2013年6月10日月曜日

第99号(2013.06.10)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第99号
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□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.099
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


Facebookでの児島ゼミのグループ(非公開)に新3年生が全員加入しました。
これでグループ登録者数は総勢89名です。5月9日に開催された新歓コンパの
案内や写真などがアップされているので、お時間があればチェック下さい。
また、ゼミの活動報告書(PDF)をアーカイブしますので、OB/OGの皆さんが
グループ研究の一端を覗くこともできるようになりました。まだFacebookを
始めていない方は、これを機会に参加してみてはいかがでしょうか。


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■NGU短信 > スマホ時代の情報リテラシーの段
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☆関連サイト:

新入生がようやく大学生活に慣れてきた頃です。キャンパスで彼(女)らの
さまざまな側面を垣間見ることができます。最近は、異常ともいえるほどに
スマホの画面を見入っている学生が多いように思います。授業前後に教室が
静かなのは皆が手元の端末からアクセスしているからで、ワイワイガヤガヤ
という状況が減っているように感じます。

さて、学術情報センターの調べによれば、今年度の新入生の約9割がスマホを
持っているようで、これはLINEを利用している数とほぼ一致します。SNSでは
Twitterが約800名で、Facebookは約400名だそうです。一時、ほとんどの大学
生が使っていたmixiは200名あまりで、かなり低迷していることが窺えます。
また、ソーシャルゲームなども含め、SNSサービスのバリエーションは増えて
きました。

以前より情報処理の授業ではタイピング能力の開発も実施しています。将来、
ビジネスパーソンとして活躍する場合、まったくタイプができないとなると
仕事のチャンスを失いかねません。やはり最低限のタイピング技術は必要で
しょう。これは時間をかければ大抵できるようになるだけに、学生時代には
身に着けておきたい技術です。

数年のタイプ能力のデータ推移を見ていると新たな変化の兆しに気づきます。
それはタイピング能力の伸びが停滞していることです。詳細なデータは掲載
しませんが、この背景には学生の2極化やスマホの普及が原因であると推察
されます。

スマホによってネットへの常時接続が実現しました。それまでのガラケーの
2インチほどの狭小な画面から5インチ以上へ解放され、リッチなコンテンツ
へのアクセスが可能になりました。さらにタブレットならばモバイルPC並の
10インチという領域で情報が表示されます。瞬時に起動するので、すぐ情報
を入手したいのならば、わざわざパソコンを起動させるまでもなくスマホや
タブレットで十分です。

新たな端末とSNSサービスの一般化により、レスポンスのスピードが最も重視
されるようになりました。短文ならばスマホで対応できます。スマホからの
やり取りが増すとPCによるキーボードのタイピング機会が減少します。PCの
操作が苦手な人を中心に、PC離れが増えているように推測します。この現象は、
かつて携帯メールが流行し始めた頃に大変よく似ています。当時、PCが面倒と
いう理由から長文のレポートさえ携帯で書きたいという強者もいた時代です。
短文で連絡を済ますことはできますが、大学生らしい文章を書くという教育
には、携帯が寄与する機会は残念ながらほとんどありませんでした。その後を
考えれば、PCを回避し続けた学生とそうでない学生には情報リテラシに大きな
差が生まれました。これが2極化です。これを「デジタルディバイド」「格差」
と呼ぶこともあります。

たしかに、PCでのデータ分析や資料作り・作文という情報教育は、今のスマホ
やタブレットで代替は可能かも知れません。しかし、今の大学生の利用状況を
観察していると教育現場では違うツールであるとみなすべきという考えが強く
なっています。もちろん、スマホやタブレットが得意とする教育手法は強力に
推進すべきですが、ほとんどの学生にはPCの代わりになり得ないと思います。
これについては意見が分かれるテーマだけに、今後も観察が必要です。


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■最近のゼミから > マネジメント能力の段
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☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/

