2014年5月3日土曜日

第106号(2014.05.03)


□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第106号
□───────────────────2014.05.03─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.106
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


2014年度がスタートし、すでに1ヶ月が経過しました。今年も入学式で
1000名以上の新入生を迎え、オリエンテーション期間を経て授業も開始
されています。小生にとっては、これが名古屋学院大学で20回目の春と
なりました。

経済学部は、4年間の激務を終えられた伊沢学部長から大石新学部長へと
交代し、新体制となりました。これまで続けてきた教育力を向上させる
経済学部の積極的な取組は、新リーダーの元で今後も発展してゆくこと
でしょう。

4年ゼミ生が準備をしている3年生の新歓コンパが、5月8日(木)に開催
されます。OB/OGの皆さまで参加可能な方はFacebookからご連絡下さい。


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■NGU短信 > CCSのさらなる進化の段
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☆関連サイト:http://kojimag.blogspot.jp/2012/05/9120120521.html

CCSは2002年にリリースして以来、進化を続けています。当時の名称は
キャンパス・コミュニケーション・システムでしたが、2012年の更新で
サービスに変更しました。この時は、データベース自体を替えるという
大規模なバージョンアップで、ユーザインタフェースも一新しました。
その後も当初の予定通り、数回に分けて機能を追加しています。

まず、昨年末に就職関連(キャリア)のページが刷新されました。この
ページには学生サポートの機能に加え、学部毎の内定率や学生の就活や
内定の状況がスタッフ間で共有されるようになりました。一部にはやり
過ぎという声もありましたが、決してそうとは思いません。というのも、
ゼミ生がどのような状況であるかを確認できなければ、適時に適切な声
をかけることはできません。サービスなのでICTで管理をするのでなく、
学生のケア・サポートを第一に構成されています。

かつての就職関連情報は、紙ベースでゼミ生の活動状況が年に数回ほど
届いていました。これは教員が学生の状況を確認し指導するのでなく、
困っている学生をキャリアセンターへ来させてもらいたいという取組で
あったように思います。紙ベースの情報は出力・配付・確認・伝達など
からタイムラグが大きく、必ずしも精度が高いデータではありませんで
した。教員から見て、使える情報という感じはしませんでした。

今回の更新で、ゼミ生がキャリアセンターでの相談状況がわかるように
なりました。お陰で、就活が停滞して困っている学生へのアプローチが
しやすくなりました。こうして部署との連携が迅速になりました。大学
全体でのデータによる「見える化」が進展したので、学部やゼミごとの
内定状況もわかります。どこをテコ入れすればよいかも明らかになって、
データに基づく対策が可能になりつつあります。

次に、今回の連休中に追加された機能のひとつはスマホ向けアプリです。
今年度の新入生アンケート調査結果では、スマホ所有率は95%でした。
1年生は新生活のために、4年生は就職活動を理由に買い替えが進行して、
今や学生のほとんどがスマホを持っています。この数年はガラケーから
スマホへの過渡期であり、OSや端末の進化が著しかったので、全面的な
対応への準備をしていました。スマホ対応サイトや単機能アプリの試作
にとどめていました。いよいよ本格的に参入し、今回のアプリが学生に
どれだけ支持されるかが注目です。

今回、CCSで拡張された機能は小テストです。この10年ほどで自学自習を
使って勉強させる方法が名古屋学院大学で定着しました。学習量の確認
には、学習データをチェックで可能ですが、それよりテストを実施する
方が、知識としての定着具合を確認できます。また、学生も試験の方が
緊張感もあって、学習のモチベーションが上がります。

最近は、大教室での講義でもCCSの小テストやアンケートなどが利用可能
になりました。スマホからCCSへアクセスできますし、持っていない学生
もノートパソコンを持参し、学内の無線LANからCCSへアクセスできます。
こうして100名以上の授業でも学生の参加型授業が簡単に実現できるよう
になりました。

