2012年12月24日月曜日

第96号(2012.12.24)


□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第96号
□───────────────────2012.12.24─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.096
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


Merry Christmas!

気がつけば、もう年末です。今年の授業は本日で終了です。秋から冬に
かけてイベントが多く、週末も慌ただしいこともしばしばでした。また
次年度の準備も始まり、忙しさが加速しています。

さて、忘年会の案内が届きました。今年は12月29日(土)で、いつもの
ように30日ではありませんので、お間違えなく。5年前のカレンダーと
同じですので、Googleカレンダーをチェックすると、当時も29日に開催
していました。出欠の連絡は早めに.NETやFacebookからしてもらうと、
準備をする人が助かります。よろしくお願いします。

今回の忘年会はメーリングリスト・.NET・Facebookの児島ゼミグループ
(非公開)で案内されています。この秋にFBへ現役ゼミ生を登録させま
したので、彼らにも周知されています。毎年のようにゼミの時間に口頭
でも案内しましたが、どれだけ参加するかに興味津々です。というのも
今年の就活は12月から解禁になっており、彼らが危機意識を持っている
かを知ることができるからです。すなわちゼミの先輩たちと会える絶好
の機会を彼らがどのように使うかに注目しています。勇気を出して参加
するか、そのまま見過ごすか、彼らの判断が楽しみです。


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■NGU短信 > 進化する「コア6コンペ」の段
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/gp/

昨年の「コア6コンペ」についてはコジマガ第86号でも紹介しましたが、
今年も実施されました。これはCCSの小テスト機能を使い、学生に一斉
テストを行う学部の教育イベントです。すべての2年生ゼミが授業時間
に、コア6から出題された設問の正答スコアを競います。

昨年から改善・進化した点は、まず1年生へも実施したことです。1年生
全員が履修する「データ表現技法」の授業内で個人戦を行ないました。
1年生への出題範囲は7ヶ月の課題(420問)なので、入学後から現在の
経済学の振り返りに役立ったと思います。

次に「コア6コンペ」用の教材を自学自習に用意しました。昨年はコア6
本編を何度も学習しなければなりませんでしたが、自学自習システムで
復習できます。CCSの自学自習は、学生への課題提示が簡単になるともに
教員は授業時間に小テストも実施できます。あたかも模擬試験のように
利用できるので、ゼミでの学習支援環境がかなり充実しました。

昨年度は帰国直後だったのでゼミは不開講でしたが、今回は2年ゼミで
初参戦です。そこで、秋学期の2年ゼミは「ゼミ対抗コア6コンペ」用の
準備に時間を割きました。課題をやっておくようにという口頭での指導
だけでは、十分でありません。高校までに継続学習の経験が少ない学生
も多く、全範囲を示すとそれだけで気分が萎えてしまうようです。ゼミ
時間を使って学習させ、達成度合いを確認をする必要があります。毎回、
2年ゼミでは模擬試験を実施して、全16ヶ月分の範囲を終えました。12月
11日(火)にいよいよ試験本番です。いつもは数名の遅刻者がいるのが、
その日だけは全員が定刻通りに集合しました。学生も気合が入っている
証左でしょう。30近いゼミで何位になるのか、来年早々に発表されます。

すでに2年次のゼミが必修科目となって、10年以上が経ちます。ゼミの
運用を試行錯誤しながら改善してきました。3年次ゼミと違って、構成
メンバにより指導ポリシーは大きくぶれます。例えば、第1志望の学生
ばかりで意欲が高いゼミであれば、3年次と同じやり方で構いません。
一方、第2志望以降の学生が半数以上を占めると、きちんと出席させて、
授業時間に学習させることさえ難しくなります。最低限のゼミ運営が
教育目標になってしまいます。

このように多様なゼミであっても、コア6は共通教材として扱うことが
できます。意欲の高い学生ばかりのゼミでは課外学習の教材とすること
ができます。そうでないゼミでは授業内での教材で学生に取り組ませる
ことができます。1年での基礎セミナーや2年次演習など、ゼミナールの
運用が難しいケースでは、これらを学習させることでうまくいきます。
とりわけ、CCS上に各学生の学習量が明示できるので、学習指導の記録
にもなります。

経済学コア6とは、2年次までに身につけてもらいたい経済学の基本的な
考え方を養成する教育プログラムです。全ての学生が2年次までに達成
してもらいたい基準でもあります。「コア6コンペ」は、コア6の活用を
促進する仕掛けとして、十分に効果を発揮しています。


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■最近のゼミから > 卒論作成に必要な情報リテラシの段
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/system/article/detail/2991

毎週4時間にわたるデスマッチのゼミが続いています。これだけの学習
時間を確保すれば、誰でもゴールに到達できます。完成時期は4年生の
冬ですが、今から入念な準備をすれば十分に達成できるでしょう。また
3年生の段階で半分ぐらい書き進められれば、それだけ自信につながり、
就活での話題にもすることが可能でしょう。

卒論の作成を順調に進めるために秋学期を2つに分けています。前半は
Powerpointによるテーマ絞りとストーリー作りで、後半にはWordによる
文章作成とダメ出しです。例年通りの手順ですが、前半から後半へ移行
するトランジションが問題です。そこで、近年は卒業研究発表会の学内
審査会が11月末なので、このイベントが折り返し点となっています。

さて、現在の経済学部生は、1年次に必修科目の「情報処理基礎」から
Word・Excelの学び直しやタイピング能力の向上を目指しました。また、
1年生春に「デジタルプレゼンテーション」でPowerPointでの発表練習、
秋学期に「データ表現技法」でExcelによる徹底したグラフ作成技術の
経験を積ませています。これらの科目設置に対して、必要であるのか
という否定的な意見がないわけではりません。

しかし、実際にゼミ生らの情報技量を見ていると、経済学部の手厚い
教育内容の成果に手応えを感じる反面、ICTの活用能力のさらなる発展
を目指さなくてはならないことと痛感します。(不要論をいいだす人
ほど、先入観で実際にできていない学生を見ていないことを感じます。
もしくは、きちんとICTツールの機能を評価できていないと思います。)

現在、経済学部での卒業研究発表会のプレゼンはかなり高いレベルに
到達しています。これも全員が1年次に「デジプレ」を受講し、基本が
できているからです。基礎ができているので、先生もPowerPointでの
発表するように指導できます。ただ、卒業論文作成のための情報活用
能力となると、もう少し努力が必要です。例えば、スライドマスタや
ノートペインの利用、Wordへの出力などの便利な機能を、全員が使い
こなせなければならないでしょう。そして、Wordはどうかといえば、
さらに事態は深刻です。文字入力から印刷までの基本はできていても、
ワープロの編集機能を使いこなす能力はかなり怪しい状況です。

数年前からWordの卒論用テンプレートを3年生へ配付し、これを使う
ように指導しています。あらかじめ基本設定をしておけば、論文の
体裁が乱れることもないからです。このファイルには見出しと目次を
付けていますが、全員が初めてというありさまです。文書校正や検索
置換、図表番号なども全く知らない状況です。また、2年のゼミでは
グラフを作成し、Wordへの貼付をさせていますが、リンク貼付けなど
貼付方法に種類があることを知りません。orz

デジプレ(Powerpoint)やデータ表現技法(Excelでのグラフ作成)の
実習から、以前の学生よりも技術や知識に関して基本はできています。
現場で指導していて、極めて教えやすくなりました。しかし、論文や
レポートに応用する段階では、やはり立ち往生することが見られます。
自分でデータを集め、適切なグラフにする経験がないからです。Word
で決まった体裁で長文を書いたことがないからです。新たなクラウド
ツールも登場しているので、いかに使うかを学生とともに学ぶ必要が
あります。情報リテラシから応用(実用)段階へ引き伸ばすためには、
現状の理解とともに、現場での指導方針が重要になります。


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■編□集□後□記□
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12月5日(水)に卒業研究発表会の公開審査会(決勝)が行われました。
予選の学内審査会を勝ち抜いた5名による発表会です。毎年、レベルが
上がっており、今年もその水準に驚かされました。これまでと決定的に
違うのは、自信を持ってプレゼンしている姿勢でしょう。発表者の多く
は、就活からコミュニケーション力を磨き、内定を決めた自信が溢れて
いました。来年度はゼミから何人が決勝に進めるかが楽しみであり、
心配でもあります。


■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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2012年10月30日火曜日

第95号(2012.10.30)


□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第95号
□───────────────────2012.010.30─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.095
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


9月21日から秋学期が始まり慌ただしい毎日で、2ヶ月ぶりのコジマガです。
10月最後の週末に恒例の大学祭が行われて、2日目にはホームカミングが
催されました。あいにくの雨でしたが、児島ゼミのOB/OGも12名ほど参加、
和やかな時間を過ごすことができました。子供が楽しめるイベントが多く、
家族連れで参加しても存分に楽しむことができます。今回は卒業以来15年
ぶりに再会というOBも登場し、人の輪がさらに広がっている感があります。


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■NGU短信 > 社会とのつながり(名証・中経連)の段
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☆関連サイト:http://www.chukeiren.or.jp/outline/committee/coalition/coalition.html
☆関連サイト:http://www.ngu.jp/system/article/detail/2828

新学長になり、さまざまなポリシーが打ち出されています。そのひとつが
大学としての地域貢献、とりわけ産業界とのつながりを深めることを強く
意識されています。開かれた大学になるには地元の経済界に本学の存在を
認知してもらうことが必要です。そこで、中部経済連合会へいち早く加盟
しました。地元国公立大学の名大・名工大・名市大とともに本学が当初の
メンバです。現在の加盟大学は16校ですが、今年は最初の4大学を中心に
産学連携フォーラムNEXT30を運営しています。

