2014年9月15日月曜日

第109号(2014.09.15)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第109号
□───────────────────2014.09.15─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.109
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。

大学の夏休みも今週で終了です。とはいえ、学外ではインターンシップや
ボランティア・短期留学などの活動がありました。学内では、追再試験や
集中講義のほかクラブ・サークル活動などが行われており、休み期間とは
いえ、昔のような閑散としたキャンパスではありませんでした。19日(金)
から秋学期の授業が始まります。過ぎ去る夏日を惜しみつつも、全学生が
元気に大学へ戻ってくることを楽しみにしています。


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■NGU短信 > ルーブリック導入の段
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☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/rubric/2014datapre.pdf

今秋開講する「データ表現技法」でルーブリックを導入することにしました。
この科目は、経済学部1年生全員が受講する指定科目で、小生が科目責任者を
務めています。そして、全15回にわたってExcelでグラフ作成を扱い、技能を
確実に修得するためのパソコン実習科目です。最近はExcelができない学生が
増えており、また、経済学を学ぶ上で重要なグラフを理解できてない学生も
見られます。そこで2006年度に上記科目を新設し、学生の能力開発に努めて
います。インストラクタによる少人数教育の教育効果もあって、最近はゼミ
でもグラフが全く書けない学生がほとんどいなくなりました。何よりも卒論
作成時には、その技術が大変役立っています。

とはいえ、学生の修得レベルはまちまちです。達成段階を明示して、能力を
さらに伸ばしてやる必要があります。学生個人の到達度を可視化することや
学生が納得できる成績評価の実施のためにルーブリックを導入します。これ
は上記の関連サイトからアクセスできるので、チェックください。達成項目
とレベルが一覧表にまとめられたものです。卒業生の皆さんも自分のレベル
を確認するとよいでしょう。

聞きなれない用語のルーブリックは「評価票」とも訳されることもあります。
最近、文部科学省はルーブリックの活用を推奨していますが、授業での導入
は十分進んでいません。ご存知のようにゼミではすでに2年前より利用して
いますが、「先ず隗より始めよ」ということで、今回の挑戦となりました。

具体的な活用方法は、ゼミでのやり方を取り入れています。すなわち、紙に
自分が達成できた項目をチェックしてゆく方法です。授業中、学生に達成度
を確認させる作業を、何回かに分けて実施する予定です。

第1回目ではルーブリックを履修生に配付し、授業内容の説明と併せて成績
評価はルーブリックの通り、実施すると伝えます。そしてラインマーカーや
色ペンで、SABCの中から自分が既に達成している項目をチェックさせます。
記入したルーブリックを回収して、クラスごとに保管します。

そして、第6回目と第10回目の授業で同じ作業をさせ、どれだけ達成項目が
増えたかを確認させます。また、どの項目をどれだけ頑張れば成績がアップ
するかが一目できるので、有効な指導方法になると期待されます。最終回で
自分の到達度を確認することで、おおよその成績がわかります。成績に対し
疑問や不満を持つ学生も少なくなるかと思われます。

上手く行けば、教育効果をまとめて紹介し、他の科目へも展開できるように
したいと考えます。さて、どうなるか?乞うご期待です。


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■最近のゼミから > 名証株式投資コンテスト 大学対抗チーム戦の段
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☆関連サイト:https://www.nagoya-stock-exchange.com/

今年も10月1日(水)より名証株式投資コンテストが始まります。前年の結果
はコジマガ第102号と103号で紹介しましたので、ご参照ください。第5回目の
今回は12月17日(水)まで約11週間でバーチャル株式取引の成果を競います。
昨年と同様に、個人戦の他にも大学対抗チーム戦が行われます。ゼミでは2年
と3年生で複数のチームを編成して参加予定です。卒業生の皆さんは、個人戦
にエントリーできますので、是非、参加ください。

さて、第5回目の目玉イベントは、学生向けのIRセミナーです。10月3日(金)
午後5時半より名古屋証券取引所のホールにて開催されます。名証は毎年7月
に個人投資家向けの大規模なIRセミナーを行っています。今回は、株式投資
コンテストに参加する学生に向けて実施します。

多くの学生は実際の株式投資を詳しく知らないので、初歩からの説明が必要
です。そこで、日本証券業協会による講義とともに、上場企業からのIR情報
を提供してもらう機会を設けます。将来の個人投資家の育成というユニーク
な取組です。ゼミの現役生も参加させて、ここから金融の仕組みや他大学の
学生の前向きな姿勢を勉強してもらいたいと考えています。

上記のような実践的に経済システムを学ぶ機会は、それほど多くありません。
大学の授業では扱いませんので、学生が自主的に活動する株式投資サークル
ぐらいでしょう。残念ながら、中部地区ではそのような学生サークルが活発
に動いているとは聞いたことがありません。

また、日本では高校までの経済教育が、ほぼ皆無であることも挙げられます。
受験内容に偏っているだけでなく、「金儲けは悪、道徳心と反する」という
イメージがあるのでしょうか、経済教育を回避しているかのようにも思える
節があります。

自分が持っている能力(資産)をどのように活用するかが重要で、そのため
の勉強は必要です。もちろん銀行に預けておくこともよいのですが、有望な
企業や将来性のある業界、大志を抱く個人事業主に賭けてみることは決して
悪くありません。経済的な支援からそれらを育成することになります。世の
中に役立つような活動(雇用の創出など)をしている企業を資金面から応援
することは重要です。

また、この取組が地域経済の活性化に少しでも役立てばと期待しています。
最近は円安の進行やデフレからの脱却によって、企業が新卒生の採用意欲を
増やしてきています。地元の企業にとって、大学生に自社を認知してもらう
には、このコンテストは絶好のチャンスです。どんなに素晴らしい企業でも、
やはり名前を知らないと学生は採用試験を受けに行きません。

名古屋証券取引所はイベントを全国の大学へ積極的にPRしています。今年の
チラシのデザインを見ても、相当な気合が入っていることが窺えます。多く
の大学関係者にアプローチして、教育イベントとしての意義や効果を訴えて
います。大学のキャリアセンターなどから、学生や先生方に紹介されている
ので、昨年以上の大学・チームの参加が見込まれています。

昨年は何とか本学が優勝できましたが、今年はかなり激戦が予想されます。
児島ゼミでは、毎週、学生に上場企業の調査をさせて、卒業生が何名就職し
ているかといった情報から身近な企業であることを知らせてきました。また、
昨年第3位であった中京大学チームは、ゼミで学生らが実際の企業を訪問し、
アクティブラーニングとして利用していました。このように、実際の企業
研究にも役立つので、学生の主体的な学びの材料になります。

ゼミ生たちには、イベントを通じて多くを学んで欲しいと期待しています。


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■編□集□後□記□
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現在、コジマガはメーリングリストで送信しています。加えて、同じ記事を
ブログにアップし、Facebookのグループで連絡しています。かつては、ゼミ
卒業生による運営サイトのXOOPSにもアップしていましたが、このサイトが
リニューアルされてからは、XOOPSはお休みです。

アメリカ留学中は時間的な余裕があったので、コジマガのバックナンバーを
ブログへ転載する作業をしました。Bloggerではアクセスに関する統計情報
がチェックできます。今回の号で、おそらく累計3000アクセスを超えます。
特に、マーケティングに利用しているわけでもないので、目先の数値に拘る
つもりはありませんが、やはり数値の区切りがあるとそれまでの足跡を振り
返るよい機会になります。


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