所有端末の普及からこのような学習方法が可能で、これをサポートする
のが新しい小テスト機能です。以前では小テストの準備が面倒でしたが、
今回から簡単な準備で済むようになりました。加えて、複数のクラスで
小テストの成績を競う機能が追加されました。テストの成績を管理する
だけでなく、コンペ形式から楽しく競い合いをすることで、新しい学習
空間が実現できるようになりました。


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■最近のゼミから > 2014ゼミ始動の段
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☆関連サイト:https://www.facebook.com/

毎年の新入生オリエンテーション行事では、基礎セミナーを元にした
クラス活動があります。新しい環境だけにアイスブレイクが必要です
から、全員と話をする「自己紹介ゲーム」を行います。これで友人を
作ってもらい、スムーズに大学生活に移行できるよう意図しています。
各クラスには上級生のSA(Student Assistant)が付いて、担当教員と
一緒に学生をフォローします。

クラス活動の2日目は熱田周辺のウォークラリーでした。昨年度は大学
がCOC事業に採択されたので、ただ懇親するというだけでなく、地元を
歩いてよく地域を観察する重要な機会になりました。今年の1年生には
「まちづくり提言コンペ」に参加させる予定なので、授業課題の一環
となりました。基礎セミナーには共通テキストが用意され、この中に
地元を知るための題材が用意されています。このように数年前の基礎
ゼミやオリエンテーションとは大きく様相が変わっています。

さて、2年生のゼミでも第1回目は「自己紹介ゲーム」を使ってアイス
ブレイクをしました。しかし、そこに経済学のエッセンスを含む内容
にしています。まず、全員と話をするには何回必要かを考えさせます。
ペアを作って全員と話をするわけですから、ペア探しは(人数N-1回)
で終わるはずです。最初にその説明をして、その通りに進むかを意識
させます。全体を偶数にするので、一人があぶれることはありません。
また、必ず相手は自分を探し、自分も探すというマッチングですから、
N-1回で済むだろうとほとんどの学生が信じ込みます。しかし、実際は
理論のように上手くいきません。実際にそうならない時に「何故か?」
を考えさせて、このゲームが実際の市場経済の暗喩であることを説明
します。求めているのに足りず、ある場所ではダブついているような
話をしました。仲間づくりだけでなく、実際の経済社会に興味を抱く
ようになってもらえればと願っています。

今年度のゼミは以下のように実施されています。卒業生の見学ならび
に激励などを歓迎します。

 1年 基礎セミナー:17名  金曜1限 曙館617教室
 2年 演習(2年):17名  金曜2限 曙館617教室
 3年 経済演習(3年):14名 木曜4限 曙館406教室
 4年 経済演習(4年):20名 木曜5限 曙館406教室

春学期は例年のごとく、テーマごとに4名程度に分かれての研究です。
かつてはグループ研究と呼んでいましたが、チームに変更しました。
というのも、それぞれに愛称をつけてチームワークを円滑にすること
と、秋の名証株式投資コンテストでチーム名を使うためです。今年の
2,3年ゼミのチーム研究は、ICTによって業界はどのように変化するか
を研究します。

CCSでは同じ学年の繋がりしかできないので、縦のつながり手段として
Facebookにある児島ゼミグループ(非公開)にゼミ3年生を登録させて
います。現在、登録数は102名となりましたが、もう少し増えると思い
ます。ここから現役生に対し、発表のアドバイスやゼミ同窓会の行事
などを案内いただけると助かります。


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■編□集□後□記□
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日銀の異次元の金融緩和や消費税の8%への増税と最近は経済に関する
話題に事欠きません。物価だけでなく、給与が上昇するかが注目され
ています。フィリップス曲線が存在するならば、物価上昇にともない
失業率は低下します。これは一例ですが、大学で学んだ経済学という
視点で、現実の経済の動きを捉えてみると面白い時代になっています。
マスコミの記事の受け売りでなく、自分の頭で考えてみること、その
ためのトレーニングは一生続けるものと改めて感じるこの頃です。


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