NEXT30は、今後の30年後を見据え、大学の若手研究者と企業の中堅社員の
将来にわたるつながりをつくることが目的です。4大学それぞれから数名の
教員が集まり、このフォーラムのコアメンバを構成しています。本学から
小生と商学部の先生が初年度のメンバになっています。

NEXT30フォーラムは2ヶ月に1度開催され、9月は小生も発表を行いました。
授業とも学会とも違う空間での発表は初めての体験でした。また、同じ回
で発表されたのが、医学部の先生で「サマーレスキュー」を実践している
方です。放映中であったテレビドラマの話だけに、話題提供という点では
かなり辛い立場でした。しかし、異質な話(とはいえ「ひとづくり」では
共通しています)なので、あまり比較されこともありませんでした。

さて、大学と地元経済とのつながりとして名証株式コンテストがあります。
9月25日(火)に名古屋証券取引所「第3回株式投資コンテスト」が終了し
ました。前回のコジマガでも簡単に報告しましたが、以下が最終成績です。

【名古屋学院大学の最終成績概要】
1. 大学からの参加者は1,256名
2. コンテンスト全体で2096名人中、100位内に21名がランクイン
3. 学生の最高額は4,089,933円のゲイン達成
  (元手の300万円を7,089,933円にした)
4. 100万円以上ロスした学生は8名

10月17日(水)には名証の執行役員をお招きし、表彰式を大学チャペルで
礼拝形式にて執り行いました。表彰対象者は本学で上位100名の学生です。
式の聖書朗読はマタイの福音書25「タラントの教え」をお願いしました。
株式投資へ参加した学生だけに、この原文はさぞビックリしたと思います。
儲けた者が褒められ、損をしないよう蓄えていた者が叱咤される内容です。
これは、主から与えられたもの(才能:タレント)を活かしなさいという
教えです。取材に来ていた記者さんはかなり驚かれていましたが、これで
キリスト教と経済学・地元企業・ICT教育・人材育成をうまくつなげること
に成功しました。


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■最近のゼミから > フォロワー制度
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☆関連サイト:

夏休みに大挙して東北へボランティア活動へ出かけたゼミ生たち。秋学期
には、皆元気な顔で再集結しました。その他、インターンシップやクラブ
活動・短期留学などそれぞれの場所で頑張っているようです。また、ゼミ
生も何人かが、名証株式投資コンテストで優秀な成績を修めてくれました。
このような体験・勉強えお通じて逞しくなってゆく姿は頼もしい限りです。

さてゼミが再開し、いよいよ長期に渡る個人戦が始まりました。ゴールは
卒業論文の完成です。毎週、全員に約5分間の発表を課しているので、21名
が終えるには4時間以上が必要です。これを効率化する仕掛けに挑戦中です。

まず、ゼミ開始前に今日の発表順を全員が自分で黒板に書きます。同時に
発表予定時間も記載して、どの程度準備してきたを開示します。そして、
発表進行は司会者が、発表記録はタイムキーパーを兼ねた書記が務めます。
これまで5回ほど発表して、自分のテーマに関連する近いゼミ生が明らかに
なっています。そこで、今年度から自分の発表スライドのダメ出しや内容
に関して質問してもらう「フォロアー制度」を導入しました。

学生は、つい自分の卒論ばかりに気を取られがちになります(このような
傾向が強い学生ほど進度が遅いと経験則があります)。そこでフォロワー
制度を思いつきました。フォローする人の発表は必ずコメントしなければ
ならず、他人に迷惑をかけるので、おいそれとサボるわけにもいきません。
他人との関わり(協力・協働)を重視したしかけです。この制度がうまく
いくかどうか今後注目です。

また、秋学期早々に新ゼミ生の応募が始まりました。第1次応募で3年ゼミ
(定員:20名)へ32名の学生が申し込んでくれました。ゼミ募集要項には
ゼミの現状をありのまま書いているので、一読すればかなりしんどいゼミ
という予想がつきます。にもかかわらず、応募した意気込みには応えたい
と思っています。しかし、選考して何人かの学生には、お断りしなくては
ならないのは辛い作業です。やる気とその継続さえあれば、誰でも何とか
なるだけにかなり惜しいことです。

これまで多くの学生に接して、たくさんのことを学びました。ゼミに入る
まで、いい加減に過ごしていても、突然やる気を出し、期待以上の成果を
あげる学生も少なくありません。もちろん、こちらがそのように仕掛けた
訳ではありません。その学生との波長が合い、タイミングが良かったので
しょう。このような学生がいるだけに、ゼミ選考はさらに難しくなります。


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■編□集□後□記□
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この秋も、いろいろな場所でたくさんの人とお会いする機会がありました。
まず、9月3日には第2回目となる「東京児島ゼミOB会」が開催され、新宿
で卒業生らと深夜まで酒を酌み交わしました。異業種交流会で業界裏話を
聞けただけに、非常に楽しいひと時でした。準備をしてくれたOB諸氏には
感謝します。そして、仕事関係以外にも、上記のホームカミングやNEXT30
などで新たな出会いや再会があります。

最近はFace to Faceだけで終わることなく、ネットでのつながりによって
その後のフォローが可能です。これもSNSのおかげです。SNSは普及途上に
あって、今後どうなるかという予測は困難ですが、たしかに便利なツール
ですから、なくなることはないでしょう。どのように活用すべきかを示す
のは、イノベータの役割でしょう。

FBの話題をいくつか取り上げます。まず「児島ゼミ」グループ(非公開)
の登録者が68名になりました。前回のコジマガ同様、今年中に80名を達成
したいと思います。未登録の3年生や内定した学生などが加われば、今冬の
忘年会までに達成できる数字です。FBから学生が自主的にゼミOB会などへ
参加できるようになることを望んでいます。

また、まったく予想外の人づてにゼミOBの消息が判明して、FBでつながり
ました。これも何かの縁でしょう。さらに名古屋学院大学の公式Facebook
ページが開設されました。公式ページのアドレスは下記の通りです。

http://www.facebook.com/NagoyaGakuinUniversity

是非、「いいね!」のクリックから母校とのつながりを深めて下さい。
以上、今回のコジマガのテーマは「つながり」でした。
次号をお楽しみに。


■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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2012年8月29日水曜日

第94号(2012.08.29)


□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第94号
□───────────────────2012.08.29─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.094
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


東京近辺に在住の皆さん、第2回目となる東京でゼミOB会を行ないます。
是非、ご参加下さい。参加予定の方はFBより、申し込み下さい。

 日時:9月3日(月) 18:30~ENDLESS
 場所:ドイツ料理のクライネヒュッテ(新宿南口から徒歩5分)
    http://www.kleine-hutte.com/

ゼミOB会主催のの夏の恒例イベントは、あいにくゲリラ豪雨に見舞われて、
東海道線を利用した皆さんは足止めされたようです。とはいえ、いつもの
会場だけに電車が遅れてもさほど迷うことはありません。それもこれまで
積み重ねの結果でしょう。今回は結婚の報告もあり、楽しいものでした。

さて、次回は年末開催となりますが、それまでの行事が少し増えています。
まず、上記の東京ゼミOB会の他、ゴルフやホームカミングなどイベントが
多彩になりました。活動状況はFBにアップしながら、楽しくそして有益な
時間としたいと考えています。さらに、ゼミの中で異業種ネットワークを
広げてゆきたいものです。

そして、年末までの目標はFBの児島ゼミの登録数を80名にすることです。
コジマガの読者でFBのユーザはグループへ参加ください。加入済みの方は
ゼミの友人を招待・登録することができます。OBやOGの消息把握にご協力
下さい。現在、ゼミナールの名簿には272名ですが、3年間の募集停止期間
があるので、おおよそ300名が児島ゼミに登録可能な人数と思われます。


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■NGU短信 > 『少しだけ、無理をして生きる』の段
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☆関連サイト:http://www.cccties.org/blog/event/2012_0809/

学生が夏休みに入ると、大学教員は採点などの仕事を片付けて、ようやく
自分の研究活動に入ります。8月初めは学会・研究会の出張で京都と札幌
に出かけました。1週間に2箇所での発表は少しタイトなスケジュールで
したが、その週末はOB会だったので張り切って出張に臨みました。

最初の出張先は、京都大学での学会です。偶然ですが、新幹線の京都駅で
ノーベル賞学者である益川さんの姿を見かけました。会場では知り合いの
先生方と情報交換し、自分の発表も持ち時間通り、無事に終了できました。
こうして自分の仕事は無難に完了です。

出張で時間があると、市内散策に出かけますが、あまりの暑さに中止です。
夜は知り合いの先生方とともに河原町あたりで食事です。鴨川には川床が
立ち並び日曜日の夜といえど、すごい人出でした。ここでも関西のパワー
を見せつけられました。

次の出張は一日おいて札幌です。今回、ANA株主として初めて株主優待券を
使いました。プレミアムシートでも株主優待を使うと通常料金より格安で、
さらにいくつもの特典がつきます。ゆったりとした座席の他、軽い食事や
優先搭乗など、コストパフォーマンスは最高です。いつもビジネスクラス
という人にとっては当然でしょうが、小市民的な幸せを感じる時間でした。
一方、帰りは猛暑の名古屋へのエコノミー便だったので、よりテンション
が下がった搭乗時間でした。

3年ぶりの札幌ですが、駅前の西武がなくなっているなどいろいろな変化
に気づきます。仕事の合間に、よつ葉牛乳が運営するパフェを堪能したり、
夕食はサッポロビール園でのジンギスカンとリフレッシュさせてくれます。
札幌大通り公園では、ビール各社が大規模なビアガーデンを開催しており、
凄まじい人出でした。とりわけ人気があるのはキリンビールです。ここは
1mほどの高さがあるタワー型のガラスピッチャーで提供しています。透明
の容器なので、どれだけ飲んだかが一目瞭然です。隣のグループとの競争
意識まで生まれ、思わず大量に飲んでしまうそうです。残念ながら実際に
ビールタワーは体験できませんでしたが、名古屋でもこのようなイベント
の実現を望みます。

