□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@ 第81号
□───────────────────――2011.08.09─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.081
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
日本ではお盆が近づき、夏の甲子園大会も盛り上がる頃です。世界に目を
向ければ、欧米の財政不安の連鎖によって、株安と史上空前の円高水準に
なっています。日本の財政状況もそれ以上に悪いにもかかわらず、日本が
買われることに首を傾げているこの頃です。
すでに帰りの航空券も手配し、帰国へのカウントダウンとなってきました。
とはいえ、未だ抱えているタスクもあって、最後までバタバタしそうです。
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■アメリカ短信 > facebookの段
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☆関連サイト:http://www.facebook.com/
前回はTwitterに関する話でしたので、今回はfacebook(FB)を取り上げます。
「大学生の『ソーシャル・ネットワーキング・サービス』に関する意識調査」
によれば、国際基督教大学(ICU)が学生比率では一番利用が多いそうです。
また、アメリカ留学から帰国した学生のほとんどがFBを使っています。外国人
とのつながりができると当然、FBがマストアイテムになるだけにアンケートの
結果にはうなずけます。たしかに、アメリカではコミュニケーションツールと
して皆が使っています。大学生は無論のこと、12歳の少年に尋ねてもYESです。
UCFのスタッフも年齢を問わず、個人的写真などのシェアに利用しているよう
です。このようにアメリカではFBが完全に社会に溶け込んでいます。
思い返せば、初めてFBの名前を聞いたのは、UCFの副学長らが来日し、東京
での講演会(2008年8月)でした。「学生達は皆、喜んでアクセスしている」
という話でしたので、どんなツールかと早速、調べて登録したことを覚えて
います。当時、日本ではmixiが大流行中だったので、きっとそのようなもの
だろうと思っていました。しかし、基本的に情報はオープンであって、実名
登録など運用の根本的発想が全く異なります。当時、使い方がよく分からず
(今も同じです)、放ったらかしの状態でした。たまにFBの友達リクエスト
をもらいましたが、コンピュータにかなり強い知り合いか海外に友人がいる
ような人からでした。また、日本語よりも英語が公用語であって、参入には
敷居が高い感があったのも覚えています。
2011年に日本での映画「ソーシャル・ネットワーク」の封切りを契機として
FBが多くのビジネス誌に取り上げられました。その影響でしょうか、年明け
頃から友達リクエストが増えてきました。様子見ユーザなので、基本的には
こちらから友達リクエストをしません。にもかからわらず、現在まで友達は
50名を超えており、ビックリしています。これも知己がFB内で同級生を探す
活動をしてくれたことが影響してるのでしょう。
そこで、自分でも検索をかけてみると知り合いの名前がぞくぞくと現れます。
流行とはいえ、2年前の結果とは格段の差です。日本ではハンドルネームが
好まれるので、実名でのSNS活動は難しいのではないかと予想していました。
日経の記事によれば、今年1月からの半年で200万人が加入したそうですが、
これだけの人たちが実名で登録するとは全く驚きです。
また、検索から全く無関係と思われる知り合い同士が友人であることを発見
しました。リアルな世界でも稀にそのようなケースに遭遇しますが、今回は
本人達に確認しなくてもネットだけでわかるところが極めて妙な感覚です。
ネットワーク理論では6次の隔たりで、世界中の人々と繋がっているといい
ます。いわゆる「友達の友達」を6回続ければ、全世界の人と繋がることを
意味しています。その指標に「ベーコン指数」があり、これは俳優ケビン・
ベーコンへは何人を経由すれば到着するかというものです。日本国内に限定
すれば、4次の隔たりで日本在住者全員をカバーできるかも知れません。
FBの最近の動向として、佐賀県武雄市が公式サイトをFBへ移行したニュース
(http://t.co/PMOTC3A )があります。行政機関がソーシャル的なツールを
積極的に使い、市民の中へ飛び込んでゆく姿勢は個人的に高く評価をします。
ICUや九州大学はFBに公式ページを持っていますが、これも先進的な取組では
ないかと考えます。公式サイトだけで情報発信するだけでなく、より多くの
人が集まっている場に出かけ、情報を共有してもらえるような努力が見られ
るからです。
だたし、ここでもメディア・リテラシーを巡る不安はあります。SNSを利用
する場合は、それなりの思慮深さが求められます。以下は、それに関連した
お話です。ある知り合いからFBの友達リクエストをもらいました。今、これ
を承認するかどうか迷っているところです。というのも、学生時代にかなり
軽率な振る舞いで周囲を混乱させていた過去が承認をためらわせる一因です。
そこで、現在、どんな人が友達なのかかをチェックしてみました。かなりの
友達の数ですが、残念ながら共通の知り合いは見当たりません。一方、TVで
見かける有名政治家などがずらっと並んでおり(もちろん、そんな繋がりは
ないはずですので)、案の定という思いです。
実名登録のFBだけにそこに掲載される内容は、等身大でなければならないと
思います。過去の行動から現在に至るすべてから値踏みされています。また
SNSの利用者増にともなってスパムも増えているだけに、行動は慎重になら
ざるを得なくなります。経済取引では相手の信用が重要ですし、人間関係は
信用・信頼が基盤になっています。警戒心と信用は裏腹なものだけに、自分
としては信用される人物でありたいと願っています。
今、ビジネスSNSとしてアメリカではLinkedIn(リンクトイン)が流行して
います。これを使えば、必要とする人物を容易に探せるだけでなく、自分の
キャリアをPRする場にもなります。このような場において、自分の虚像では
通用しないと思います。LinkedInが日本語対応を準備しており、いずれ日本
の中にもビジネスにSNSが接近してきます。新しいツールを有効に活用する
ためにも、ユーザーひとり一人のメディア・リテラシーが問われます。
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■UCFから > Google+の段
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☆関連サイト:http://plus.google.com/
先日、UCFのスタッフとSNSの話題になった折、FBとGoogle+の熾烈なバトルの
現状について教えてもらいました。アメリカのSNS市場では、F→Gへの移行が
増えているそうです。Fでのデータが一括でごっそりGへ持って行かれるのに、
さすがにFも黙ってみているわけにいかずいろいろと策を講じているそうです。
また、あわせてGoogle+に招待してもらいました。これまで、記事でしか見た
ことのなかったGoogle+なだけに、これでいよいよ使えると思い、喜び勇んで
ログインしました。日本語対応もできているので、不便さも感じないだろう
と期待が高まります。しかし、使い始めてはたと気づいたのが、これはSNSだ
ということです。知り合いのユーザと連携しなければ、このサービスは全く
機能しません。さらに利用法を参考にしようとしても、アクティブユーザが
いない状況では何ともなりません。
先日、大学生が使うSNSはmixiが多数であるというデータが発表されました。
日本では、mixiをfacebookとGoogle+が追う展開になりそうですが、どこまで
オープンなSNSへとシフトするのかが見ものです。
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■編□集□後□記□
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FBではゼミOBから友達リクエストに応じます。FBは友達という括りが大きく、
どんな関係であろうと友達です。自分は古い人間なのか「先生が友達?」と
いうことに違和感を覚えます。その点、Google+ではサークルという概念を
使っているので、スッキリしています。しかし、毎春卒業式で話すことです
が、もはや同じ社会人としてライバルでもあるわけですから、SNSでの情報
交換は望むところです。お互いメディア・リテラシーを高めながら、生産的
な活動ができれば幸いです。
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