゼミは、翌週の7月24日が最終の15回目です。今年度から授業回数
はきちんと15回を実施することになりました。定期試験はそれ以降に行わ
るので、15年程前に比べると3週間あまり長くなっていると思います。今が
厳しいというよりも、昔がルーズであったという方が適切でしょう。最後
のゼミでは、自己評価とルーブリックでの振り返り、夏休みの宿題を提示
する予定です。
このように春学期の予定は一昔前とは少しばかり異なっていますが、学生
やその活動、ゼミの雰囲気など一度ご覧頂きたいと思います。
───────────────────
■編□集□後□記□
───────────────────
卒業生がネットで新しいチャレンジをしています。自分の仕事があるにも
かかわらず、その情熱に敬意を覚えます。それだけに、将来の人材である
ゼミ生をしっかり鍛えなければなりません。同時によいコンテンツも提供
したいと考えています。このコジマガもその一助になればと思います。
いつか、連載したコジマガ全部をしみじみと読み返す日が来るはずなので、
それを楽しみに書き綴っていきます。読者の皆さんにもう飽きたと思われ
ないよう、新しい話題を提供してゆくつもりです。
第107号は07月07日、七夕に発行しました。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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2014年3月21日金曜日
第105号(2014.03.21)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@ 第105号
□───────────────────2014.03.21─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.105
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
2013年度もあと10日です。新しい環境へ移行するOB/OGも多い時期ですので、
健康はに留意して、気持ちを新たに取り組んで下さい。さて、大学も次年度
から授業時間の確保がいっそう厳しくなります。また、これまで学位授与式
は3月15日前後でしたが、次年度は2015年3月21日(土)となり、一週間ほど
遅くなるそうです。時代の変化に対応できるだけの柔軟性が求められます。
───────────────────
■NGU短信 > 学位記と授与式の段
───────────────────
☆関連サイト:
3月14日(土)に卒業式が名古屋国際会議場にて行われました。正式名称
は学位記授与式で、すでに数年前から名称変更されています。学士課程を
修了した学部生と修士課程を修了した大学院生が参加します。所定の課程
教育を修了した者に学位を授与するという重要なイベントです。
一般的に学位取得には、決められた課程の要件をクリアすることが必要と
なります。多くは論文を課す場合があり、卒業論文・修士論文・博士論文
と呼ばれます。通常は、課程の最終年度に体裁を満たした論文を提出して、
査読者がこれをチェックし、学位授与に値するかを審査します。修士論文
や博士論文では指導教員の他、副査の教員つくパターンが多いようです。
研究内容に関する公開セミナーが必須であったり、口頭試問という試験を
する場合も少なくありません。もちろん不合格となることもあります。
審査や試験の評価には、査読者からの指摘箇所を加筆・修正することから
合格というケースもあります。研究機関によって対応は多少異なりますが、
以上の手続きを予備審査として、本審査へ進ませるという大学もあります。
教授会などで最終評価を決定し、ようやく学位が取得できます。こうした
面倒と思われる手順は、論文の水準を維持するために必要です。
すでにお気づきだと思いますが、ゼミでの卒論指導は一般的な学位論文に
従っています。まず、研究内容をプレゼンにまとめ、これをビデオに収録
します。卒業論文を執筆するのに内容が足りているかどうかを判断します。
次に論文の形式や体裁を整え、定められた期限までに提出します。その後、
ダメ出しを受けて、内容や体裁のクオリティを高めた結果、合格できると
いう手順になっています。すなわち、一般的な大学院での学位論文の作成
プロセスに倣っています。
大学卒業後、さらに大学院で研究したいという卒業生が増えていますので、
このような一般的なプロセスを体験することは有意義です。実際、本学の
大学院以外にも、働きながら早稲田大学大学院や名古屋工業大学大学院で
学び直すという高い志を持ったOBもいます。学位を取ることだけが、目的
になっては本末転倒ですが、アカデミックキャリアは国際的な仕事をする
上では重要です。こうした研鑽する機会から真の実力をつけてもらいたい
と願っています。自らを鍛え、自分の未知なる可能性を切り拓こうとする
姿勢が大事であることを卒業生からも学生に伝えてもらいたいと願います。
────────────────≪ books ≫─
■本の紹介 > イノベーション・オブ・ライフ
───────────────────────
☆関連サイト:http://books.shoeisha.co.jp/book/b101868.html
『イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ
君たちへ』,クレイトン・クリステンセンほか,翔泳社
春休みには授業がありませんが、その代わりに自分の研究活動などで忙しく
なります。研究時間でいろいろな文献を読みます。専門的な論文だけでなく、
これまで積ん読してあった本にも目を通します。最近は電子書籍を購入して
おり、かさばらないので出張時にも持って出かけられて便利です。
さて、積ん読本のひとつが『イノベーション・オブ・ライフ』です。著者の
クリステンセン教授は「破壊的イノベーション」で世界的に有名な学者です。
ハーバード大学のビジネススクールの大学院生たちへの教育や研究から得た
助言が含まれています。学生たちに伝えたいことが本にまとめれています。
超一流のアカデミックキャリアを身につけた人すべてが成功するわけでなく、
中には、ふとしたきっかけで転落の人生を歩んでいる事実があります。なぜ
望んでいない結果になってしまったのか?高い理想や高潔な人生を歩みたい
と思っていた有能な人物であったのに・・・という疑問から生まれた本です。
ともすると啓発本かも知れませんが、内容は経営学に深く関わっています。
最初に思い描いた通りの人生にはならないけれども、努力を続けることから
思わぬ道が拓けてくる可能性がある。実は、それが自分の天職であるという
こともあり、これを「創発的プロセス」として理論に重ねあわせながら説明
しています。実体験の少ない20代では、内容がわかりづらいかもしれません。
しかし、年齢を重ねるほど、クリステンセン教授の理論に基づく説明に納得
できるはずです。そのためには、多くの挫折と少しの成功という経験が必要
でしょう。
ちなみに、「破壊的イノベーション」とはそれまでライバルを寄せつけない
圧倒的な企業も、厄介なイノベーションが登場すると正しい戦略をとっても
優位性を保つことができず、滅んでしまうという理論です。かなり端折った
説明ですので、クリステンセン氏の『イノベーションのジレンマ』を読むと
良いと思います。また、日本語訳版での正しい理解を促すために以下の本を
推薦します。中嶋航一先生の『千と千尋の経済学:資本主義の「化け物語」』
です。Amazonの電子書籍からしか購入(\400)できませんが。大変面白い本
ですので、一読を薦めます。
───────────────────
■最近のゼミから > 経済学部卒業パーティとゼミ追コンの段
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☆関連サイト:http://www.anacrowneplaza-nagoya.jp/
卒業式の後、経済学部の卒業パーティが金山のANAクラウンプラザホテル
グランコートで開催されました。学部にとって初めてのホテル開催になり
ました。思い返せば、初のゼミ生を送り出した時は、卒業式後のパーティ
もありませんでした。2期生から学部で卒業パーティが開催され、3期生
はその幹事役を引き受けました。以来、学内のカフェテリアで、教授会の
主催するパーティが続いていました。他学部がホテルで開催し始めても、
経済学部は1学年450名と人数も多く、会場探しなどで躊躇していました。
名古屋へ移転した後も同じように実施していましたが、ようやく今年度は
ホテル開催となり、これで全学部がホテルでのパーティ形式になりました。
確かに学生や大学に経済的な負担が増えることになります。でも、やはり
人生の節目にはきちっとした行事も必要と考えます。さらに、社会人とも
なれば当然、社交場へ出る機会も多くなります。その際、最低限のマナー
や立ち振舞ができないのは、あまりにも大きな損失です。若いうちは所作
や身だしなみを覚える必要があります。ゼミの卒業生諸君には、華やかな
舞台で自らを磨いてもらいたいと願って止みません。
パーティでの抽選会では、黄金の右腕でゼミ生への当たりくじを引き当て
ました。その夜、金山でゼミの追い出しコンパが始まりました。3年生は
就職活動の真っ最中ですが、彼らが先輩である4年生をもてなす役割です。
追コンは数年ぶりの開催でしたが、ゼミの時間やサブゼミ・数度の飲み会
を経ているので、学年を超えてコミュニケーションがとれるような雰囲気
になっていました。上下の学年に接点を持たせる従来のやり方が、今でも
踏襲されています。相互に言葉や記念品を交わし、とても温かなコンパと
なったのは言うまでもありません。
───────────────────
■編□集□後□記□
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自分にとって40代最後の春となりました。思い返せば、名古屋学院大学に
奉職して以来、20年が経過しようとしています。最初の10年はただ走って
きただけという感があり、自分では十分な成果がなかったように思います。
勤続表彰という制度が大学にありますが、10年目でこれを受けた時には、
正直恥ずかしい気持ちが強かったのを今でも覚えています。ゼミや授業の
教育面では、手を抜くことなく努力した自負はありましたが、それ以外の
仕事に対して忸怩たるものがあったのでしょう。論語の「三十而立」とは
ほど遠く、経済的に自立したものの、自らの仕事に満足できる状態であり
ませんでした。
それに比べて後半は本当に激動の10年間だったように感じます。厄年とも
重なり厳しい40代のスタートでした。その後、状況は一転し、少なからぬ
成果を得られたのも、多くの人のお陰です。そこには、さまざまな出会い
や別れがあり、幸運にも恵まれました。そして、ようやく自分のライフ・
ワークのひとつを見つけることができました。やはり孔子の「四十而不惑」
どころではなく迷ってばかりでしたが、面倒がらず動き見て聞いて体験し、
頭で考えた結果が実を結んだと思います。
さて、次の10年はどのようになるのでしょうか。論語では「五十而知天命」
ということですが、おそらく天命を知ることもないまま過ごしてしまうと
思います。ただ、これまで自分が頂いた御恩を次の世代へ送ることだけは
やらねばなりません。新年度から新らしい仕事が始まるだけに、これにも
新鮮な気持ちで取り組んでいきたいと思います。大きな目標を持ちながら
頑張れば、いつか「創発的プロセス」がやってくるはずです。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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■□□> コジマガ kojimag@ 第105号
□───────────────────2014.03.21─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.105
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
2013年度もあと10日です。新しい環境へ移行するOB/OGも多い時期ですので、
健康はに留意して、気持ちを新たに取り組んで下さい。さて、大学も次年度
から授業時間の確保がいっそう厳しくなります。また、これまで学位授与式
は3月15日前後でしたが、次年度は2015年3月21日(土)となり、一週間ほど
遅くなるそうです。時代の変化に対応できるだけの柔軟性が求められます。
───────────────────
■NGU短信 > 学位記と授与式の段
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☆関連サイト:
3月14日(土)に卒業式が名古屋国際会議場にて行われました。正式名称
は学位記授与式で、すでに数年前から名称変更されています。学士課程を
修了した学部生と修士課程を修了した大学院生が参加します。所定の課程
教育を修了した者に学位を授与するという重要なイベントです。
一般的に学位取得には、決められた課程の要件をクリアすることが必要と
なります。多くは論文を課す場合があり、卒業論文・修士論文・博士論文
と呼ばれます。通常は、課程の最終年度に体裁を満たした論文を提出して、
査読者がこれをチェックし、学位授与に値するかを審査します。修士論文
や博士論文では指導教員の他、副査の教員つくパターンが多いようです。
研究内容に関する公開セミナーが必須であったり、口頭試問という試験を
する場合も少なくありません。もちろん不合格となることもあります。
審査や試験の評価には、査読者からの指摘箇所を加筆・修正することから
合格というケースもあります。研究機関によって対応は多少異なりますが、
以上の手続きを予備審査として、本審査へ進ませるという大学もあります。
教授会などで最終評価を決定し、ようやく学位が取得できます。こうした
面倒と思われる手順は、論文の水準を維持するために必要です。
すでにお気づきだと思いますが、ゼミでの卒論指導は一般的な学位論文に
従っています。まず、研究内容をプレゼンにまとめ、これをビデオに収録
します。卒業論文を執筆するのに内容が足りているかどうかを判断します。
次に論文の形式や体裁を整え、定められた期限までに提出します。その後、
ダメ出しを受けて、内容や体裁のクオリティを高めた結果、合格できると
いう手順になっています。すなわち、一般的な大学院での学位論文の作成
プロセスに倣っています。
大学卒業後、さらに大学院で研究したいという卒業生が増えていますので、
このような一般的なプロセスを体験することは有意義です。実際、本学の
大学院以外にも、働きながら早稲田大学大学院や名古屋工業大学大学院で
学び直すという高い志を持ったOBもいます。学位を取ることだけが、目的
になっては本末転倒ですが、アカデミックキャリアは国際的な仕事をする
上では重要です。こうした研鑽する機会から真の実力をつけてもらいたい
と願っています。自らを鍛え、自分の未知なる可能性を切り拓こうとする
姿勢が大事であることを卒業生からも学生に伝えてもらいたいと願います。
────────────────≪ books ≫─
■本の紹介 > イノベーション・オブ・ライフ
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☆関連サイト:http://books.shoeisha.co.jp/book/b101868.html
『イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ
君たちへ』,クレイトン・クリステンセンほか,翔泳社
春休みには授業がありませんが、その代わりに自分の研究活動などで忙しく
なります。研究時間でいろいろな文献を読みます。専門的な論文だけでなく、
これまで積ん読してあった本にも目を通します。最近は電子書籍を購入して
おり、かさばらないので出張時にも持って出かけられて便利です。
さて、積ん読本のひとつが『イノベーション・オブ・ライフ』です。著者の
クリステンセン教授は「破壊的イノベーション」で世界的に有名な学者です。
ハーバード大学のビジネススクールの大学院生たちへの教育や研究から得た
助言が含まれています。学生たちに伝えたいことが本にまとめれています。
超一流のアカデミックキャリアを身につけた人すべてが成功するわけでなく、
中には、ふとしたきっかけで転落の人生を歩んでいる事実があります。なぜ
望んでいない結果になってしまったのか?高い理想や高潔な人生を歩みたい
と思っていた有能な人物であったのに・・・という疑問から生まれた本です。
ともすると啓発本かも知れませんが、内容は経営学に深く関わっています。
最初に思い描いた通りの人生にはならないけれども、努力を続けることから
思わぬ道が拓けてくる可能性がある。実は、それが自分の天職であるという
こともあり、これを「創発的プロセス」として理論に重ねあわせながら説明
しています。実体験の少ない20代では、内容がわかりづらいかもしれません。
しかし、年齢を重ねるほど、クリステンセン教授の理論に基づく説明に納得
できるはずです。そのためには、多くの挫折と少しの成功という経験が必要
でしょう。
ちなみに、「破壊的イノベーション」とはそれまでライバルを寄せつけない
圧倒的な企業も、厄介なイノベーションが登場すると正しい戦略をとっても
優位性を保つことができず、滅んでしまうという理論です。かなり端折った
説明ですので、クリステンセン氏の『イノベーションのジレンマ』を読むと
良いと思います。また、日本語訳版での正しい理解を促すために以下の本を
推薦します。中嶋航一先生の『千と千尋の経済学:資本主義の「化け物語」』
です。Amazonの電子書籍からしか購入(\400)できませんが。大変面白い本
ですので、一読を薦めます。
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■最近のゼミから > 経済学部卒業パーティとゼミ追コンの段
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☆関連サイト:http://www.anacrowneplaza-nagoya.jp/
卒業式の後、経済学部の卒業パーティが金山のANAクラウンプラザホテル
グランコートで開催されました。学部にとって初めてのホテル開催になり
ました。思い返せば、初のゼミ生を送り出した時は、卒業式後のパーティ
もありませんでした。2期生から学部で卒業パーティが開催され、3期生
はその幹事役を引き受けました。以来、学内のカフェテリアで、教授会の
主催するパーティが続いていました。他学部がホテルで開催し始めても、
経済学部は1学年450名と人数も多く、会場探しなどで躊躇していました。
名古屋へ移転した後も同じように実施していましたが、ようやく今年度は
ホテル開催となり、これで全学部がホテルでのパーティ形式になりました。
確かに学生や大学に経済的な負担が増えることになります。でも、やはり
人生の節目にはきちっとした行事も必要と考えます。さらに、社会人とも
なれば当然、社交場へ出る機会も多くなります。その際、最低限のマナー
や立ち振舞ができないのは、あまりにも大きな損失です。若いうちは所作
や身だしなみを覚える必要があります。ゼミの卒業生諸君には、華やかな
舞台で自らを磨いてもらいたいと願って止みません。
パーティでの抽選会では、黄金の右腕でゼミ生への当たりくじを引き当て
ました。その夜、金山でゼミの追い出しコンパが始まりました。3年生は
就職活動の真っ最中ですが、彼らが先輩である4年生をもてなす役割です。
追コンは数年ぶりの開催でしたが、ゼミの時間やサブゼミ・数度の飲み会
を経ているので、学年を超えてコミュニケーションがとれるような雰囲気
になっていました。上下の学年に接点を持たせる従来のやり方が、今でも
踏襲されています。相互に言葉や記念品を交わし、とても温かなコンパと
なったのは言うまでもありません。
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■編□集□後□記□
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自分にとって40代最後の春となりました。思い返せば、名古屋学院大学に
奉職して以来、20年が経過しようとしています。最初の10年はただ走って
きただけという感があり、自分では十分な成果がなかったように思います。
勤続表彰という制度が大学にありますが、10年目でこれを受けた時には、
正直恥ずかしい気持ちが強かったのを今でも覚えています。ゼミや授業の
教育面では、手を抜くことなく努力した自負はありましたが、それ以外の
仕事に対して忸怩たるものがあったのでしょう。論語の「三十而立」とは
ほど遠く、経済的に自立したものの、自らの仕事に満足できる状態であり
ませんでした。
それに比べて後半は本当に激動の10年間だったように感じます。厄年とも
重なり厳しい40代のスタートでした。その後、状況は一転し、少なからぬ
成果を得られたのも、多くの人のお陰です。そこには、さまざまな出会い
や別れがあり、幸運にも恵まれました。そして、ようやく自分のライフ・
ワークのひとつを見つけることができました。やはり孔子の「四十而不惑」
どころではなく迷ってばかりでしたが、面倒がらず動き見て聞いて体験し、
頭で考えた結果が実を結んだと思います。
さて、次の10年はどのようになるのでしょうか。論語では「五十而知天命」
ということですが、おそらく天命を知ることもないまま過ごしてしまうと
思います。ただ、これまで自分が頂いた御恩を次の世代へ送ることだけは
やらねばなりません。新年度から新らしい仕事が始まるだけに、これにも
新鮮な気持ちで取り組んでいきたいと思います。大きな目標を持ちながら
頑張れば、いつか「創発的プロセス」がやってくるはずです。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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2014年2月9日日曜日
第104号(2014.02.09)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□─────────────────────────
■□□> コジマガ kojimag@ 第104号
□───────────────────2014.02.09─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.104