旅行中に誕生日を迎えていよいよ年男です。1週間に2箇所で2つの発表
はちょっとしんどい仕事でした。また、いずれの夜も遠方の知人達と飲み
続けるのは、胃袋にもちょっとハードでした。しかし、独り研究室で仕事
しているのと違って、かなりインスパイアされた濃密な時間でした。

札幌へ向かう時、セントレアの本屋に立ち寄り城山三郎の本を買いました。
『少しだけ、無理をして生きる』というタイトルの短編です。これを旅行
中に読了しました。この本から、私利私欲ではなく、興味と信念を持って
進むことの大切さを思い出しました。居心地の良い環境や慣れた人間関係
だけにいるのでなく、いつでも緊張感や初々しさを持って人に接する姿勢
の重要さに再び気づかされました。

今回も世いろいろな場所で、いろいろな人と知り合いながら、語り合って
勉強できるのは何ともありがたい限りです。さて、9月にも発表依頼を2件
ほど頂戴しているのでこれらも全力で頑張りましょう。少しだけ、無理を
してみたいと思います。


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■最近のゼミから
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☆関連サイト:http://www.nagoya-stock-exchange.com/results/

3年ゼミ生の半数近くが東日本大震災のボランティへ出かけるようです。
鳴子温泉をベースにした活動だそうです。是非、元気に楽しく過ごせる
よう、頑張ってほしいものです。

前回コジマガで取上げた名古屋証券取引所の「第3回株式投資コンテスト」
は開催期間が残り1月になりました。先日、名証から本学の参加者に限定
した中間報告をいただきました。

8月27日現在、トップ100(上記URL)に本学の学生22名がランクインして
います。仮想の手持ち資金300万円を100万円以上増やしている学生は3名
おり、最高額は280万円ほどゲインしています。名証の担当者からかなり
すごいレベルという評価をいただいています。

本学のドメイン(ngu.ac.jp)で登録した本学関係者は1,252名です。内、
930名が1年生で、教員は4名(経済:3名、商:1名)で職員も数名います。
仮想売買の結果、資産が動いているのは393名です。

以上の結果から、とてつもない学生の存在が判明しましたが、大学全体
として参加具合は低調です。これはeラーニングと同じで、教員が利用し、
学生に促さないと参加率は伸びません。使い方の例として、ゼミで競争
させたり、テストに出題するという具体策の提示が必要と痛感しました。
山本五十六の名言「やってみせ 言って聞かせて させて見せ ほめて
やらねば 人は動かじ」を思い出させます。

一方、ゼミではかなり盛り上がっており、100位内にゼミ生だろうという
ハンドルネームを使っている者がランクインしています。(確認下さい)
このようにゼミ生同士で競い合い、遊び心(ゲーミフィケーション)を
きっかけに何か掴んでもらえれば、それで大成功です。


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■編□集□後□記□
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先日の飲み会で1期生と話している時に思い出しました。ゼミが再開し、
初めてのゼミ合宿が16年前の合宿と日付がまったく同じということです。
今年はロンドン・オリンピックの開催前でしたが、当時はアトランタ・
オリンピックで、合宿の翌日は開会式でした。このような偶然はメモを
残しておかねばなりません。これもゼミのひとつの歴史です。

2015年はゼミ20周年だそうですが、あと3年後です。


■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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2012年7月29日日曜日

第93号(2012.07.29)


□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第93号
□───────────────────2012.07.29─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.093
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。

恒例の児島ゼミOB会が8月11日(土)に決定しました。ご都合が許す方は、
是非、一緒に暑気払いをしましょう。なお、今回の出欠連絡の方法は多彩
ですが、自分のスタイルにあった方法で幹事への連絡をお願いします。

1. Facebookページにて予約
 https://www.facebook.com/events/396776007052671/?context=create

2. Twitterでのつぶやき
 @co8ya4宛にお願いします。ハッシュタグ #ksnet をつけるとベター

3. kojima-seminar.netから参加登録
 http://www.kojima-seminar.net/modules/eguide/

なお、東京近郊在住のOB・OG皆さんへのご連絡です。この9月に市ヶ谷で
泊まりの出張がありますので、3日(月)に東京児島ゼミOB会はいかがで
しょう?まずは、ご提案まで。


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■NGU短信 > 名証株式投資コンテスト・共同記者会見の段
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☆関連サイト: http://www.ngu.jp/system/article/detail/2605
☆関連サイト: http://www.nagoya-stock-exchange.com/

6月29日から名古屋証券取引所の第3回株式投資コンテストが始まりました。
名証の株式投資コンテストについては、昨年コジマガ第86号でも紹介して
いますが、今年も開催されました。例年通り、参加方法はインターネット
から、参加料は無料で誰でも登録できます。

これは、バーチャルの資金300万円を元手に実際の銘柄(142銘柄)を仮想
売買して、キャピタルゲインを競うものです。仮想売買は実際の立会時間
以外の時間帯に行い、終値を使います。9月25日までの約3ヶ月間の売買に
よる結果からランキングが決定します。

今年は名古屋学院大学として参加しています。コンテストの開催に先立ち
6月29日(金)に本学で木船学長と名証との共同記者会見が行われました。
開学以来、初めてとなる記者会見です。これで本学からオリンピック選手
が誕生しても大丈夫です。記者会見に向けて、5日前から在名のメディア
各社を訪問するなどの準備をしました。当日は多くの記者に来学いただき、
会見の席で学長から証券取引所とのコラボに関する主旨が説明されました。
内容は以下のようです。

全国的に見れば、野村證券など大手証券会社による株式投資コンテストが
実施されており、大学のゼミや金融関連の授業という単位で参加する事例
は見られます。今回、証券取引所、とりわけ地元の名古屋の取引所が主催
するイベントに大学として参加するのは、全国でも初めてです。

本学は、名古屋キャンパスへの移転以来、企業経営者による講義などから
学生に現実の経済社会を学ぶ場を提供しています。ものづくりの真ん中に
立地する大学にもかかわらず、地元の企業に対し学生の関心が低いという
状況です。就活が始まって、一部の学生が地元企業の実力に気付きますが、
それでは遅いのです。生きた学習素材を活用して、学生に経済の仕組みに
ついて関心を持たせることが何より重要です。

名証が扱う銘柄の学習は、地元の企業を知ることに直結します。すなわち
学生にとって、キャリア教育の一環になると考えます。具体的な学習目標
として、1年生では「企業名を知る」、2年生では「企業の活動を知る」、
3年生は「企業の業績を知る」というレベルを設定しました。この取組を
通じて企業活動を知り、地域経済研究につながることを期待しています。

また、本学の経済学部や商学部では、金融関連授業で資金調達や直接投資
の制度・理論を教えています。今回の投資コンテストでは、学生が地元の
企業を調査して、自分の意思でポートフォリオを組みます。バーチャルな
株式投資ゲームですが、実際の株価変動によってゲイン・ロスが生ずると
いう体験からリアル経済への関心を高めるのが狙いです。

さらに、本学はノートパソコンを全学生に配付し、CCSなどICT教育環境が
充実しています。インターネットでのイベントへ参加することにほとんど
支障はありません。大学が全学生へ付与しているメールアドレスを使って
コンテストに参加させます。全1年生は必修科目「情報処理基礎」の授業
時間で登録させます。

ネットでの売買は取引終了後となり、授業の時間帯では売買ができません
ので、課外活動です。開催期間のほとんどが夏休みとなり、学生の自主的
な学習に期待します。コンテストは実際の取引とは異なり、終値を使った
ゲームなので、好成績を上げることが可能です。常に新聞などのニュース
をチェックし、地元の企業の動向を掴んでいれば、損失の事前回避や確実
なキャピタルゲインが可能です。社会人予備軍である学生が株価を通じて
日頃からニュースに関心を払えるようになることが、ひとつの狙いです。

以上のように大学が抱える問題意識や得意とするICTの教育環境が名証の
イベント内容と一致しました。そこで、学部教授会などの了解を得た後、
大学組織として参加することになりました。また、この記者会見後には、
コンテストへの登録作業を公開しました。私が担当する「日本経済入門」
の講義時間と重なっていたので、学生がノートパソコンからアクセスする
光景を取材してもらいました。併せて、名証のご担当者から直接、学生へ
説明していただきました。

幸い記者会見と授業風景は、新聞では中日・読売・毎日・日経・中経の
各紙が記事を掲載してくれました。また、テレビではCBCが当日の夕方に
クリッカーの話題とともに放映してくれました。

コンテストは9月末まで続きますので、OB・OGの皆さんもチャレンジして
下さい。現役学生よりも多くのゲインを得られるよう挑戦してみては。


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■最近のゼミから > ゼミ合宿の段
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☆関連サイト:http://www.facebook.com/groups/269458769759182/

7月19日(木)に恒例の夏のゼミ合宿が行われました。春学期のグループ
発表のまとめをここで行ないます。名古屋キャンパスで3回目の行事です
が、瀬戸キャンパス時代での労働者研修センターというような決まった
パターンがなく、未だに模索している状況です。瀬戸キャンパスにある
合宿所「友愛」がリニューアルしたので、いずれはここでの合宿も視野
に入れましょう。

さて、今回は以下のような3部構成でした。

1. 3年ゼミでのグループ発表の総まとめ 16:00~20:30
  宝第一ビル 6階 605B会議室(場所:名古屋市中区栄2-5-1)

