2012年1月2日月曜日

第87号(2012.01.02)


□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第87号
□───────────────────——2012.01.02─——
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.087
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


あけましておめでとうございます。今年は辰年だけに、年男となります。
今や2回り以上も干支が下の学生を教えていることを考えると、自分が
重ねた歳月に驚いてしまいます。また、2011年の忘年会で、OBの年齢を
尋ねるとビックリすること数多です。彼らを教えていた頃の自分の年齢
よりもはるか上になっています。

さて、忘年会には20名近い参加者があり、いつもの店で楽しいひと時を
過ごすことができました。酒の勢いも手伝って児島ゼミゴルフ部が開設
されたり、1月には東京での飲み会(児島ゼミ関東攻め)が企画される
など、新たな展開にワクワクします。また、今春にはゼミが3年ぶりに
再開します。こうした期待感を表現する「情熱と好奇心」を今年もゼミ
のテーマとして頑張っていきたいと思います。


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■NGU短信 > ゼミ対抗コア6コンペの段
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/gp/

コジマガ60号で紹介したように、2010年4月より経済学部としてコア6
が始まりました。年度末をもってようやく全てのテーマが出揃います。
3年生になるまで20ヶ月分の例題(1200題)を解き、その豊富な解説
で学習し、経済学士の基礎を構築するということを目的としています。
詳細は、関連サイトを参照ください。

今回は、前号で紹介した経済学部のイベント「ゼミ対抗コア6コンペ」
の報告です。昨年12月15日から1週間にわたり経済学部2年次ゼミで
コンペが実施されました。試験の準備を含めて、ゼミの授業時間の内、
約15分を使ったイベントです。

まず、コア6の既出の設問から180問を厳選し、これをCCSにひとつの
設問群としてアップします。ゼミ担当教員が小テスト機能を操作して、
30問を学生へ出題します。ランダム選択された30問を制限時間10分間
で解き、ゼミ毎に正答率を競います。ですからゼミ毎に問題パターン
は異なりますが、確率的要素が加わることで面白みを増します。

たかが15分の取組ですが、ゼミが多様な(学生構成・運営スタイル・
方法・ICT利用度など)だけに実施には、十分なフォローが必要です。
そこで、予期される不具合を事前に想定して、個別のサポート体制を
整えました。もし深刻なトラブルが生ずれば、今後のイベント継続が
危うくなるからです。ゼミ教室で学生が持参するノートPCを利用する
場合には、サポート要員を派遣しました。また、学術情報センターの
セミナー室に臨時にノートPCを設置し、ここへ移動してもらって実施
するなどしました。幸い大きなトラブルはなく、ほぼ想定内の範囲に
収まりました。

結果として、全29ゼミのうち28ゼミが参加し、計378名の学生が受験
しました。ネット接続の不具合などが原因で受験できなかった学生
はこれに含まれません。また、コア6の対象となる14E生だけで見た
場合は、369/471名(実施ゼミ分)で受験率は78.34%となります。

多様な学生がおり、30近いゼミがあれば対抗イベントに強いゼミと
そうでないゼミがあります。単に受験者の平均点だけで評価しては、
競い合うインセンティブが十分に機能しないと思いました。そこで、
以下の2つの褒章基準を作成しました。

基準G: 受験者割合と受験者平均正答率の幾何平均(Geomean)
基準A: 成績上位5名の単純平均(Average)

まず、基準Gには受験率という指標を加えます。ゼミ生が力を合わせ
競い合うという主旨を謳っているので、コア6の対象である14E生の
履修者のうちどれだけが受験したかという受験率を用います。この
数値と受験者の得点率を乗じて、平方根をとった値(幾何平均)を
比較しました。また、基準Aは少数精鋭のゼミを評価する指標です。
すなわち、ゼミ内の上位5名の得点を単純に平均します。

実施の意義としてあまり理解されないことですが、ほぼ全てのゼミ
が参加したことは高く評価できます。「そんなの企業では当たり前」
と思われるかも知れませんが、「商店街」のようなフラットな大学
教員の組織で、全員の理解と協力を得ることは難しい仕事です。

また、たとえ優れたシステムや豊富なコンテンツがあっても、それ
だけではできないことにも留意が必要です。CCSの小テスト機能を
活用するのであれば2003年でもできたかも知れませんが、当時では
このようなイベントの実現は難しいでしょう。というのも、当時に
比べて、教員のICTレベルや取組への理解が向上しているからこそ、
可能となっているからです。

その他、このイベントで以下のような実績や効果を見い出すことが
できました。

1.CCSの小テスト機能の周知(FD活動)
2.学生の到達度テスト(統一テスト実施)
3.スマホでのアクセス(アクセシビリティ)
4.2年ゼミの実施現状(授業公開とランキング)

スマホからでもCCSの小テストが受験できることを再確認しました。
タブレットを含めたアクセス手段の拡大は、大学教育に大きな変化
をもたらすことを期待させました。


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■最近のゼミ・講義から > 学期末試験の段
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☆関連サイト:

大学の学期末試験のスタイルは、昔と比べればかなり様変わりして
います。本学では名古屋キャンパスへの移転とともに、300名以上を
収容できる大教室がなくなったために、試験の実施方法にも大きな
変更が加えられました。

移転前はテストだけが実施される期間は、14・15週目の2週間を確保
していましたが、移転後は16週目のみとなりました。ですから15週
までは通常授業が行われ、16週目にテストとなります。ただし授業
期間内でのテストやレポート提出については、教員の裁量に任され
ています。

このような措置は、文部科学省が定める15週の授業時間を確保する
ためです。近年、本学も含め、多くの大学が祭日に授業を行うのは、
基準の授業時間を確保する理由からです。また、文部科学省だけで
なく、免許取得のために厚生労働省などへの届出が必要な学系では、
さらに厳格な運用が行われているようです。

このように文科系学部でも「単位の実質化」や「教育の質保証」が
求められています。今までが「レジャーランド」と揶揄されてきた
大学では、このような変化は辛い限りでしょう。時代の変化に対応
できるかどうかは、教員個人の順応性に依存しています。個人的な
感想としては、最初は調整するのに大変であっても、徐々に慣れて
くるものです。特に、アメリカの大学制度を体験した身としては、
日本はまだ改善しなくてはならないことも多いように感じます。

さて、今学期は就任以来初めてとなる中間テストを実施しました。
実施科目は「経済数学入門」です。毎回、プリントでの演習をして
いますが、受講生は一方的な授業形態に慣れているようで、教えて
いても学生に力がついたという手応え・実感がありません。さらに
15週の内容を理解しているかを一度きりの学期末テストではうまく
測定できないと考えたからです。学生が力をつけられる授業運営と
その効果測定には、方法を開発する必要があります。


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■編□集□後□記□
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今月はセンター試験が名古屋学院大学でも行われます。都心にあり
交通の便が良いだけにこのような役割を与えられるのでしょう。

都心回帰といえば、今年は愛知大学が三好から名駅南に移転します。
2年後には、愛知学院大学が市役所北に経済系学部だけを移転予定
です。本学は地下鉄で大きな広告を出すなど、広報活動に力を入れ
始めています。広告だけでなく、真の研究教育力がきとんと裏付け
されていなければなりません。

その意味で、本学はこの数年間で順調に力をつけているように思い
ます。卒業研究発表会やコア6コンペなどを見ても、若手の先生方
の教育指導力は輝いています。大学を取り巻く環境は競争がさらに
激しくなっていますが、若手の先生方に負けないよう頑張ってゆく
つもりです。


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