2008年9月18日木曜日

第45号(2008.09.18)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@    第45号
□───────────────────――2008.09.18─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.045
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。

早いもので小中学校は夏休みも終わり、2学期が始まりました。今夏の話題は
北京オリンピックに始まり、ゲリラ豪雨や突然の福田首相の辞任報道と総裁
選挙など多彩でした。アメリカのサブプライムローンに端を発する金融危機は
11年前の日本を思い出させます。今年も残り4ヶ月ですが、グローバル経済に
大きな変化を予感させます。

個人レベルでは、これまで撒いておいた種が実り、秋から冬にかけて収穫
時期が始まります。どのような成果が得られるか収穫前には分かりませんが、
後で振り返れば自明なことがあります。日頃の努力はいつかきっと大きな
成果に結びつくことでしょう。焦らずじっくりと取り組むことも時には
必要かも知れません。


―――――――――――――――――――――――――――――――
■NGU短信 > 裁判所見学の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.ngu.jp/dynamic/details.php?key=1088&ckey=28&sf=f

夏休みに地方裁判所の見学へ行ってきました。法律の先生方が学生に実体験
をということで、名古屋地方裁判所の見学に便乗しました。来年から開始の
裁判員制度もあって良い機会かと思い、参加させてもらいました。

実際の裁判が開かれる法廷には、独特の緊張感があります。傍聴席で審理を
聞いていると「これが現実?」という錯覚に囚われます。このようなシーン
はニュースや映画でよく見ていましたが、本物は初めてだからです。
「百聞は一見にしかず」現場を見るということの大切さをあらためて痛感し
ました。周防監督の作品『それでも僕はやっていない』は本当によく観察さ
れていると思いました。

また、冒頭陳述を聞いていると現実の経済社会問題が浮き彫りになります。
被告の置かれた状況は、どこにであるような苦労話なだけに思わず同情して
しまいます。みのもんたのワイドショーにある電話相談を髣髴させるような
感じです。誰しもそのような状況に陥るかもしれないだけに、人間の弱さを
見たようでした。

傍聴した件では被告と原告で言い争う場面はなく、情状酌量を狙った弁護士
の戦略が見え隠れします。弁護士の明快な論理で進める事情説明なども印象
に残りました。

私にとって貴重な経験でした。傍聴は誰でもできますので、お時間が許せば、
傍聴をお薦めします。ただ、このような雰囲気の職場は自分に似つかわしく
ないと思いました。さすがに法廷の場では笑顔はありませんから。(笑


―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://store.shopping.yahoo.co.jp/7andy/31659171.html

『「みんなの意見」は案外正しい』,ジェームス・スロウィッキー,小高尚子訳,角川書店,\1,600
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

タイトルだけでは分かりにくいと思いますが、Web2.0の集合知の解説本です。
この単行本の帯には「会社員、経営者、就活学生の必読書!」となっています
が、果たしてそうでしょうか?12章の構成で、どれも興味をそそるような話題
ばかりです。この本を読み進めるには、Web2.0の集合知だけでなく、学際的な
知識が必要です。

皆の意見が正しい方向となるという条件として、多様性・独立性・分散性など
を挙げています。この中には、データ処理としての統計の基本や複雑系の例題、
エージェント理論、経済学などのエッセンスがちりばめられています。これら
の知識をベースに書かれているようなので、一般向けの本ではないという印象
を受けました。

また、取り上げられていた例としてアメリカンフットボールの攻撃方法が
ありました。アメフトのルールを知らなければ、このトピックスを読むのは
苦痛でしょう。これは多くの日本人には馴染みませんが、ラッキーなことに
これを楽しく読むことができました。月末から始まるシーズン戦を見ながら
この本の内容を考えてみましょう。


―――――――――――――――――――――――――――――――
■最近のゼミから
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.ngu.jp/dynamic/details.php?key=1080&ckey=28&sf=f

夏の恒例行事であるゼミOB会がいつもの場所で開催されました。いつものよう
に賑やかで愉しい会になり、気分も手伝いかなり飲みすぎました。幹事の方や
遠方より駆けつけて下さった方々には頭が下がります。多くの元気をもらい、
また頑張ろうと心新たにできる機会です。次にお会いできる機会としては11月
の大学祭(ホームカミングデー)、年末のOB会です。ご都合がよろしければ、
是非、ご参加ください。

本学の学生による情報誌「i-ris」が創刊されましたが、これには現役の
ゼミ生が関わっています。非常によくできた内容ですので、一度ご覧下さい。
学生が運営するお店「マイルポスト」でも配布しています。特に、この裏表紙
には多くの学生の笑顔で埋め尽くされていますが、そのうち半分程度が現役の
ゼミ生です。なので、研究室のゼミの色紙やアルバムの棚に飾っています。

さて、授業は9月22日から再開です。今年度は秋学期が始まると同時に自主的
なサブゼミが予定されています。本ゼミは卒論の進捗状況の報告会であり、
ペースメーカーです。一方、サブゼミは自分たちで時間や知識・技能を共有し、
力をつけてゆくことが目標です。2つのゼミの時間を利用して、夏休みの間
に溜め込んだ知識をゼミ生に語りながら、自分の頭で咀嚼したいと思ってい
ます。


―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――

毎週木曜日の昼休みに名古屋キャンパスのチャペルでカレッジアワーが開催
されています。今回、キリスト教センターから10月2日(木)の担当者を依頼
されました。常々チャペルでは心閑に話を聞くものと思っていましたので、
まさか私が話すとは晴天の霹靂です。どのような話になるかわかりませんが、
お時間がある方はご参加ください。私の話の内容より、名古屋キャンパスの
チャペルを見学するに良い機会かと思います。