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
2014年になり、初めてのコジマガです。年が明けてからいよいよ卒論
指導が大詰めを迎えたので、発行するタイミングを逸していました。
ようやく一段落したので、久しぶりのメルマガとなりました。今年は、
名古屋学院大学と児島が誕生して50年を迎えます。また、大学に就職
してから20年目となります。個人の年賀状にそのようなことを記載し、
節目の年に気持ちを引き締めました。
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■NGU短信 > 卒業論文指導が終了の段
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☆関連サイト:http://blog.ngu.ac.jp/kgakusyu/2013/12/bridgeno3.html
去る2月7日に、児島ゼミナールの2013年度の卒論指導が終了しました。
秋学期の成績開示日に、ゼミ生全員が完成したことで安堵しています。
ゼミ生たちの焦る姿様子は、12月中旬あたりから徐々に出てきました。
直に先輩たちの苦労する姿を見ていないことと、初めての経験だった
だけに、作成に臨む態度が甘かったり、自分の能力への過信が遅れに
つながったように思います。
今年度は1月15日が経済学部としての提出期日で、そこから論文内容の
チェックをし、2月初旬までに成績評価を提出しなければなりません。
毎度のことですが、論文のチェックと加筆修正には大変な労力が必要
です。多くの学生が抱える表面的な課題は以下の2点です。1)他人に
読ませる日本語が書けない、2)ワープロをはじめデジタルツールが
うまく使いこなせない。
まず、大学に3年以上も在籍しているにもかかわらず、文章が書けない
ことは大問題です。どうやって単位取得できたのか、認定した教員側
にも問題があるかも知れません。その中には、成績優秀者として表彰
された学生も含まれているから驚きです。
また、Wordでの作文となると悲惨さは増します。機能を知らないので、
体裁はバラバラでどうして整えるのかわからない学生も見られます。
本学は全学生にノートパソコンを持たせ、情報処理リテラシーの授業
を実施しています。にもかかわらず、この有り様です。単位の取得と
本物の実力はまったく違うということを示す好例かもしれません。
卒論作成プロセスを、社会で生き抜く本物の実力を養成する教育機会
とする必要があります。効果的な実践とするには、教員が一人で学生
を相手にするのでなく、ゼミ生同士の相互扶助を進めることでしょう。
前に表面的な課題を挙げましたが、根本的な問題はマネジメント能力
です。目標を達成するには、いかに行動するかを自ら計画しなければ
なりません。面倒な仕事になるほどこの能力が必要なので、ゼミ生に
求める一番の能力です。
今年度は「はじめに」「おわりに」などの赤ペン指導によって約2本
の赤ペンインクがなくなりました。また、ダメ出し原稿はPDFにして、
CCSのフリーフォルダにアップしました。ファイルの総数は80を超えて
います。提出された完成原稿を元に製本準備しています。毎回、序文
を書いていますので、これを完成させれば準備完了です。新たな試み
としては、今年度からEPUBでの電子書籍化に挑戦する予定です。
18期生たちの指導は終わりました。これで、今年度も無事に終わった
達成感があります。今回もいろいろな挑戦をしました。3年ゼミから
卒論完成まで2年間でルーブリックを使ってきました。このプロセス
でどれだけの力がついたのかを可視化することに成功しました。この
結果には満足しています。また、卒論指導の最中に教育学習センター
からインタビューを受けました。その中で、ゼミ指導の話題にも触れ
ましたら、ブログ記事にまとめてもらいました。もしお時間があれば
ご笑覧ください。
────────────────≪ books ≫─
■ 本の紹介 > 希望のつくりかた
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☆関連サイト:http://book.asahi.com/reviews/column/2011071700414.html
『希望のつくりかた』,玄田有史,岩波文庫
著者は東京大学で、労働経済学を研究している経済学者です。2001年に
出版された『仕事のなかの曖昧な不安 揺れる若年の現在』(中央公論
新社)は、サントリー学芸賞及び日経経済図書文化賞を受賞しています。
若者の不安を研究する中で、人が将来へ希望を持つにはどうあればよい
かという課題が、筆者を「希望学」への研究へと駆り立てたのでしょう。
現状を客観的に分析するだけでなく、どのようにすべきかという政策的
な提言をするためには、希望とは何か、どうすれば希望を抱くのか、と
いう視点での研究が必要です。そして、国民が将来への希望を持ること
ができる社会を実現するにはどうあるべきかという研究に繋がります。
例えば、筆者は現地調査で数度にわたり岩手県釜石市を訪問しています。
かつて鉄鋼産業が繁栄していた頃は、釜石市は大きな賑いを見せていま
した。ラグビーの新日鉄釜石は全国制覇するなど、その名は全国的にも
知られています。しかし、アジア諸国のキャッチアップがあって、鉄鋼
産業が傾いてくると主要産業に依存していた町に活気がなくなります。
とはいえ、その土地で生計を立てて、町の振興に力を注ぐ人々は少なく
ありません。そのような人たちとの関わりから「希望とは」何かを探る
ようなアプローチをしています。ご存知のように釜石市は東日本大震災
で甚大な被害を受けました。それ以前にこの本は出版されています。
さて、この本で心に残った部分は「Weak Ties(弱い紐帯)」の話です。
この用語は、社会学はじめ情報システムやネットワーク理論でも扱われ
ており、マーケティングでも応用されています。ここでも登場したこと
に驚きましたが、確かに役立つ話です。普段から自分の周りにいる人間
は同じ類型であって、広がりに欠けるところがあります。しかし、全く
異なる集団であれば、多様性に富み自分の求めているものと出会う確率
が高まります。例えば、毎日顔を合わせるような組織よりも同窓会など
弱いつながりの方が、新たな機会が広がるということです。
最近はSNSを対象としてネットワーク構造の研究が進んでいます。周りに
いる家族や友人、会社などの強い関係だけでなく、極めて緩い繋がりが
SNSで実現できています。多忙な日常を過ごしていると、周りの世界だけ
で手一杯です。一生という長期的な視点で見れば、緩やかな人間関係を
保っておくことも重要であることを示唆しています。
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■最近のゼミから > ゼミサイト更新の段
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☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/
年末にゼミのサイトを更新しました。個人情報に対応し、暫定版のまま
でしたが、今回の変更では、基本的なデザインは残しながらも、情報を
取捨選択し、必要な情報を全面に出すようにしました。
今日では毎日のように利用するネット上のツールが増えています。授業
ではCCS、SNS(Facebook、Twitter)の他、ゼミOB会でのCMS(XOOPS)、
コジマガのブログ(Blogger)、メーリングリスト(kojimag@)と多様
です。どれを使うべきかは難しい選択ですが、関心あるユーザにとって
ポータルがしっかりしており、手間いらずならばどれでも構わないはず
です。サイトの構成に正解はありませんが、今回の更新では時代の流れ
を取り入れてみました。主な変更点や構成内容は以下のとおりです。
まず、ヘッダー部分には外部サイトへのリンクとして、大学公式サイト
facebook(大学・児島ゼミ)、ゼミOBサイトとしました。タイトル名の
背景色は本学のスクールカラーにして、ファビコンも付けました。
次に、左カラムです。20年に渡るゼミのデータやゼミ運営のノウハウを
掲載しています。これらを蓄積して公開する場所は、ゼミのサイトしか
ありません。確かにFacebookやメルマガ、Twitterは即時性があります
が、ゼミで必要なTipsをここから探すには不向きです。また、CCSでは
学年ごとにクローズであり、1年限りなので長期継続するゼミでは問題
があります。アーカイブとしての機能に優れるのは、ゼミのWebサイト
です。そこで、クリエイティブ・コモンズでのゼミ教材を中心に再構成
しました。4年生の卒論指導に関するファイルは、ここから誰でも入手
できるようにしました。さらに、ゼミでの新たな指導法や活動記録は、
年に2回程度、更新できればよいと考えています。
2015年にはゼミが創立20周年となりますので、そろそろ過去のデータを
纏めておかなければ散逸してしまう恐れがあります。そこで、サイトの
更新にあわせて、クロニクルの整理をしました。■になっている部分が
わからなくなっている部分です。写真に日付が入っている行事は本当に
便利でした。卒業生の皆さんは、お手持ちの資料から調査してもらえる
と助かります。
そして、右カラムにコジマガの見出しを最新号から順に提示しています。
2010年にコジマガをブログでも保存し始めたことで、このようなリスト
をRSS機能で自動作成することができました。これで最新号も自動的に
表示され、手間いらずです。コジマガとうまく共存できるような構成と
しました。なお、最下段は、児島がアメリカ留学でお世話になったUCF
とCDLのリンクが張ってあります。
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■編□集□後□記□
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昨年末(12月30日)にゼミOB会の主催による忘年会が開催されました。
多くの出席者があり、遠方より駆けつけてくれた卒業生もいて、いつも
のように楽しい会となりました。3・4年の現役生の参加もあり、きっと
彼らには大きな刺激になったように思います。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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2013年10月23日水曜日
第101号(2013.10.23)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□─────────────────────────
■□□> コジマガ kojimag@ 第101号
□───────────────────2013.10.23─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.101
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
9月20日に秋学期が始まりました。秋は春学期と違って何かと慌ただしい学期です。
原因は、まず、大学での行事が多いことです。大学祭やクラブの公式試合をはじめ、
ゼミ関連では次年度の応募・選考、卒業研究発表会、卒論の仕上げ、卒業写真撮影、
就活準備のキャリアガイダンスなど盛りだくさんです。次に、季節変わりの影響も
少なくありません。台風や降雪の影響で休講になることもあります。寒くなると朝
の授業は遅刻者が増えますし、風邪をひく学生が多くなります。インフルエンザが
流行すると授業進度に大きな障害を与えます。加えて、単位数が十分な3・4年生は
履修している教科も少なく、大学離れが進む学期ともいえます。本来、学生は就活
準備や卒論への取り組みで繁忙期なのですが、残念ながら高い意識の学生が少ない
のが現状です。これは日本の大学教育の弱点でしょう。(ちょっとした意識の差が、
将来での大きな差になってしまうように思えます。)
いずれにせよ、ゼミではマネジメント能力を高めて充実した秋学期を目指します。
卒業生が大学へ訪ねてくることもあるので、秋学期の授業予定を記しておきます。
ご参考までに(出張やイベントなどもあって、この限りではありません)。
火曜1限: 経済データ分析 曙203教室
火曜3限: 大学院 828研究室
木曜1限: 公共政策特別演習 曙611教室
木4/5限: ゼミ(3・4年) 曙406教室
金曜2限: ゼミ(2年) 曙516教室
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■NGU短信 > COC採択の段
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☆関連サイト:http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/coc/
http://www.ngu.jp/system/article/detail/3406
前号で簡単に紹介しましたが、本学はCOCに採択されました。そもそも「地(知)の
拠点整備事業(大学COC事業)」とは以下のようです。
大学等が自治体と連携し、全学的に地域を志向した教育・研究・地域貢献を進める
大学を支援することで、課題解決に資する様々な人材や情報・技術が集まる、地域
コミュニティの中核的存在としての大学の機能強化を図ることを目的としています。
(以上、文部科学省サイトから引用)
すなわち、地元と協力したまちづくりだけでなく、教育や研究成果を地域に還元し、
貢献するという取り組みです。特に、申請にあたっては自治体との連携が強く求め
られており、公的書類が必要となります。1県1大学といった目安なので、採択は
かなりの競争率になりました。愛知県の大学は本学と中部大学のみで、名古屋市と
提携で事業を進めるのは本学のみです。
この採択で公的支援を受けながら事業を進めることができます。地元の名古屋市と
瀬戸市との連携をさらに深められるでしょう。今後は、地域に関連した授業科目が
増えてゆきます。教室内での授業だけでなく、地域を教育現場としたアクティブ・
ラーニングも増えてきそうです。これまでは経済学部を中心とした「まちづくり」
という特色が、大学全体の強みへと発展してゆく取り組みです。
このような活動は、大学内の活性化にも寄与するはずです。新政権でも大学改革が
需要課題のひとつに取り上げられているので、大学のプレゼンスを上げるチャンス
と捉えるべきかもしれません。
────────────────≪ books ≫─
■ 本の紹介
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☆関連サイト:http://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-9988699883
『ファスト&スロー : あなたの意思はどのように決まるか?』,
ダニエル・カーネマン,早川書房 ,2012年
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著者は行動経済学のパイオニアで、2002年にノーベル経済学賞を受賞しています。
有名なプロスペクト理論が本人の平易な文章で書かれており、秋の夜長の読書には
お勧めの一冊です。ヒトの脳にはシステム1とシステム2があることから始まり、
読者を徐々に行動経済学へと誘っていきます。
日本語訳は上下2巻ですが、適度な文量の章立てとなっています。また、各章末には
まとめが出ているので、読みやすくなっています。今年、Kindle Whitepaperを購入
したので、この本も電子書籍版で読みました。紙の本と比べると1冊あたり300円ほど
安くなります(日本語版)。英語版で驚くのが、Kindleではなんと800円ほどで購入
できました。再販制度がないと本の価格は弾力的に動きます。
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■最近のゼミから > ガイダンスとゼミ紹介ポスターの段
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☆関連サイト:https://www.facebook.com/NagoyaGakuinUniversity
本年度は学部内で教務の仕事を拝命しています。主に授業関連の仕事なので
「無事これ名馬」のごとく、事なきを得るのが一番であるのかもしれません。
とはいっても自分の性格を考えれば、事なかれという態度でいられるはずが
ありません。現状維持が第一でなく、さらに良くする方法を模索しています。
すなわち、最小限の投入コストでこれまで以上の成果を挙げられる仕掛けを
目指しています。
取り組みのひとつが「ゼミ募集ガイダンス」と「ゼミ紹介ポスター展示」です。
ご存知のように、次年度のゼミを応募する際は演習要項をもらい(最近では
CCSからダウンロードし)、友人たちとあれこれ相談して選択したのではない
でしょうか。かねてより学生が持っているゼミに関する情報がかなり少ない
ことが気にかかっていました。また、近年では2年生以上の学生全員に向けた
教務的内容のガイダンスがほとんど実施されていません。CCSからの連絡だけ
になっており、連絡情報をチェックしそびれた学生は、大学から切り離されて
しまっているのではないかと危惧していました。
深刻なデータは、ゼミに応募しない学生の増加です。昔から応募し忘れる学生
はいましたが、事態の重要性に気づかないまま過ごしている学生が増えている
ことに危機感を覚えます。もちろん、これは学生だけの問題ではありません。
自戒を込めて言うならば、アナウンスが業務になっていると同時に、ネットに
依存し過ぎています。学生にとって、大学の動きがキャンパス内で目や耳など
から感じられないことにも原因があるように思います。大学の活性化は、学生
同士がスムーズに情報交換ができ、相互に働きかけをすることにあります。
10月18日(金)、学科別に学生を大教室へ集めてガイダンスを実施しました。
ここから正確な情報を発信することで、学生の注意が一時的に喚起されます。
ただし、ゼミを選択する材料がネット上だけでは、学生同士の話題として継続
しません。そこで、ガイダンスの教室を出た場所にゼミ紹介ポスターを展示し、
ここでワイワイガヤガヤと話ができる空間を作りました。(記事と写真はNGUの
公式Facebookページに掲載されています。)
このようにゼミが募集中であることを目に見えるようにすれば、自ずと学生間
で話題となります。視覚的イメージや最小限のゼミ内容はポスターから分かる
ようにし、詳しくはWeb(CCS)でという流れとしました。ゼミ応募の期間中に
学生たちがポスターの前であれこれ話をしながら、自分の将来を考える機会に
なればと期待しています。
なお、このゼミ紹介ポスターは10月30日まで白鳥学舎の曙館2階の通路端に展示
されています。学園祭で大学に来る機会があれば、是非、チェックして下さい。
いくつになっても挑戦は止めたくありません。
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■編□集□後□記□
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ゼミOBサイトとSNSの連携という試みが続いています。ご尽力いただいている
OBの小林君や馬渕君にはお礼を申し上げます。Web技術の進展や情報端末の普及
により、昔とは違った情報発信のあり方が求められています。Face to Faceの
基本的なコミュニケーションは変わりませんが、便利な道具はいつも「破壊的
イノベーション」にさらされているように感じます。
さて、卒業生からおめでたい話題をもらったりと、ありがたい限りです。次回、
お目にかかる機会があれば、いろいろな話を聞かせて下さい。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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■□□> コジマガ kojimag@ 第101号
□───────────────────2013.10.23─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.101
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
9月20日に秋学期が始まりました。秋は春学期と違って何かと慌ただしい学期です。
原因は、まず、大学での行事が多いことです。大学祭やクラブの公式試合をはじめ、
ゼミ関連では次年度の応募・選考、卒業研究発表会、卒論の仕上げ、卒業写真撮影、
就活準備のキャリアガイダンスなど盛りだくさんです。次に、季節変わりの影響も
少なくありません。台風や降雪の影響で休講になることもあります。寒くなると朝
の授業は遅刻者が増えますし、風邪をひく学生が多くなります。インフルエンザが
流行すると授業進度に大きな障害を与えます。加えて、単位数が十分な3・4年生は
履修している教科も少なく、大学離れが進む学期ともいえます。本来、学生は就活
準備や卒論への取り組みで繁忙期なのですが、残念ながら高い意識の学生が少ない
のが現状です。これは日本の大学教育の弱点でしょう。(ちょっとした意識の差が、
将来での大きな差になってしまうように思えます。)
いずれにせよ、ゼミではマネジメント能力を高めて充実した秋学期を目指します。
卒業生が大学へ訪ねてくることもあるので、秋学期の授業予定を記しておきます。
ご参考までに(出張やイベントなどもあって、この限りではありません)。
火曜1限: 経済データ分析 曙203教室
火曜3限: 大学院 828研究室
木曜1限: 公共政策特別演習 曙611教室
木4/5限: ゼミ(3・4年) 曙406教室
金曜2限: ゼミ(2年) 曙516教室
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■NGU短信 > COC採択の段
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☆関連サイト:http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/coc/
http://www.ngu.jp/system/article/detail/3406
