2006年1月6日金曜日

第18号(2006.01.06)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第18号
□───────────────────――2006.01.06─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.018
*等幅フォントでご覧ください。

新年あけましておめでとうございます。

OB会主催の忘年会は毎年のことながら大いに盛り上がり、2005年最後
を飾るに相応しい会でありました。これを毎年、企画・運営してくれる
皆さんには本当に頭が下がります。結婚などの嬉しい報告をしてくれる
OBも次第に増え、世代の広がりを感じさせられます。

昨年は10周年のパーティもあり、そこで喋べり過ぎたために、年末には
本当に一言しか発する機会しかありませんでしたが、「今年も頑張る!
人間力アドバンス」で、昨年よりも1歩でも先に進めましょう。

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■NGU短信 > TIESと生涯教育の段
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☆関連サイト:http://www.tiesnet.jp/

 奈良にある帝塚山大学では、最先端の教育支援システムがあります。
教育支援システムは、一般にLMS( Learning Management System )と
呼ばれています。帝塚山のシステムはTIES(タイズ)といい、業者が作
ったシステムではなく、現場の声を反映した仕様になっています。教育
現場のユーザーにとって利用しやすいインターフェイスになっています。
本学のCCSにもLMS関連機能がありますが、事務システムと統合されてい
ますので、区別した方が良いかもしれません。

今学期の授業ではTIESの機能を試みています。名古屋学院大学のCCSには
未搭載のLive録画機能を利用しています。パソコン用CCDカメラとマイク
があれば、授業をインターネット経由で収録することができます。簡単
な編集後、ビデオサーバーで配信する機能を活用しています。

今学期「情報経済論」「パソコン統計」の2科目で授業の収録しています。
講義の準備は事前にファイルのアップ、そしてPC・プロジェクター設置・
帝塚山大学との交信確認などが必要なので、教室へは朝一番乗りです。
最初は戸惑うことも多かったのですが、最近はようやく慣れてきました。
しかし、授業に対する緊張感はひとしおです。録画による緊張感で2倍の
疲労感は、やはり他大学に見られているという意識が大きいのでしょう。

録画した授業は帝塚山大学の教材開発室の学生アルバイトさん達が、その
日のうちにインデックスを付けてくれます。翌日には、復習用教材として
利用できるのは画期的です。ただ、自分の授業を確認する作業は一番辛い
ものがあります。(なんという下手な授業・・・と落ち込みます)しかし
これにより良い授業を心がけるようになり、最近は誰に見られても構わな
いと開き直ってきました。ですからTIESに参加している33大学の学生は、
私の授業を受けることができます。

最近は本学でも「授業評価アンケート」を実施しています。この回答分布
をみるとTIESの効果が表れています。まず、「教員の声」という項目が上
昇しました。これは録画のため滑舌を意識しているからでしょう。「取り
組む姿勢」の項目でも上昇したのは、これまで以上の準備・実施が必要で
それが表れているのではと思いました。

このような対面教育とe-Learningというブレンデッド・ラーニングを試論
していますが、この可能性は計り知れません。大学の授業配信だけでなく
産官学連携・高大連携授業など大学コンテンツをオープンにして、大学を
孤立させないツールとして活用できるからです。コジマガ15号「世の中は
広い」の段で紹介した内容は、このような取組みやそれらに関わっている
人達の頑張りに大きな刺激を受けたことによります。

私もアイディアが沸々と湧いています。TIESの機能にライブ会議があり、
受講許可を得れば、誰でも指定時間にライブ会議に入室できます。鋭い人
はここでお気づきだろうと思いますが、ネットでOBを交えたサブゼミを
試論したいと考えています。サブゼミとはゼミ時間以外様々な話題を皆で
議論し、ブレーンストーミングをする勉強会です。先秋のホームカミング
でも業界の話題など大変役立つ話を聞くことができました。その場限りの
話ではもったいないという感じてましたので、これを広げるツールとして
簡単に提供できるTIESを視野に入れています。

