2014年7月7日月曜日

第107号(2014.07.07)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第107号
□───────────────────2014.07.07─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.107
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


あっという間に今年も半分が終わり、梅雨模様の七夕です。服装は
クールビズが推奨されており、3.11以降、省エネルギーへの意識が
さらに高まり、超クールビズが進みました。学生ならば自由な服装
でよいのでしょうが、社会人はそうはいきません。

クールビズには出遅れ感があり、ワードローブが不十分で、今でも
苦手です。30代までなら若さがカバーするので、どんな服を着ても
それなりに映えます。しかし、歳を重ねるとルーズな服装はまさに
くたびれ感が際立つだけに気配りが必要です。特に、首周りには要
注意です。なので、暑さも構わずネクタイに頼ってしまいがちです。

消費を牽引するには、暑い夏が一番です。また、日頃から頑張って
いる自分へのご褒美として、夏対策商品の購入やレジャーでの奮発
をお勧めします。


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■NGU短信 > 新学部新学科増設の段
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/juken/index.html

4月から新しい職務に就任し、3ヶ月が経過してようやく仕事の全貌が
見えてきました。昔から「3日、3週間、3ヶ月、3年」というように、
環境が変わると時間とともに周りの状況が飲み込めてくるものです。
この言葉は卒業時にゼミ生へする話のネタのひとつです。3年すれば
キャリアになるので、「とりあえず3年ぐらいは頑張ってみなさい」と
伝えたい時に使っています。

今回、与えられたミッションの中で何より重要なのは、次年度の円滑な
授業運営です。すでに大学の広報誌「コスモラマ」や広告にも出ている
のでご存じの方も多いと思いますが、来年度には大学に2つの学部と1つ
の学科が誕生します。名古屋キャンパスには、総合政策学科を元に創設
する「現代社会学部」と外国語学部の2学科を元に「国際文化学部」が
設立します。そして、瀬戸キャンパスにあるスポーツ健康学部に「こども
スポーツ教育学科」が新設される予定です。

計画通りに進めば、来春には名古屋キャンパスが6学部8学科へ、瀬戸の
キャンパスは2学部3学科となります。大学50周年の目玉事業で、学部増
により多彩な人材を輩出でき、名古屋地区における大学の存在感や魅力
もアップするでしょう。既存の学部の学生も刺激を受けて、切磋琢磨に
よって、より多くの学修成果を積んでくれることが期待されます。

増設後に重要となるのは、まず支障なく授業を運営することです。昨年
とは前提条件が異なっているので、従来通りという訳にはいきません。
授業運営を効率化するだけでなく、時にはゼロベースで考える必要さえ
あります。これはビジネスの世界でも同じです。限りある学内の資源を
最大限に活かして、効果の高い教育が展開できる環境を整備することが
今回の仕事です。

これに関連する話題として、フロリダでお世話になった先生のお話です。
大学にとって意識しなければならないお客は誰であるか?という問いに、
日本の大学関係者は決まって「学生」と答えるそうです。それに対して、
アメリカでは「学生を雇用してくれる企業」との返答ばかりだそうです。
アメリカの大学生はキャリアアップを目指し、貴重な時間と多くの費用
を自分に投資して大学で学びます。当然、投資のリターンとして給与が
高く将来性のある就職先を求めます。そして、学生の願いが叶いやすい
大学が選ばれるだけに、名声を高めたい大学としては企業が求める人材
の育成に力を入れます。

入学した学生に教育課程でいかに力を付けさせることができるか、また
企業が喜んで採用するような学生を育成できるかが重要です。企業なら、
自社の製品やサービスの付加価値を高め、より高額で買ってもらう狙い
と同じです。大学の研究や教育に対して、上述のような考え方ばかりが
支配的になる風潮には懸念する側面もあります。しかし、グローバル化
が進行する世界で、有用な人材を日本から輩出するには重要な視点です。

フロリダの大学では、毎年、企業がどのような人材を必要としているか、
また、学生にどのような能力を求めているかをヒアリング調査するそう
です。それを元に、常に学部のカリキュラムを見直し、教育方法も変更
するそうです。当然、学生の就職率や満足度にも直結します。まるで、
専門学校のようですが、これは実際にアメリカの州立大学で行われてい
ることなのです。

本学の教育プログラムにはかなり特徴があり、優れた取り組みも少なく
ありません。近隣の他大学と比べても、学生の潜在能力を引き出す教育
プログラムは充実しています。教職員の新陳代謝が進み、今後、さらに
これらが強化されるはずです。うまく組織化して効果的に実施すれば、
大きな成果が得られると期待されます。それには、アメリカ的な方式が
必要かもしれません。例えば、データ指標による現状分析や業務改善が
求めれるでしょう。これからは、成果の「可視化」がキーワードです。


