2006年10月28日土曜日

第23号(2006.10.28)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第23号
□───────────────────――2006.10.28─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.023
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。

恒例のホームカミングデーが近づいてきました。今年は11月5日(日)に
瀬戸キャンパスで大学祭期間中に行われます。また、オープンキャンパス
も併催しており、児島も当日は業務がてら参加いたします。OBの皆さんと
久しぶりにお会いできる機会なので、いつも楽しみしています。参加申込
は不要ですが、誰が来てくれるのかという事前の楽しみもありますので、
.NETのイベント申し込みで参加表明いただけるととても助かります。

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■NGU短信 > ICTは神の領域へ(2)の段
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☆関連サイト:http://web-version2.blogspot.com/

前回の続きです。

Googleでは個人情報をどこまで守ってくれるのか?という疑問があります。
Googleのトップページをパーソナライズド登録し、デスクトップとともに
ガジェットを利用、Gmailを活用していたならば、Googleがその気になれば
個人情報は丸裸にされてしまうと怯えている人もいるかもしれません。

また、mixiなどSNSでは招待制とはいえ、個人情報をどこまで公開するかは
各ユーザの判断に委ねられています。今の個人情報保護法には辟易しますが、
以前の無秩序な状況に比べて、少しずつ落ち着いてきたように思います。

ご存知のように、Web2.0で躍進する企業は従来では想像もつかない情報量
を扱い、ビジネス界を席巻しています。しかし彼らは神ではありませんし、
将来も神にはなりえません(と信じています)。

このような趨勢を見るにつけ「信頼たるネット社会」に向け徐々に進化して
いるように思えます。これは、人間の叡智と情報技術の進展によるものです。
まさに今は「社会の進化」が目に見える状況にあるといえます。

個人差はあれ、日常の生活ツールとしてインターネットを活用している人
であれば、怪しげなサイトにも近づくことなく生活しているわけですから
本当にヤバいことは、きっとネットでやり取りはしないでしょう。

外部から情報を遮断してしまえば、誰でも自分の世界に入ることができます。
もちろん人間には知られたくない秘密はあるものです。また、人間は弱い
生き物ですので、流され易く、そこから怠惰や不正は生まれます。何か自分
に後ろめたいことがあると「お天道様を見て歩けない」ようになります。

個人でなく社会にとって「無駄を省く」「不正を生まない」ことは経済学に
とっても、社会にとっても重要な課題です。企業はこれらをとても嫌います。
厳しい市場競争で生き残るために、企業はできるだけ自分の身をスリムにし、
そして変化に即応できるようにしなければなりません。

教育も行政も自ら変化を好みません。現状維持という管理の発想が大きく、
無事であることが最優先されます。個人の業務に対する評価は加点方式では
なく、減点方式であることが問題と思われます。このような業態では、仮に
大きな問題が生じた場合、できるだけ隠そうという姿勢が生まれがちです。
最近では岐阜県庁の裏金問題が記憶に新しい不祥事ですが、残念ながらこの
ような事件は枚挙にいとまがありません。

教育や行政も重要な業務であるので、無駄や不正が生まれてはいけません。
そのためにはできるだけオープンにすることが最も早く、効果的な手段と
思います。(もちろん、警察の捜査や個人情報の扱いような秘匿業務以外の
業務はディスクローズすべきです。)情報開示は民主主義と同じように時間
や費用がかかりますが、無駄や不正を放置するよりは安くつくでしょう。

あまり使われませんが「WEBガバナンス」という言葉があります。Webを中心
とした組織の情報管理で、ワンストップサービスという意味もあれば、Webで
情報を共有・発信しやすくするということも表しています。

サラサラ血液で体質を改善するように、組織も情報をうまく流通させること
で健全な体質を維持できると思います。そのためWebベースで、情報の共有・
相互利用を促進し、協働へつなげる必要性が高まります。

社会活動において「人が見ていないから悪いことをする」という発想でなく、
「人知れずいいことをする」という性善説に立っていたいと思っています。
すなわち「情けは人の為ならず」という言葉は、他人への情けがいずれ自分に
戻ってくるということですが、これは誰かがどこかで見ている、聞いている
という条件が必要です。ネットは口コミを可視化しました。同様にこの条件
もネットは満たしてくれるでしょう。

