2012年7月1日日曜日

第92号(2012.07.01)


□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第92号
□───────────────────2012.07.01─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.092
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


今年度の授業で、新たな体験としては留学生別科「日本の経済」です。
現在の受講生の内訳はアメリカ人が5名と台湾人3名です。基本は簡単な
日本語を使って「日本経済入門」の内容を扱っています。講義上の困難
は、言葉だけでなく、日本に関する基本知識が十分ではないということ
です。日本人には当然の経済システムでも、外国人にとっては驚くこと
も少なくありません。一年前に自分がアメリカで体験していたことの逆
パターンです。


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■NGU短信 > 『経済学部生のための基礎知識300題』Ver.2の段
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☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/economic300/index.html

コジマガ第51号で紹介した冊子『経済学部生のための基礎知識300題』
を今春、バージョンアップしました。すでに多くの関係者へ配付済み
です。まず、新入生にはプレースメントテスト(入学前に行う能力別
クラス分け試験)終了時に渡しました。2年生はゼミの時間に各教室で
配付しました。また、経済学部教育の成果を知ってもらうために学内
全教員と関連部署へ配るとともに、全国の大学722校へも送付しました。
これは文部科学省の教育GPによる成果の一部でもあることから、この
ように広く知らせる必要があります。

更新事項は、旧版での誤字・脱字の修正をした上で、解説を充実させ
ました。3年間に変化があったデータをすべて更新し、新たにグラフ
や表を追加しました。また、経済学部生が知っておくべき内容を数名
の教員で見直し、300題の入替(特に、ミクロ経済学・マクロ経済学)
を実施しました。

新版へのアップグレードは、冊子内容の更新だけにとどまりません。
ネット時代にふさわしい多彩なサービスを提供しています。初めに、
コジマガ第83号でも紹介したように電子書籍への対応し、これを作成
しました。そして、6月上旬に電子書籍を全1年生のノートパソコンへ
インストールしました。

上記リンク先である専用サイトを一新しました。新サイトでは、最新
のデータへのアップデートや教材の配信サービスを用意しています。
具体的には、書籍内容に関する正誤情報のお知らせや新版のPDF配信
を提供しています。そして一番の特徴は、サイトから主要経済データ
のダウンロードを可能にしたことです。5つの主要経済データ(日経
平均株価・為替レート・完全失業率・消費者物価指数・政策金利)を
1970年から月次データでまとめて、CSV形式のデータ系列にしました。
これらのデータは日銀や総務省などから発表・公開されていますが、
形式やサイトもバラバラです。学習教材として利用するには、教員が
事前に準備しておかなければならず、セメスターごとの授業で整理し
直さなくてはなりません。

これらの主要データから描かれるグラフは、マクロ経済学はじめ国際
経済学・金融論・労働経済学・日本経済論などで必ず扱います。高校
の政治経済の教科書や資料集でも見られます。そこで、学習用マクロ
経済データのダウンロードサービスをサイト内に新設しました。本学
では、経済学部の全1年生を対象とする授業で、5つのデータを処理
する授業を展開します。秋学期に開講される「データ表現技法」では
Excelを使って、主要経済データをグラフ化します。データに関する
内容を補足するために、冊子や電子書籍を活用する予定です。また、
専門科目で、こうした実習内容を意識しながら講義を進めれば、より
効率的な経済学学習につながるのではと期待しています。

昔に比べるとITの利用環境は改善されました。しかし、それらを授業
で十分に使いこなせているかというと、かなり疑問が残ります。その
原因のひとつとして、簡単に使える汎用性の高い教材が少ないことが
あったように思います。本学では全員にノートパソコンが配布されて
いますし、CCSという教育インフラも整備されています。実習と授業
の結びつきを強めることも難しことではありません。さらに、サイト
はオープンですから、どの教育機関でも学習教材として活用してもら
えるようにしています。

