2014年8月14日木曜日

第108号(2014.08.14)


□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第108号
□───────────────────2014.08.14─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.108
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


大学が開学したのは昭和39年(1964)で今年で50周年です。今年は平成26年で
すから、大学が昭和を駆け抜けた時代よりも、平成の方が長くなっていること
になります。児島ゼミの卒業生は皆、平成での卒業です。学部や定員数が増加
しているので、名古屋学院大学の4万人の卒業生のうち、もはや平成の卒業生
の方が多いという事実に気が付きました。

戦後69年目ですが、終戦から昭和39年で20年弱です。日本のバブル経済が崩壊
して、20年近くが経過しています。現在の学生にとって、昭和は明治や大正と
同じような扱いなのでしょう。「昭和」が遠く感じる2014年の夏です。


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■NGU短信 > 15週間の通常授業と定期試験の段
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☆関連サイト:

他大学に遅れて、今年度からようやく名古屋学院大学は授業期間が15週になり
ました。従来の運用では、15週目は授業もしくは試験という曖昧な扱いでした
が、これからは定期試験は16週目以降で行われます。もちろん、授業期間内に
平常試験として実施するケースはありますが、制度の上では定期試験ではあり
ません。

監督官庁の方針通りに実施(改革)すると、思わぬところでいろいろな苦労が
生まれます。まず、名古屋キャンパスでは大きな教室がありませんので、左右
両空きの座席指定での試験を実施すれば、立ちどころに教室不足となります。
そこで、特設時間帯を用意したり、授業時間と試験時間を大胆に変更したりと
いう対応が必要です。それでも16週目の平日5日だけでは不足するので、3日を
定期試験期間に加えました。ですから春学期の終了は8月7日になりました。

慣れた方式でなく、平常の授業通りでもないので、多くの混乱が予想されます。
そこで、学生にはCCSでの連絡に加えて、学内掲示やゼミを中心として案内文の
配付、昼休みにはアナウンスをするなど、周知徹底しました。初の試みでした
が、想定以上の混乱や台風による影響もなかったので、予定通り無事にに完遂
できました。(ミッションのひとつがコンプリートです。)

15年以上前を思い返すと13週目には授業が終わっていました。その直後、補講
期間があり、2週間の試験期間が設定されていました。また、瀬戸キャンパス
では大教室が試験会場なので、座席を指定しても余裕がありました。なので、
7月中にはすべて終了し、8月は静かなキャンパスでした。夏は一日中、研究を
していた日々が懐かしく思い出されます。

自分が大学生だった30年前は、さらに緩やかであったように思います。当時、
文科系の多くの大学生は遊んでばかり(レジャーランドと言われていました)
でしたが、大学進学率は2割ほどでしたから、それでもどこかに大学生は自分
で勉強するものだという雰囲気は多少残っていたように思います。

今や大学進学率は50%となり、大学は学生をしっかり教育し、有用な社会人を
輩出するように指導されています。税金を投入しているだけに、社会の要請に
応えるだけの成果が求められています。まずは形からとばかりに、単位制度の
実質化という学修時間の確保から始まっているのでしょう。次に、教育成果は
どれだけあるのかというエビデンスが求められるようになるはずです。こうし
た大学教育への厳しい要求が、今後も続くものと予想されます。

おそらく卒業生の皆さんが再び大学を考える(子供の世代が大学へ入学する)
頃には、自分たちが通っていた大学とは大きく違っているはずです。そして、
昭和生まれの世代だからわからないと揶揄されてしまうかも知れません。


────────────────≪ poet ≫─
■ 詩の紹介
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☆関連サイト:http://kojimag.blogspot.jp/2007/01/2620070106.html

これまでコジマガでは本について30回、絵画と詩はそれぞれ1回紹介しました。
第26号では高村光太郎の詩でしたが、今回はよく知られた孔子の『論語』の
為政第二にある一節を取り上げます。