2. 慰労会ならびに懇親会 21:00~
  居酒屋ニッパチ 住吉店

3. 宿泊:伏見モンブランホテル

まず、発表会場は本町通りに面した建物だったので、就職活動で土地勘
を養成する事前学習として良かったように思います。栄・伏見間を移動
するゼミ合宿でした。そして、合宿準備をすべてゼミ生に任せましたが、
なかなかしっかりできていました。さらに、ゼミ生たちは行事でOB・OG
諸氏へ挨拶ができるようになり、徐々に良くなっているように思います。
翌日の試験に備えて、夜遅くまで試験勉強をしているゼミ生もいました。

何より、今回のイベントで痛感したことは、現役ゼミ生とOB・OGの接点
にはFacebookを積極的に使うべきだということです。学生と「友達」に
ならなくても、児島ゼミの非公開グループへ登録さえすれば、卒業生と
の繋がりは可能です。イベント開催中の短時間だけで互いに顔合わせを
するだけでなく、会の事前・事後にプロフィールをチェックしておけば、
認知効果は大きいと思います。例えば、出身地が同じ、同じ高校などの
共通する話題があれば、心理的な壁も低くなることでしょう。

春学期の最後のゼミで、FBにある児島ゼミのグループに登録させました。
彼らの操作を見ていると、多くがFBの仕組みを知らないのに驚きました。
LINEなど周りが使っているツールは難なく受け入れるのに対し、彼らに
とってFBは社会人が使うものという偏見があるように思えます。彼らは
社会人予備軍だけに、FBの仕組みだけでも理解させるようにさせたいと
思います。まだ21名全員は登録していませんが、学生が加わったことで
ゼミのグループの登録数は総勢60名になっています。

また、名証株式投資コンテストのゼミ生への指導内容は以下の通りです。
6月28日のゼミで全員に登録させ、名証IRエキスポの資料(企業リスト)
で、まず何社知っているかをチェックさせました。(事前知識の確認)
東海三県の出身者が20名なので、やはり知っておくべき企業群でしょう。
次に、全員が本学のトップ100(競争意識)に入れるように共通目標を
設定し、売買状況や現在の順位を報告(他者との情報共有)させました。
就活開始まであと数ヶ月なので、このイベントを通じて企業研究をする
ように指導しました。現在、トップ10に入っている学生もおり、名証が
提供する豪華賞品を虎視眈々と狙っているようです。


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■編□集□後□記□
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梅雨が明けて、酷暑がやってきました。最高気温のニュースでうだる
ような暑さを確認する毎日です。世の中の話題はオリンピック一色と
なり、国際イベントによる経済波及効果が期待されます。

本学の学生は学期末試験の最中で、今週末からいよいよ夏休みです。
一方、教員といえば授業などのレギュラー業務から解放されますが、
研究活動の重要な期間です。これまで依頼された仕事を快く引き受け
ていたところ、夏の予定がビッシリになってしまいました。まずは、
仕事での出会いを楽しみにして、やれるだけ頑張ってみましょう。


■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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2012年7月1日日曜日

第92号(2012.07.01)


□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□─────────────────────────
■□□> コジマガ kojimag@    第92号
□───────────────────2012.07.01─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.092
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


今年度の授業で、新たな体験としては留学生別科「日本の経済」です。
現在の受講生の内訳はアメリカ人が5名と台湾人3名です。基本は簡単な
日本語を使って「日本経済入門」の内容を扱っています。講義上の困難
は、言葉だけでなく、日本に関する基本知識が十分ではないということ
です。日本人には当然の経済システムでも、外国人にとっては驚くこと
も少なくありません。一年前に自分がアメリカで体験していたことの逆
パターンです。


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■NGU短信 > 『経済学部生のための基礎知識300題』Ver.2の段
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☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/economic300/index.html

コジマガ第51号で紹介した冊子『経済学部生のための基礎知識300題』
を今春、バージョンアップしました。すでに多くの関係者へ配付済み
です。まず、新入生にはプレースメントテスト(入学前に行う能力別
クラス分け試験)終了時に渡しました。2年生はゼミの時間に各教室で
配付しました。また、経済学部教育の成果を知ってもらうために学内
全教員と関連部署へ配るとともに、全国の大学722校へも送付しました。
これは文部科学省の教育GPによる成果の一部でもあることから、この
ように広く知らせる必要があります。

更新事項は、旧版での誤字・脱字の修正をした上で、解説を充実させ
ました。3年間に変化があったデータをすべて更新し、新たにグラフ
や表を追加しました。また、経済学部生が知っておくべき内容を数名
の教員で見直し、300題の入替(特に、ミクロ経済学・マクロ経済学)
を実施しました。

新版へのアップグレードは、冊子内容の更新だけにとどまりません。
ネット時代にふさわしい多彩なサービスを提供しています。初めに、
コジマガ第83号でも紹介したように電子書籍への対応し、これを作成
しました。そして、6月上旬に電子書籍を全1年生のノートパソコンへ
インストールしました。

上記リンク先である専用サイトを一新しました。新サイトでは、最新
のデータへのアップデートや教材の配信サービスを用意しています。
具体的には、書籍内容に関する正誤情報のお知らせや新版のPDF配信
を提供しています。そして一番の特徴は、サイトから主要経済データ
のダウンロードを可能にしたことです。5つの主要経済データ(日経
平均株価・為替レート・完全失業率・消費者物価指数・政策金利)を
1970年から月次データでまとめて、CSV形式のデータ系列にしました。
これらのデータは日銀や総務省などから発表・公開されていますが、
形式やサイトもバラバラです。学習教材として利用するには、教員が
事前に準備しておかなければならず、セメスターごとの授業で整理し
直さなくてはなりません。

これらの主要データから描かれるグラフは、マクロ経済学はじめ国際
経済学・金融論・労働経済学・日本経済論などで必ず扱います。高校
の政治経済の教科書や資料集でも見られます。そこで、学習用マクロ
経済データのダウンロードサービスをサイト内に新設しました。本学
では、経済学部の全1年生を対象とする授業で、5つのデータを処理
する授業を展開します。秋学期に開講される「データ表現技法」では
Excelを使って、主要経済データをグラフ化します。データに関する
内容を補足するために、冊子や電子書籍を活用する予定です。また、
専門科目で、こうした実習内容を意識しながら講義を進めれば、より
効率的な経済学学習につながるのではと期待しています。

昔に比べるとITの利用環境は改善されました。しかし、それらを授業
で十分に使いこなせているかというと、かなり疑問が残ります。その
原因のひとつとして、簡単に使える汎用性の高い教材が少ないことが
あったように思います。本学では全員にノートパソコンが配布されて
いますし、CCSという教育インフラも整備されています。実習と授業
の結びつきを強めることも難しことではありません。さらに、サイト
はオープンですから、どの教育機関でも学習教材として活用してもら
えるようにしています。

併せて、今後の展開も視野に入れています。教育GPの関連事業として
旧版の解説ビデオクリップ(300本)を作成しました。コア6の事業で
も多くのビデオを作成してきました。今後は、新版で追加された内容
を動画にすることで、新版の解説ビデオ集を計画中です。クリップを
活用・公開するかは思案中です。ひとつのアイディアとして、次回の
電子書籍でビデオ付き教材としてまとめたり、ビデオクイズやスマホ
で学習といったスタイルも考えられます。

以上のように、本学経済学部は、従来の紙冊子や対面式の授業・演習
に加え、パソコンや携帯電話からでも学習できるクロスメディア教材
を志向してきました。また、電子書籍やスマートフォン・タブレット
など新たな機器への対応も視野に入れています。しかし、最新技術や
話題先行に突っ走るだけでなく、学生が「経済学的な考え方」の基本
を身につけることができるようなICTでの学習環境を目指しています。


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■最近のゼミから > ゼミ新歓コンパの段
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☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/rublic.pdf

5月末に3年ぶりのゼミ新歓コンパが開催されました。この宴席に5名の
OBが参加してくれたので、大変助かりました。酒宴の目的はもちろん
懇親ですが、私の目的はゼミ生たちがこのような貴重な機会をいかに
活用できるかをチェックすることです。あまり知らない人と話すには
お酒を注ぐことがきっかけになります。日本社会では上下関係や宴席
での常識・作法がありますので、社会人予備軍としての彼らが最低限
できているかどうかは、気になるところです。

やはり社会人がいると多様性が高まるので、場の雰囲気が引き締まり
ます。先輩たちに挨拶をして話を聞ける学生と、そうでない学生には
大きな差を感じます。いわゆるコミュニケーション能力の差でしょう。
卒業までに社会から求められる能力を養成するには、少しばかり時間
が足りません。それ故、このような機会と振り返りからトレーニング
をする必要性を痛感しました。

ゼミ生の行動を見ていると、気心が知れている仲間で集まって、自分
たちの世界だけに閉じこもっています。たしかに、その方が居心地は
よいのでしょう。しかし、自分たちを歓迎してくれる会なので、当然
先輩たちにはしっかり挨拶するべきでしょう。さらにゼミの課外活動
なので、少しでも社会人基礎力を高めるように努めなくてなりません。

コンパの翌週、ゼミ時間で新歓コンパの反省を行いました。歓迎会を
開催してくれた人たちへお礼や挨拶をしたかどうかを問いかけ、自分
たちの至らなさを理解してもらいました。次回のゼミ活動では今回の
反省を生かし、皆で頑張ってくれることを期待しています。ちなみに
7月19日(木)にゼミ合宿を企画中です。