昨年末より、ゼミ生にはマネジメントの重要性を訴えています。というのも
今の学生が一番欠けているのは、マネジメント能力であるように思えるから
です。例えば、今後のスケジュールが見通せないために直前に慌てて準備を
する、何回か失敗を繰り返し初めて気づくなど、先を見通す力が極めて弱い
ように感じます。残念ながら良い結果が出ないのもこのような理由が大きく
影響しています。そうならないためには先輩たちを観察すればよいのですが、
やはり他人ごとなのかこれができません。マネジメント能力を身につけると
大きな失敗は避けられるはずなのですが・・・。

また、体調管理(ヘルスケアマネジメント)という点でも、かつてと大きく
違っているように思います。まず、体調を崩して、欠席する学生多いことが
気になります。病気になると自分のパフォーマンスが落ちて、生産性が低下
します。数日もしくは1週間ほど不調が続けば、当然やるべきことができずに
遅れてしまいます。皆にキャッチアップする作業は、精神的にもくたびれて
しまいます。これが授業ならば単位が取れない原因になります。

ゼミ生らは体調が悪い時に欠席の連絡をくれるまではよいのですが、それで
終わってしまうことがほとんどです。休んだからできないことが正当な理由
になってしまって、欠席した以上に努力をする姿が見られないのが残念です。
彼らには遅れてしまった分を自分で何とかフォローアップする姿勢が社会で
求められていることに気付いて欲しいのです。成長のためには何が必要かを
気づかせるのが教員としての役割でしょう。多少うるさがられてもその時に
言わなければなりません。一度、気づけば、今後は自分でできるからです。
「マネジメント能力の育成」が今年度のゼミ目標です。

今年度ようやく4学年のゼミが揃いました。アメリカ留学前の2008年度以来に
なります。どの学年も「真面目で大人しい」という共通項があります。以下
では各学年について簡単に紹介します。

まず、1年生のゼミ(基礎セミナー)には、今年度から全学部生に配付された
「共通テキスト」があるので、できるだけこれを使ってみました。もちろん、
従来のやり方でもOK(そちらの方が楽)でしたが、新たな挑戦することから
自分の教え方の引き出し多くできると取り組んでみました。使ってみると
案外、新鮮でいろいろなことに気づきました。

次に、2年生のゼミでは、春学期はEvernoteを使って、レポートの作成指導を
しています。Evernoteは大学が配付しているノートPCにプレインストールされ
ていますが、授業では教わっていないようです。そこでレポートの素材を集め
や文章の下書きを作るのに便利なツールであることを実践から教えています。
さらにスマホとの同期から、いつでもデータにアクセスでき作業が継続できる
ことも体験させています。このようにクラウドツールを実践的に活用すること
もひとつの目標としています。

そして3年生です。春学期は例年通りのグループ研究です。毎年のことですが
回を重ねる毎にプレゼン技術や発表内容は良くなっています。先月には、新歓
コンパがあって先輩からのアドバイスをもらったのでしょうか、今年は改善の
スピードが早いような気がします。また、3年生の夏の過ごし方は極めて重要
となるだけに、インターシップ・留学・資格講座などで充実した夏になるよう
意識を喚起しています。

最後に4年生のゼミです。ここでは、毎週、就職活動の情報を皆でシェアして
います。進路が決定した学生から卒論作成に取り組んでいます。できるだけ
早い修了を目指して指導をしています。秋学期には全員の研究報告書(3年)
や卒業論文(4年)が控えているので、皆がしんどくなります。先行した学生
が皆を指導し、協力しながら相互の能力を高め合うようなゼミになることを
期待しています。


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■編□集□後□記□
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今年度は教務委員会の仕事が加わり、昨年よりも少し忙しく過ごしています。
改善点を見つけ、できるだけ皆が効果的に楽しく仕事ができるような環境に
するよう心がけています。教育イベントである総合政策学科「政策コンペ」、
「政策フォーラム」そして年末の「卒業研究発表会」の準備を開始しました。
これらの教育イベントを通じて、広く経済学部の教育力を知ってもらいたい、
そして、参加する学生が自分たちの能力に自信を持って卒業してもらいたい
と願っています。学部の教育イベントについては、今後、コジマガでも報告
する予定です。さて、いよいよ次回はコジマガ100号になります。


■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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