────────────────≪  books ≫─
■ 本の紹介
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☆関連サイト:http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/112578.html

『国家はなぜ衰退するのか』,D.アセモグル,J.ロビンソン,早川書房

なかなか紹介できずじまいでしたが、春休みに読んで面白かったKindle
本を紹介します。今回の本は2分冊なので読了するには、少しばかり時間
がかかります。

書き出しは、アメリカとメキシコの国境隣接地の経済格差を事例にして、
国家体制によっていかに格差が生じるのかという問題提起から始まります。
この本にはいくつもの事例が出ているので、全部を理解するのは困難です。
ですから興味ある箇所を読んでいくのもよいでしょう。

自分にとって、最も印象的な部分はスペインの南米侵略です。マヤ文明や
アステカ文明など先住民族から卑劣で残虐極まりない手段で強奪した話は
読んでいて気分が悪くなるほどです。高校時代に世界史で習ったコルテス
やピサロの話は、表面的になぞっただけのような気がします。一方、南米
に比べて、当時のアメリカには奪うほど価値ある財宝がないためスペイン
は重視していませんでした。

土地は未開拓のままで、奴隷となりうる労働力はインディアンだけなので
侵略者としては魅力的ではありません。もちろん、フロリダ州はスペイン
やイギリスの支配を受けましたが、政治経済の中心になりえませんでした。
自分も1年間フロリダに暮らた経験から、そのあたりの事情がよくわかり
ました。

その後、イギリスの産業革命に至るストーリーも興味深く書かれています。
そして、なぜ民主的な政治経済体制が経済発展するのかについて、過去の
いくつもの国の例を引き合いに説明しています。民主的な国家、内戦状態
である国家、破綻した国家などにも触れています。

また、日本では明治維新の例も出ています。幕末の封建制度から近代化へ
を短期間に成し遂げた日本が、奇跡的な事例であったかをあらためて理解
させてくれます。


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■最近のゼミから > 春学期のまとめの段
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☆関連サイト:

5月8日(木)に開催された3年ゼミの新歓コンパには、昨年度の卒業生2名
が参加してくれました。年齢が近い社会人の視点から現役ゼミ生に向けた
アドバイスはありがたい限りです。今の学生にはSNSやLINEでの繋がりが
ありますが、やはり飲み会で実際のコミュニケーション機会は重要です。
単なる仲良しグループでなく、先輩や社会人を交えての空間をどのように
過ごすかは、今後のトレーニングとして重要です。そこでの気配りや立ち
振舞いを振り返ることで社会人基礎力も付くことでしょう。

さて、すでにFBから案内されているように7月17日(木)に3年生の発表会
が行われます。今年も春学期のまとめを15時過ぎから名古屋キャンパスの
曙503教室で実施しますので、お時間があれば、是非、見学下さい。今回の
発表会は1年や2年のゼミへも案内をしており、広く公開します。先輩から
の叱咤激励を与えてもらえると助かります。発表会後、18時から金山周辺
で春学期の打ち上げや反省会を兼ねた飲み会が予定されています。卒業生
の皆さんもご参加下さい。

今学期のゼミは、翌週の7月24日が最終の15回目です。今年度から授業回数
はきちんと15回を実施することになりました。定期試験はそれ以降に行わ
るので、15年程前に比べると3週間あまり長くなっていると思います。今が
厳しいというよりも、昔がルーズであったという方が適切でしょう。最後
のゼミでは、自己評価とルーブリックでの振り返り、夏休みの宿題を提示
する予定です。

このように春学期の予定は一昔前とは少しばかり異なっていますが、学生
やその活動、ゼミの雰囲気など一度ご覧頂きたいと思います。


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■編□集□後□記□
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卒業生がネットで新しいチャレンジをしています。自分の仕事があるにも
かかわらず、その情熱に敬意を覚えます。それだけに、将来の人材である
ゼミ生をしっかり鍛えなければなりません。同時によいコンテンツも提供
したいと考えています。このコジマガもその一助になればと思います。

いつか、連載したコジマガ全部をしみじみと読み返す日が来るはずなので、
それを楽しみに書き綴っていきます。読者の皆さんにもう飽きたと思われ
ないよう、新しい話題を提供してゆくつもりです。

第107号は07月07日、七夕に発行しました。


■コジマガ・バックナンバー
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