続いて、これまでのゼミの反省として、ルーブリックによる個別面談
を行いました。ゼミ活動を通じて、どこまでできるようになったかを
項目ごとにチェックするものです。もちろん、項目の一部に宴席での
振る舞いも入っています。まだ十分というレベルに到達していません
が、チェックをすることから全員が自分の進歩に気づいてるようです。

7月になって新学期も3ヶ月を経過しました。スマホを持っているゼミ
生がクラウド系ツールを知らないのに驚き、経済学の基礎である乗数
理論がわからないのに愕然したこともありました。その他、心許ない
ことばかりでしたが、それだけに伸びしろも多いということでしょう。
真面目に取り組んでいるので、しばし暖かく見守ることにしましょう。


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■編□集□後□記□
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☆関連サイト:http://www.nagoya-stock-exchange.com/

先週末の6月29日(金)から名古屋証券取引所が主催する「第3回株式
投資コンテスト」がスタートしました。今回のイベントには、名古屋
学院大学として参加することになりました。この準備のため、かなり
アタフタしましたが、幸い多くのメディアにも取り上げられました。
これで積極的な学生参加が増えることも期待されます。

さて、OB・OGの皆さんも、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
大学が参加する詳細については、次号で報告します。
どうそお楽しみに。



■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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2012年5月21日月曜日

第91号(2012.05.21)


□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□─────────────────────────
■□□> コジマガ kojimag@    第91号
□───────────────────2012.05.21─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.091
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


今朝は金環食でした。凡人の想像を超えるようなスペクタクルに遭遇できて、
大変ラッキーでした。普段の日常生活では考えることのない太陽系の出来事
です。歴史で驚くのは、江戸時代に日食を予測できた天文学者がいたことです。
麻田剛立については鹿毛敏夫『月のえくぼを見た男』(くもん出版)をご一読
下さい。中学生の課題図書なので、とても読みやすいと思います。


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■NGU短信 > 「システム」から「サービス」への段
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☆関連サイト:http://blog.ngu.ac.jp/president/2012/05/ccs-1.html

大型連休中にCCS(キャンパスコミュニケーションシステム)のバージョン
アップ作業が行われ、2012年5月7日からCCS2.0が稼働しました。2002年から
スタートしたCCSは10年ぶり(!)に一新されました。これまで多くのGPを
獲得するなど高い評価を受けてきた情報ツールですが、今回の改変に併せて
名称をキャンパスコミュニケーションサービスへと変更しました。

「システム」は「系」という日本語に訳されます。以下は個人的な考えです
が、システムは決まった型の中に収まっているようなイメージを持ちます。
全体がうまく動作するようにいつも管理されて、ユーザもその要素のひとつ
として扱われているような感があります。一方、「サービス」はユーザ志向
が強く出ているような響きがあります。

CCSは学生を管理するためのツールではありません。CCSは教育ツールなので、
時にひとつの型にはめることも必要でしょうが、最終的な目的は個々の学生
の能力を伸ばすようなトータルサービスを展開することです。現在では、Web
サービスという用語もあるだけに、CCSをシステムよちもサービスとした方が
時代に適していると考えます。

実際、学生への支援サービスは強化されました。まず、ネット世代の学生へ
対応し、ユーザ画面が一新しました。また、時代を先取りした新機能も搭載
しています。これまで携帯電話へ授業スケジュール(教室)を毎朝配信して
いましたが、これは廃止しました。その理由は、学生が携帯の画面に従って、
教室へ向かうという状況が社会人基礎力に繋がらないからです。携帯依存性
が過剰になり、スケジュールを自ら管理する習慣がない学生が見られました。
その代わりにメールは「CCSニュース」へリニューアルし、授業連絡や必読
情報に加えて「今日は何の日」を毎日配信しています。「今日は何の日」は
キリスト教の暦や政治経済社会の事件を取り上げることから学生に社会への
関心を持たせるのが狙いです。これは経済学部で実施している「コア6+」の
教育コンテンツを利用しています。

CCSの科目ポータルでは、受講生の理解度を毎回調査できる機能が標準装備
になりました。さらに、スマートフォンから受講者の意見分布を確認できる
クリッカーアプリも開発しました。これは、教育GPの活動で構想・開発した
スマホ対応アプリです。クリッカーとは、みのもんた「クイズミリオネア」
でのオーディエンスと似たような機能で、大教室で教員が学生の意見分布を
知りたいときに利用できます。もちろん、以前のバージョンでも同様の機能
はパソコンで利用できましたが、クリッカーでどの教室からでも使えるよう
になりました。すでに、学生のスマホ所有率は50%を超えており、次年度は
80%以上に達する見込みです。

先日、CCSから学生にダウンロードさせました。このアプリはアンドロイド、
iOSの双方に対応していますが、スマホ所有者全員が何のトラブルもなく簡単
にインストールできました。そこで、以下のように試用してみました。まず
授業中、学生へ1~5の選択肢を板書や口頭で示し、教員はCCSで受付ボタンを
クリックします。次に、学生は専用アプリを起動して1~5の回答ボタンを押す
と、各学生の回答データはCCSへ送られます。その結果は、教員の画面で直ち
にグラフ化されました。

何てことのないアプリですが、学内の教育情報システムとスマホを連動させた
のは、おそらく世界初でしょう。まだまだ課題は多そうですが、新たな分野へ
のチャレンジなので、しばらく試行錯誤の日々が続きそうです。


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■最近のゼミ・講義から
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☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/menbers.html

3年ゼミが始まって、グループ発表も2回目に入りました。2年生からの
連続性がないので、ゼミ生は調査・発表で四苦八苦しているようです。先日、
卒業生が遊びに来てくれたので、彼らには良いアドバイスとともに、大きな
刺激になりました。

本来ならば、4月中に実施するはずの新歓コンパですが、5月末に開催する
運びになりました。今回は4年生がいないので、児島でマネジメントします。
すでにFacebookで日時の連絡はしていますが、具体的には下記のようになり
ました。OB・OGの参加を歓迎しますが、飛び込み参加はご遠慮下さい。理由
として、今回、学生の指導以外の負荷がかかっているので、計画以外の対応
が困難になるからです。ご理解の程、よろしくお願いします。

○今後のゼミ行事
 新歓コンパ
 日時: 5月31日(木) 19:00~
 場所: やきとり居酒屋しんちゃん 金山南店
     金山総合駅南口から徒歩3分、沢上交差点すぐ
     → 金山に3店舗を構えるので、要注意
 OB/OG参加はFacebookからお願いします。
 連絡の締切は、5月28日(月)です。

さて、新歓コンパが終われば、彼らも夏の合宿に向けて準備に入ります。


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■編□集□後□記□
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名古屋では932年ぶりの金環食だったそうです。その当時、金環食を見た
我々の祖先はどのように感じたのかに思いを馳せました。当時は、西暦
1080年ですので、大河ドラマ「平清盛」よりも以前の平安時代です。

学問の中でも天文学は古くから研究されていましたが、現代ほどの観測
技術がない時代です。一般の庶民が日食や月食の暦を正確に知ることは
ほぼありません。何の予備知識もなく、金環食に遭遇すれば、大騒ぎに
なったことでしょう。そして、自然への畏敬の念を強くしたと思います。

また、食が最大となっても夕闇のように暗くならなかったことが、今回
の体験で分かりました。太陽が月に隠されても、「少し暗いかなぁ」と
いう程度で、かなりの光度にビックリしました。あらためて、太陽光の
強さを認識しました。すなわち、当時の人でも気づかないままでいた人
もいたように想像します。

稀な自然現象が続いたり、加えて原因がわからなければ、人間は不安に
陥ります。この2年では東日本大震災もあったので、もし昔と同じ状況
だったならば、きっと人々は天変地異の噂をして、口づてに世界の終り
という流言飛語に怯えたことかも知れません。このような庶民の不安が
社会動乱・政情不安にもつながっていくのでしょう。

かつてのようにパニックにならないことは、科学技術の進歩がもたらす
ひとつの成果です。ただし、ブラック・スワンはどこにでもいて、想定
以上の規模となる現象については正確に予測できません。何事も過信は
禁物です。

2012年4月18日水曜日

第90号(2012.04.18)


□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第90号
□───────────────────2012.04.18─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.090
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


コジマガはちょうど90号と新年度を迎えるには相応しい号になりました。
例年に比べて桜の開花が1週間も遅くなりましたが、今年度も4月1日に
入学式を挙行し、6日には授業が開始しました。連休前まではいろいろ
慌ただしい日々が続いています。


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■NGU短信 > 進化する新入生オリエンテーションの段
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/system/article/detail/2418

入学式が終わると授業開始までの4日間は、恒例の新入生向けオリエン
テーションが行われました。基礎セミナー(旧:基礎演習)のクラスを
中心として2日間にわたって実施されました。

第1日目は、ゼミ単位で着席して学部オリエンテーションを受けます。
その後、各教室に分かれての自己紹介ゲームで友達作りです。これらは
6年前より利用しているので、こちら側は慣れたものです。これに少し
工夫をこらすようにしています。

まず、知的好奇心を喚起するため「6次の隔たり(6 degrees)」を説明
します。これは「友達の友達は・・・」と6回辿ってゆけば、全世界に
住む60億人と繋がっているということを意味します。見知らぬ他人でも
接点は多いはずなので、それを見つけることを指示します。さらに大学
で友人を作ること(人的ネットワークの構築)の重要性を少しでも理解
させるようにします。

また、ペアを組んだ後に3分間で話をしますが、指示書通りにペアリング
するのでなく、自分たちで相手を探させるようにします。出席者13名に
上級生(SA)を交えると全部で7組ができます。なので、全員と必ず1回
話をするためには、最低13回の対話が必要となります。ゲームの途中で、
その話題を示し、あと何回で終了できるかを考えさせます。すると皆が
13回で終わるものと思います。しかし、実際は理論どおりにいきません。
必ず相手を見つけることができない(前と同じ人になってしまう)組が
出てきます。その時、どうしてうまくいかなかったのかを考えさせます。
13回で終わるには、相手を効率良くサーチしなくてはなりません。