併せて、今後の展開も視野に入れています。教育GPの関連事業として
旧版の解説ビデオクリップ(300本)を作成しました。コア6の事業で
も多くのビデオを作成してきました。今後は、新版で追加された内容
を動画にすることで、新版の解説ビデオ集を計画中です。クリップを
活用・公開するかは思案中です。ひとつのアイディアとして、次回の
電子書籍でビデオ付き教材としてまとめたり、ビデオクイズやスマホ
で学習といったスタイルも考えられます。

以上のように、本学経済学部は、従来の紙冊子や対面式の授業・演習
に加え、パソコンや携帯電話からでも学習できるクロスメディア教材
を志向してきました。また、電子書籍やスマートフォン・タブレット
など新たな機器への対応も視野に入れています。しかし、最新技術や
話題先行に突っ走るだけでなく、学生が「経済学的な考え方」の基本
を身につけることができるようなICTでの学習環境を目指しています。


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■最近のゼミから > ゼミ新歓コンパの段
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☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/rublic.pdf

5月末に3年ぶりのゼミ新歓コンパが開催されました。この宴席に5名の
OBが参加してくれたので、大変助かりました。酒宴の目的はもちろん
懇親ですが、私の目的はゼミ生たちがこのような貴重な機会をいかに
活用できるかをチェックすることです。あまり知らない人と話すには
お酒を注ぐことがきっかけになります。日本社会では上下関係や宴席
での常識・作法がありますので、社会人予備軍としての彼らが最低限
できているかどうかは、気になるところです。

やはり社会人がいると多様性が高まるので、場の雰囲気が引き締まり
ます。先輩たちに挨拶をして話を聞ける学生と、そうでない学生には
大きな差を感じます。いわゆるコミュニケーション能力の差でしょう。
卒業までに社会から求められる能力を養成するには、少しばかり時間
が足りません。それ故、このような機会と振り返りからトレーニング
をする必要性を痛感しました。

ゼミ生の行動を見ていると、気心が知れている仲間で集まって、自分
たちの世界だけに閉じこもっています。たしかに、その方が居心地は
よいのでしょう。しかし、自分たちを歓迎してくれる会なので、当然
先輩たちにはしっかり挨拶するべきでしょう。さらにゼミの課外活動
なので、少しでも社会人基礎力を高めるように努めなくてなりません。

コンパの翌週、ゼミ時間で新歓コンパの反省を行いました。歓迎会を
開催してくれた人たちへお礼や挨拶をしたかどうかを問いかけ、自分
たちの至らなさを理解してもらいました。次回のゼミ活動では今回の
反省を生かし、皆で頑張ってくれることを期待しています。ちなみに
7月19日(木)にゼミ合宿を企画中です。

続いて、これまでのゼミの反省として、ルーブリックによる個別面談
を行いました。ゼミ活動を通じて、どこまでできるようになったかを
項目ごとにチェックするものです。もちろん、項目の一部に宴席での
振る舞いも入っています。まだ十分というレベルに到達していません
が、チェックをすることから全員が自分の進歩に気づいてるようです。

7月になって新学期も3ヶ月を経過しました。スマホを持っているゼミ
生がクラウド系ツールを知らないのに驚き、経済学の基礎である乗数
理論がわからないのに愕然したこともありました。その他、心許ない
ことばかりでしたが、それだけに伸びしろも多いということでしょう。
真面目に取り組んでいるので、しばし暖かく見守ることにしましょう。


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■編□集□後□記□
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☆関連サイト:http://www.nagoya-stock-exchange.com/

先週末の6月29日(金)から名古屋証券取引所が主催する「第3回株式
投資コンテスト」がスタートしました。今回のイベントには、名古屋
学院大学として参加することになりました。この準備のため、かなり
アタフタしましたが、幸い多くのメディアにも取り上げられました。
これで積極的な学生参加が増えることも期待されます。

さて、OB・OGの皆さんも、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
大学が参加する詳細については、次号で報告します。
どうそお楽しみに。



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