前号で簡単に紹介しましたが、本学はCOCに採択されました。そもそも「地(知)の
拠点整備事業(大学COC事業)」とは以下のようです。
大学等が自治体と連携し、全学的に地域を志向した教育・研究・地域貢献を進める
大学を支援することで、課題解決に資する様々な人材や情報・技術が集まる、地域
コミュニティの中核的存在としての大学の機能強化を図ることを目的としています。
(以上、文部科学省サイトから引用)
すなわち、地元と協力したまちづくりだけでなく、教育や研究成果を地域に還元し、
貢献するという取り組みです。特に、申請にあたっては自治体との連携が強く求め
られており、公的書類が必要となります。1県1大学といった目安なので、採択は
かなりの競争率になりました。愛知県の大学は本学と中部大学のみで、名古屋市と
提携で事業を進めるのは本学のみです。
この採択で公的支援を受けながら事業を進めることができます。地元の名古屋市と
瀬戸市との連携をさらに深められるでしょう。今後は、地域に関連した授業科目が
増えてゆきます。教室内での授業だけでなく、地域を教育現場としたアクティブ・
ラーニングも増えてきそうです。これまでは経済学部を中心とした「まちづくり」
という特色が、大学全体の強みへと発展してゆく取り組みです。
このような活動は、大学内の活性化にも寄与するはずです。新政権でも大学改革が
需要課題のひとつに取り上げられているので、大学のプレゼンスを上げるチャンス
と捉えるべきかもしれません。
────────────────≪ books ≫─
■ 本の紹介
───────────────────────
☆関連サイト:http://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-9988699883
『ファスト&スロー : あなたの意思はどのように決まるか?』,
ダニエル・カーネマン,早川書房 ,2012年
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著者は行動経済学のパイオニアで、2002年にノーベル経済学賞を受賞しています。
有名なプロスペクト理論が本人の平易な文章で書かれており、秋の夜長の読書には
お勧めの一冊です。ヒトの脳にはシステム1とシステム2があることから始まり、
読者を徐々に行動経済学へと誘っていきます。
日本語訳は上下2巻ですが、適度な文量の章立てとなっています。また、各章末には
まとめが出ているので、読みやすくなっています。今年、Kindle Whitepaperを購入
したので、この本も電子書籍版で読みました。紙の本と比べると1冊あたり300円ほど
安くなります(日本語版)。英語版で驚くのが、Kindleではなんと800円ほどで購入
できました。再販制度がないと本の価格は弾力的に動きます。
───────────────────
■最近のゼミから > ガイダンスとゼミ紹介ポスターの段
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☆関連サイト:https://www.facebook.com/NagoyaGakuinUniversity
本年度は学部内で教務の仕事を拝命しています。主に授業関連の仕事なので
「無事これ名馬」のごとく、事なきを得るのが一番であるのかもしれません。
とはいっても自分の性格を考えれば、事なかれという態度でいられるはずが
ありません。現状維持が第一でなく、さらに良くする方法を模索しています。
すなわち、最小限の投入コストでこれまで以上の成果を挙げられる仕掛けを
目指しています。
取り組みのひとつが「ゼミ募集ガイダンス」と「ゼミ紹介ポスター展示」です。
ご存知のように、次年度のゼミを応募する際は演習要項をもらい(最近では
CCSからダウンロードし)、友人たちとあれこれ相談して選択したのではない
でしょうか。かねてより学生が持っているゼミに関する情報がかなり少ない
ことが気にかかっていました。また、近年では2年生以上の学生全員に向けた
教務的内容のガイダンスがほとんど実施されていません。CCSからの連絡だけ
になっており、連絡情報をチェックしそびれた学生は、大学から切り離されて
しまっているのではないかと危惧していました。
深刻なデータは、ゼミに応募しない学生の増加です。昔から応募し忘れる学生
はいましたが、事態の重要性に気づかないまま過ごしている学生が増えている
ことに危機感を覚えます。もちろん、これは学生だけの問題ではありません。
自戒を込めて言うならば、アナウンスが業務になっていると同時に、ネットに
依存し過ぎています。学生にとって、大学の動きがキャンパス内で目や耳など
から感じられないことにも原因があるように思います。大学の活性化は、学生
同士がスムーズに情報交換ができ、相互に働きかけをすることにあります。
10月18日(金)、学科別に学生を大教室へ集めてガイダンスを実施しました。
ここから正確な情報を発信することで、学生の注意が一時的に喚起されます。
ただし、ゼミを選択する材料がネット上だけでは、学生同士の話題として継続
しません。そこで、ガイダンスの教室を出た場所にゼミ紹介ポスターを展示し、
ここでワイワイガヤガヤと話ができる空間を作りました。(記事と写真はNGUの
公式Facebookページに掲載されています。)
このようにゼミが募集中であることを目に見えるようにすれば、自ずと学生間
で話題となります。視覚的イメージや最小限のゼミ内容はポスターから分かる
ようにし、詳しくはWeb(CCS)でという流れとしました。ゼミ応募の期間中に
学生たちがポスターの前であれこれ話をしながら、自分の将来を考える機会に
なればと期待しています。
なお、このゼミ紹介ポスターは10月30日まで白鳥学舎の曙館2階の通路端に展示
されています。学園祭で大学に来る機会があれば、是非、チェックして下さい。
いくつになっても挑戦は止めたくありません。
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■編□集□後□記□
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ゼミOBサイトとSNSの連携という試みが続いています。ご尽力いただいている
OBの小林君や馬渕君にはお礼を申し上げます。Web技術の進展や情報端末の普及
により、昔とは違った情報発信のあり方が求められています。Face to Faceの
基本的なコミュニケーションは変わりませんが、便利な道具はいつも「破壊的
イノベーション」にさらされているように感じます。
さて、卒業生からおめでたい話題をもらったりと、ありがたい限りです。次回、
お目にかかる機会があれば、いろいろな話を聞かせて下さい。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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2013年4月15日月曜日
第98号(2013.04.15)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□─────────────────────────
■□□> コジマガ kojimag@ 第98号
□───────────────────2013.04.15─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.098
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
2ヶ月ぶりのコジマガです。慌ただしい年度末から年度始めが終わり、
ようやく春休みのレビューができます。
この春休みはFD研修に関する仕事の依頼が多く、いろいろな大学へ伺う
機会をいただきました。通常の業務以外の仕事だっだので、新たに準備
することも多く、大変でした。しかし、研修を受けようという方の受講
意欲は高いので、講義で話すよりも反応がよいという印象があります。
さらに多くの人との出会いがあったので、充実した仕事になりました。
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■NGU短信 > ゆく年度くる年度の段
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/system/article/detail/3184
大学は、3月から4月にかけて大きなイベントが連続します。2012年度の
フィナーレは卒業式です。3月16日(土)に名古屋キャンパスに隣接する
国際会議場で粛々と行われました。天候が不順となる季節ですが、天気
にも恵まれ、晴れ着を身にまとった卒業生には何よりでした。個人的な
感想ですが、毎年、卒業式の雰囲気は良くなっているように思います。
経済学部生では、主に13E生が卒業ということになります。ゼミで最初に
送り出した学生は97Eですから、時の流れを感じます。今回は、アメリカ
留学前に教えた基礎セミナーの学生たちが卒業で、学部の卒業パーティの
折に彼らが挨拶に来てくれました。一緒に撮った写真がFacebookにアップ
されています(個人のタイムラインにタグ付けされています)。
何よりも嬉しかったのは、1年次に教えた彼らの活躍ぶりです。卒業研究
発表会へ出場した学生が3名もいました。長期の海外留学や難しい資格を
取得したり、クラブや地域活動で活躍した学生が多かったことです。彼ら
のように名古屋学院大学の4年間でしっかり力を付け、自信を持って卒業
してゆく姿を見ることは教員冥利に尽きます。同時に、自分ももっと頑張
らねばという気持ちにさせてくれます。いよいよ来年はゼミ18期生を送り
出さねばなりません。残された時間が1年しかありませんが、彼らの潜在
的能力を引き出せるよう仕掛けていきます。
2013年度は、4月1日(月)の入学式とともに始まりました。今年は新たに
法学部の学生を迎えることができたので、6学部で1500名以上の新入生が
NGUの門をくぐりました。翌日から新入生のオリエンテーションが始まり、
金曜日のウォークラリーは快晴の下で実施されました。ダルになりがちな
イベントに頭を使うような仕掛けを施し、コンペ形式になりました。今回
基礎セミナーの学生たちの頑張りで、第2位の成績を獲得し、まずまずの
スタートが切れたと思います。昨年のコジマガ第90号の記事にある「進化
する新入生オリエンテーションの段」はさらに発展しているようです。
今の一年生を見ると将来が楽しみな新入生が何人かいます。彼(女)らの
やる気にどれだけ火が点けられるか、大学が試されています。
────────────────≪ books ≫─
■ 本の紹介
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☆関連サイト:http://str.president.co.jp/str/ebook/detail/EB002016/
『ワーク・シフト(孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>)』,
リンダ・グラットン,プレジデント社,2012年
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春休みにKindle Paperwhite WiFiを購入しました。それまではアメリカで
買ってきたiPadにKindleアプリをインストールして、電子書籍なるものを
試していました。ですから専用端末は不要かと思っていましたが、勢いで
買ってしまいました。実は、昨年末に高校の先生向けに電子書籍について
講演を依頼され、かなりこの分野を調査しました。やはり、実際に使って
みることが一番であり、自分が体験しなければという思いがありました。
購入後、専用端末での読書体験を自分で確かめるため、仕事にも関連する
書籍を探しました、そこで城山三郎の『官僚たちの夏』と知り合いの先生
が出された電子書籍テキストを購入し、読んでみました。Kindleでの読書
は極めて快適で、今後はできるだけ電子書籍で購入しようと思うほどです。
さて、経済関連で少し話題となっていた『ワーク・シフト』が電子書籍に
なっていたので、ダウンロード購入して読んでみました。印象はコジマガ
第48号で紹介した『フラット化する世界』に現在のトレンドを加味して、
個人の視点で描いた内容という感じです。将来の働き方やライフスタイル
は非常に参考になり、特に若い方にはお薦めの本です。さまざまなケース
を取り上げながら、情報社会に生きる失敗や成功の事例を想定しています。
ワールドワイドな経済活動が当たり前になり、もはや国や性別などは関係
なくなってくることを説いています。
とりわけ、心に残ったのは、ひとつのことをマスターするには10000時間を
かけるという点です。その分野で食べてゆける、職業とする水準までには
これほどの時間をかけなければならないことを指摘しています。例えば、
大学の学修時間ならば以下のようになります。年間200日の授業日数として
4年間ならば、おおよそ800日の授業日数です。10000時間を達成するには、
1日あたり12.5時間の学習を継続する必要があります。また、4年間の毎日
(1461日)欠かさず勉強(練習)したとしても、7時間弱が必要です。
長寿社会を迎えると自分のキャリアが時代のニーズに合わなくなる場合が
起こりえます。そのような場合、仕事を中断し、学校へ戻って10000時間を
かけて新たなキャリア形成に励むことも必要であると提唱しています。
確かにアメリカ社会では、教育機関でのキャリアアップが実践されており、
他の諸国でも徐々にシフトしているので、いずれ日本にもそのような時代
が到来することでしょう。日本の社会制度は変化が少ないので大丈夫だと
いった考えがありますが、凄まじい情報化とグローバル化で吹き消されて
しまうことでしょう。
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■最近のゼミから > 2013年度スタートの段
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☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/
今年度のゼミは以下のように実施予定です。
1年 基礎セミナー:18名 金曜1限 曙館516教室
2年 演習(2年):11名 金曜2限 曙館516教室
3年 経済演習(3年):19名 木曜4限 曙館406教室
4年 経済演習(4年):20名 木曜5限 曙館406教室
春学期の3年ゼミにおけるグループ研究は、IT新ビック4(Apple、Amazon、
Facebook、Google)についての研究です。Facebookのグループ(非公開)
にはゼミ活動に関わる内容を掲載しますので、OB/OGの見学ならびに激励
を歓迎します。4月中には、3年生をこのグループに登録させる予定です。
また、新歓コンパの案内が近いうちにあります。昨年と違い今年は4年生
が準備をします。歓迎する側である4年生にコンパの意義や先輩としての
意識を身につけさせることが目的です。また、3年生には自分たちだけの
懇親ではなく先輩にアドバイスを求めるようなってもらいたいと考えます。
昨年の反省はコジマガ第92号の「ゼミ新歓コンパの段」に取り上げている
ので、これを克服するのが3・4年ゼミの第一の目標です。
各ゼミの目標は、1年ゼミでは、学生がうまく大学生活に馴染むことです。
また、2年は「ゼミ対抗コア6コンペ」の連覇と昨年以上の成果を出すこと
です。1年ゼミには、学生支援センター(Sプラッツ)から公式に上級生が
サポーターとして入ることになりましたので、とても有難い制度です。
お気づきと思いますが、同じ教室で2限連続となります。春学期はゼミだけ
で4コマを担当しています。学部の講義は2コマ、大学院と留学生別科の各1
コマを合せて、合計8コマとなります。その他、朝日カルチャーセンターの
講座(5月)もあったりと忙しい学期になりそうです。きちんと授業をする
には、早めの準備が必要です。
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■編□集□後□記□
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授業は4月第2週の8日(月)からスタートしました。7月末までの15週間で
いかに学生たちは力をつけてくれるのでしょう。大学時代に10000時間を
かけてもよいと思える目標が見つかることを祈っています。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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2012年3月27日火曜日
第89号(2012.03.27)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□─────────────────────────
■□□> コジマガ kojimag@ 第89号
□───────────────────2012.03.27─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.089
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
3月15日(木)の卒業式で1000名以上の学部生が卒業し、本学のOB・OGは
累計4万人を超えました。1964年に創立して以来、これだけ多くの人材を
輩出しているわけですから、いろいろな場面で見知らぬ卒業生と出会う
ことも増えてくるはずです。書類に職業欄を記入する時があると、大学
の卒業生が担当だったりすることもあります。(このような場合、大変
照れくさいのですが、仕方がありません。)これもひとつの縁だけに、
たまに大学時代を振り返ってもらえると幸いです。
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■NGU短信 > 秋学期入学喧々諤々の段
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☆関連サイト:http://blog.ngu.ac.jp/president/2012/03/06/
東京大学の提案によって、秋入学の議論が盛んです。それまで当たり前
と思っていたことを再考するには、興味深いネタではないかと思います。
関連サイトでは、木船学長がブログで私見を述べていますし、こうした
議論はとても歓迎します。
さて、アメリカの大学に卒業式はありますが入学式はありません。UCF
での研修中、同僚に「なぜ入学式はないのか?」と尋ねたところ一笑に
付されてしまいました。同僚の説明では、多様な学生がさまざまな入学
方式で入ってくるので、入学時期は必ずしも同じでないとのこと。また、
完全セメスターですし、一緒に入学しても卒業時期は同じでありません。
そもそも入学後は厳しい勉強が待っていますから、いくつかのステップ
を乗り越えなければならず、最終段階をクリアできたことが卒業であり、
褒め称えられるべき行事なのでしょう。
上のような事情から、アメリカでは入学式よりも卒業式の意味があると
思います。日本では難関の入学試験をくぐり抜けたお祝いと、これから
新しい生活をスタートするケジメとしての入学式なのでしょう。しかし、
かつて受験戦争や受験地獄といわれた時代は過ぎ去り、進学率は50%を
超えて比較的容易に大学に入れるようになりました。推薦で高校・大学
に入った学生は入学試験を経験することもありません。
時代は変わりました。バブル期の「受験戦争、就活楽勝」から現在では
「受験楽勝、就活地獄」へと変容しています。これに合わせて年中行事
も活動期間が移行しています。かつて、大学受験はセンター試験、私大、
国公立という年明けが中心でした。最近では秋頃の推薦試験を利用する
受験生が増えています。入学選抜方法は従来の指定校の他にAO・社会人・
留学生など枠はどんどん広がっています。さらに受験科目も複雑になり、
高校で進路指導を担当する先生はさぞや大変なことと推察します。
大学の入口だけでなく、出口でも変化は見られます。20年前では4年生
の連休頃から就職活動に入って、夏休み頃には多くの学生が内定を得て
いました。公務員試験の時期は現在とあまり変わりありません。バブル
崩壊・金融危機・リーマンショックを経てゆくうちに、新規採用が抑制
され、新卒入社は極めて狭き門になってきました。また依然として新卒
採用は、春一括が主流なので、これに乗り送れまいと学生は就活準備を
かなり早めています。今や3年生の秋頃スタートですので、昔より半年
以上前倒しになっています。
こうした大学を取り巻く環境の変化によって、国際化や基礎学力の低下
という問題も顕在化しています。また、18歳人口の減少も誰もが知って
いることですが、抜本的な改革をしようという主体が現れませんでした。
というのも、構造改革なのでひとつの組織だけで動かせる問題ではない
からです。しかし、今回は頂点である東大の提案だけに、実現可能性が
出てきました。
秋学期入学で問題が解決するわけでもありませんが、現行の制度と現実
がこれほどまでにフィットしなくなっているので、変えるチャンスだと
思います。東大はじめ世界と競争するトップ校の役割、地域に根ざした
地方大学の役割、私学の教育理念に基づいた人材育成、これらを真剣に
考える良い機会であると思います。21世紀はすでに10年以上も経過した
にもかかわらず、ほとんどの大学が同じような方向へと進んでいるよう
に感じます。
さて、国際化のひとつの問題に日本人の英語力があります。この問題で
畏友がネットでつぶやいていたことを思い出しました。トップ校の入試
科目の英語はTOEFLにしたらどうかというものです。すると英文解釈から
将来の留学に向けた実用英語へシフトします。高得点者はそのスコアで
アメリカの大学院へ進学できる道も拓けるので一石二鳥です。こうして
学生は仕事に役立つ英語の勉強となるでしょうし、センター試験で実施
しているリスニングも不要になります。経済・経営系の学部ならばTOEIC
でも良いかも知れません。このように実績ある検定をアウトソースする
のも一考に値するでしょう。
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■ 本の紹介
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☆関連サイト:http://www.shinchosha.co.jp/book/113303/
