□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@ 第125号
□───────────────────2016.05.06─
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.125
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
2016年度が始まり、教務部長の任期も今年度限りです。いろいろな課題に取り組んで
きましたが、持続的かつ効果的に運用されるにはもう少し改善が必要なアジェンダも
多いと感じられます。今年は総仕上げということで、最後まで責任をもって取り組み
たいと思います。
今年5月のゴールデンウェークは1日(月)と6日(金)が平日です。かつては休日扱いと
して、超大型連休を組んでいましたが、今年は1日のみを休日にして、6日は授業日に
しています。授業日を15回確保するには致し方ありません。
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■NGU短信 > 入学者数と文教政策の段
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☆関連サイト:http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/002/002/1360007.htm
今年度の新入生は定員を大きく上回る状況になりました。今春の新入生の定員数は
1,390名ですが、入学者は1,600名を超えました。名古屋学院大学50年の歴史の中で
最多の入学生かと思います。4月1日の入学式では、名古屋国際会議場の1階は新入生、
2階以上は父母席に割り当てられていましたが、ほぼ満員という状況でした。そして
教員席を3階の一部に用意していましたが、急遽、父母向けにするという対応が取ら
れました。
式典後は名古屋キャンパスへ移動し、学生向けオリエンテーションを実施しました。
本年度の新たな取り組みとして学部ごとに父母向けの説明会を開催しました。経済
学部だけでも約150名のご家族(ご父母だけでなく、祖父母や弟妹連れ)が出席しま
したので、たしかに会議場が満杯になったのも頷けます。
経済学部の定員は、現代社会学部が経済学部総合政策学科からスピンオフしたので、
昨年度から250名になりました。今年の入学者は320名以上で、充足率が1.27倍より
大きくなってしまいした。主な原因は、一般入試の歩留まり率の高さにあります。
例年に比べてかなり高かったために、予測が大きくハズれてしまいました。定員に
満たない大学があるだけに、このような状況は喜ぶべきなのでしょう。とはいえ、
多すぎるのは授業計画に支障がでかねないので、望ましいことではありません。
今回の背景には、文部科学省の政策の影響が考えられます。大都市に所在する大学
に対して収容定員数を守るよう指導を強め、また大学の規模が大きいほど充足率の
遵守が求められるようになりました。基準を超えると補助金カットのペナルティが
取られます。詳しい内容は、関連のサイトをご覧ください。ちなみに、この政策は
安倍政権のテーマである地方再生にも関わります。全国に780程の大学がありますが、
国公私立を問わず地方大学は厳しい状況にあります。一方、大都市圏にある大学は
地方から学生を集めています。また、大規模大学ほど知名度が高く入学生数も多い
のに比べて、小規模大学は定員割れという危機に瀕しています。そこで、大学生を
大都市に集めないようにし、地方活性化の担い手となってもらうような政策が施行
されました。
今春は上述の政策が実施された初年度でしたが、これから3年にわたって徐々に強化
される方針が示されています。ということは、しばらくこの傾向が続くと見るべき
なのかもしれません。本学は地域活性化としてCOC事業で大きな成果をあげています。
大学の使命として入学した学生を地域とともにどのように伸ばすことができるか、
いよいよ教育の中身が問われます。
────────────────≪ books ≫─
■ 本の紹介 > 日本でいちばん大切にしたい会社
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☆関連サイト:http://taisetu-taisyo.jimdo.com
就活学生にとって内定は気になるところです。内定を得た学生も嬉しさの中にも、
本当にその企業へ就職すべきかという悩みがあります。すなわち自分が希望して
いるような仕事ができるのかという心配が尽きません。毎年のように内定を得た
学生から相談を受けます。その折、どうしてその企業を選び、断らなかったかと
いう理由を本人に尋ねることで、自らの初心を確認させています。
学生の心配事の一番は「ブラック企業」があります。一般には、労働環境が厳し
過ぎたり、離職率が非常に高いという会社を指しますが、最近、学生の言葉遊び
に使われていると感じることがあります。些細な不条理や自分に合わないことで、
ブラックと一括りにしているようなケースもあります。
そこで、ブラックの反対であるホワイト企業とはどのような会社なのか?と学生
に問うてみます。これは従業員およびその家族を幸せにする会社でしょう。では、
どこのそのような企業があるのか?ひとつの答えがこの本で紹介されています。
著者の法政大学の坂本光司先生は7000社もの企業を直接取材して、日本に残した
いと思う企業を紹介しています。この本は徐々に売上が伸び、今やよく知られた