一見、単純でつまらないゲームですが、このように少し考えさせるだけ
で興味が湧くかも知れません。また、ゲームの目的を達成するためには、
対話の後に握手をさせると互いの心理的距離が縮まるようです。さらに、
ゲーム終了後に携帯電話番号の交換をさせれば、ほぼミッションは完了
です。これもファシリテータの役目でしょう。

第2日目は一人の欠席者もなく全員が揃いました。最初に行うゲームは
「月に迷ったゲーム」です。これは月面調査で遭難するシーンを想定し、
必要と思われる備品の順位付けをします。まず、自分一人で答えを出し、
次に皆と意見を交わして優れた結果(勿論、そうならないケースもあり)
を導きます。ゲーム的な要素としては、自分達の順位とNASA(専門家)
の正解との差(絶対値)の合計の少なさを競います。ここでは話し合い
と協力の重要性を理解します。

ゲームの後は皆で割子弁当をいただきました。今回の弁当選定にあたり、
数社に提案させた(競争)そうです。当然の結果として、従来のお弁当
よりもはるかにコストパフォーマンスに優れていました。確かに学生の
満足度も高かったようです。

さて午後からはウォークラリーです。名古屋キャンパス周辺にウォーク
ラリーの4コースが設けてあり、チェックポイントにあるクイズを解き
ながら目標時間にゴールするというものです。今回与えられたルートは、
宮の渡しまでのコース(約3.2Km)でした。堀川沿いに愛知時計、熱田
空襲の跡を見ながら熱田の宮へ往き、そこから折り返します。宮の渡し
は東海道五十三次の一つで、教科書で学習する内容です。しかし実際に
訪れる機会も少ない場所だけに、貴重な体験です。往時は、桑名までの
4里(約28Km)を多くの旅人が船で往来したことでしょう。

新しくできた友達と喋りながらハイキングすること、さらに地元を知る
とことは、今後の学生生活に大きな意味があります。新入生で有意義と
感じるには難しいかも知れません。特に、一部のダルな学生にとっては
このような行事は「やらされている」という感覚でしょう。この行事を
楽しい機会にできるかどうかは参加者の意識で変わります。昔に比べて、
オリエンテーションはかなり改善が進んでいますから、今後は参加者を
ワクワクさせるようなイベントにしたいものです。


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■最近のゼミ・講義から
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☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/menbers.html

3年ぶりにゼミが始まりました。今年度は以下のように実施中です。

1年 基礎セミナー  金曜1限 曙館516教室
2年 演習(2年)  火曜2限 曙館517教室
3年 経済演習(3年) 木曜4限 言館503教室(日比野学舎)

ゼミは大教室での授業と違い、少人数指導ならではという面があります。
チームとしてうまくまとまれば、相当の成果が得られますが、一人でも
ダルな学生がいるとそれに引きずられてしまいます。

通常、春学期は2年と3年ゼミで同じ内容(グループワーク)で進めて
いますが、今年度は2年ゼミの内容を大幅に変更しました。というのも
第一志望で加入した学生とそれ以外で、完全に二極化しているからです。
昨年は留学していたので、現2年生はほとんど児島を知りません。一方
3年生は1年の時に授業を受けた学生が応募してきたので、第一次志望
ばかりです。

したがって、2年ゼミでは最低限の要求水準として「コア6」演習など
を課しています。1年次でこの演習が完成できていないので、教材には
最適です。ネットの課題なので到達度や目標もわかりますし、自分では
意欲が続かくなとも、ゼミの時間を使えば誰でも達成可能と思われます。
このように全体はプルアップ(引き上げ)よりもボトムアップで対応し、
やる気のある学生は3年生ゼミに参加させて、より力をつけさせる方針
としました。

今年の3年生のグループ研究のお題は以下の4つ通りです。

A:電子書籍と紙媒体はどのように共存するか?
B:パケット定額制は維持できるか?
C:日本のSNSは生き残れるか?
D:サイマル放送で地域限定するメリットは?

OB・OGで、ちょっとした休みができた時は是非、遊びに来てください。
学生の研究成果を聞いてみたい人や、意地悪な質問から学生をいじって
みたいと思う人はどうそお越しください。


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■編□集□後□記□
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☆関連サイト:http://booklog.jp/

春休みに読書をしました。以前は読みっぱなしで本棚へ直行という状態
でしたが、最近はブクログで読書の記録をつけています。これを使えば
いつ何を読んだのかがわかるので、重宝しています。Web2.0のツールで
管理をすれば、思わぬところにも活用できます。例えばコジマガで紹介
した作品にはタグを付けていますので、ブログに一覧を添付することが
できます。

すでにコジマガ・ブログをチェックした方ならばお分かりですが、画面
右フレーム下に「本の紹介」というガジェットが貼ってあります。これ
はコジマガで紹介した作品が本棚のごとく並んでいます。

また、最近知ったことはBloggerでモバイル版が自動的に作成されている
ことです。ブログがモバイル向けにカスタマイズされており、QRコード
まで自動作成という手軽さです。かつてあれだけ苦労したのは何だった
のかと感慨にふける瞬間でした。


■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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2012年3月27日火曜日

第89号(2012.03.27)


□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第89号
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□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.089
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


3月15日(木)の卒業式で1000名以上の学部生が卒業し、本学のOB・OGは
累計4万人を超えました。1964年に創立して以来、これだけ多くの人材を
輩出しているわけですから、いろいろな場面で見知らぬ卒業生と出会う
ことも増えてくるはずです。書類に職業欄を記入する時があると、大学
の卒業生が担当だったりすることもあります。(このような場合、大変
照れくさいのですが、仕方がありません。)これもひとつの縁だけに、
たまに大学時代を振り返ってもらえると幸いです。


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■NGU短信 > 秋学期入学喧々諤々の段
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☆関連サイト:http://blog.ngu.ac.jp/president/2012/03/06/

東京大学の提案によって、秋入学の議論が盛んです。それまで当たり前
と思っていたことを再考するには、興味深いネタではないかと思います。
関連サイトでは、木船学長がブログで私見を述べていますし、こうした
議論はとても歓迎します。

さて、アメリカの大学に卒業式はありますが入学式はありません。UCF
での研修中、同僚に「なぜ入学式はないのか?」と尋ねたところ一笑に
付されてしまいました。同僚の説明では、多様な学生がさまざまな入学
方式で入ってくるので、入学時期は必ずしも同じでないとのこと。また、
完全セメスターですし、一緒に入学しても卒業時期は同じでありません。
そもそも入学後は厳しい勉強が待っていますから、いくつかのステップ
を乗り越えなければならず、最終段階をクリアできたことが卒業であり、
褒め称えられるべき行事なのでしょう。

上のような事情から、アメリカでは入学式よりも卒業式の意味があると
思います。日本では難関の入学試験をくぐり抜けたお祝いと、これから
新しい生活をスタートするケジメとしての入学式なのでしょう。しかし、
かつて受験戦争や受験地獄といわれた時代は過ぎ去り、進学率は50%を
超えて比較的容易に大学に入れるようになりました。推薦で高校・大学
に入った学生は入学試験を経験することもありません。

時代は変わりました。バブル期の「受験戦争、就活楽勝」から現在では
「受験楽勝、就活地獄」へと変容しています。これに合わせて年中行事
も活動期間が移行しています。かつて、大学受験はセンター試験、私大、
国公立という年明けが中心でした。最近では秋頃の推薦試験を利用する
受験生が増えています。入学選抜方法は従来の指定校の他にAO・社会人・
留学生など枠はどんどん広がっています。さらに受験科目も複雑になり、
高校で進路指導を担当する先生はさぞや大変なことと推察します。

大学の入口だけでなく、出口でも変化は見られます。20年前では4年生
の連休頃から就職活動に入って、夏休み頃には多くの学生が内定を得て
いました。公務員試験の時期は現在とあまり変わりありません。バブル
崩壊・金融危機・リーマンショックを経てゆくうちに、新規採用が抑制
され、新卒入社は極めて狭き門になってきました。また依然として新卒
採用は、春一括が主流なので、これに乗り送れまいと学生は就活準備を
かなり早めています。今や3年生の秋頃スタートですので、昔より半年
以上前倒しになっています。

こうした大学を取り巻く環境の変化によって、国際化や基礎学力の低下
という問題も顕在化しています。また、18歳人口の減少も誰もが知って
いることですが、抜本的な改革をしようという主体が現れませんでした。
というのも、構造改革なのでひとつの組織だけで動かせる問題ではない
からです。しかし、今回は頂点である東大の提案だけに、実現可能性が
出てきました。

秋学期入学で問題が解決するわけでもありませんが、現行の制度と現実
がこれほどまでにフィットしなくなっているので、変えるチャンスだと
思います。東大はじめ世界と競争するトップ校の役割、地域に根ざした
地方大学の役割、私学の教育理念に基づいた人材育成、これらを真剣に
考える良い機会であると思います。21世紀はすでに10年以上も経過した
にもかかわらず、ほとんどの大学が同じような方向へと進んでいるよう
に感じます。

さて、国際化のひとつの問題に日本人の英語力があります。この問題で
畏友がネットでつぶやいていたことを思い出しました。トップ校の入試
科目の英語はTOEFLにしたらどうかというものです。すると英文解釈から
将来の留学に向けた実用英語へシフトします。高得点者はそのスコアで
アメリカの大学院へ進学できる道も拓けるので一石二鳥です。こうして
学生は仕事に役立つ英語の勉強となるでしょうし、センター試験で実施
しているリスニングも不要になります。経済・経営系の学部ならばTOEIC
でも良いかも知れません。このように実績ある検定をアウトソースする
のも一考に値するでしょう。