『雄気堂々』,城山三郎,新潮文庫,1976年
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前回に続いて城山三郎氏の作品を取り上げます。今回の主人公は近代の
日本経済の基礎を築き上げた経済人渋澤栄一です。経済学部生でその名
を知らない学生がいたら、モグリでしょう。よく知られている彼の業績
としては、第一国立銀行(現、みずほ銀行の前身)や東京株式取引所(
東京証券取引所の前身)の創設です。最近、新聞で読みましたが、中国
で渋澤栄一が高く評価されているようです。
この本は上下巻の2分冊になっていますが、上巻は幕末期だけで殆どの
紙面が割かれています。読書中は、なかなか話が進展しないと苛立ちを
覚えるほどでしたが、読後はなぜ紙幅を充てる必要があったのかが理解
できました。まさに大激動の日本にあって血気盛んな若者がどのような
考えから自分で行動を起こし、その後の境遇につながるのか、こうした
結果が渋沢青年の糧となっているかを書かねば、晩年の渋澤栄一を描く
ことはできないからです。
田舎の農民が自分の意志で行動し、周りに彼の才能を見い出してもらい
ます。血気盛んな若者の行動から危なっかしい場面でも、人の持つ運が
人生を左右します。勤王倒幕運動に加担するも、巡り巡って水戸一橋家
に仕える身となりました。一橋家で才覚を表すも、主君の慶喜が幕府の
将軍職につきます。その後、フランス留学の随行員という命を受けて、
深く西洋文明を知ることになります。その後の明治維新では、持ち前の
性格に西洋知識が重宝され、新政府からも期待されます。
名古屋中村の農民の秀吉が天下人になったことは、広く知られています。
渋澤栄一の生き様にも同じような立身出世物語があります。政治でなく
経済での功績が多い人だけに、経済学部卒業生には一押しの小説です。
また、苦労人故にその功績や思想がもっと広く知られるべきであるよう
に思います。特に、閉塞感がある現在の経済にあっては、振り返られる
べき人物の一人でしょう。
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■最近のゼミ・講義から
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☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/menbers.html
新学期が目前です。新たに3年ゼミ(18期生)へ21名を迎えますが、これ
までの経験があるので、あまり不安はありません。ただ、ひとつ気になる
ことは恒例の新歓コンパです。現在は4年生がいないので、どうしたもの
かと少し困っています。普段ならば連休前に実施するところですが、ゼミ
が始まらないと様子が掴めません。今年の開講曜日は木曜日なので、連休
明けの10日か17日の夜にでも開こうと思っています。OB・OG諸氏の積極的
なヘルプを求めています。
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■編□集□後□記□
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先日、調査で東大阪市と島根県隠岐郡海士町を訪問しました。毎年のこと
ですが、地方で頑張っている方々のお話を伺うと素晴らしさに感動します。
さらに彼らから本当にパワーをもらうことができます。他の人は諦めたり
現状を嘆いたりするところを、困難に立ち向かい未来を切り拓く姿勢には
頭が下がります。すると、自分の仕事がちっぽけであり、自分が相対する
困難などは吹けば飛ぶようなつまらぬものと思えてきます。
十分な元気をもらいましたので、来年度も頑張りましょう。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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2012年2月4日土曜日
第88号(2012.02.04)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@ 第88号
□───────────────────2012.02.04─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.088
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
大寒波とともに2月がやってきました。名古屋でも15センチの積雪と2年
ぶりの雪景色に日本の冬を感じます。急激な冷え込みに足元も凍結して
おり、思いがけぬ転倒のおまけ付きです。幸い無事でしたが、皆さまも
気をつけてお過ごしください。全国的にインフルエンザも流行中なので
日々、油断大敵です。
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■NGU短信 > 地下鉄広告の段
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/news/list02.html
年末の地下鉄で、本学の広告をよく見たという方も多かったのではない
でしょうか。かつては全く宣伝に関心のない大学でしたが、この数年は
積極的に広報をするようになってきました。たしかに全国に700以上もの
大学があるので、どこかで目につかないと忘れ去られてしまいます。
まず、研究・教育などの成果で知られることが第一でしょう。これらは
大学の本分ですから、継続した努力が求められます。次に大学関係者の
活躍が記事となることも重要です。在学生や卒業生の活躍は本人の努力
が認められた結果ですが、同じ所属の(だった)人たちの話題ともなり、
プラスの影響があると思います。スポーツ選手たちの活躍は、対外的な
広報に加えて、関係者にとっても明るい話題となります。
そして一般広告です。この効果はすぐに数字に表れるものでもないので、
その評価はさまざまです。おそらく広告によって入学志願者数の増加を
期待するのでしょうが、それ以外の効用もあると考えます。特に、OBや
関係者が広告を目にすれば、大学の存在を再認識する効果があります。
かつて競合大学が積極的に宣伝をしていた頃、ゼミの卒業生から「なぜ
本学は広報をしていないのか?卒業生として淋しい」という嘆きに近い
言葉をもらいました。これは、いまでも強烈な記憶として残っています。
このようなメディアを使った広報には賛否両論があります。個人的意見
としては、資金を投じるのであれば目立つぐらいのインパクトある広報
が必要と思います。(もちろん、品がないようでは困りますが・・・)
その他、最近は学内で頑張っている取り組みが新聞に掲載されることが
増えてきました。優れた取組みが数多あったにもかかわらず、これまで
低い評価でしかないことに疑問を感じていました。表面的でなく、実態
を伴った宣伝を継続してゆけば、対外評価も高まってくると期待します。
最終的に大学のブランドを確立できれば、卒業生はじめ関係者がもっと
自信やプライドを持って行動できるのではないでしょうか。
────────────────≪ books ≫─
■ 本の紹介
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☆関連サイト:http://www.shinchosha.co.jp/book/113315/
『男子の本懐』,城山三郎,新潮文庫
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最近は作家城山三郎に興味を持っています。彼の作品をコジマガで
取り上げるのは、02号の『気張る男』、38号の『粗にして野だが卑
ではない』に続いて三回目です。氏の経歴や作風を知れば知るだけ、
共通点が見えてくるので、親近感がいっそう湧いてきます。
地元名古屋出身である城山三郎氏は、日本を代表する経済作家です。
繁華街の錦三丁目で商売屋の子供として生まれ、名古屋商業へ進学、
17歳で志願兵となるも悲惨な現実を目の当たりにします。終戦後は
一橋大学に進学し、経済学を学びます。また、キリスト教の洗礼を
受けます。卒業後は、愛知教育大学(旧:愛知学芸大学)の教官と
なり、経済学を教えていたそうです。この時代には、金城学院でも
教鞭を取ります。本気で作家を志していた頃、千種区城山町へ3月
に引っ越したことから「城山三郎」というペンネームを使い始めた
そうです。
本格的な執筆活動に至るまでの経緯を見ても、名古屋のキリスト教
主義大学で経済学を専攻する学生は、氏の作品をひとつでも知って
おくべきではないかと思います。氏の主人公は、激動の時代に翻弄
されながらも、実際の体験から自己を研鑽した気骨ある人物を描き
ます。それは氏の自らの体験と重なる部分が多いからでしょう。
さて『男子の本懐』です。これは日本の近代史で学習する金解禁を
実施した首相の浜口雄幸と蔵相の井上準之助が主人公です。昭和の
初めは第一次世界大戦後の混沌とした時代であり、世界の政治経済
の激動にあって日本がいかに舵を取るかを試されていたように思い
ます。作者が描く当時の日本の状況は、なぜか現代の政治経済にも
通じるように感じました。実直な濱口首相は財政の健全化を目指し
緊縮財政を実施します。それを担当する相棒が井上準之助です。
井上準之助は二度にわたり日本銀行総裁を務めた人で、浜口内閣で
大蔵大臣に抜擢されます。財政立て直しと金解禁を実現するという
二人の信念の物語です。経済学で学ぶように緊縮財政は景気を冷え
込ませるので、民衆にも評判はよろしくなく、軍事予算のカットは
軍部から疎ましく思われます。その結果、二人は暴漢に襲われて、
非業の最期を遂げます。まさしく命がけの仕事でした。消費税増税
議論を聞きながら読むのには、お薦めの一冊です。
また、城山三郎氏の『ゴルフの時間』を読みました。氏はあまりの
ワーカホリックぶりで身体が寝ることを忘れてしまい、病を患って
しまいました。医師から健康のために軽い運動を勧められ、そこで
ゴルフを始めたそうです。今回の主人公の一人である井上準之助は、
日本人による日本のゴルフ場を初めて開場させた人です。日銀時代
に井上はアメリカへ左遷させられて、その時にゴルフを覚えたそう
です。『男子の本懐』にも数ヶ所にゴルフの記述が出ています。
いまだゴルフに対する偏見が強い日本ですが、オリンピック競技に
なり、アメリカではごく普通のスポーツです。昨年、オバマ大統領
がビンラディンの暗殺を指示し、実行中にはゴルフをしていたそう
です。もちろん計画が事前に漏れないようにカモフラージュさせた
行動ですが、なんともアメリカらしいエピソードです。
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■最近のゼミ・講義から
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☆関連サイト:http://www.facebook.com/kojimaseminar.net
1月21日(土)に東京出張の機会があり、その晩に東京近辺在住の
OBを中心とした飲み会となりました。恒例の忘年会の折、新年会
をやろうかと盛り上がり、そのままの勢いで初のイベント開催と
なりました。
当日はあいにくの冬の雨で足元が悪い状況でしたが、新宿で顔を
揃えたメンバーとの飲み会は大変心温るものでした。お陰で明日
へのエネルギーをチャージできました。小生を除いても参加者の
平均年齢は35歳を超え、大人の飲み会です。
近頃は年数回は上京する機会がありますので、このような飲み会
を無理なく、楽しく続けられれば幸いです。少なくないゼミOBが
首都圏で頑張って仕事をしていますので、会を重ねるごとに人の
輪が広げられれば、いっそう楽しくなることでしょう。facebook
やTwitterなどもあるので、これらの連絡手段を使うのも便利です。
とりわけ、幹事の岩月くんにはいろいろとお世話をかけましたが、
参加者皆さんのお陰で楽しいひとときを過ごすことができました。
一人ひとりの心遣いに感謝します。また、お目にかかりましょう。
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■編□集□後□記□
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先月のセンター試験は「往生こいた」というのが正直な感想です。
名古屋弁で表現したくなるような状況で、何とか事無きを得たと
いう状態です。55万人が同一日時に一斉受験するという離れ業を
実施できるのは、日本社会のスゴさを感じます。だたし、無事が
当たり前となっているだけにトラブルに巻き込まれた受験生には、
同情を覚えます。
報道されているように、混乱の主な原因は試験方法を変更させた
ことでしょう。初日1時限目には写真シールの配布があり、かつ
社会は配付用紙の種類(パターン)が多いだけに、作業が煩雑に
なります。配布準備に割り当てられる時間は例年通りであるにも
関わらず、携帯電話に関する指示まで加わりました。これは昨春
起こった携帯電話によるカンニング事件への対応です。こうした
状況で、監督者のマニュアル通りでは時間が足りません。
センター試験1日目が終了した夜、ニュースで各会場での混乱が
報道されました。それに対して大学入試センターは「混乱の原因
は監督者の不慣れ」とのコメントを発表しました。その後、事実
が次第に明らかになるに従って発言が変わり、最期には受験生へ
謝罪に至りました。この対応のまずさにはただ呆れるばかりです。
組織の危機管理と対応の甘さの例として、よく見られる一例です。
故城山三郎氏であれば、どのようなコメントをするのだろうかと
考えてしまいました。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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2011年6月11日土曜日
第77号(2011.06.11)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@ 第77号
□───────────────────――2011.06.11─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.077
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
今回で第3回目となる全国大学対抗タイピング大会(学内予選)がTIESで開催中
です。今年は在外研修中につき傍観ですが、情報処理の授業の中扱っているので、
NGUからの参加者は加盟校でも断トツの規模を維持しています。また、現在、個人
部門でも1位、2位と活躍しており、喜ばしい限りです。
実際のタイピング大会の状況は、TIESにログインするのが一番でしょう。TIESの
アカウントについては、コジマガ第32号に書いた通りですので、興味のある方は
是非、ご参照ください。
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■アメリカ短信 > 「豊かさとは何か」の段
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☆関連サイト:http://bit.ly/kojimag068
アメリカで生活をしていると世界中のさまざまな国に出会います。出身の人々で
あったり、食事などの文化であったりします。国際的な政治経済情勢についても
まるで自国の出来事のごとくニュースで扱っています。さすがに世界から多くの
人を集めている国だけあります。
コジマガ第68号でも書きましたが、平均的な個人宅に訪れるとこの国の豊かさを
実感します。庭付きの広い敷地にガレージと自宅があり、ほとんどがプール付き
です。プールの使い方はただ泳ぐだけでなく、プールサイドにテーブルを出して
涼みながらのパーティに使われます。プールサイドにはカウンターを置き、飲み
物や食べ物を思い思いに取りながら、初めて合う人同士が会話で盛り上がります。
BGMは、ノートPCでインターネットラジオにアクセスし、外付けスピーカーから
流れてきます。もちろん気が向いたらプールで遊んだりします。
日本でプール付きの自宅を持つ人は億万長者に限られます。自宅でのパーティと
いう文化が、プールとセットになっていません。屋外プールの利用期間は3ヶ月
程度ですし、敷地代外にもメンテナンスで費用が発生します。それならば、屋内
プールを持つスポーツクラブの会員となった方が世話入らずで、結果として安く
上がります。
クルーズコントロール付きの大きな車で優雅に走行し、長距離の移動も可能です。
道路や駐車のスペースは広く、渋滞も日本ほどひどくないので、平均速度は日本
よりも上です。さらに高騰したガソリンも比較すれば日本より安いという、完全
な車社会になっています。また、携帯電話はすでに4Gへ向かっており、GPSでの
サービスも日本より進んでいるように思います。
このようにアメリカの生活環境を考えると、余裕が感じられます。経済力のある
日本から見ても、アメリカにはかなり多くの魅力があります。もちろん、個人の
経済的な裏付けは最低条件ですが、安定収入や将来性が保証されるのであれば、
閉塞感が漂う日本にいるよりもいいかも知れません。経済発展途国の出身者なら
ば、なおさらこの国に惹かれるでしょう。世界中の国々から多くの人が集まって
くるのも、首肯できます。
英語圏で生まれ育った人以外は、皆、英語を覚えて、この国で生活をしています。
経済力を身につけて言葉や生活習慣を身につければ、自国で暮らすよりも快適な
生活を送ることができます。この国で暮らしてみて「豊かさとは何か」を改めて
考えてしまいます。
―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://bit.ly/mckK4L
『歴史は「べき乗則」で動く』,マーク・ブキャナン著(水谷淳訳),ハヤカワ文庫
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
渡米して2冊目(電子書籍も含めると正確には3冊目)となる日本語の本を読了
しました。自分の研究材料にもべき乗分布が関連していることもあり、これまで
ネットワーク理論関係の書籍を集めていました。この本はタイトルを見ただけで
購入し、所謂「つんどく」状態になっていました。文庫なのでさほど重たくなか
ろうとアメリカまで持ってきた次第です。とはいえ、なかなか手付かずのままに
なっていたのをようやく読み終えたところです。
内容はネットワーク理論や自己組織化の話です。その一例として、阪神大震災や
ブラックマンデーについて言及されています。この原本(『歴史の方程式』)が
最初に世に出た後、たった10年で「想定外」規模の大惨事(リーマンショック、
9.11や東日本大震災など)が起こるとは、誰にも予見できなかったと思います。
リーマンショックは100年に一度で、東日本大震災は1000年に一度だそうですが、
このような稀有な出来事が10年の間に生起するものだろうかという問いがあると
すれば、きっと著者は肯定するでしょう。
地震に関する話題はかなり詳細に述べられています。この本でも指摘されている
ように、阪神大震災は事前に全く想定されていませんでした。その後、活断層が
起因する地震について注目が集まりました。また、核融合の話まで扱われており、
反応炉に制御棒で反応を抑えるトピックスには、3.11を想起してしまいました。
地震の規模と発生頻度をグラフにすると「べき乗分布」が確認されます。つまり
スケールフリーの巨大地震は必ず起こるということです。一方で、研究は予測に
必要な発生時間・場所・規模を特定できるレベルにないことも述べられています。
また、発生のサイクルを歴史から探ろうとしても、100年程のデータでは46億年
ともいわれる地球の歴史からすれば、ほんの一瞬の動きを捉えたに過ぎません。
巨大地震の発生に関する誤差の範囲は、明日かも知れないし、50年後なのかも
ということは、全く役に立たないことを意味します。人間の一生の時間と地球の
活動時間にあまりに大きな格差があります。
この本でネットワークや自己組織化、臨界状態の形成に関する事例は、森林火災
の延焼、生態系の変化、絶滅種なども取り上げています。これは集団的振る舞い
がシステム全体の臨界状態を作り出し、あるきっかけでそれが一瞬にして崩れて
しまう事象です。文中にある表現では「何かが変わるためには、歪みがある限界
を超えなければならない」ような事例を説明しています。
また、第10章では金融経済の話としてブラックマンデーを扱っています。株価が
世界同時に大暴落する理由を、ネットワーク理論で説明しています。この内容は
『ブラックスワン』でのリーマンショックへの言及箇所と重ね合わせながら読む
と良いかも知れません。さらに人間の繋がりの説明には、ミルグラムの実験から
ネットワーク理論へと話が展開します。本の最後の部分では、トーマス・クーン
のパラダイム理論(学説ネットワーク)まで及び、革命や戦争の発生という歴史
に臨界状態を見い出そうとしています。
確かに90年代初め、都市銀行は13行もあり往時のバブル経済を謳歌していました。
しかし、バブル崩壊で巨大金融機関は淘汰、合併が進みメガバンクへ再編されて
います。バブルの宴の中では、悲惨な結末を全く予想できませんでした。そして
万一、日本が財政破綻した場合、どのような議論が噴出するのでしょう。やはり
「想定外」という言葉で責任を回避するのでしょうか。この言葉が論点になって
いる時機にこそ、読んでおくべき本であるように思います。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
アメリカでは5月末の祝日であるメモリアルデーを迎えて、いよいよ夏が始まり
ました。すでに真夏のフロリダでは、本格的なハリケーン・シーズンが到来した
ようです。こればかりは来てもらいたくないと願うばかりです。
1年間のサバティカルなので、8月末で研修終了です。フロリダでの研修生活も
残すところあと3ヶ月となりました。早いもので、研修ブログは284日を更新し、
カウントダウンです。出発前に皆に言われた「慣れた頃に帰る」ということが、
まさにその通りになってきました。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第77号
□───────────────────――2011.06.11─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.077
