2017年9月15日金曜日

第135号(2017.09.15)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第135号
□───────────────────2017.09.15─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.135
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


9月15日から秋学期がスタートしました。夏の間、閑だったキャンパスに学生が
戻ってきて、賑やかにました。秋の卒業式は9月22日(火)なので、順序が少し
ばかり奇妙に感じます。半期15回の授業回数を確保するためにこのような順に
なりました。


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■NGU短信 > 授業アンケート完全CCS化の段
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☆関連サイト:http://gakkai.univcoop.or.jp/pcc/2017/papers/pdf/pcc004.pdf

昨年のコジマガでは「授業アンケート全面CCS化」というタイトルで報告しま
したが、今回は「完全CCS化」です。今年度の変更によって授業アンケートは
完全にWebでの処理となりました。これまでと違う点は、従前は紙での処理が
一部残っていましたが、完全になくなったことです。

具体的には2つあります。まず、アンケートの前処理として、教員へ実施確認
を紙で行っていましたが、これをCCS上ですべて実施できるようになりました。
これまで定期試験の実施確認は同様の処理なので、変更に問題は発生しないと
判断しました。そして、もう一つは後処理です。学生へアンケート結果を提示
する際には、紙に印刷したファイルを学内に置き、開示するという方法でした。
実施した全科目を印刷するには、時間がかかるばかりか、結果資料はかなりの
厚みを持ちます。学生にとっては決して見やすい資料ではありません。そこで、
集計結果のPDFを学内で限られたパソコンから閲覧できるようにしました。Web
にすることで、自分の受講科目や検索が容易になります。学生はこれらの資料
を参考にして、今後の授業計画に役立ててもらえるようにしました。この変更
から反発を含んだいろいろなクレームが寄せられるかと思いきや、ネガティブ
な意見はほとんどありませんでした。

「紙をなくす」以外にもいろいろな工夫をしています。紙では絶対にできない
機能を考え、関係者に多彩なアンケート結果を提示する方法を実現しています。
一般に、アンケート結果の表示では全体平均との比較で判断されますが、これ
で十分に意味があるとは思いません。20名ほどの小教室でのクラスと200名で
実施する大教室の比較はどうでしょう?回答結果は少人数の方がよくなりがち
です。大教室で実施している教員はその比較に不満を持ちっています。そこで、
授業のクラスサイズごとでも比較できるインターフェイスにしました。

また「授業に出ていない学生に評価されたくない」という教員の声もあります。
そこで、CCSに格納されている出席データを元に、出席レベルに分けた平均値を
提示しています。欠席が多い学生の評価値が低いという事実を確認すると評価
をされる側は結果に納得しています。同様に、GPAについても同じような表示を
可能としました。

特に、革新的なのは「学生の回答性向」との比較です。例えば、Aという科目の
履修者30名が他の科目でどのように回答したかという平均値をとったものです。
30名の学生には、厳しく評価する者、甘い評価をつける者、などさまざまです。
ならば、30名が他の科目であるBやCといった履修科目でどのように評価をしたか
(回答性向)を点数化して、科目Aと比べます。その平均値よりスコアが上回る
ことがプラス評価で、下回った場合はマイナス評価と考えることができます。
すなわち大学全体の平均値でなく、履修者に限定したスコアなので正確に意見
が反映されます。

以上のような工夫で、教員のアンケートに対する不信感の払拭に努めました。

一方の学生側では、学生の回答画面をJavaScriptで制御し回答しやすくしたり、
自分の履修科目での全体の回答状況を見ることができるようにしました。もし
未回答の科目があると期限前にメールでアナウンスされるようにもなりました。
また、学生の回答は(自分が記入しない限り)教員に特定されないことも徹底
されました。CCSなので学生は不安になりますが、無用な不安を与えないように
しています。紙の場合に見られた自由回答での誹謗中傷もほぼなくなりました。

アンケート結果に対して教員のコメント(所感)をお願いしていますが、この
入力率が著しく向上しました。Web化でフィードバックが早くなり、回答者の
学生へアンケート結果に対して教室で口頭で伝えられます。そこでの所感を文
にして記載してもらうのですが、なかなか入力まではという状況でした。今回、
所感の入力期限を成績入力と同じ日に設定するとともに、入力のリマインドや
入力画面を分かりやすくしました。それらの効果で、回答率が著しく向上した
と思われます。

学生へはアンケート結果に続き、所感が公開されたことを自動的にアナウンス
するようにしました。また、結果の閲覧数もチェックできるようになりました
ので、どの授業への参照が一番多いかもわかります。