Bette Midlerの謳う「From A Distance」にある"God is watching us"という
フレーズや「月影の至らぬ里はなけれども眺むる人の心にぞすむ」と詠んだ
法然上人(浄土宗の開祖)にIT社会が重なり合います。どちらも、必ず誰かが
どこかで見守っているという宗教的な内容ですが、そしは弱い人間のを自己
規律を支えているように感じます。

いいことをすれば、誰かがそれを評価してくれるでしょうし、自分の深層
心理に訴えかけるものが「情けは人の為ならず」もそうなのかもしれません。
ニーチェの「神が死んだ」時代からITで社会は進化を続け、我々ひとり一人
が神の領域に近づいたのかもしれません。(神の国から追放されてしますので
決して思い上がってはいけませんが・・・)


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■ 本の紹介
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☆関連サイト:http://nbpp.nikkeibp.co.jp/book/college.html

『名古屋学院大学』,日経BPムック「変革する大学」シリーズ,\1,200
ISBNコード:4-86130-198-X

大学のPR本で恐縮ですが、10月27日に書店販売ということで紹介します。
偶然見つけて、ビックリされるといけないので、関連部分を明示します。

私の名前が出ている関連記事は以下の3つです。
p.30-35 CCS関連(ここには写真付)
p.36-37 特色GP関連
p.78 経済学基礎知識1000題

おそらく同窓会や入試関連の行事の際に、お目にかかると思いますので
購入は不要です。(大学の図書館カウンターにもおいてありました。)


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■最近のゼミから
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☆関連サイト:http://www.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/
 http://www.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/humanresource.html

 サブゼミが盛んになってきました。ここでWeb2.0を試しているようです。
mixiの相互紹介やSkypeやGtalkのお試しなど、参加者は毎回パワーアップ
しています。例年になく3年生も卒論を早めに仕上げるために、頑張って
います。お時間が許せば、現役生のゼミで気合や励ましを与えていただけ
れば幸いです。

今期のゼミ募集も順調で、面接はいつもどおり「やる気と根性はある?」
という確認作業をしています。しかし、最近はこれらが不足する学生が増え
てきたように感じています。途中で諦めるという若者のなんと多いことか!
社会人の方々も新入社員に感じているのではないでしょうか。コーチングが
流行っているのも、打たれ弱い者への労りからでしょうか?

人間力の養成に必要なのは、興味関心の多さ(そのために知識量を含む)
やこれまでの経験の豊富さ(情緒)でしょうか。大学生として知的好奇心
さえあれば、とても楽しい学園生活となるはずです。

【ご案内】
□10月31日(火):3・4年合同ゼミ(栄サテライト)&コンパ

詳しくは、.NETを参照下さい。また、ゼミの予定はスケジュールで。


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■ゼミサイトの話題:XOOPSのホワイトアウト
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☆関連サイト:http://www.kojima-seminar.net/

.NETの登録も100名を超えました。Web2.0でもデータがその価値を決める
ということなので、アクティブユーザの書き込みが重要でしょう。これは
以前からも議論になっていたことですが・・・

では、現役ゼミ生にどんどん使わせれば?というご意見もあろうことかと
思います。しかし、同じLAN(ドメイン?)から多くのユーザがアクセス
すると画面が真っ白という(ホワイトアウト)状態がXOOPSで起こります。

仲の良い先生がホワイトアウトという面白い表現を使っていましたが、
ホワイトアウトはこれまで3回確認しています。原因が一向に分からず
です。一ヶ月ほどすると正常に戻っているので、これまた不思議です。


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■編□集□後□記□
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☆関連サイト:http://www.ngugp.jp/

 特色GP関連の業務が増えています。また、名古屋キャンパスのソフト
ランディングを目指した時間割作成、卒業研究発表会、ゼミの卒論指導
と秋から冬への恒例行事もこなさなくてはなりません。業務改善を続け、
皆がハッピーになれるモデルができないかと頑張っています。いわゆる
「ITソリューション」の模索が私の元気の源になっています。