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
今回で第3回目となる全国大学対抗タイピング大会(学内予選)がTIESで開催中
です。今年は在外研修中につき傍観ですが、情報処理の授業の中扱っているので、
NGUからの参加者は加盟校でも断トツの規模を維持しています。また、現在、個人
部門でも1位、2位と活躍しており、喜ばしい限りです。
実際のタイピング大会の状況は、TIESにログインするのが一番でしょう。TIESの
アカウントについては、コジマガ第32号に書いた通りですので、興味のある方は
是非、ご参照ください。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > 「豊かさとは何か」の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://bit.ly/kojimag068
アメリカで生活をしていると世界中のさまざまな国に出会います。出身の人々で
あったり、食事などの文化であったりします。国際的な政治経済情勢についても
まるで自国の出来事のごとくニュースで扱っています。さすがに世界から多くの
人を集めている国だけあります。
コジマガ第68号でも書きましたが、平均的な個人宅に訪れるとこの国の豊かさを
実感します。庭付きの広い敷地にガレージと自宅があり、ほとんどがプール付き
です。プールの使い方はただ泳ぐだけでなく、プールサイドにテーブルを出して
涼みながらのパーティに使われます。プールサイドにはカウンターを置き、飲み
物や食べ物を思い思いに取りながら、初めて合う人同士が会話で盛り上がります。
BGMは、ノートPCでインターネットラジオにアクセスし、外付けスピーカーから
流れてきます。もちろん気が向いたらプールで遊んだりします。
日本でプール付きの自宅を持つ人は億万長者に限られます。自宅でのパーティと
いう文化が、プールとセットになっていません。屋外プールの利用期間は3ヶ月
程度ですし、敷地代外にもメンテナンスで費用が発生します。それならば、屋内
プールを持つスポーツクラブの会員となった方が世話入らずで、結果として安く
上がります。
クルーズコントロール付きの大きな車で優雅に走行し、長距離の移動も可能です。
道路や駐車のスペースは広く、渋滞も日本ほどひどくないので、平均速度は日本
よりも上です。さらに高騰したガソリンも比較すれば日本より安いという、完全
な車社会になっています。また、携帯電話はすでに4Gへ向かっており、GPSでの
サービスも日本より進んでいるように思います。
このようにアメリカの生活環境を考えると、余裕が感じられます。経済力のある
日本から見ても、アメリカにはかなり多くの魅力があります。もちろん、個人の
経済的な裏付けは最低条件ですが、安定収入や将来性が保証されるのであれば、
閉塞感が漂う日本にいるよりもいいかも知れません。経済発展途国の出身者なら
ば、なおさらこの国に惹かれるでしょう。世界中の国々から多くの人が集まって
くるのも、首肯できます。
英語圏で生まれ育った人以外は、皆、英語を覚えて、この国で生活をしています。
経済力を身につけて言葉や生活習慣を身につければ、自国で暮らすよりも快適な
生活を送ることができます。この国で暮らしてみて「豊かさとは何か」を改めて
考えてしまいます。
―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://bit.ly/mckK4L
『歴史は「べき乗則」で動く』,マーク・ブキャナン著(水谷淳訳),ハヤカワ文庫
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
渡米して2冊目(電子書籍も含めると正確には3冊目)となる日本語の本を読了
しました。自分の研究材料にもべき乗分布が関連していることもあり、これまで
ネットワーク理論関係の書籍を集めていました。この本はタイトルを見ただけで
購入し、所謂「つんどく」状態になっていました。文庫なのでさほど重たくなか
ろうとアメリカまで持ってきた次第です。とはいえ、なかなか手付かずのままに
なっていたのをようやく読み終えたところです。
内容はネットワーク理論や自己組織化の話です。その一例として、阪神大震災や
ブラックマンデーについて言及されています。この原本(『歴史の方程式』)が
最初に世に出た後、たった10年で「想定外」規模の大惨事(リーマンショック、
9.11や東日本大震災など)が起こるとは、誰にも予見できなかったと思います。
リーマンショックは100年に一度で、東日本大震災は1000年に一度だそうですが、
このような稀有な出来事が10年の間に生起するものだろうかという問いがあると
すれば、きっと著者は肯定するでしょう。
地震に関する話題はかなり詳細に述べられています。この本でも指摘されている
ように、阪神大震災は事前に全く想定されていませんでした。その後、活断層が
起因する地震について注目が集まりました。また、核融合の話まで扱われており、
反応炉に制御棒で反応を抑えるトピックスには、3.11を想起してしまいました。
地震の規模と発生頻度をグラフにすると「べき乗分布」が確認されます。つまり
スケールフリーの巨大地震は必ず起こるということです。一方で、研究は予測に
必要な発生時間・場所・規模を特定できるレベルにないことも述べられています。
また、発生のサイクルを歴史から探ろうとしても、100年程のデータでは46億年
ともいわれる地球の歴史からすれば、ほんの一瞬の動きを捉えたに過ぎません。
巨大地震の発生に関する誤差の範囲は、明日かも知れないし、50年後なのかも
ということは、全く役に立たないことを意味します。人間の一生の時間と地球の
活動時間にあまりに大きな格差があります。
この本でネットワークや自己組織化、臨界状態の形成に関する事例は、森林火災
の延焼、生態系の変化、絶滅種なども取り上げています。これは集団的振る舞い
がシステム全体の臨界状態を作り出し、あるきっかけでそれが一瞬にして崩れて
しまう事象です。文中にある表現では「何かが変わるためには、歪みがある限界
を超えなければならない」ような事例を説明しています。
また、第10章では金融経済の話としてブラックマンデーを扱っています。株価が
世界同時に大暴落する理由を、ネットワーク理論で説明しています。この内容は
『ブラックスワン』でのリーマンショックへの言及箇所と重ね合わせながら読む
と良いかも知れません。さらに人間の繋がりの説明には、ミルグラムの実験から
ネットワーク理論へと話が展開します。本の最後の部分では、トーマス・クーン
のパラダイム理論(学説ネットワーク)まで及び、革命や戦争の発生という歴史
に臨界状態を見い出そうとしています。
確かに90年代初め、都市銀行は13行もあり往時のバブル経済を謳歌していました。
しかし、バブル崩壊で巨大金融機関は淘汰、合併が進みメガバンクへ再編されて
います。バブルの宴の中では、悲惨な結末を全く予想できませんでした。そして
万一、日本が財政破綻した場合、どのような議論が噴出するのでしょう。やはり
「想定外」という言葉で責任を回避するのでしょうか。この言葉が論点になって
いる時機にこそ、読んでおくべき本であるように思います。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
アメリカでは5月末の祝日であるメモリアルデーを迎えて、いよいよ夏が始まり
ました。すでに真夏のフロリダでは、本格的なハリケーン・シーズンが到来した
ようです。こればかりは来てもらいたくないと願うばかりです。
1年間のサバティカルなので、8月末で研修終了です。フロリダでの研修生活も
残すところあと3ヶ月となりました。早いもので、研修ブログは284日を更新し、
カウントダウンです。出発前に皆に言われた「慣れた頃に帰る」ということが、
まさにその通りになってきました。
2011年3月15日火曜日
第72号(2011.03.15)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第72号
□───────────────────――2011.03.15─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.072
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
日本では卒業式の頃だと思います。毎年、手塩にかけた学生を送り出す行事は
大学にとって向かい入れるのと同じく重要な節目です。NGUでは3月16日に学位
授与式が行われるようです。
今年の卒業生には、残念ながら直接、声はかけられないものの、いつも話して
いるような内容を掲載して、餞の言葉にさせてもらいます。
「これからは学生でなく、同じ社会人。どれだけ頑張っているかをお互い勝負
しよう。君たちの頑張っている話はどこからともなく聞こえてくるので、それ
は喜びであり、大きな刺激です。出藍の誉れというほど高いレベルでないので、
追い抜いて行ってもらいたい。でも再び抜き返すから。」
コジマガのバックナンバーを見ると2月から3月にかけての記事には、必ず卒業
に関する話題が出てきます。一度、ご笑覧ください。
―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://bit.ly/eI9Cfz
『競争の作法 いかに働き、投資するか』,斎藤誠,ちくま新書,2010年
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
コジマガ第57号(http://bit.ly/kojimag057)以来、久しぶりに本の紹介です。
昨年話題になった本をアメリカで読了しました。現在、取り組んでいる日本の
仕事の関連本として、大いに参考になりました。経済学部の3年生以上ならば、
この本を理解するのに必要な周辺知識は、身につけていてもらいたいものです。
(一般向けの本ですが、正直なところどうなのでしょう?「難しい」か「適当」
かは気になるところです。)
文面にハッキリと書かれていませんが「構造改革が評価されて外国資本を呼び
こみ、日本の株価を上げた」という考え方を真っ向から否定しています。それ
には「2つの円安」を使って、当時の長期にわたる景気回復を経済学的に説明
しています。一方で、格差社会が進んだ原因をすべて市場のせいだとする風潮
にも、一石を投じています。ここでは、一部の人達を犠牲にして、多くの人達
(既得権)を守ったことを示しながら、たった年1%の賃金切り下げを全員が
容認すれば、何とかしのげたはずとコメントしています。
少し深読みしすぎかもしれませんが、労働市場も硬直的でなく、適度に競争的
状況であったならば、このような事態に陥らなかったというようにも読むこと
ができます。いずれの指摘にも基本的なマクロ経済データを用いた解説であり、
マスコミに扇動された経済論壇をすっきりさせてくれる内容でした。
また本書で、競争が進展する時代を生きるための個人の姿勢が示されています。
もはや競争から逃れることはできなくなっているので、一人ひとりがどう競争
と向かい合ってゆくべきかというものです。この書で指摘されている、地主や
株主の態度、生産性を2割上昇させる考え方は個人的に首肯できます。自分が
持っている生産要素(能力や資産など)は十分に活用できているか、それらに
無駄が生じてはいないだろうか?筆者の問いかけに、ふと自分を見つめる機会
になりました。
この本を読みながらひとつ疑問点が浮かびました。それは逼迫した財政状況に
あって、一国民としてどのような態度であるべきかということです。もちろん
本書のテーマからは離れているので、この点には言及されていません。大きな
テーマだけに別の紙面が必要でしょう。なぜ、この点が気になったのかは日本
の経済成長を持続・発展させていかなければ、この国の莫大の借金はとうてい
返済不可能だからです。
プライマリーバランスを目指すにも、財源は不十分であり、社会保障費は上昇
するばかりです。さらにデフレやマイナス成長では、借金を返済できる目処も
立ちません。財政赤字を改善するには、持続的な経済成長による税収アップと
インフレ的な状況が望まれます。この本では、税に関して地方税の固定資産税
には言及されていましたが・・・。
最後に、タイトルにもある「作法」というのは個人の矜持なのかもしれません。
もっと経済をしっかり見つめる能力を養い、日頃から自分の頭で考える習慣が
重要なのでしょう。競争社会にあっては自分の考えと行動が自然に一致できる
(評論家のように言いっぱなしにしない・責任転嫁をしない)ような最低限の
作法が求められるのでしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから
―――――――――――――――――――――――――――――――
UCFの学生とはあまり喋る機会がなかったので、同じ授業を受講している学生
をランチに誘ってみました。いつも隣に座っている2人とともに3限目クラス
終了後にStudent Unionでランチです。
こちらの誘いであり、かつ子供みたいな年齢ですから、当然のごとくご馳走
をしました。しかし、いたく恐縮している姿勢が新鮮です。聞けば、彼らは
ともに19歳で1年生だそうです。
彼らはこの半期に4科目しか履修していません。日本の学生は半期10科目以上
を履修していることに驚かれました。こちらの学生は宿題や課題が多いので、
それほど多くの授業をとりません。1科目が3単位ということもありますし、
また、夏には別の学期もあるので、それでOKなのでしょう。
ブレンド型の授業(週3回の内、1回はオンラインで代替)は、教室まで来る
必要がないので、便利だそうです。とはいえネットでの課題も結構あるので
楽ができるわけではありません。(それだけ、勉強するのが当たり前なので
しょう。)週末は宿題をしたり、友だちと遊んだりしているそうで、あまり
日本の学生と変わりません。
また、facebookは2・3年前のハイスクールの頃から始めていることのことで、
友達リクエストをすることになりました。皆、当たり前に情報交換している
話に、言葉で聞いていたネットジェネレーションを見た思いです。
このように授業や学生生活について、実際に学生の生の声を聞く機会を得て
とてもラッキーです。しかし、ガチンコの英会話ランチは、大変勉強になり
ますが、冷や汗をかく量も半端ではありません。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://bit.ly/
UCFのIDLではURLの短縮サービスとしてTinyURLを使っています。当初、なぜ
このサービスを使うのかは理解できませんでしたが、ブログの各記事に付く
長いURLには効果的であることが分かりました。(お恥ずかしい話、それだけ
ブログを上手に使っていなかったという証左です)また、Twitterなどの文字
制限がある場合や直接URLを入力させる場合には有効に機能します。さらに
これらのサービスを使えば、アクセス数の分析ができます。
現在では、TwitterはTinyURLに代わってbit.lyを使っています。そこで今回
からコジマガでも試してみることにしました。上手くできていない場合には
笑い飛ばしてください。さて、成果はいかに?
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第72号
□───────────────────――2011.03.15─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.072
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
日本では卒業式の頃だと思います。毎年、手塩にかけた学生を送り出す行事は
大学にとって向かい入れるのと同じく重要な節目です。NGUでは3月16日に学位
授与式が行われるようです。
今年の卒業生には、残念ながら直接、声はかけられないものの、いつも話して
いるような内容を掲載して、餞の言葉にさせてもらいます。
「これからは学生でなく、同じ社会人。どれだけ頑張っているかをお互い勝負
しよう。君たちの頑張っている話はどこからともなく聞こえてくるので、それ
は喜びであり、大きな刺激です。出藍の誉れというほど高いレベルでないので、
追い抜いて行ってもらいたい。でも再び抜き返すから。」
コジマガのバックナンバーを見ると2月から3月にかけての記事には、必ず卒業
に関する話題が出てきます。一度、ご笑覧ください。
―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://bit.ly/eI9Cfz
『競争の作法 いかに働き、投資するか』,斎藤誠,ちくま新書,2010年
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
コジマガ第57号(http://bit.ly/kojimag057)以来、久しぶりに本の紹介です。
昨年話題になった本をアメリカで読了しました。現在、取り組んでいる日本の
仕事の関連本として、大いに参考になりました。経済学部の3年生以上ならば、
この本を理解するのに必要な周辺知識は、身につけていてもらいたいものです。
(一般向けの本ですが、正直なところどうなのでしょう?「難しい」か「適当」
かは気になるところです。)
文面にハッキリと書かれていませんが「構造改革が評価されて外国資本を呼び
こみ、日本の株価を上げた」という考え方を真っ向から否定しています。それ
には「2つの円安」を使って、当時の長期にわたる景気回復を経済学的に説明
しています。一方で、格差社会が進んだ原因をすべて市場のせいだとする風潮
にも、一石を投じています。ここでは、一部の人達を犠牲にして、多くの人達
(既得権)を守ったことを示しながら、たった年1%の賃金切り下げを全員が
容認すれば、何とかしのげたはずとコメントしています。
少し深読みしすぎかもしれませんが、労働市場も硬直的でなく、適度に競争的
状況であったならば、このような事態に陥らなかったというようにも読むこと
ができます。いずれの指摘にも基本的なマクロ経済データを用いた解説であり、
マスコミに扇動された経済論壇をすっきりさせてくれる内容でした。
また本書で、競争が進展する時代を生きるための個人の姿勢が示されています。
もはや競争から逃れることはできなくなっているので、一人ひとりがどう競争
と向かい合ってゆくべきかというものです。この書で指摘されている、地主や
株主の態度、生産性を2割上昇させる考え方は個人的に首肯できます。自分が
持っている生産要素(能力や資産など)は十分に活用できているか、それらに
無駄が生じてはいないだろうか?筆者の問いかけに、ふと自分を見つめる機会
になりました。
この本を読みながらひとつ疑問点が浮かびました。それは逼迫した財政状況に
あって、一国民としてどのような態度であるべきかということです。もちろん
本書のテーマからは離れているので、この点には言及されていません。大きな
テーマだけに別の紙面が必要でしょう。なぜ、この点が気になったのかは日本
の経済成長を持続・発展させていかなければ、この国の莫大の借金はとうてい
返済不可能だからです。
プライマリーバランスを目指すにも、財源は不十分であり、社会保障費は上昇
するばかりです。さらにデフレやマイナス成長では、借金を返済できる目処も
立ちません。財政赤字を改善するには、持続的な経済成長による税収アップと
インフレ的な状況が望まれます。この本では、税に関して地方税の固定資産税
には言及されていましたが・・・。
最後に、タイトルにもある「作法」というのは個人の矜持なのかもしれません。
もっと経済をしっかり見つめる能力を養い、日頃から自分の頭で考える習慣が
重要なのでしょう。競争社会にあっては自分の考えと行動が自然に一致できる
(評論家のように言いっぱなしにしない・責任転嫁をしない)ような最低限の
作法が求められるのでしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから
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UCFの学生とはあまり喋る機会がなかったので、同じ授業を受講している学生
をランチに誘ってみました。いつも隣に座っている2人とともに3限目クラス
終了後にStudent Unionでランチです。
こちらの誘いであり、かつ子供みたいな年齢ですから、当然のごとくご馳走
をしました。しかし、いたく恐縮している姿勢が新鮮です。聞けば、彼らは
ともに19歳で1年生だそうです。
彼らはこの半期に4科目しか履修していません。日本の学生は半期10科目以上
を履修していることに驚かれました。こちらの学生は宿題や課題が多いので、
それほど多くの授業をとりません。1科目が3単位ということもありますし、
また、夏には別の学期もあるので、それでOKなのでしょう。
ブレンド型の授業(週3回の内、1回はオンラインで代替)は、教室まで来る
必要がないので、便利だそうです。とはいえネットでの課題も結構あるので
楽ができるわけではありません。(それだけ、勉強するのが当たり前なので
しょう。)週末は宿題をしたり、友だちと遊んだりしているそうで、あまり
日本の学生と変わりません。
また、facebookは2・3年前のハイスクールの頃から始めていることのことで、
友達リクエストをすることになりました。皆、当たり前に情報交換している
話に、言葉で聞いていたネットジェネレーションを見た思いです。
このように授業や学生生活について、実際に学生の生の声を聞く機会を得て
とてもラッキーです。しかし、ガチンコの英会話ランチは、大変勉強になり
ますが、冷や汗をかく量も半端ではありません。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://bit.ly/
UCFのIDLではURLの短縮サービスとしてTinyURLを使っています。当初、なぜ
このサービスを使うのかは理解できませんでしたが、ブログの各記事に付く
長いURLには効果的であることが分かりました。(お恥ずかしい話、それだけ
ブログを上手に使っていなかったという証左です)また、Twitterなどの文字
制限がある場合や直接URLを入力させる場合には有効に機能します。さらに
これらのサービスを使えば、アクセス数の分析ができます。
現在では、TwitterはTinyURLに代わってbit.lyを使っています。そこで今回
からコジマガでも試してみることにしました。上手くできていない場合には
笑い飛ばしてください。さて、成果はいかに?
