□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@ 第20号
□───────────────────――2006.03.27─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.020
*等幅フォントでご覧ください。
2005年度も終わります。教育機関では、やはりこの時期が一番の節目の
時期です。研究棟では、ご退職される先生や新任の先生の引越し作業が
行われ、このような新陳代謝で大学も変わってゆくのでしょう。
社会問題として、団塊世代の一斉退職という2007年問題が話題となって
います。大量退職によって新卒の大量採用に直結する訳でもありません。
バブルで膨らんだサイズをリセットし、無駄を削り経済状態を回復した
という状況でしょう。これは企業も日本経済も同じです。無駄を省くと
いうことに用いられたのが、市場原理主義です。ある程度、回復基調に
なった今、この原理をむやみやたらに振り回し続けるのは危険ではない
かと感じ始めています。
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■NGU短信 > 2006年度に向けての段
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☆関連サイト:
いよいよ新年度が始まりますが、名古屋学院大学は大きく変わります。
まず「人間健康学部」が新設、リハビリテーション学科と人間健康学科
の2学科でスタートします。理学療法などを学び、本学初の理系学部と
なります。経済学部から人間健康学科へ9名の先生が移籍しますので、
卒業生の皆さんは驚かないようにしてください。
これに合わせた形で、経済学部では新カリキュラムがスタートします。
手狭な名古屋キャンパスでの運用を見越して、カリキュラムの簡素化と
科目の大幅な整理をしました。周知のように他大学と比べ、本学は用意
された科目数が多過ぎる傾向にありました。特定の教員しか担当不可能
な科目があるため、毎年必ず開講されるかどうか定かではありません。
すなわち「教員の専門科目に近い科目=学生の十分なメニューの提供」
という図式が成立すれば結構ですが、大学院ではなく学部の科目なので
受講生の行動パターンは異なります。このような状況がどのような影響
を与えるかはあまり議論されてきませんでした。当然、楽勝科目に学生
は集中し、大人数教室での科目が多くなります。200人以上の受講生
で、教育効果の高い授業ができるはずがありません。
経済学部の基礎科目できちんと運用されてきたのは、「ミクロ・マクロ
経済学」です。基礎科目では内容・履修者数をきっちり抑え、発展科目
につなげることが教育として重要です。このような教育実績と考え方に
基づき、名古屋キャンパスで効率よく運用するための新カリキュラムが
構成されました。
重要な変更点としてゼミの役割も再び重視されました。4年ゼミそして
卒論も必修に戻ります。大学時代の総仕上げとして一番大事な4年生の
時期にゼミなしで如何に就職活動などをフォローするかが学部でも問題
となりました。(実験や試行ができないので、実施からその効果および
問題点がようやく判るというのが社会科学です。)
いまや就職率の向上が大学として評価されるひとつのモノサシですが、
これも結果を出さなくてはならない昨今の流れです。名古屋学院の一大
変革で、期待通りの効果が出るかどうかはわかりません。未体験の事業
へ向けての準備が上手く行くとは限りませんが、うまく機能するように
努力しなければなりません。
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■ 絵画の紹介
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☆関連サイト:http://www-art.aac.pref.aichi.jp/
『人生は戦いなり』,グフタス・クリムト,愛知県美術館蔵
http://search-art.aac.pref.aichi.jp/dat/pic/1997/obj199705397l.jpg
突然ですが芸術作品の紹介をしましょう。専門家からみれば鼻で笑われる
ような内容ですが、それも承知の上です。本の紹介の延長線として考えて
もらえれば結構です。
私がクリムトの作品に初めて触れたのは、1990年に訪れたウィーンの国立
オーストリア美術館でした。その当時、バブル経済を謳歌していた日本で
は、マネ・モネ・ルノアールといった印象派が大人気で、美術館の印象派
特別展は常に大入りでした。(今でも、大作揃いの特別展には大勢の人が
鑑賞しますが、それ以上だったかもしれません)