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■ 本の紹介
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『雄気堂々』,城山三郎,新潮文庫,1976年
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前回に続いて城山三郎氏の作品を取り上げます。今回の主人公は近代の
日本経済の基礎を築き上げた経済人渋澤栄一です。経済学部生でその名
を知らない学生がいたら、モグリでしょう。よく知られている彼の業績
としては、第一国立銀行(現、みずほ銀行の前身)や東京株式取引所(
東京証券取引所の前身)の創設です。最近、新聞で読みましたが、中国
で渋澤栄一が高く評価されているようです。

この本は上下巻の2分冊になっていますが、上巻は幕末期だけで殆どの
紙面が割かれています。読書中は、なかなか話が進展しないと苛立ちを
覚えるほどでしたが、読後はなぜ紙幅を充てる必要があったのかが理解
できました。まさに大激動の日本にあって血気盛んな若者がどのような
考えから自分で行動を起こし、その後の境遇につながるのか、こうした
結果が渋沢青年の糧となっているかを書かねば、晩年の渋澤栄一を描く
ことはできないからです。

田舎の農民が自分の意志で行動し、周りに彼の才能を見い出してもらい
ます。血気盛んな若者の行動から危なっかしい場面でも、人の持つ運が
人生を左右します。勤王倒幕運動に加担するも、巡り巡って水戸一橋家
に仕える身となりました。一橋家で才覚を表すも、主君の慶喜が幕府の
将軍職につきます。その後、フランス留学の随行員という命を受けて、
深く西洋文明を知ることになります。その後の明治維新では、持ち前の
性格に西洋知識が重宝され、新政府からも期待されます。

名古屋中村の農民の秀吉が天下人になったことは、広く知られています。
渋澤栄一の生き様にも同じような立身出世物語があります。政治でなく
経済での功績が多い人だけに、経済学部卒業生には一押しの小説です。
また、苦労人故にその功績や思想がもっと広く知られるべきであるよう
に思います。特に、閉塞感がある現在の経済にあっては、振り返られる
べき人物の一人でしょう。


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■最近のゼミ・講義から
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☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/menbers.html

新学期が目前です。新たに3年ゼミ(18期生)へ21名を迎えますが、これ
までの経験があるので、あまり不安はありません。ただ、ひとつ気になる
ことは恒例の新歓コンパです。現在は4年生がいないので、どうしたもの
かと少し困っています。普段ならば連休前に実施するところですが、ゼミ
が始まらないと様子が掴めません。今年の開講曜日は木曜日なので、連休
明けの10日か17日の夜にでも開こうと思っています。OB・OG諸氏の積極的
なヘルプを求めています。


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■編□集□後□記□
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先日、調査で東大阪市と島根県隠岐郡海士町を訪問しました。毎年のこと
ですが、地方で頑張っている方々のお話を伺うと素晴らしさに感動します。
さらに彼らから本当にパワーをもらうことができます。他の人は諦めたり
現状を嘆いたりするところを、困難に立ち向かい未来を切り拓く姿勢には
頭が下がります。すると、自分の仕事がちっぽけであり、自分が相対する
困難などは吹けば飛ぶようなつまらぬものと思えてきます。

十分な元気をもらいましたので、来年度も頑張りましょう。


■コジマガ・バックナンバー
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2012年2月4日土曜日

第88号(2012.02.04)


□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第88号
□───────────────────2012.02.04─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.088
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大寒波とともに2月がやってきました。名古屋でも15センチの積雪と2年
ぶりの雪景色に日本の冬を感じます。急激な冷え込みに足元も凍結して
おり、思いがけぬ転倒のおまけ付きです。幸い無事でしたが、皆さまも
気をつけてお過ごしください。全国的にインフルエンザも流行中なので
日々、油断大敵です。


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■NGU短信 > 地下鉄広告の段
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/news/list02.html

年末の地下鉄で、本学の広告をよく見たという方も多かったのではない
でしょうか。かつては全く宣伝に関心のない大学でしたが、この数年は
積極的に広報をするようになってきました。たしかに全国に700以上もの
大学があるので、どこかで目につかないと忘れ去られてしまいます。

まず、研究・教育などの成果で知られることが第一でしょう。これらは
大学の本分ですから、継続した努力が求められます。次に大学関係者の
活躍が記事となることも重要です。在学生や卒業生の活躍は本人の努力
が認められた結果ですが、同じ所属の(だった)人たちの話題ともなり、
プラスの影響があると思います。スポーツ選手たちの活躍は、対外的な
広報に加えて、関係者にとっても明るい話題となります。

そして一般広告です。この効果はすぐに数字に表れるものでもないので、
その評価はさまざまです。おそらく広告によって入学志願者数の増加を
期待するのでしょうが、それ以外の効用もあると考えます。特に、OBや
関係者が広告を目にすれば、大学の存在を再認識する効果があります。

かつて競合大学が積極的に宣伝をしていた頃、ゼミの卒業生から「なぜ
本学は広報をしていないのか?卒業生として淋しい」という嘆きに近い
言葉をもらいました。これは、いまでも強烈な記憶として残っています。
このようなメディアを使った広報には賛否両論があります。個人的意見
としては、資金を投じるのであれば目立つぐらいのインパクトある広報
が必要と思います。(もちろん、品がないようでは困りますが・・・)

その他、最近は学内で頑張っている取り組みが新聞に掲載されることが
増えてきました。優れた取組みが数多あったにもかかわらず、これまで
低い評価でしかないことに疑問を感じていました。表面的でなく、実態
を伴った宣伝を継続してゆけば、対外評価も高まってくると期待します。
最終的に大学のブランドを確立できれば、卒業生はじめ関係者がもっと
自信やプライドを持って行動できるのではないでしょうか。


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■ 本の紹介
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『男子の本懐』,城山三郎,新潮文庫
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最近は作家城山三郎に興味を持っています。彼の作品をコジマガで
取り上げるのは、02号の『気張る男』、38号の『粗にして野だが卑
ではない』に続いて三回目です。氏の経歴や作風を知れば知るだけ、
共通点が見えてくるので、親近感がいっそう湧いてきます。

地元名古屋出身である城山三郎氏は、日本を代表する経済作家です。
繁華街の錦三丁目で商売屋の子供として生まれ、名古屋商業へ進学、
17歳で志願兵となるも悲惨な現実を目の当たりにします。終戦後は
一橋大学に進学し、経済学を学びます。また、キリスト教の洗礼を
受けます。卒業後は、愛知教育大学(旧:愛知学芸大学)の教官と
なり、経済学を教えていたそうです。この時代には、金城学院でも
教鞭を取ります。本気で作家を志していた頃、千種区城山町へ3月
に引っ越したことから「城山三郎」というペンネームを使い始めた
そうです。

本格的な執筆活動に至るまでの経緯を見ても、名古屋のキリスト教
主義大学で経済学を専攻する学生は、氏の作品をひとつでも知って
おくべきではないかと思います。氏の主人公は、激動の時代に翻弄
されながらも、実際の体験から自己を研鑽した気骨ある人物を描き
ます。それは氏の自らの体験と重なる部分が多いからでしょう。

さて『男子の本懐』です。これは日本の近代史で学習する金解禁を
実施した首相の浜口雄幸と蔵相の井上準之助が主人公です。昭和の
初めは第一次世界大戦後の混沌とした時代であり、世界の政治経済
の激動にあって日本がいかに舵を取るかを試されていたように思い
ます。作者が描く当時の日本の状況は、なぜか現代の政治経済にも
通じるように感じました。実直な濱口首相は財政の健全化を目指し
緊縮財政を実施します。それを担当する相棒が井上準之助です。

井上準之助は二度にわたり日本銀行総裁を務めた人で、浜口内閣で
大蔵大臣に抜擢されます。財政立て直しと金解禁を実現するという
二人の信念の物語です。経済学で学ぶように緊縮財政は景気を冷え
込ませるので、民衆にも評判はよろしくなく、軍事予算のカットは
軍部から疎ましく思われます。その結果、二人は暴漢に襲われて、
非業の最期を遂げます。まさしく命がけの仕事でした。消費税増税
議論を聞きながら読むのには、お薦めの一冊です。

また、城山三郎氏の『ゴルフの時間』を読みました。氏はあまりの
ワーカホリックぶりで身体が寝ることを忘れてしまい、病を患って
しまいました。医師から健康のために軽い運動を勧められ、そこで
ゴルフを始めたそうです。今回の主人公の一人である井上準之助は、
日本人による日本のゴルフ場を初めて開場させた人です。日銀時代
に井上はアメリカへ左遷させられて、その時にゴルフを覚えたそう
です。『男子の本懐』にも数ヶ所にゴルフの記述が出ています。

いまだゴルフに対する偏見が強い日本ですが、オリンピック競技に
なり、アメリカではごく普通のスポーツです。昨年、オバマ大統領
がビンラディンの暗殺を指示し、実行中にはゴルフをしていたそう
です。もちろん計画が事前に漏れないようにカモフラージュさせた
行動ですが、なんともアメリカらしいエピソードです。


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■最近のゼミ・講義から
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☆関連サイト:http://www.facebook.com/kojimaseminar.net

1月21日(土)に東京出張の機会があり、その晩に東京近辺在住の
OBを中心とした飲み会となりました。恒例の忘年会の折、新年会
をやろうかと盛り上がり、そのままの勢いで初のイベント開催と
なりました。