2009年11月19日木曜日
第57号(2009.11.19)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第57号
□───────────────────――2009.11.19─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.057
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
秋は時節柄とかく行事が多く、とても忙しい毎日です。先月末の大学祭は
ホームカミングが同時に開催されたので、多くのOBと会う機会を得ました。
また、「まちづくり」に関する公開講座も非常に興味深い話で大いに触発
されました。
また、11月2日(月)から1週間はアメリカまで出かけ、時差ぼけに苦悶しな
がら多くの刺激をもらいました。その翌週末には仙台・東京というように
目まぐるしいスケジュールです。さらに、恒例の卒業研究発表会が目前に
迫ってきており、ゼミ生を十分にケアしなくてはなりません。
息をつく時がないのはちょっと辛いですが、暇をもて余すよりは幸せです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■NGU短信 > EDUCAUSE2009の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.educause.edu/E2009
EDUCAUSE2009に出席するために米国Denverへ出かけました。コロラド州の
州都はMLBのロッキーズの本拠地があるところで、ビール会社のクアーズが
球場のネーミングライツを持っています。ワンマイルシティというだけに、
標高1,600mの高地にあります。気圧の関係で打球がよく飛ぶために、ここ
ではノーヒット・ノーランは不可能といわれてましたが、かつて野茂投手
が快挙を成し遂げたことで、日本でも知られるようになりました。
高額な参加フィーにも関わらず、世界中から4,000名近くの人が集まります。
世界のeラーニングの最高峰なだけに、その規模や質は日本のそれとは全く
比較になりません。しかし、これまで参加された方の感想では、それでも
リーマンショックの影響で規模は縮小しているらしいとのことです。
コンベンションセンターには、100台近く設置されたデスクトップPCに加え
高速無線LANが完備されており、ノートPCやiPod touchなどが利用可能です。
これほど大規模な会場設営は日本ではあまり見たことがありません。
4日間のイベント中、各セッションで興味深い報告や活発な議論が行われて
いました。テーマはeラーニング手法や実践的内容だけでなく、図書館情報
システムの他、いかにIT投資が経営コスト削減につなげるかや組織的取組み
に不可欠なリーダーシップ論、最新IT機器による試験的応用など、様々です。
扱う範囲が広いこともアメリカ的であると感じました
企業展示は、日本でよく見られるコンパニオンが客寄せをするものではなく、
じっくりとブースで説明を聞くという感じでした。さらに、プログラムには
ないイベントとして、会場外でマイクロソフトやグーグルなどの出展企業が
主催するパーティも行われていました。
プログラムの中でも圧巻は基調講演です。日本でもベストセラーとなった本
『ビジョナリーカンパニー』のジム・コリンズ氏、クリエイティブコモンズ
で有名なローレンス・レッシグ氏のプレゼンは本当に素晴らしいものでした。
このミーティングはネット世代の学生に向けたICTの今後の活用法に大いに
参考となりました。
―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://store.shopping.yahoo.co.jp/7andy/32000628.html
『CODE Version 2.0』,ローレンス・レッシグ,(山形浩生/訳)翔泳社
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
先の記事にも登場したレッシグ氏の著作です。彼はサイバー法で世界の第一
人者で、法律だけでなく、経済学や情報科学などにもかなり造詣が深いこと
がわかります。また、極めて実践的な学者であることも注目すべき点です。
この本で紹介されている4つの規制について興味深い考え方を紹介します。
コントロールするには規範(道徳)、市場、法、技術(コード)による方法
があるとしています。例えば、健康に悪影響をもたらす喫煙を減らしたい、
特に未成年者の喫煙を減らそうとする場合、次のような規制方法があります。
(なお、この喩えはCODEには出ていませんので、不適切な可能性もあります)
1. 道徳:中学・高校および大学での教育や啓発広告
2. 市場:学生が購入しづらくするよう、たばこの価格を大幅に上げる
3. 法 :対面販売のみとして販売方法など法律で限定する
4. 技術:自動販売機は身分証明書(極端な例では生体認証)で厳格に管理
規制するといろいろなところで思わぬ弊害が表れます。この例では、たばこ
の値上げは確かに未成年者には購入しづらくなりますが、愛煙家にも重大な
影響が及びます。対面販売だけになると自販機に関わる企業や会社にとって、
厳しい経営環境に陥ります。さらに技術面を強化しすぎると個人情報の扱い
が難しくなってきます。
レッシグ氏は規制の程度を問題とします。特に著作権に関する内容は身近な
問題であり、これを厳しく規制すると創作的活動ができなくなるという警告
をしています。例えば、本屋で購入した本は個人がどのように利用しても、
あまり問題ありません。書籍から得られたアイディアが自分の頭の中で消化
され、新たなアイディアを生み出すこともあるでしょう。古本屋に売ってし
まうのも構いません。しかし、コピーをして他人に販売することやネットで
配布することは無論、法律違反です。
しかし、これがデジタルデータともなると非常に話がややこしくなります。
今や電子透かしやコピー配布防止などの進展により、デジタル技術で著作権
の厳格な管理は不可能ではなくなってきました。アマチュアバンドが名曲の
コピーをすると課金されるようになる可能性も否定できません。自分たちで
あれこれと工夫することで新たな価値は創造されます。旺盛な創造力こそが
次世代を担っているはずです。
そこで、筆者はクリエイティブ・コモンズを提唱して、著作者が改変の自由
などを承認方法という新たな考え方を提唱しています。これは、厳格化した
著作権の行使が創造力を失わせることになりかねないというで、すなわち、
イノベーションを起こすことができる芽を摘んではならないということかも
知れません。大経済学者シュンペーターの「新結合」こそが経済成長に必要
と思います。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■最近のゼミ・講義から
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.tiesnet.jp/
今年も卒業論文発表会が開催されます。これまでの中で最も早い開催日程と
なりました。ゼミが通年になったことで、春学期からスタートできるという
点を考えれば、もっともな措置です。
学内審査会:11/23(月)24(火)26(木)27(金)の4時限目
場所:白鳥学舎
公開審査会:12/9(水) 14:30~17:00
場所:国際会議場
公開審査会は国際会議場で行われますので、お時間が許せば見学参加いた
だければ幸いです。
いよいよサブゼミも本格化し、ゼミ生はプレゼンのスライドや原稿の執筆
にとラストスパートです。自分たちで学習する習慣を身につけ、自律的な
学習者に成長することを期待しています。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
仙台での学会に出席した後、東北新幹線で東京まで戻り結婚披露宴に列席
しました。前日の雨が上がり、爽やかな秋晴れの風景を車窓から蔵王山を
見ていると、虹がかかっています。蔵王山が一番良く見える絶景ポイント
では大きな虹のアーチの中に山全体がすっぽりと入っていました。こんな
美しい光景は初めて見ました。きっと何かいいことがある、そんな予感が
します。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第57号
□───────────────────――2009.11.19─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.057
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
秋は時節柄とかく行事が多く、とても忙しい毎日です。先月末の大学祭は
ホームカミングが同時に開催されたので、多くのOBと会う機会を得ました。
また、「まちづくり」に関する公開講座も非常に興味深い話で大いに触発
されました。
また、11月2日(月)から1週間はアメリカまで出かけ、時差ぼけに苦悶しな
がら多くの刺激をもらいました。その翌週末には仙台・東京というように
目まぐるしいスケジュールです。さらに、恒例の卒業研究発表会が目前に
迫ってきており、ゼミ生を十分にケアしなくてはなりません。
息をつく時がないのはちょっと辛いですが、暇をもて余すよりは幸せです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■NGU短信 > EDUCAUSE2009の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.educause.edu/E2009
EDUCAUSE2009に出席するために米国Denverへ出かけました。コロラド州の
州都はMLBのロッキーズの本拠地があるところで、ビール会社のクアーズが
球場のネーミングライツを持っています。ワンマイルシティというだけに、
標高1,600mの高地にあります。気圧の関係で打球がよく飛ぶために、ここ
ではノーヒット・ノーランは不可能といわれてましたが、かつて野茂投手
が快挙を成し遂げたことで、日本でも知られるようになりました。
高額な参加フィーにも関わらず、世界中から4,000名近くの人が集まります。
世界のeラーニングの最高峰なだけに、その規模や質は日本のそれとは全く
比較になりません。しかし、これまで参加された方の感想では、それでも
リーマンショックの影響で規模は縮小しているらしいとのことです。
コンベンションセンターには、100台近く設置されたデスクトップPCに加え
高速無線LANが完備されており、ノートPCやiPod touchなどが利用可能です。
これほど大規模な会場設営は日本ではあまり見たことがありません。
4日間のイベント中、各セッションで興味深い報告や活発な議論が行われて
いました。テーマはeラーニング手法や実践的内容だけでなく、図書館情報
システムの他、いかにIT投資が経営コスト削減につなげるかや組織的取組み
に不可欠なリーダーシップ論、最新IT機器による試験的応用など、様々です。
扱う範囲が広いこともアメリカ的であると感じました
企業展示は、日本でよく見られるコンパニオンが客寄せをするものではなく、
じっくりとブースで説明を聞くという感じでした。さらに、プログラムには
ないイベントとして、会場外でマイクロソフトやグーグルなどの出展企業が
主催するパーティも行われていました。
プログラムの中でも圧巻は基調講演です。日本でもベストセラーとなった本
『ビジョナリーカンパニー』のジム・コリンズ氏、クリエイティブコモンズ
で有名なローレンス・レッシグ氏のプレゼンは本当に素晴らしいものでした。
このミーティングはネット世代の学生に向けたICTの今後の活用法に大いに
参考となりました。
―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://store.shopping.yahoo.co.jp/7andy/32000628.html
『CODE Version 2.0』,ローレンス・レッシグ,(山形浩生/訳)翔泳社
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
先の記事にも登場したレッシグ氏の著作です。彼はサイバー法で世界の第一
人者で、法律だけでなく、経済学や情報科学などにもかなり造詣が深いこと
がわかります。また、極めて実践的な学者であることも注目すべき点です。
この本で紹介されている4つの規制について興味深い考え方を紹介します。
コントロールするには規範(道徳)、市場、法、技術(コード)による方法
があるとしています。例えば、健康に悪影響をもたらす喫煙を減らしたい、
特に未成年者の喫煙を減らそうとする場合、次のような規制方法があります。
(なお、この喩えはCODEには出ていませんので、不適切な可能性もあります)
1. 道徳:中学・高校および大学での教育や啓発広告
2. 市場:学生が購入しづらくするよう、たばこの価格を大幅に上げる
3. 法 :対面販売のみとして販売方法など法律で限定する
4. 技術:自動販売機は身分証明書(極端な例では生体認証)で厳格に管理
規制するといろいろなところで思わぬ弊害が表れます。この例では、たばこ
の値上げは確かに未成年者には購入しづらくなりますが、愛煙家にも重大な
影響が及びます。対面販売だけになると自販機に関わる企業や会社にとって、
厳しい経営環境に陥ります。さらに技術面を強化しすぎると個人情報の扱い
が難しくなってきます。
レッシグ氏は規制の程度を問題とします。特に著作権に関する内容は身近な
問題であり、これを厳しく規制すると創作的活動ができなくなるという警告
をしています。例えば、本屋で購入した本は個人がどのように利用しても、
あまり問題ありません。書籍から得られたアイディアが自分の頭の中で消化
され、新たなアイディアを生み出すこともあるでしょう。古本屋に売ってし
まうのも構いません。しかし、コピーをして他人に販売することやネットで
配布することは無論、法律違反です。
しかし、これがデジタルデータともなると非常に話がややこしくなります。
今や電子透かしやコピー配布防止などの進展により、デジタル技術で著作権
の厳格な管理は不可能ではなくなってきました。アマチュアバンドが名曲の
コピーをすると課金されるようになる可能性も否定できません。自分たちで
あれこれと工夫することで新たな価値は創造されます。旺盛な創造力こそが
次世代を担っているはずです。
そこで、筆者はクリエイティブ・コモンズを提唱して、著作者が改変の自由
などを承認方法という新たな考え方を提唱しています。これは、厳格化した
著作権の行使が創造力を失わせることになりかねないというで、すなわち、
イノベーションを起こすことができる芽を摘んではならないということかも
知れません。大経済学者シュンペーターの「新結合」こそが経済成長に必要
と思います。
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■最近のゼミ・講義から
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.tiesnet.jp/
今年も卒業論文発表会が開催されます。これまでの中で最も早い開催日程と
なりました。ゼミが通年になったことで、春学期からスタートできるという
点を考えれば、もっともな措置です。
学内審査会:11/23(月)24(火)26(木)27(金)の4時限目
場所:白鳥学舎
公開審査会:12/9(水) 14:30~17:00
場所:国際会議場
公開審査会は国際会議場で行われますので、お時間が許せば見学参加いた
だければ幸いです。
いよいよサブゼミも本格化し、ゼミ生はプレゼンのスライドや原稿の執筆
にとラストスパートです。自分たちで学習する習慣を身につけ、自律的な
学習者に成長することを期待しています。
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■編□集□後□記□
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仙台での学会に出席した後、東北新幹線で東京まで戻り結婚披露宴に列席
しました。前日の雨が上がり、爽やかな秋晴れの風景を車窓から蔵王山を
見ていると、虹がかかっています。蔵王山が一番良く見える絶景ポイント
では大きな虹のアーチの中に山全体がすっぽりと入っていました。こんな
美しい光景は初めて見ました。きっと何かいいことがある、そんな予感が
します。
2009年9月24日木曜日
第55号(2009.09.24)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第55号
□───────────────────――2009.09.24─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.055
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
暑い最中に本学で行われたTIESのシンポジウムも無事終了し、季節の移ろい
が感じられます。秋の深まりは、早い時間の夕焼けと夜長に聞こえる虫の音。
気づけば、今年もあと3ヶ月ちょっとです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■NGU短信 > 教育GP選定の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.ngu.jp/education/program.html
この5月に文部科学省が募集する「大学教育・学生支援推進事業【テーマA】
大学教育推進プログラム」(略称:教育GP)へ申請しました。4年制の私立
大学では8倍以上という難関でしたが、今月初旬に採択通知が届きました。
申請書のペーパーレフリー審査から面接審査までのプロセスは、申請者に
とってまさに受験感覚です。
これで、本学にとって規模の大きな選定事業としては4つ目、経済学部では
3つ目になりました。(その他、連携事業などを含めると6つ目になります)
経済学部として特色GP「ITによる経済学部教育の標準化と質保証」、現代GP
「知域創成プログラムの実践」に続くものになりました。今回の取組名称は
「経済学コア6の形成と2年次の学習達成基準」です。これはコジマガでも
発信してきた経済学部の様々な取組をまとめるとともに、現在の大学にある
諸問題を真摯に捉え、ICTなどを使い今後の発展系としてまとめたものです。
この詳細は、今後作成予定の特設サイトをご覧いただければと思います。
大学を取り巻く諸問題のキーワードのひとつが「学士力」です。大学を卒業
したという証書を学位記と呼び、専門分野が記されているはずです。例えば、
学士(経済学)というようにです。英語ではCertificationですが、各学部で
身に付けた力を証明書になっているでしょうか?そこで、卒業生は4年間で
何ができるようになったか?「学士力」とは大学4年間で養うことができる
力いっても過言ではないでしょう。ここには専門知識の学力の他、協調性や
問題解決力、忍耐力・・・社会で生き抜くためであれば何でもよいと思います
現在、4年生大学は700校以上もあります。大学は卒業して、一体どんな力が
ついたのか?大学での勉強は本当に社会に役に立つのか?といった昔からの
問題があります。医歯薬などの卒業後に資格試験が控える学系を除き、社会
からの要請もなおざりにされています。大学進学率が50%近くなったものの、
公的資金が投入される機関が変わらなければ納税者に申し開きができません。
政権交代が実現し、文教政策もどのように変わってゆくかを見届ける必要が
あります。今回の採択事業に大切な税金が使われることになりますが、一律
のバラマキではありません。選定されたプライドを胸にしっかりとした制度・
組織の中で、目標達成できるようしてゆかなければなりません。しっかりと
成果を出し、同じような現場の問題を共有している機関にとって参考となる
取り組みとなるように、今後もひたむきな努力が必要です。
―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://store.shopping.yahoo.co.jp/7andy/32267690.html
『1Q84』(上下巻),村上春樹,新潮社,2009年5月発行
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
初めてのシルバーウィークは細切れに予定があり、遠くに出かけることは
ありませんでした。そこで早めの読書の秋を楽しもうと、今年の話題本に
チャレンジしました。忙しい時の読書には小説を避けていますが、連休の
時間を使って、村上ワールドにどっぷり浸かってみました。話題となった
村上作品を読むのは、おそらく『ノルウェーの森』以来となります。
作品の設定としては1984年なので25年前、主人公は30歳です。もし彼らが
現代に生きていたら、55歳になっているはずです。私よりも少し上ですが、
時代が近いので読み進めるには全く支障はありません。また実際に1984年
を体験しているので、当時を思い出しながら読み進めることができます。
当時、友人から「ジョージオーエルの『1984』を読まないといけない」と
いわれ、すぐに本屋へ行きこれを読んだ記憶があります。ビックブラザー
による監視社会をテーマにしており、冷戦時代であっただけに20歳の自分
にはインパクトがある作品でした。(先の見えない情報社会を生きる我々
にとって、コントロールコストの低下が招くプライバシーとの関係を考え
る際の古典名著ですので、一読をお薦めします。)
もちろん『1984』はこの作品の中にも引用されています。しかし、多彩な
要素を含んだ村上作品にとって、構成要素の一片かも知れません。私自身
文学的な才能を持ち合わせていないので書評はできません。また、読後感
は徐々に出てくるはずですが、ここでは読書経験の感想についてのみ触れ
ておきたいと思います。
今回、読書には多くの知識と経験が必要だということがよく分かりました。
昔、実感のない小説では、背景が理解できないページによく遭遇しました。
その時は読むこと自体が辛く、諦めてしまった作品も少なからずあります。
(苦しみながら読むことは、力がつくような気にもなっていました・・・。)
今回そんな場面が少なくなっていることに気づきました。確かに、理解が
困難な箇所はありましたが、かつてのような頻度ではありません。つまり
筆者が読み手として想定した範疇に私自身入っていたということでしょう。
(この本を読むための経験や知識は小学生にないはずで、生まれていない
1984年は想像もつかないと思われます。)上下巻約1000頁の書き下ろしを
すぐに読めたということが、その証左です。
村上春樹氏はノーベル文学賞の有力候補者です。世界的にもよく知られて
いることは、3年前に韓国へ滞在したときに実感しました。まず現地の人
がその名や作品を知っていること、また本屋では多くの訳本が陳列されて
いました。自国の文化や歴史などから離れると極めて読みづらくなるにも
関わらず、世界中の人に読まれる作品という理由には、扱っているテーマ
が現代に生きる人間に共通しているからでしょうか。このように、文学は
日本の文化を、外国人に表面的だけでなく理解してもらえるという強みを
持っています。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■最近のゼミ・講義から
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.ngu.jp/facilities/christian/event.html
シルバーウィークが明けて、秋学期も開始です。学生にとっては1ヶ月半の
長い休みだった訳ですが、クラブ活動や夏季インターンシップ・短期留学
などで自分と向き合って頑張った者と、本当に休んでしまった者との差が
顕著になる季節です。まず、どのような顔つきになっているかでおおよそ
判ります。これも人間力錬成の結果のひとつでしょう。
さて、休み明けの変化といえば、マイルポストが日比野キャンパス1階へ
移設されました。これまでより採光が多く取り入れられる場所で、厨房も
広く、2階ではゼミができそうな広さがあります。授業の合間に利用され
るようになるので、どのように変わってゆくのでしょうか。
【ご案内】
新学期のゼミ教室です。
2年 演習 月曜2限 514教室(白鳥)
4年 経済演習 金曜5限 515教室(白鳥)
卒論を仕上げる際には十分な共有時間・場所が必要です。昨年の成功体験
とし、て日比野学舎で8時近くまで実施する方が望ましいと思いました。
教室が変更になるかも知れませんが、その折にはコジマガで連絡します。
来学されるOBも少なくありません。私はウィークデーは基本的に研究室で
仕事をするタイプです。しかし、名古屋キャンパスにいない時があります。
毎週火曜日は瀬戸の授業ですのでおりませんので、出かける際には注意を
して下さい。
授業ではありませんが「カレッジアワー」で話をする機会に恵まれました。
昨年は『海嶺』の話をしましたが、今回は何を話しましょうか?