ベストセラー本になり、シリーズ化されています。最新刊の5が1月に発売されま
した。関連本も多いのでご存知の方もいると思います。ところが、学生に尋ねて
みるとほとんどの4年生は知らないようでした。
かく言う児島も本の存在は知っていましたが、読み始めた理由は不思議な縁から
です。小生が大学時代に大変お世話になった先生が退官で、最終講義のご案内を
いただきました。そこで、1月に名古屋証券取引所に勤務する友人と横浜まで出か
けました。先生の大学で最終講義を聴講した折、教室の最前列に見たことかけた
ことのある人が受講していました。その後のパーティの席でわかったのですが、
鎌倉投信の新井さんでした。NHKの番組の「プロフェッショナル 仕事の流儀」で
彼が出演した番組を観ていたために、どこかの知り合いと勘違いしたようです。
講義後に開かれた退職記念パーティで、鎌倉投信の社長の鎌田さんがのスピーチ
されていました。会社の立ち上げの際のお話でした。彼ら同志は日本のいい会社
を応援する投資ファンドを作りたいという夢を持って、大手のファンドを辞めて
自分たちで創業しました。当時、業界関係者や関係者にはまったく相手にされな
かったそうです。そんな大変つらい時期に自分たちの話を聴いて応援してくれた
先生が二人いて、それが私の恩師と法政大学の坂本先生だったそうです。感涙で
言葉を詰まらせた社長のスピーチを聞きながら、自分の勉強不足さを恥じ入って
いました。そこで、帰名後、坂本先生の本を一気に読みました。
最近、名証株式投資コンテストの参加から、学生たちに地元企業へ関心を持って
もらおうとしています。もっと身近に地元の企業を感じ、経済経営を勉強したい
と意識づけるためには、やはり企業の研究が必要です。そこで、昨年のゼミでは、
株式投資コンテストのチーム戦を通じて、IR情報や企業業績の見方をゼミで研究
させました。このお陰で、他のゼミよりは知識は増えたと思いますが、しかし、
残念ながらゼミ生全員が就活において、十分にその知識を使いこなせているとは
いえません。
そこで、学生がよく口にする「ブラック企業」の反対についてアプローチしよう
と考えました。この夏は、坂本先生の書籍から企業を研究し、就活の際の目安の
ひとつに加えてもらおうと準備しています。現役生だけでなく、卒業生の皆さん
へもお薦めします。また、新井さんの著作『投資は「きれいごと」で成功する』
ダイヤモンド社(2015年4月)もオススメです。
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■最近のゼミから > 新ゼミがスタートの段
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☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/
今年度のゼミは以下のように行われています。卒業生の皆さんによる直接の参観
やFacebookなどからの激励を歓迎します。
2年 演習(2年):15名 金曜2限 曙館512教室
3年 経済演習(3年):18名 木曜4限 曙館406教室
4年 経済演習(4年):18名 木曜5限 曙館406教室
今年度の3年生は18名(内、女子5名)です。4チームに分かれ、それぞれの研究
テーマは以下のようです。
「IoTにより東海地区の○○は10年後どうなるか?」
1. 公共交通:タクシー、電車、バス
2. 観光業:インバウンド
3. 医療健康
4. 福祉教育:子育て支援、児童、障がい者、高齢者
昨年に比べてテーマを限定しました。まず、地域では東海地区(名古屋)に絞り、
自分たちの目で確かめる機会が持てるようにしています。そして、時間的な流れ
として、10年後を考えるには、現在・過去を調査する必要があることを体験させ
ます。さらに、どうなるという視点では、どうすればよくなるか?という提言も
含めてアプローチしてもらいたいと考えています。加えて、基本知識を得る書籍
では、坂村健『IoTとは何か 技術革新から社会革新へ』 角川新書(2016年3月)
を紹介しておきました。さて、どのような結果になるのか?今から楽しみです。
恒例の新歓コンパは5月12日(木)に予定されています。卒業生の皆さんへは4年
ゼミ長からFBで案内されていますので、ご都合がつく方は是非、ご出席ください。
お待ちしています。
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■編□集□後□記□
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連休を利用して、数年ぶりに博物館明治村へ出かけました。小学生の遠足から
数えれば10回ほどは訪れていますが、今回ほど興味深かった経験はありません。
この数年に明治関連の書籍や映画に触れていたからです。またNHKドラマのロケ
地にもなっているので、その映像が蘇ってくるからです。『坂の上の雲』での
シーンは明治村に写真入りで展示されており、なるほどと思うことがしばしば
でした。また、歴史的建造物がどのあたりから移設されたかも理解できるよう
になったことも知的好奇心を駆り立てます。朝の連ドラ『朝が来た』が人気と
なっただけに、明治の経済人や殖産興業に焦点を当てた展示もありだろうなと
感じた一日でした。
■コジマガ・バックナンバー
☆ブログ: http://kojimag.blogspot.com/
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