当時の自分を思い返せば、訳もわからぬままに(今の表現では、いっぱい
いっぱいが適当でしょう)学会発表を終え、ひとりで美術館の散策という
侘しい観光でした。ウィーンには素晴らしい美術品揃いですが、20代半ば
の若造には、その価値は全く判りませんでした。
その美術館にはクリムトの絵が一番良いポジションに展示されていました。
ユディトI(Judith I)、接吻(The Kiss)という官能的な絵画が斬新と
思うとともに、なぜ一番の所蔵品であるかさえ分かりませんでした。また
日本で人気の印象派の絵が片隅に追いやられていたのが特に印象的でした。
後に理解したのですが、クリムトは分離派の祖であり、オーストリアでは
英雄です。そして、日本の伝統美術の要素がいたるところに垣間見れます。
従来の体制や伝統的な価値観に対し、抗い分離派を立ち上げ新たな流れを
作るために相当の苦労があったそうです。
ここで紹介する作品は、周りからはあまり理解されないものの自分を信じ
戦いを挑むという決意が現れている作品だそうです。これはクリムトが41
歳で描いた作品です。「不惑」といった孔子も同様に自分の不遇の境地に
嘆くのでなく、40歳にして惑わず自分の道を進むと決意した言葉です。
歴史的な人物でも辛い時代なのだと思いを馳せつつ、辛い時期に敢えて
自分を鼓舞するその意気込みを見習うべきだと思います。
その齢を迎えた自分に対する励ましとして、作品と対面したいと思います。
追記:
愛知県美術館のサイトが今春リニューアルされました。それまでがとても
みすぼらしく素晴らしい作品が泣いているようでした。今やWebサイトは
現代アートの一部となっていますから、管理者の意識の転換が必要です。
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■ゼミサイトの話題:
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☆関連サイト:http://www.kojima-seminar.net/
この春でゼミサイトも1周年を迎えます。最初1年間の利用実績として
は、上々だと思います。mixiのような巨大なSNSとは違い、共通基盤の上
にある、世代を超えたゼミの同士のコミュニティがいかに機能するかは
2年目からが重要に思われます。ITからICTへ進化するためにもこれから
が試される大事な時期かもしれません。
今春の卒業生は、登録・ログインとともにゼミのメンバーをしてもらい
たいと思います。
参照:コジマガ第10号【利用案内】(01)新規登録・メンバー登録 編
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■最近のゼミから
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☆関連サイト:http://www.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/
例年のように卒業式(学位授与式)と追い出しコンパが終わり、3年生
は、就職活動に奔走している時期です。第10期生ともいろいろなドラマ
があり、今年も多くの学生が想定以上の能力を発揮している姿を目の当
たりにしました。また、相互のダメだしから協働ということの大切さを
卒業生は知ったのではないでしょうか。
最近つくづく思うのは人間力のスイッチです。人間誰でもその気なれば
とてつもない力を発揮できることは、これまでコジマガなどでも述べて
きたことです。多くの学生を指導して思うことは、伸びる学生とそうで
ない学生の違いは何かということです。すなわち同じ話や接し方をして
もその結果は大きく異なります。きっと人間には必ずどこかに興味関心
のスイッチがあり、これを入れてやればひとりで走ってゆけるものです。
これが見える位置にある人や多い人ほど伸ばしやすいのではないかと思
今日この頃です。
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■編□集□後□記□
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経済学部のメンバーは大きく変わります。本編にも書きましたが、移籍
9名に加え、定年退職1名、新任3名ですから、ここ3年で半数以上が
入れ替えになったと思います。しかし、まだ私が若手の方に属している
のが大学組織構成の特殊性です。
大学院卒の新人の若い先生は、皆熱心です。先日話をしていたら30歳
ぐらいとのこと、ゼミの1期生諸君と同じぐらいの若さです。ゼミOB
もこのように頑張っていると思い、気を引き締めたのでした。
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