□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@ 第79号
□───────────────────――2011.07.15─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.079
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
ネットの情報では、東海地方は例年よりも早い梅雨明け宣言がされたそうです。
本格的な夏の訪れは開放的な気持ちにさせるものですが、今年は原発のドミノ
停止によって、日本全国が深刻な電力不足にさらされているようです。衷心、
暑中お見舞い申し上げます。暑さ厳しき折、くれぐれも無理はせず、熱中症に
ご留意いただきお過ごしください。
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■アメリカ短信 > 独立記念日と花火の段
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☆関連サイト:
7月4日はアメリカの独立記念日で祝日です。今年は月曜日なので土曜日から
3連休でした。連休前後に何人かのスタッフの姿を見かけなかったので、この
期間を利用して長期休暇をとっていたようです。また、あちこちでイベントが
行われており、これに合わせたパーティーに招待されました。
ホームパーティでは、自宅のガレージ前に大きなバーベキューグリルを用意し、
男性諸氏が食材を焼いています(やはりBBQはアメリカン・ダディの仕事です)。
独立記念日にはホットドックがつきものだそうで、BBQではアメリカンサイズの
肉塊に加えて、ホットドックのソーセージやハンバーガー用のハンバーガーを
火にかけます。ちょっと変わった光景と感じましたが、日本人がBBQで焼きそば
や焼きおにぎりを作るのは、外国人にとってはかなり異様だと思いました。
食材を焼き終わると家の中へ持ち込んでのパーティです。どのホームパーティ
も同じスタイルで、プールサイドに食べ物や飲み物を並べて、皆が思い思いに
楽しんでいます。どの食材もアメリカンサイズで、普段はこのようなサイズは
食べないようにしていますが、この日ばかりは遠慮なく頂きます。
さて、独立記念日には花火がつきものです。外が暗くなってからのスタートで
すから午後9時30分です。サマータイムなので、夜8時半を過ぎないと陽は落ち
ません。イベントのメイン会場はモールの北側にある湖に設置され、夕方から
コンサートなどで盛り上がっているようです。10万人の見物客が集まる大規模
なイベントなので、モールがある大通りまで出ると車で大混雑です。そこで、
大通りの手前にあるパーキングから見物することになりました。開始30分前に
なると、ここにも多くの人が集まってきました。
夜空を見上げるとセスナが飛んでいるので、てっきり上空からの花火見物だと
思ってました。しかし、機体の下には電光掲示板が取り付けられており、何と
広告です。ビーチではバナーをつけたセスナ機の旋回は何度か見たことがあり
ましたが、さすがにこれには驚きです。(広告効果は十分なのでしょうか?)
いよいよ花火が始まりました。多くの人が集まるだけあり、なかなかの豪華さ
です。規模は日本の花火大会とほぼ同じですが、近くの数カ所でも花火が打ち
上がっていることにもビックリします。日本ならば、〇〇〇花火大会といえば
メイン会場だけの花火であって、近場で同時に花火を上げることはありません。
また、オーランドのダウンタウンであるレイクエオラで大きな花火大会が開催
されていました。ちょうど帰り道なので、ダウンタウン脇を走る高速道路から
は花火がよく見えます。まっすぐ上に伸びる高層ビルと円や曲線を描く花火の
コンストラストがとても見事です。驚いたのは、高速道路の脇に停車して見物
している車が多いことです。明らかに危険であるにもかかわらず(きっと日本
ならば、事前に警察による規制がされることでしょう)、平気で見物している
姿にアメリカらしさを感じました。
ダウンタウンを抜けると、自宅まで真西に向かい一直線にExpress Wayを走り
ます。約10分超ほどの道のりですが、道路の両サイドにいくつもの花火を見る
ことができます。コミュニティ毎に独立記念日をお祝いしていることが、よく
分かります。これはニューイヤーズ・イブと同じ光景です。そして、夜11時過
ぎにアパートメントに戻った後、NYで行われているMacy'sのFireworksをTVで
観ました。一体何発の花火が使われているのかと思うほどの豪華さです。
花火によって国民が独立記念日を祝っているという雰囲気を直に味わうことが
できました。日本でもこのように派手なイベントでお祝いする休日があっても
良いような気がします。
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■UCFから
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☆関連サイト:http://cdl.ucf.edu/
UCFで所属している組織がCDLで、Center for Distributed Learningの略です。
日本語の文献をチェックしたところ、これを「分散学習センター」と訳して
ありました。しかし、この訳語にちょっとした違和感を覚えます。
Distributed Learningがどのように訳されるかを調べると必ず出てくるのが
ADLです。これはAdvanced Distributed Learningの略でアメリカの国防総省
に属する組織です。ここではeラーニング規格の標準化であるSCROMを進めて
いるそうです。たしかに軍の基地では、オンラインでの教育が進んでいます。
多様な背景を持った人が入隊するので、各人に適した教育プログラムを用意
する必要があります。また、常に研修も必要となりますが、軍隊任務もあり
教育研修ばかりに集中するわけにもいきません。学校のようにクラスを編成
して、一堂に介した授業が定期的に実施できる保証はありません。
すると教育プログラムを効果的に、かつ効率的に提供する仕組みが必要です。
独習でも可能な教材の開発、オンラインでの授業やディスカッションという
運用形態も求められます。教育学や軍事的なプログラムに疎いので、正確な
知識は持ち合わせていませんが、こうした中で使われるようになった用語が
Distributed Learningではないだろうかと推測します。なお、その反対語は
Massed Learningで、訳語は「集合教育」でなく「集中学習」だそうです。
しかし、UCFにおけるCDLの活動を間近で見ていると「分散」という用語では
当てはまりが悪いような気がしてなりません。というのも、英語辞書を見る
とDistributedには「分配された」というの意味はありますが、「分散」に
近い意味は見当たらないからです。さらに、英語の辞書の用例を見てみると
「be distributed on the Internet」は「インターネットを通じて配信され
る」という訳が掲載されています。
CDLが携わっている主な事業は、集合教育で利用されるコンテンツをうまく
チャンクダウンし、個々のエレメントをブラッシュアップしています。また、
それぞれの部品を利用者(インストラクター)が使いやすく、受講者の理解
が深まるように配信するという業務を担っています。すなわち、授業に対し
インストラクショナル・デザイナーがWebでも運用できるように精査をして、
イラストレーター、Webデザイナー、プログラマー、写真家らが学習者の興味
を惹きつけるようなコンテンツへと磨きあげているのです。これらはWebを
中心に配信されますが、対面教育でも利用されるので、必ずしも「分散学習」
という感じではありません。
その他にも関連用語として、Distance Learning(遠隔教育)もありますが、
これも含んでいるのがDistributed Learningであるように思います。コース
化された学習コンテンツをネットなどを通じて教育者や学習者へ届けるのが
使命であるだけに、Distributed Learningの訳は「教育配信」、そしてCDLは
「教育配信センター」とするのが実態に合っているように思います。
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■編□集□後□記□
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先日、NGUの学長ブログが開設されました。NGU公式サイトからアクセスでき
ます。学長は経済学部所属ですので、在学時に学長の授業を受けた人も多い
と思います。一度、チェックして下さい。多忙にもかかわらず、トップ自ら
が直接、自分の言葉で伝えようする姿勢には頭が下がります。何より心理的
な距離が縮まります。