日本の国家情報戦略であるe-Japan戦略の目標であった2005年も過ぎ、本格
的なブロードバンド時代も目前です。コンテンツの少なさは否めませんが、
なければ創るというのが、私の主義です。ですから、ゼミのコンテンツも
相当数蓄積されていますが、これに手を加え活用範囲を広げようと思います。
また、従来の対面教育に加えて、現役学生だけでなくOB達とこのような
コラボレショーンが、新たな創発をするのではないかと期待するばかりです。


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■最近のゼミから
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☆関連サイト:http://www.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/

 卒業研究発表会が12月に行われました。今年は発表者3名全員が入賞
するという快挙で閉幕しました。これらは第3者がまちまちに評価する
ので、ばらつきが大きく客観的であるとは言えません。しかし、最も
はっきりしているのは自分がどれだけ頑張ったかということです。結果は
どうであれ、自分が頑張った事実は曲げられません。これは「自信」に
つながり、今後遭遇するであろう困難を乗り越える力となることでしょう。
卒業論文を仕上げる意味は、まさにこの一言に尽きます。

今年度、ゼミ旅行を以下のように実施しました。

1月4日(水)
・田縣神社
・犬山温泉 犬山館・・・勉強
1月5日(木)
・アサヒビール工場

昨年度のパターンとほぼ同じですが、しっかり勉強ができました。また、
ゼミ旅行のあり方もここ数年さまざまです。以前の「卒論頑張ろう合宿」
と「ゼミ旅行」の合体という状況です。さらに「卒業旅行」「社会見学」
の要素も入っています。就職活動の早期化やゼミ制度の変化、意識レベル
によって対応しなければなりませんが、基本的にこのような行事こそ、
経験値が向上し、後々のいい思い出になるのでしょう。


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■ 本の紹介
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☆関連サイト:http://www.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/booklist.html

『功名が辻』全4巻,司馬遼太郎,
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山内一豊とその妻、伊右衛門と千代の出世物語。NHKの大河ドラマとして
久々に期待させる作品です。(NHKも不祥事の結果、不払い問題が顕在化し、
それ故に、視聴率や大衆に媚を売るような作品を出すのではく、公共放送
としてしっかりとした芸術性の高い作品を作るべきでしょう。若手の芸人
は民放に任せておくべきでしょう。)一寸先は闇の戦国時代、誰について
ゆけばよいのか分からないという状況は、現代の競争社会と似ています。
大手企業でも業績不振になったり、公務員のリストラが始まるなどかつて
ないほど不透明な時代です。

信長・秀吉・家康という勝組みに直接仕えた武将はほとんどいないことを
考えてもいかに状況が見えているか、そして強運であるかということを
示唆しています。とはいえ、うまく立ち回ったのではありません。凡才で
あるがゆえ愚鈍なほど実直にあったが故の結末に、私のような凡人でも
憧れだけでなく共感・安心感を覚えます。

しかし、夫婦の夢を成就した1国の大名となった後、物語の最後の展開は、
「えっ?」という感じがするのも、楽しんでください。(ドラマではどの
ように脚色するかが、脚本家の腕の見せどころです。)

久しぶりに司馬作品を読みましたが、やはり読みやすいことこの上なし
ですね。あまり本を読むことのない諸兄に特にお勧めです。『竜馬がゆく』
『坂の上の雲』など大学時代に読みましたが、ドラマを見ているような感じ
がするのはテンポある書き方にあります。その現場にいたの?と言いたく
なるような独特で臨場感を醸し出す表現も秀逸です。


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■編□集□後□記□
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昨年は「電車男」「アキバ」「ブログ」などネット関連が話題の一年で
した。コンテンツが重要であることはここからもわかると思います。
ITからICT、すなわちコミュニケーション技術がいっそう重要になってきて
います。「コミュニケーション力」は学生が最も就職時に必要とされる力
ですが、本学の現役学生には、これが最も欠如していることが心配でなり
ません。これまでのようにゼミでは、これを徹底したいと思います。

本年もゼミおよびサイトともども、宜しくお願いします。