今後の展開で有効なのは、ダッシュボード機能です。今回から回答数の集計が
リアルタイムに表示されるようになりました。それも学部別や科目種別などと
いった分類がされています。全教員がチェックできますので、自分の所属学部
の回答率が低いと上げなければならないと努力します。実際、学部長が教員に
協力依頼を出したケースもあります。こうしたお陰で、昨年以上の実績を残す
ことに成功しました。全国的に見て、Webの授業アンケートではかなりのレベル
に達したはずです。他大学では回答の回収率が期待するほど上昇せず、困って
いる話を聞きますが、本学でそのような事態は今までのところ見られません。

何が他大学と違うのでしょうか?まず、CCSでの実施が一番の成功要因でしょう。
回答者である学生が毎日のようにログインしているので、慣れた環境から回答
できることです。他大学では、業者のサイトへ誘導し、そこで回答させるそう
です。この場合、真面目な学生はやってくれるでしょうが、面倒だと思われた
瞬間からアクセスは減少します。本学では授業の情報をCCSから入手しなければ
ならないために、自ずと目に触れる機会も多くなります。加えて、先生からの
プッシュがあれば、ほとんどの学生は回答してくれます。

前にも記載しましたが、ここまでには長い道のりでした。昨年は、少数の抵抗
勢力から罵詈雑言までいただきましたが、今回は何の問題なく稼働しています。
当時の反対主張は何だったのかと思うこともありますが、これで、ムダの縮小
と多くの実りをもたらすことができるでしょう。これでイノベーションが学内
にも普及したようであり、授業アンケートが「信頼のプロトコル」の下で運用
できるようになったと思われます。

NASAのアポロ計画で次のような言葉があります。教務での仕事も似ている点が
あり、いつも心に止めています。

Failure Is Not an Option.(失敗という選択肢はない)


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■最近のゼミから > 2017夏(春のまとめと秋の準備)の段
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☆関連サイト:http://www.kojima-seminar.net/

3年生の春学期まとめの発表会に数名の卒業生が参加してくださって、緊張感
と充実感に満たされた会となりました。続く、打ち上げの飲み会は、初めての
お店でしたが、参加者全員を見渡せるような会場をチョイスしてもらいました。
全員といろいろな話ができ、有意義な会となりました。その席でゼミ生からの
思わぬサプライズもあり、温かな気持ちになりました。

今夏のゼミOB/OG会は数年ぶりに不参加となりました。どうしても予定が合わず
残念至極です。とはいえ、卒業生が現役生らを大いに刺激してくれたようなの
で、何よりです。

秋学期の開始に合わせて、スケジュール表を作ってみました。15回分のゼミに
加え、卒業研究発表会のスケジュールを埋めています。また、年末年始の大学
休業も載せています。毎年、時間があるので「何とかなるさ」といった4年生
がいます。全体のスケジュールを見せれば、時間がないことを理解する助けに
なるかもしれません。これもひとつの「見える化」です。

夏休み中にサブゼミが2回行われました。参加者は3・4年生に課している夏休み
の宿題を進めるのが目的です。ここで、ゼミ生にサブゼミとは何か(受け身で
なく自分で進める)、どのようにサブゼミを利用するかをしっかり覚えれば、
早く進むことでしょう。さらにスケジュールに自身の週2回以上のサブゼミを
加えれば、年内に卒論が完了できる可能性は高まることでしょう。

3年生は就活に向けた準備が必要です。地元企業を知るという内容で名証株式
投資コンテストをゼミのスケジュールに入れています。毎年、しっかり取組み
企業研究にしてもらいたいものです。今年のスタートは、昨年より2週間ほど
遅く10月16日(金)からです。終了は12月8日(金)で、こちらも1週間ほど
遅くなりました。ゼミ生がどれぐらい頑張っているかはサイトでランキングが
掲示されるので、開始後にご覧ください。また、ご案内します。


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■編□集□後□記□
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今年の夏休みを振り返ると、行事満載であったように思います。1週間単位で
考えれば、無理のないスケジュールでした。学会出張や同窓会の開催、恒例の
ゴルフ合宿、調査旅行といったイベントが毎週続いて、公私ともども充実した
日々でした。とはいえ、忙しいと疲れるものです。また、時間の合間を見ては
フィットネスへ通い、衰えた体幹を鍛え直しです。体の柔軟性や体力の向上は
さまざまな場面でサポートしてくれます。卒業生でもマラソンなどのスポーツ
に打ち込んでいるようですが、仕事を順調に進めるには健全な心身は不可化な
だけに、皆にもトレーニングをお勧めします。

ただ、しっかり本を読む時間がとれなかった点は反省です。いよいよ読書の秋
が近づいてきました。頭も鍛えなければなりません。


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