10月1日(木) 12:40~ 名古屋キャンパス チャペル
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.sundayfolk.com/livlog/5zbuc4a/
秋は恒例の名学大祭が行われます。『魂~はばたけ想い~』というテーマ
で10/31(土)11/1(日)に名古屋キャンパスで開催されます。また2日(月)
には隣接の白鳥センチュリーホールで「名古屋学院大学 学生のつどい」が
催されます。出演者は、SEAMO、九州男、西野カナ・・・などだそうです。
詳細は大学の公式サイト(http://www.ngu.jp/system/article/detail/556)
などご覧下さい。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第55号
□───────────────────――2009.09.24─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.055
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
暑い最中に本学で行われたTIESのシンポジウムも無事終了し、季節の移ろい
が感じられます。秋の深まりは、早い時間の夕焼けと夜長に聞こえる虫の音。
気づけば、今年もあと3ヶ月ちょっとです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■NGU短信 > 教育GP選定の段
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/education/program.html
この5月に文部科学省が募集する「大学教育・学生支援推進事業【テーマA】
大学教育推進プログラム」(略称:教育GP)へ申請しました。4年制の私立
大学では8倍以上という難関でしたが、今月初旬に採択通知が届きました。
申請書のペーパーレフリー審査から面接審査までのプロセスは、申請者に
とってまさに受験感覚です。
これで、本学にとって規模の大きな選定事業としては4つ目、経済学部では
3つ目になりました。(その他、連携事業などを含めると6つ目になります)
経済学部として特色GP「ITによる経済学部教育の標準化と質保証」、現代GP
「知域創成プログラムの実践」に続くものになりました。今回の取組名称は
「経済学コア6の形成と2年次の学習達成基準」です。これはコジマガでも
発信してきた経済学部の様々な取組をまとめるとともに、現在の大学にある
諸問題を真摯に捉え、ICTなどを使い今後の発展系としてまとめたものです。
この詳細は、今後作成予定の特設サイトをご覧いただければと思います。
大学を取り巻く諸問題のキーワードのひとつが「学士力」です。大学を卒業
したという証書を学位記と呼び、専門分野が記されているはずです。例えば、
学士(経済学)というようにです。英語ではCertificationですが、各学部で
身に付けた力を証明書になっているでしょうか?そこで、卒業生は4年間で
何ができるようになったか?「学士力」とは大学4年間で養うことができる
力いっても過言ではないでしょう。ここには専門知識の学力の他、協調性や
問題解決力、忍耐力・・・社会で生き抜くためであれば何でもよいと思います
現在、4年生大学は700校以上もあります。大学は卒業して、一体どんな力が
ついたのか?大学での勉強は本当に社会に役に立つのか?といった昔からの
問題があります。医歯薬などの卒業後に資格試験が控える学系を除き、社会
からの要請もなおざりにされています。大学進学率が50%近くなったものの、
公的資金が投入される機関が変わらなければ納税者に申し開きができません。
政権交代が実現し、文教政策もどのように変わってゆくかを見届ける必要が
あります。今回の採択事業に大切な税金が使われることになりますが、一律
のバラマキではありません。選定されたプライドを胸にしっかりとした制度・
組織の中で、目標達成できるようしてゆかなければなりません。しっかりと
成果を出し、同じような現場の問題を共有している機関にとって参考となる
取り組みとなるように、今後もひたむきな努力が必要です。
―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://store.shopping.yahoo.co.jp/7andy/32267690.html
『1Q84』(上下巻),村上春樹,新潮社,2009年5月発行
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初めてのシルバーウィークは細切れに予定があり、遠くに出かけることは
ありませんでした。そこで早めの読書の秋を楽しもうと、今年の話題本に
チャレンジしました。忙しい時の読書には小説を避けていますが、連休の
時間を使って、村上ワールドにどっぷり浸かってみました。話題となった
村上作品を読むのは、おそらく『ノルウェーの森』以来となります。
作品の設定としては1984年なので25年前、主人公は30歳です。もし彼らが
現代に生きていたら、55歳になっているはずです。私よりも少し上ですが、
時代が近いので読み進めるには全く支障はありません。また実際に1984年
を体験しているので、当時を思い出しながら読み進めることができます。
当時、友人から「ジョージオーエルの『1984』を読まないといけない」と
いわれ、すぐに本屋へ行きこれを読んだ記憶があります。ビックブラザー
による監視社会をテーマにしており、冷戦時代であっただけに20歳の自分
にはインパクトがある作品でした。(先の見えない情報社会を生きる我々
にとって、コントロールコストの低下が招くプライバシーとの関係を考え
る際の古典名著ですので、一読をお薦めします。)
もちろん『1984』はこの作品の中にも引用されています。しかし、多彩な
要素を含んだ村上作品にとって、構成要素の一片かも知れません。私自身
文学的な才能を持ち合わせていないので書評はできません。また、読後感
は徐々に出てくるはずですが、ここでは読書経験の感想についてのみ触れ
ておきたいと思います。
今回、読書には多くの知識と経験が必要だということがよく分かりました。
昔、実感のない小説では、背景が理解できないページによく遭遇しました。
その時は読むこと自体が辛く、諦めてしまった作品も少なからずあります。
(苦しみながら読むことは、力がつくような気にもなっていました・・・。)
今回そんな場面が少なくなっていることに気づきました。確かに、理解が
困難な箇所はありましたが、かつてのような頻度ではありません。つまり
筆者が読み手として想定した範疇に私自身入っていたということでしょう。
(この本を読むための経験や知識は小学生にないはずで、生まれていない
1984年は想像もつかないと思われます。)上下巻約1000頁の書き下ろしを
すぐに読めたということが、その証左です。
村上春樹氏はノーベル文学賞の有力候補者です。世界的にもよく知られて
いることは、3年前に韓国へ滞在したときに実感しました。まず現地の人
がその名や作品を知っていること、また本屋では多くの訳本が陳列されて
いました。自国の文化や歴史などから離れると極めて読みづらくなるにも
関わらず、世界中の人に読まれる作品という理由には、扱っているテーマ
が現代に生きる人間に共通しているからでしょうか。このように、文学は
日本の文化を、外国人に表面的だけでなく理解してもらえるという強みを
持っています。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■最近のゼミ・講義から
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/facilities/christian/event.html
シルバーウィークが明けて、秋学期も開始です。学生にとっては1ヶ月半の
長い休みだった訳ですが、クラブ活動や夏季インターンシップ・短期留学
などで自分と向き合って頑張った者と、本当に休んでしまった者との差が
顕著になる季節です。まず、どのような顔つきになっているかでおおよそ
判ります。これも人間力錬成の結果のひとつでしょう。
さて、休み明けの変化といえば、マイルポストが日比野キャンパス1階へ
移設されました。これまでより採光が多く取り入れられる場所で、厨房も
広く、2階ではゼミができそうな広さがあります。授業の合間に利用され
るようになるので、どのように変わってゆくのでしょうか。
【ご案内】
新学期のゼミ教室です。
2年 演習 月曜2限 514教室(白鳥)
4年 経済演習 金曜5限 515教室(白鳥)
卒論を仕上げる際には十分な共有時間・場所が必要です。昨年の成功体験
とし、て日比野学舎で8時近くまで実施する方が望ましいと思いました。
教室が変更になるかも知れませんが、その折にはコジマガで連絡します。
来学されるOBも少なくありません。私はウィークデーは基本的に研究室で
仕事をするタイプです。しかし、名古屋キャンパスにいない時があります。
毎週火曜日は瀬戸の授業ですのでおりませんので、出かける際には注意を
して下さい。
授業ではありませんが「カレッジアワー」で話をする機会に恵まれました。
昨年は『海嶺』の話をしましたが、今回は何を話しましょうか?
10月1日(木) 12:40~ 名古屋キャンパス チャペル
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
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☆関連サイト:http://www.sundayfolk.com/livlog/5zbuc4a/
秋は恒例の名学大祭が行われます。『魂~はばたけ想い~』というテーマ
で10/31(土)11/1(日)に名古屋キャンパスで開催されます。また2日(月)
には隣接の白鳥センチュリーホールで「名古屋学院大学 学生のつどい」が
催されます。出演者は、SEAMO、九州男、西野カナ・・・などだそうです。
詳細は大学の公式サイト(http://www.ngu.jp/system/article/detail/556)
などご覧下さい。
2009年8月24日月曜日
第54号(2009.08.24)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第54号
□───────────────────――2009.08.24─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.054
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
ゼミOB会恒例の夏の飲み会がありました。お盆のど真ん中ということもあり、
例年よりも出席者は少なめでしたが、その分、一人ひとりいろいろな話をする
ことができました。特に、数年ぶりに顔を見せてくれたメンバ達の活躍ぶりを
聞けば、自分のことのように嬉しく思います。これが自分も頑張らねばという
力を与えてくれます。このような機会があれば、また是非、お出かけください。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■NGU短信 > 「2009夏のシンポジウム in 愛知」の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.cccties.org/event/090907/audience.html
☆関連サイト:http://www.minnade-daigaku.com
来る9月7日(月)午後と9月8日(火)午前の2日間にわたって本学でシンポジウム
が開催されます。『ICTによる大学連携と「知域」貢献』をテーマとして本学と
NPO法人CCC-TIESの共催です。TIESを利用して、大学が広域連携しながら、質の
高い教育を提供しようということを主旨としています。昨年は札幌大学で開催
されましたが、今年は本学での開催となりました。
今年の戦略的大学連携支援事業として採択された『北海道・関東・東海・近畿
の大学連携による「知域」拡大プロジェクト』(帝塚山大学、札幌大学、創価
大学、明治薬科大学、愛知学院大学)と密接に関連しており、プロジェクトに
関する基調講演が行われます。
この事業には、現在開催中の産経新聞社との企画「産経eカレッジ」や海外への
授業配信、産官学連携事業など、ネットを利用した多彩な取り組みがあります。
現在はひとつの大学でなく、多くの大学が参加し、博物館・美術館や経済団体
などとコラボする時代になっています。特に地場産業や地域文化など知的資産
となりうるものが全国に散らばっています。優れたコンテンツを繋いで、使い
やすく活用することが地域貢献となります。
サントリー創業者の鳥井信治郎に「やってみなはれ」という名言があります。
評論家のようにリスクをとらないまま知った顔をするよりも、敢えて挑戦し、
その結果から次々に道を切り拓いてゆくことが、激動の時代には必要である
ように思います。この事業も挑戦ばかりですが、ひとつでも大当たりが出れば
ラッキーでしょう。
さて、9月7日(月)の面白いイベントには「第1回 全国大学対抗TIESタイピング
大会」の決勝戦があります。全国のTIES参加大学から選抜された5大学の代表に
よってタイピング大会の決勝戦を行います。もちろん本学もタイプの達人らが
出場します。昨年は400字/分というスピードタイプを生で見ましたが、今年は
各大学の代表がライブを通して参加するという、何とも凄い光景が見られそう
でワクワクしています。
―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://store.shopping.yahoo.co.jp/7andy/32267690.html
『ブラック・スワン』,ニコラス・タレブ(望月衛/訳)ダイヤモンド社
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
世界で話題となった本の邦訳ということでしょうか、普通の書店で平積みに
なっていました。その光景を見て「この本の内容をすんなり理解できる人が
いったいどれぐらいいるのだろうか」という疑問を持ちました。というのも
これは哲学・歴史・心理学を扱っており、金融工学やオプション、経済学と
統計学、数学、そしてネットワーク理論という非常に広い範囲をカバーして
いるからです。さらに翻訳書なので独特な言い回しで読みづらさがあります。
ということもあって、Amazonでのレビューの評価もまちまちです。
筆者のニコラスタレブは金融トレーダーです。現実に起こる株式市場の動き
は、経済学者や数学者・統計学者よりも圧倒的に体験しています。金融工学
の分野には、有名なブラック・ショールズ理論があります。これは金融派生
商品の価格決定を数学的に美しい式で説明したものです。物理や経済学での
均衡という世界へ誘った功績で、この研究に携わったショールズとマートン
は1997年にノーベル経済学賞の栄誉を受けました。
その後、ノーベル賞の理論が後押しとなって、アメリカの金融バブルを加速
させました。理論に基づくリスク管理によって、崩壊の危なさは大きくなり、
絶対にあり得ないと思われていた株価大暴落が起こりました。最近の悲惨な
現実によって米国バブル経済とともにこの理論への信用が脆くも崩れ去った
ことは、金融関係の仕事の方であれば、よくご存じと思います。
では、なぜ理論は現実を説明できなかったのでしょう。作者によれば我々が
「月並みの国」でなく「果ての国」に住んでいることを忘れているからです。
作者が表現する「月並み」というのは正規分布のことです。
統計学で必ず学習するのが正規分布です。これはガウスの功績でガウス分布
とも呼ばれます。この分布は数学的に極めて扱いやすい性質を持っており、
「正規分布は分布の中の王様」というように教えています。確かに身の回り
で起こる確率現象を教えるときには、正規分布を使えば分かり易くなります。
サイコロやくじなど作られた実験結果を計算すると、その操作から釣り鐘状
の正規分布が現れます。平均が山の頂上となり、標準偏差の大きさで裾野の
広さが決定されます。
「月並み」という言葉には「とんでもない値は現れない」ということを意味
しています。例えば、男性の平均身長が170cmである場合、大多数の人間が
150cm~190cmの範囲に入り、5mを超える巨大人間や一寸法師のような5cmの
小人は絶対にいないと考えます。正規分布の世界では、このような人は存在
しません。一方、「果ての国」では凡人には考えられない値が存在します。
一例として日本の世帯所得を考えてみます。平均は約580万円だそうですが、
恐らく実感よりも多いなぁと思うのではないでしょうか。世帯数が最も多い
階級は年収350万円周辺で、中央値は約450万円です。すなわち、ほとんどは
平均よりも低いことを意味しています。この差の原因は、ほんの一握りしか
いないとてつもない大金持ちにあります。年収50億円という金持ちが全体の
平均を引き上げています。つまり所得分布は正規分布ではなく、歪んだ分布
(不平等)をしているのです。
このようにとてつもなく大きな値が出現する現象は現代にはよく見られます。
「一人勝ち」「独占」「デファクトスタンダード」などはMS、mixi、iPodと
いった例を出すまでもありません。ロングテールもこのひとつの現象ですし、
最近ではネットワーク理論で説明されます。面白いのが「マタイ効果」です。
キリスト教のマタイの福音書にもこの現象の記述があるそうです。
また、現実から導かれた理論で現在や将来を説明できるかどうかをタレブは
疑っています。計量経済学は、経済学の理論をデータで検証する学問ですが、
著者にとっては格好の標的になっています。確かに推定値の誤差は正規分布
という仮定をおいて説明しています(確かに正規分布であることは誰が保証
しているのでしょう?)統計学者もしかりで、哲学者に至っては彼の批評に
かかってボロボロにされています。
「ブラックスワン、黒い白鳥などいないのだ」といってもそれが見つかれば
それまでの考えは、吹っ飛んでしまいます。常識ではあり得ない事象を黒い
白鳥を喩えとして話を展開してます。上巻に「七面鳥の悲劇」の喩えがあり
ました。七面鳥は12月24日まで、餌をもらい幸せな毎日を過ごしています。
それが次の日、自分が食卓を飾るとは決して思いもよらないということです。
なぜ我々はそのような常識ではあり得ない重大なことを見過ごしてしまうか
を説明しています。(アマゾンで低い評価を付けた評者は、きっとこの辺り
の話題展開がダルだったのでしょう。)
以上の書評を読んで、それでも黒い白鳥を読みたいと思った人は、その前に
神永正博『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』をお薦めします。この本
の中にブラックスワンの記述がありますから、きっと役立つことでしょう。
証券会社に勤務している皆さんや銀行・保険といった金融関係者であれば、
挑戦する価値はあるかも知れません。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
計画を開始してから1年が経ちます。これをまとめる仕事に追われました。
3年ぶりの大きな仕事でしたが、「果報は寝て待て」です。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第54号
□───────────────────――2009.08.24─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.054
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
ゼミOB会恒例の夏の飲み会がありました。お盆のど真ん中ということもあり、
例年よりも出席者は少なめでしたが、その分、一人ひとりいろいろな話をする
ことができました。特に、数年ぶりに顔を見せてくれたメンバ達の活躍ぶりを
聞けば、自分のことのように嬉しく思います。これが自分も頑張らねばという
力を与えてくれます。このような機会があれば、また是非、お出かけください。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■NGU短信 > 「2009夏のシンポジウム in 愛知」の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.cccties.org/event/090907/audience.html
☆関連サイト:http://www.minnade-daigaku.com
来る9月7日(月)午後と9月8日(火)午前の2日間にわたって本学でシンポジウム
が開催されます。『ICTによる大学連携と「知域」貢献』をテーマとして本学と
NPO法人CCC-TIESの共催です。TIESを利用して、大学が広域連携しながら、質の
高い教育を提供しようということを主旨としています。昨年は札幌大学で開催
されましたが、今年は本学での開催となりました。
今年の戦略的大学連携支援事業として採択された『北海道・関東・東海・近畿
の大学連携による「知域」拡大プロジェクト』(帝塚山大学、札幌大学、創価
大学、明治薬科大学、愛知学院大学)と密接に関連しており、プロジェクトに
関する基調講演が行われます。
この事業には、現在開催中の産経新聞社との企画「産経eカレッジ」や海外への
授業配信、産官学連携事業など、ネットを利用した多彩な取り組みがあります。
現在はひとつの大学でなく、多くの大学が参加し、博物館・美術館や経済団体
などとコラボする時代になっています。特に地場産業や地域文化など知的資産
となりうるものが全国に散らばっています。優れたコンテンツを繋いで、使い
やすく活用することが地域貢献となります。
サントリー創業者の鳥井信治郎に「やってみなはれ」という名言があります。
評論家のようにリスクをとらないまま知った顔をするよりも、敢えて挑戦し、
その結果から次々に道を切り拓いてゆくことが、激動の時代には必要である
ように思います。この事業も挑戦ばかりですが、ひとつでも大当たりが出れば
ラッキーでしょう。
さて、9月7日(月)の面白いイベントには「第1回 全国大学対抗TIESタイピング
大会」の決勝戦があります。全国のTIES参加大学から選抜された5大学の代表に
よってタイピング大会の決勝戦を行います。もちろん本学もタイプの達人らが
出場します。昨年は400字/分というスピードタイプを生で見ましたが、今年は
各大学の代表がライブを通して参加するという、何とも凄い光景が見られそう
でワクワクしています。
―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
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『ブラック・スワン』,ニコラス・タレブ(望月衛/訳)ダイヤモンド社
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
世界で話題となった本の邦訳ということでしょうか、普通の書店で平積みに
なっていました。その光景を見て「この本の内容をすんなり理解できる人が
いったいどれぐらいいるのだろうか」という疑問を持ちました。というのも
これは哲学・歴史・心理学を扱っており、金融工学やオプション、経済学と
統計学、数学、そしてネットワーク理論という非常に広い範囲をカバーして
いるからです。さらに翻訳書なので独特な言い回しで読みづらさがあります。
ということもあって、Amazonでのレビューの評価もまちまちです。
筆者のニコラスタレブは金融トレーダーです。現実に起こる株式市場の動き
は、経済学者や数学者・統計学者よりも圧倒的に体験しています。金融工学
の分野には、有名なブラック・ショールズ理論があります。これは金融派生
商品の価格決定を数学的に美しい式で説明したものです。物理や経済学での
均衡という世界へ誘った功績で、この研究に携わったショールズとマートン
は1997年にノーベル経済学賞の栄誉を受けました。
その後、ノーベル賞の理論が後押しとなって、アメリカの金融バブルを加速
させました。理論に基づくリスク管理によって、崩壊の危なさは大きくなり、
絶対にあり得ないと思われていた株価大暴落が起こりました。最近の悲惨な
現実によって米国バブル経済とともにこの理論への信用が脆くも崩れ去った
ことは、金融関係の仕事の方であれば、よくご存じと思います。
では、なぜ理論は現実を説明できなかったのでしょう。作者によれば我々が
「月並みの国」でなく「果ての国」に住んでいることを忘れているからです。
作者が表現する「月並み」というのは正規分布のことです。
統計学で必ず学習するのが正規分布です。これはガウスの功績でガウス分布
とも呼ばれます。この分布は数学的に極めて扱いやすい性質を持っており、
「正規分布は分布の中の王様」というように教えています。確かに身の回り
で起こる確率現象を教えるときには、正規分布を使えば分かり易くなります。
サイコロやくじなど作られた実験結果を計算すると、その操作から釣り鐘状
の正規分布が現れます。平均が山の頂上となり、標準偏差の大きさで裾野の
広さが決定されます。
「月並み」という言葉には「とんでもない値は現れない」ということを意味
しています。例えば、男性の平均身長が170cmである場合、大多数の人間が
150cm~190cmの範囲に入り、5mを超える巨大人間や一寸法師のような5cmの
小人は絶対にいないと考えます。正規分布の世界では、このような人は存在
しません。一方、「果ての国」では凡人には考えられない値が存在します。
一例として日本の世帯所得を考えてみます。平均は約580万円だそうですが、
恐らく実感よりも多いなぁと思うのではないでしょうか。世帯数が最も多い
階級は年収350万円周辺で、中央値は約450万円です。すなわち、ほとんどは
平均よりも低いことを意味しています。この差の原因は、ほんの一握りしか
いないとてつもない大金持ちにあります。年収50億円という金持ちが全体の
平均を引き上げています。つまり所得分布は正規分布ではなく、歪んだ分布
(不平等)をしているのです。
このようにとてつもなく大きな値が出現する現象は現代にはよく見られます。
「一人勝ち」「独占」「デファクトスタンダード」などはMS、mixi、iPodと
いった例を出すまでもありません。ロングテールもこのひとつの現象ですし、
最近ではネットワーク理論で説明されます。面白いのが「マタイ効果」です。
キリスト教のマタイの福音書にもこの現象の記述があるそうです。
また、現実から導かれた理論で現在や将来を説明できるかどうかをタレブは
疑っています。計量経済学は、経済学の理論をデータで検証する学問ですが、
著者にとっては格好の標的になっています。確かに推定値の誤差は正規分布
という仮定をおいて説明しています(確かに正規分布であることは誰が保証
しているのでしょう?)統計学者もしかりで、哲学者に至っては彼の批評に
かかってボロボロにされています。
「ブラックスワン、黒い白鳥などいないのだ」といってもそれが見つかれば
それまでの考えは、吹っ飛んでしまいます。常識ではあり得ない事象を黒い
白鳥を喩えとして話を展開してます。上巻に「七面鳥の悲劇」の喩えがあり
ました。七面鳥は12月24日まで、餌をもらい幸せな毎日を過ごしています。
それが次の日、自分が食卓を飾るとは決して思いもよらないということです。
なぜ我々はそのような常識ではあり得ない重大なことを見過ごしてしまうか
を説明しています。(アマゾンで低い評価を付けた評者は、きっとこの辺り
の話題展開がダルだったのでしょう。)
以上の書評を読んで、それでも黒い白鳥を読みたいと思った人は、その前に
神永正博『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』をお薦めします。この本
の中にブラックスワンの記述がありますから、きっと役立つことでしょう。
証券会社に勤務している皆さんや銀行・保険といった金融関係者であれば、
挑戦する価値はあるかも知れません。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
計画を開始してから1年が経ちます。これをまとめる仕事に追われました。
3年ぶりの大きな仕事でしたが、「果報は寝て待て」です。
2009年2月5日木曜日
第50号(2009.02.05)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第50号
□───────────────────――2009.02.05─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.050
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
コジマガは今回でなんと50号です。最近は各種の文書を書いていますので、
内容が重複していないかという心配が増えました。それでも継続の重要性
やストックすることでの力を認識していますので、怯むことなく発行して
いきたいと考えています。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■NGU短信 > 卒論指導と「学びの場」の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.cccties.org/news/080908/index.html
.NETのお知らせにアップしましたが、2月3日(火)に今年度の卒論指導が
無事終了しました。早く終了できるかどうかは、ゼミ生同士の協力体制が
確立しているかに依存します。では、なぜ今年は成功したのでしょうか?