 子曰、吾十有五而志乎学、
 三十而立、
 四十而不惑、
 五十而知天命、
 六十而耳順、
 七十而従心所欲不踰矩。

中学時代に漢文の授業で習った頃は、そんな先のことなどわかるまいと思って
いました。しかし、今夏に50歳を迎え、改めてこの詩篇を見なおしてみました。
口語訳の後に、自分の人生はどうであったかを比べてみます。

 十五歳で学問を志した→ 勉強に興味のない、いい加減な高校生だった…
 三十歳で独り立ちした→ 良き師の指導を得て、大学講師として採用された
 四十歳で迷うことがなくなった→ 学問的には迷路を彷徨っていた…
 五十歳で天命を理解した→ ようやく学位を頂き、学問的に一区切り…
 六十歳で人の意見を素直に聞けるようになった
 七十歳で自分の思うままに行動をしても人の道を踏み外すことがなくなった

こうして振り返ると、やはり人生の節目や転機はあるように思います。それが
いつであるかは予想できませんので、今を精一杯に努力し、与えられた機会に
感謝することが重要でしょう。この詩篇から今後20年の課題をもらったという
感じです。2034年は70歳となり、大学の定年を迎えます。その時の振り返りは
どのようであるかは神のみぞ知るところです。


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■最近のゼミから > 卒業生サイトが更新の段
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☆関連サイト:http://www.kojima-seminar.net/

7月24日にゼミのサイトがリニューアルされました。尽力してくれた卒業生には
本当に頭が下がります。忙しい仕事の合間、僅かなプライベートの時間を割き
ながらの作業はどれだけ大変かと推察します。また、掲載コンテンツ作成にも
甚大な労力が必要となります。情報発信ならびに話題提供に協力して下さった
卒業生の皆さんには、あらためてお礼申し上げます。

さて、今回はWordpressを利用したサイトです。一見では、とても素人が作成し
運営しているサイトとは思えません。(それだけに時間のある現役生には興味
を持って、トライしてもらいたいと願うばかりですが・・・)現在の情報技術
が上手く取り入れられており、SNSとの連携ができています。多様なツールから
の発信がサイトに上手くまとめられており、素晴らしい出来栄えです。今後は
いかに有益なコンテンツを持続的に発信するかが重要です。その意味で、皆が
発信価値のあるsomethingを創るような活動に与するよう期待します。

さて、今週末は楽しみな「夏の飲み会」です。久しぶりに会える卒業生はどの
ような話を聞かせてくれるのでしょう。失敗談でも成功話で構いません。是非、
教えてください。また、参加予定の人は、Facebookで出席を表明してもらえる
と助かります。普段、卒業生はすべて覚えています(ゼミ行事や卒論指導など
で一人ひとりの記憶は十分です)が、最近、酔っ払うと名前が出てこなくなる
ことがあります。失礼のないように、しっかり予習して臨みます。


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■編□集□後□記□
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☆関連サイト:http://pc.nikkeibp.co.jp/article/news/20140810/1139543/?bpnet

50代初となる仕事は札幌での学会発表でした。定期試験の仕事のために最終便
での出発になり、千歳空港のホテルで宿泊です。翌日の発表は朝一(A-1)で、
かつ座長は仲良くさせて頂いている札幌の先生でしたので、誕生日プレゼント
かと思うようなセッテングでした。そして、発表後には日経BPの副編集長から
声をかけてもらい、発表内容がオンライン記事として掲載されました。

昼は懇意にして頂いている北海道の先生とラーメンの名店へ、夜も地元住民が
愛好するジンギスカンへ連れて行ってもらいました。観光用のジンギスカンと
は違って本当に美味しかったので、年甲斐もなくつい食べ過ぎてしまいました。

台風11号に見舞われましたが、スケジュールはとても順調で多くの成果が得ら
れました。このように50代の始まりは最高のスタートとなりました。これも、
素晴らしい人たちの邂逅に感謝です。迷路を彷徨っていた10年前には、とても
想像できなかったことばかりです。


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