当日はあいにくの冬の雨で足元が悪い状況でしたが、新宿で顔を
揃えたメンバーとの飲み会は大変心温るものでした。お陰で明日
へのエネルギーをチャージできました。小生を除いても参加者の
平均年齢は35歳を超え、大人の飲み会です。

近頃は年数回は上京する機会がありますので、このような飲み会
を無理なく、楽しく続けられれば幸いです。少なくないゼミOBが
首都圏で頑張って仕事をしていますので、会を重ねるごとに人の
輪が広げられれば、いっそう楽しくなることでしょう。facebook
やTwitterなどもあるので、これらの連絡手段を使うのも便利です。

とりわけ、幹事の岩月くんにはいろいろとお世話をかけましたが、
参加者皆さんのお陰で楽しいひとときを過ごすことができました。
一人ひとりの心遣いに感謝します。また、お目にかかりましょう。


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■編□集□後□記□
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先月のセンター試験は「往生こいた」というのが正直な感想です。
名古屋弁で表現したくなるような状況で、何とか事無きを得たと
いう状態です。55万人が同一日時に一斉受験するという離れ業を
実施できるのは、日本社会のスゴさを感じます。だたし、無事が
当たり前となっているだけにトラブルに巻き込まれた受験生には、
同情を覚えます。

報道されているように、混乱の主な原因は試験方法を変更させた
ことでしょう。初日1時限目には写真シールの配布があり、かつ
社会は配付用紙の種類(パターン)が多いだけに、作業が煩雑に
なります。配布準備に割り当てられる時間は例年通りであるにも
関わらず、携帯電話に関する指示まで加わりました。これは昨春
起こった携帯電話によるカンニング事件への対応です。こうした
状況で、監督者のマニュアル通りでは時間が足りません。

センター試験1日目が終了した夜、ニュースで各会場での混乱が
報道されました。それに対して大学入試センターは「混乱の原因
は監督者の不慣れ」とのコメントを発表しました。その後、事実
が次第に明らかになるに従って発言が変わり、最期には受験生へ
謝罪に至りました。この対応のまずさにはただ呆れるばかりです。

組織の危機管理と対応の甘さの例として、よく見られる一例です。
故城山三郎氏であれば、どのようなコメントをするのだろうかと
考えてしまいました。


■コジマガ・バックナンバー
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2012年1月2日月曜日

第87号(2012.01.02)


□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第87号
□───────────────────——2012.01.02─——
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.087
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


あけましておめでとうございます。今年は辰年だけに、年男となります。
今や2回り以上も干支が下の学生を教えていることを考えると、自分が
重ねた歳月に驚いてしまいます。また、2011年の忘年会で、OBの年齢を
尋ねるとビックリすること数多です。彼らを教えていた頃の自分の年齢
よりもはるか上になっています。

さて、忘年会には20名近い参加者があり、いつもの店で楽しいひと時を
過ごすことができました。酒の勢いも手伝って児島ゼミゴルフ部が開設
されたり、1月には東京での飲み会(児島ゼミ関東攻め)が企画される
など、新たな展開にワクワクします。また、今春にはゼミが3年ぶりに
再開します。こうした期待感を表現する「情熱と好奇心」を今年もゼミ
のテーマとして頑張っていきたいと思います。


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■NGU短信 > ゼミ対抗コア6コンペの段
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/gp/

コジマガ60号で紹介したように、2010年4月より経済学部としてコア6
が始まりました。年度末をもってようやく全てのテーマが出揃います。
3年生になるまで20ヶ月分の例題(1200題)を解き、その豊富な解説
で学習し、経済学士の基礎を構築するということを目的としています。
詳細は、関連サイトを参照ください。

今回は、前号で紹介した経済学部のイベント「ゼミ対抗コア6コンペ」
の報告です。昨年12月15日から1週間にわたり経済学部2年次ゼミで
コンペが実施されました。試験の準備を含めて、ゼミの授業時間の内、
約15分を使ったイベントです。

まず、コア6の既出の設問から180問を厳選し、これをCCSにひとつの
設問群としてアップします。ゼミ担当教員が小テスト機能を操作して、
30問を学生へ出題します。ランダム選択された30問を制限時間10分間
で解き、ゼミ毎に正答率を競います。ですからゼミ毎に問題パターン
は異なりますが、確率的要素が加わることで面白みを増します。

たかが15分の取組ですが、ゼミが多様な(学生構成・運営スタイル・
方法・ICT利用度など)だけに実施には、十分なフォローが必要です。
そこで、予期される不具合を事前に想定して、個別のサポート体制を
整えました。もし深刻なトラブルが生ずれば、今後のイベント継続が
危うくなるからです。ゼミ教室で学生が持参するノートPCを利用する
場合には、サポート要員を派遣しました。また、学術情報センターの
セミナー室に臨時にノートPCを設置し、ここへ移動してもらって実施
するなどしました。幸い大きなトラブルはなく、ほぼ想定内の範囲に
収まりました。

結果として、全29ゼミのうち28ゼミが参加し、計378名の学生が受験
しました。ネット接続の不具合などが原因で受験できなかった学生
はこれに含まれません。また、コア6の対象となる14E生だけで見た
場合は、369/471名(実施ゼミ分)で受験率は78.34%となります。

多様な学生がおり、30近いゼミがあれば対抗イベントに強いゼミと
そうでないゼミがあります。単に受験者の平均点だけで評価しては、
競い合うインセンティブが十分に機能しないと思いました。そこで、
以下の2つの褒章基準を作成しました。

基準G: 受験者割合と受験者平均正答率の幾何平均(Geomean)
基準A: 成績上位5名の単純平均(Average)

まず、基準Gには受験率という指標を加えます。ゼミ生が力を合わせ
競い合うという主旨を謳っているので、コア6の対象である14E生の
履修者のうちどれだけが受験したかという受験率を用います。この
数値と受験者の得点率を乗じて、平方根をとった値(幾何平均)を
比較しました。また、基準Aは少数精鋭のゼミを評価する指標です。
すなわち、ゼミ内の上位5名の得点を単純に平均します。

実施の意義としてあまり理解されないことですが、ほぼ全てのゼミ
が参加したことは高く評価できます。「そんなの企業では当たり前」
と思われるかも知れませんが、「商店街」のようなフラットな大学
教員の組織で、全員の理解と協力を得ることは難しい仕事です。

また、たとえ優れたシステムや豊富なコンテンツがあっても、それ
だけではできないことにも留意が必要です。CCSの小テスト機能を
活用するのであれば2003年でもできたかも知れませんが、当時では
このようなイベントの実現は難しいでしょう。というのも、当時に
比べて、教員のICTレベルや取組への理解が向上しているからこそ、
可能となっているからです。

その他、このイベントで以下のような実績や効果を見い出すことが
できました。

1.CCSの小テスト機能の周知(FD活動)
2.学生の到達度テスト(統一テスト実施)
3.スマホでのアクセス(アクセシビリティ)
4.2年ゼミの実施現状(授業公開とランキング)

スマホからでもCCSの小テストが受験できることを再確認しました。
タブレットを含めたアクセス手段の拡大は、大学教育に大きな変化
をもたらすことを期待させました。


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■最近のゼミ・講義から > 学期末試験の段
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☆関連サイト:

大学の学期末試験のスタイルは、昔と比べればかなり様変わりして
います。本学では名古屋キャンパスへの移転とともに、300名以上を
収容できる大教室がなくなったために、試験の実施方法にも大きな
変更が加えられました。

移転前はテストだけが実施される期間は、14・15週目の2週間を確保
していましたが、移転後は16週目のみとなりました。ですから15週
までは通常授業が行われ、16週目にテストとなります。ただし授業
期間内でのテストやレポート提出については、教員の裁量に任され
ています。

このような措置は、文部科学省が定める15週の授業時間を確保する
ためです。近年、本学も含め、多くの大学が祭日に授業を行うのは、
基準の授業時間を確保する理由からです。また、文部科学省だけで
なく、免許取得のために厚生労働省などへの届出が必要な学系では、
さらに厳格な運用が行われているようです。

このように文科系学部でも「単位の実質化」や「教育の質保証」が
求められています。今までが「レジャーランド」と揶揄されてきた
大学では、このような変化は辛い限りでしょう。時代の変化に対応
できるかどうかは、教員個人の順応性に依存しています。個人的な
感想としては、最初は調整するのに大変であっても、徐々に慣れて
くるものです。特に、アメリカの大学制度を体験した身としては、
日本はまだ改善しなくてはならないことも多いように感じます。

さて、今学期は就任以来初めてとなる中間テストを実施しました。
実施科目は「経済数学入門」です。毎回、プリントでの演習をして
いますが、受講生は一方的な授業形態に慣れているようで、教えて
いても学生に力がついたという手応え・実感がありません。さらに
15週の内容を理解しているかを一度きりの学期末テストではうまく
測定できないと考えたからです。学生が力をつけられる授業運営と
その効果測定には、方法を開発する必要があります。


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■編□集□後□記□
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今月はセンター試験が名古屋学院大学でも行われます。都心にあり
交通の便が良いだけにこのような役割を与えられるのでしょう。

都心回帰といえば、今年は愛知大学が三好から名駅南に移転します。
2年後には、愛知学院大学が市役所北に経済系学部だけを移転予定
です。本学は地下鉄で大きな広告を出すなど、広報活動に力を入れ
始めています。広告だけでなく、真の研究教育力がきとんと裏付け
されていなければなりません。

その意味で、本学はこの数年間で順調に力をつけているように思い
ます。卒業研究発表会やコア6コンペなどを見ても、若手の先生方
の教育指導力は輝いています。大学を取り巻く環境は競争がさらに
激しくなっていますが、若手の先生方に負けないよう頑張ってゆく
つもりです。


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