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■□□> コジマガ kojimag@ 第122号
□───────────────────2015.12.31─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.122
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
昨晩30日には恒例のゼミOB/OGによる忘年会が開催されました。久しぶり忘年会に
参加という卒業生もいて、懐かしい限りでした。ここで朗報をいくつも聞くこと
ができ、よい一年の締めくくりであったと思います。皆さんにとって、2015年は
いかがだったでしょうか?2016年が素晴らしい年でありますよう祈念しています。
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■NGU短信 > CCSでの授業アンケートの段
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☆関連サイト:
毎学期、学生による授業アンケートが行われます。すでに15年以上前から実施
されているので、授業中にマークシートで回答した人も少なくないと思います。
かつては、授業評価アンケートと呼ばれていました。文部科学省の指導もあり、
今ではほとんどの大学が行っています。多くの授業で、マークシート方式での
アンケートを実施するのは、想像以上に大変な作業です。それを具体的に示す
と以下のようになります。
まず、どの科目で実施するかという事前調査が必要です。具体的には1200程の
開講科目の中で、約500科目で実施されます。次に、実施科目の履修者数分の
回答用紙を用意し、袋詰します。授業が行われる3つの学舎に送られて、窓口
では曜日ごとに用意されます。担当教員は授業開始前に窓口で用紙の受け取り、
教室で学生への配付・主旨説明した後に用紙を回収します。さらに窓口へ返却
という作業が伴います。
そして、アンケート読み取り作業です。3箇所から回収袋を作業場へ集めた上、
回収袋を開封し、欠席した学生分の白紙を取り除きます。(白紙の総計は毎回
1万枚以上にもなります。)続く作業では、マークシートリーダで1枚ずつ読み
込みますが、いい加減な記入で読み取れないシートがあると適切に修正し再び
読み込ませます。フル稼働し、およそ1週間で全部読み込みます。
正しくファイルが構成されているかを確認し、集計されたデータを1科目ずつ
CCSへアップします。全科目が揃った後に、全データの統計処理がCCS上で実行
されます。個別結果では、全体の平均からの差を示したグラフと表が出力され
ます。結果を印刷し、科目ずつ回答用紙を封筒詰めして、教員へ返却します。
結果データを見たうえで、教員には所感を書いて、CCSへ提出してもらいます。
アンケートは2週間で実施されますが、200名以上の先生ともなれば、実施を
忘れていたり、間違って実施してしまうケースもあります。授業アンケート
には上記のような手続が発生します。実務部門を管轄する教務部長としては、
煩雑な事務作業が今後も続く事態を看過できません。作業に必要な人的費用
を考えると相当のコストがかかっています。そこで、昨年度はこの現状をFD
委員会に報告し、改善方法を提案しました。
ソリューションは学生のスマートフォンです。新入生の98.5%が入学直後に
スマホを持っている現実を見ると、アンケートを紙からWebへ移行すること
も可能であると考えました。とはいえ、イノベーションの導入には、慎重を
期さなければなりません。基本を構想・提案し、1年をかけ準備をしました。
まず、春学期にCCS内にアンケートシステムを用意し、情報処理関連の授業
で試験的に運用しました。ここから問題点を洗い出し、全学的実施に向けて
改善を加えました。そして、秋学期はCCSでの回答方式をデフォルトとして、
事前調査を行いました。(ここでは行動経済学の知見を利用しています。)
紙での実施に拘る教員もいるので、希望者には従来通り紙のアンケートを
用意しました。
すると400科目以上がWeb実施となりました。紙ベースは100科目ほどでした
ので、読み込み作業は極めて早く終了できました。集計作業も順調で、当初
予定を繰り上げ先生へ結果をフィードバックができました。さらに、ムダな
白紙を劇的に減らすことに成功しました。先生方の感想で、学生はスマホで
のCCS操作に慣れているといった驚きを表現したコメントも寄せられました。
学生らも協力してくれたおかげで、心配していた回答率の低下はありません
でした。ただし、課題もあります。大教室では無線LANが繋がりづらい混雑
現象も散見されました。
結果の見せ方も工夫しているので、今後の結果が期待されます。もし全科目
がCCSの実施ならば、終了直後にアンケート結果を先生方にフィードバック
することができますし、改善の余地は大きいこともわかりました。次年度は、
さらなる改善とともに大学への定着を目指したいと考えます。加えて、今回
得られた成果を内外に報告し、本学のプレゼンスをアップしたいと思います。
すでに法政大学もWebで実施しているようで、他大学の状況を調査する必要
があります。
本学の一般入試の願書提出方法は、Webのみになっています。国の施策でも
国勢調査やマイナンバーカードの申請でスマホを使ったソリューションが
実行されています。大学生に対するアプローチであれば、さらに積極的に
進めてよいかと思います。
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■最近のゼミから > 初の補講の段
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☆関連サイト:
不自由な環境に置かれると日常の有り難みがわかるものです。今年度の大学の
暦は卒論指導に著しく不向きです。大学の授業は12月22日で年内終了で、24日
の終日と25日の午前中で事務局も閉鎖することになり、一斉休業に入ります。
年明けは1月8日になるので、学術情報センターでのサブゼミもできない状況に
なりました。そのままだと、2週間も大学が使えないことになります。そこで、
事態を解決すべく事務と相談しました。
補講という名案がありました。休講はしていないので、補講をする必要はあり
ませんが、授業が進まないのであれば致し方ありません。さらに、一斉休業中
でも教員の管理下で教室を利用することができるようです。そこで、年内では
12月28日の午後に児島ゼミでは初となる補講を実施しました。4年ゼミで補講
登録をし、3年生にも案内しました。
すると4年生が7名、3年生が6名参加しました。静寂な校舎の中で、3時間弱の
ゼミを行いました。出席学生の意欲と比例してか、生産性は極めて高いものに
なりました。僅かな時間しかないので、ムダのない充実したゼミでした。参加
したゼミ生の満足度も高かったことでしょう。3年生には研究テーマの相談と
研究報告書の指導、そして皆でネタや問題意識の確認をしました。一方、4年
は一人ひとりの進捗状況を確認した後、執筆中の卒論本文を全員でダメ出しを
行いました。およそ1週間ぶりなだけに、十分なダメが出たように思います。
一人で執筆するだけでは生産性は上がらず、皆で集まってやることを重要性を
再認識してくれたのではないでしょうか。本来、サブゼミでやることを補講と
いう形で示せたのではないかと思います。
第2弾として年明けの1月6日に予定しています。普段は当たり前の学習環境が
当たり前でないということがわかり、今回の補講で参加者はよい経験をできた
ようにと思います。児島にとっては、いつものサービス残業ですが、ゼミ生ら
に新たな気づきがあれば、それが一番です。
これを長い人生で考えてみても、同じようなことがいえるかもしれません。
学生時代は当たり前に勉強できる身分ですが、社会人になると自分のために
勉強する時間がほとんどありません。多くの卒業生が「学生時代に勉強して
おけばよかった。」というのもわかります。やはり、経済学で学ぶ希少性を
感じる体験が重要かと思います。
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■編□集□後□記□
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2015年の経済事件としては、夏に起こった中国バブルの崩壊と冬にFRBが実施
した9年ぶりの利上げでしょう。2016年はオリンピックや大統領選挙もあり、
どのような経済状況になるのでしょうか?多くのエコノミストの予測が新聞
などに掲載される時期ですので、それらを1年後に検証することも卒論ネタに
なると思います。
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