その要因を3点ほど取り上げてみました。
1. サブゼミ教室を自主的に予約、確保した
2. 3年と4年のゼミ時間をクロスオーバーさせた
3. 終了期限を早めに設定し、進度に応じた3つ程のグループで対応した
卒論を書くという初めての経験に対して、ただ「やりなさい」ではうまく
いきません。「学びの場」にいれば自ずと完成のベクトルに向かうように
ゼミを設計するのが、指導者にもゼミ生にも満足度が高いと思われます。
この「場」は対面が中心ですが、もちろんサイバー空間でもこれを十分に
補うことができます。
例えば、今年度から始めたゼミ時間内でのダメ出し作業はうまく機能した
ように感じます。制限時間を決めた作業はゼミ生の集中力を鍛え、その場
で筆者への指摘ができるということ、さらに数回にわたる赤ペンでの指摘
の履歴によって、ダメ出しのHowtoが共有できました。この経験を共有する
ことが今後の作成プロセスに大きな影響を与えます。一方、この「場」に
いないゼミ生が必ず遅れがちなるという事実も看過できません。この例が
対面での教育効果です。
また、TIESの活用が違和感なく受け入れられたことも進度を速めました。
今年度はTIESの「2008卒業研究」という科目に「はじめに」「おわりに」
などの赤ペン指導PDF(計50回以上)があり、卒業研究発表のビデオが閲覧
できます。昨年までの先輩が受けたダメ出し指導のプロセスもアップして
いるので、これを参照しながら作成した学生は極めて作成が早くなります。
また、TIESでは他人の進捗状況が一覧できるので、励みやプレッシャーと
なり、これが作成の推進力にもなります。この状況を見るとから日本人の
特性である横並びの意識は悪いものでもありません。以上がサイバー空間
における「学びの場」とその活用方法でしょう。
皆と「場」を同期することから個々はエンパワーされます。お互いを知り、
相互扶助が始まり、知識・技術が共有されるようになります。進捗が速い
者は先行メリットとして、指導者から多くのノウハウを直接受けることに
なります。完了すれば指導者のクローンとして活躍し、コミュニティ内に
大きな成果をもたらします。このようにして強い組織が構成されます。
卒業論文の作成プロセスはあたかもマラソンのようであり、走者はゼミ生
です。指導者はコーチ役に徹することで目標を共有するとともに、ゼミ内
の信頼感を深めるような組織体制の維持・促進など環境確保に努めます。
学生は自分一人では上手く進めることができません。時に、横道に逸れて
いったり、やる気を消失したりします。かつてのように無理やりゴールへ
引っ張るのでなく、どこまで進めておけば達成できるか、遂行すべき作業
工程を学生と一緒に考えることが重要でしょう。走るのは彼らですから。
「TIES2008夏のシンポジウム in 北海道」でICTを活用したゼミ指導方法を
報告しています。今回のコラムに深く関連していますので、関心ある方は
関連サイトでリンクを張っていますので、ご参照ください。
―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/32152270
『アーキテクチュアの生態系』,濱野智史,NTT出版,\1,900
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
この本のサブタイトルは「情報環境はいかに設計されてきたか」で、著者は
1980年生まれの若い研究者です。ネット社会学者という紹介ですが、社会学
は守備範囲が広いということを感じます。
まず、印象として日本独自のネット文化の進展を極めてうまくまとめている
ように感じました。例えば、なぜ日本に2ちゃんねる、mixi、ニコニコ動画、
ケータイ小説など独自のネット文化が生まれたのかを明快に説明しています。
これらは、日本特有の「繋がりの社会性」から生まれたものとしています。
ケータイを中心とした若者文化は「私の知らない世界」です。ボーカロイド
初音ミクや『恋空』は耳にしたことはありますが、本の説明によって初めて
理解できました。
この初音ミクや『恋空』の解説用語として「限定客観性」を用いたことに、
思わず笑いがこみあげてきました。というもの、経済学部で勉強したことの
ある読者ならば、「限定合理性」という用語を聞いたことがあると思います。
人間は経済理論の仮定通りに、すべての行動について合理的に行動している
わけではないとするノーベル経済学者サイモンの考え方です。これを捩って
限られたコミュニティでの客観的評価(限定客観性)を受けたとして、一般
のWebにも登場したという作品の背景を説明しています。
また、セカンドライフ、ツイッター、ニコニコ動画を「同期」をキーワード
として比較した手法は、素晴らしい視点であると思います。その他、例えば
第2章でグーグルとブログとの関係の捉え方は絶妙です。さらに説明に対し、
ブログにより「個をエンパワーするWeb」という表現など、現在のWebを表現
するための適切な用語がいくつも挙げられています。深い洞察と適切な言葉
により説得力があり、目がら鱗という箇所がいくつもあります。
筆者は、新奇のWeb文化に対する実際の批判や評価を回避しながら、可能な
限り客観的な立場を維持し、なぜそれが受容されてきたのかという日本文化
や社会論として持論を展開しています。
上述した用語以外にも、OpenPNE、フェイスブック、スカイプ、ウィニーなど
の用語解説本としても利用できるかも知れません。
『ウェブ進化論』の梅田氏やネットワーク理論、経営学などを引用しながら
参考文献には「クリエイティブ・コモンズ」のレッシグ、経済学者ハイエク
など興味が重なっていることが読み手の理解を促進したのかもしれません。
Webの進化をアーキテクチュアの視点から捉えることに成功した良本でしょう。
なお、最後に笑ってしまったのが、あとがきを書いた場所がネットカフェで
あること。一読を勧める本です。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■最近のゼミから
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.tiesnet.jp/
1月20日(火)のゼミの時間を利用してマイルポストへ行きました。2年生の
ゼミで一度はマイルポストでと話していましたが、そのままだったことが
ずっと気がかりになっていました。開店1周年を経過しても、まだお店に
行ったことにない学生が多数おり、ビックリしました。体験させることが
いかに大事なことか。自分の経験を自ずと語るようになり、人に伝播して
ゆくはずですから、本学の全学生が来店するような推進プログラムが必要
かもしれません。
4年生の卒論については、上段のコラムで説明したので繰り返しませんが、
3年生も全員が6,000字以上の研究報告書(学部必須)を作成できました。
文字数では、すでに卒論の半分(次年度から12,000字)に到達しています。
作成プロセスでダメ出し体験からエントリシートの出来栄えも多少は良く
なると思います。次年度から4年ゼミが必修で、春学期にも開講されます。
就活を終了したゼミ生から卒論作成指導に戻ることができるので、来年度
はさらに早く卒論が終了できるものと期待しています。
3月16日(月)は卒業式です。ゼミの修了証を用意しなくてはなりません。
また、夜にはゼミの追い出だしコンパが予定されています。詳しくは.NET
にアップされるので、ご参照ください。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
アメリカでは新大統領が誕生し、大きな変化が生まれる期待があります。
オバマ氏の経歴を見ると、類まれなる才能と強力な運を引き付ける人間力
があれば、誰でも大統領になれることを示しています。すなわち日本人が
親であってもそれが可能ということです。皆さんの子孫がアメリカ大統領
って想像できますか?
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第50号
□───────────────────――2009.02.05─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.050
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コジマガは今回でなんと50号です。最近は各種の文書を書いていますので、
内容が重複していないかという心配が増えました。それでも継続の重要性
やストックすることでの力を認識していますので、怯むことなく発行して
いきたいと考えています。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■NGU短信 > 卒論指導と「学びの場」の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.cccties.org/news/080908/index.html
.NETのお知らせにアップしましたが、2月3日(火)に今年度の卒論指導が
無事終了しました。早く終了できるかどうかは、ゼミ生同士の協力体制が
確立しているかに依存します。では、なぜ今年は成功したのでしょうか?
その要因を3点ほど取り上げてみました。
1. サブゼミ教室を自主的に予約、確保した
2. 3年と4年のゼミ時間をクロスオーバーさせた
3. 終了期限を早めに設定し、進度に応じた3つ程のグループで対応した
卒論を書くという初めての経験に対して、ただ「やりなさい」ではうまく
いきません。「学びの場」にいれば自ずと完成のベクトルに向かうように
ゼミを設計するのが、指導者にもゼミ生にも満足度が高いと思われます。
この「場」は対面が中心ですが、もちろんサイバー空間でもこれを十分に
補うことができます。
例えば、今年度から始めたゼミ時間内でのダメ出し作業はうまく機能した
ように感じます。制限時間を決めた作業はゼミ生の集中力を鍛え、その場
で筆者への指摘ができるということ、さらに数回にわたる赤ペンでの指摘
の履歴によって、ダメ出しのHowtoが共有できました。この経験を共有する
ことが今後の作成プロセスに大きな影響を与えます。一方、この「場」に
いないゼミ生が必ず遅れがちなるという事実も看過できません。この例が
対面での教育効果です。
また、TIESの活用が違和感なく受け入れられたことも進度を速めました。
今年度はTIESの「2008卒業研究」という科目に「はじめに」「おわりに」
などの赤ペン指導PDF(計50回以上)があり、卒業研究発表のビデオが閲覧
できます。昨年までの先輩が受けたダメ出し指導のプロセスもアップして
いるので、これを参照しながら作成した学生は極めて作成が早くなります。
また、TIESでは他人の進捗状況が一覧できるので、励みやプレッシャーと
なり、これが作成の推進力にもなります。この状況を見るとから日本人の
特性である横並びの意識は悪いものでもありません。以上がサイバー空間
における「学びの場」とその活用方法でしょう。
皆と「場」を同期することから個々はエンパワーされます。お互いを知り、
相互扶助が始まり、知識・技術が共有されるようになります。進捗が速い
者は先行メリットとして、指導者から多くのノウハウを直接受けることに
なります。完了すれば指導者のクローンとして活躍し、コミュニティ内に
大きな成果をもたらします。このようにして強い組織が構成されます。
卒業論文の作成プロセスはあたかもマラソンのようであり、走者はゼミ生
です。指導者はコーチ役に徹することで目標を共有するとともに、ゼミ内
の信頼感を深めるような組織体制の維持・促進など環境確保に努めます。
学生は自分一人では上手く進めることができません。時に、横道に逸れて
いったり、やる気を消失したりします。かつてのように無理やりゴールへ
引っ張るのでなく、どこまで進めておけば達成できるか、遂行すべき作業
工程を学生と一緒に考えることが重要でしょう。走るのは彼らですから。
「TIES2008夏のシンポジウム in 北海道」でICTを活用したゼミ指導方法を
報告しています。今回のコラムに深く関連していますので、関心ある方は
関連サイトでリンクを張っていますので、ご参照ください。
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『アーキテクチュアの生態系』,濱野智史,NTT出版,\1,900
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この本のサブタイトルは「情報環境はいかに設計されてきたか」で、著者は
1980年生まれの若い研究者です。ネット社会学者という紹介ですが、社会学
は守備範囲が広いということを感じます。
まず、印象として日本独自のネット文化の進展を極めてうまくまとめている
ように感じました。例えば、なぜ日本に2ちゃんねる、mixi、ニコニコ動画、
ケータイ小説など独自のネット文化が生まれたのかを明快に説明しています。
これらは、日本特有の「繋がりの社会性」から生まれたものとしています。
ケータイを中心とした若者文化は「私の知らない世界」です。ボーカロイド
初音ミクや『恋空』は耳にしたことはありますが、本の説明によって初めて
理解できました。
この初音ミクや『恋空』の解説用語として「限定客観性」を用いたことに、
思わず笑いがこみあげてきました。というもの、経済学部で勉強したことの
ある読者ならば、「限定合理性」という用語を聞いたことがあると思います。
人間は経済理論の仮定通りに、すべての行動について合理的に行動している
わけではないとするノーベル経済学者サイモンの考え方です。これを捩って
限られたコミュニティでの客観的評価(限定客観性)を受けたとして、一般
のWebにも登場したという作品の背景を説明しています。
また、セカンドライフ、ツイッター、ニコニコ動画を「同期」をキーワード
として比較した手法は、素晴らしい視点であると思います。その他、例えば
第2章でグーグルとブログとの関係の捉え方は絶妙です。さらに説明に対し、
ブログにより「個をエンパワーするWeb」という表現など、現在のWebを表現
するための適切な用語がいくつも挙げられています。深い洞察と適切な言葉
により説得力があり、目がら鱗という箇所がいくつもあります。
筆者は、新奇のWeb文化に対する実際の批判や評価を回避しながら、可能な
限り客観的な立場を維持し、なぜそれが受容されてきたのかという日本文化
や社会論として持論を展開しています。
上述した用語以外にも、OpenPNE、フェイスブック、スカイプ、ウィニーなど
の用語解説本としても利用できるかも知れません。
『ウェブ進化論』の梅田氏やネットワーク理論、経営学などを引用しながら
参考文献には「クリエイティブ・コモンズ」のレッシグ、経済学者ハイエク
など興味が重なっていることが読み手の理解を促進したのかもしれません。
Webの進化をアーキテクチュアの視点から捉えることに成功した良本でしょう。
なお、最後に笑ってしまったのが、あとがきを書いた場所がネットカフェで
あること。一読を勧める本です。
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■最近のゼミから
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☆関連サイト:http://www.tiesnet.jp/
1月20日(火)のゼミの時間を利用してマイルポストへ行きました。2年生の
ゼミで一度はマイルポストでと話していましたが、そのままだったことが
ずっと気がかりになっていました。開店1周年を経過しても、まだお店に
行ったことにない学生が多数おり、ビックリしました。体験させることが
いかに大事なことか。自分の経験を自ずと語るようになり、人に伝播して
ゆくはずですから、本学の全学生が来店するような推進プログラムが必要
かもしれません。
4年生の卒論については、上段のコラムで説明したので繰り返しませんが、
3年生も全員が6,000字以上の研究報告書(学部必須)を作成できました。
文字数では、すでに卒論の半分(次年度から12,000字)に到達しています。
作成プロセスでダメ出し体験からエントリシートの出来栄えも多少は良く
なると思います。次年度から4年ゼミが必修で、春学期にも開講されます。
就活を終了したゼミ生から卒論作成指導に戻ることができるので、来年度
はさらに早く卒論が終了できるものと期待しています。
3月16日(月)は卒業式です。ゼミの修了証を用意しなくてはなりません。
また、夜にはゼミの追い出だしコンパが予定されています。詳しくは.NET
にアップされるので、ご参照ください。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
アメリカでは新大統領が誕生し、大きな変化が生まれる期待があります。
オバマ氏の経歴を見ると、類まれなる才能と強力な運を引き付ける人間力
があれば、誰でも大統領になれることを示しています。すなわち日本人が
親であってもそれが可能ということです。皆さんの子孫がアメリカ大統領
って想像できますか?
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