2008年12月21日日曜日

第48号(2008.12.21)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第48号
□───────────────────――2008.12.21─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.048
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。

今年も残りわずかです。自分は1年でどれだけ変化できたのかを振り返るに
よい時期でしょう。ゼミに関していえば円熟期を迎えているように思います。
ゼミから学部へ、そして大学・社会へと教育効果の波及が求められているの
かも知れません。そのために時代の変化にいかに対応するかが課題でしょう。

さて、来週は年末恒例のゼミのOB会ですね。
来年のテーマは会場で発表しますので、お楽しみに。

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■NGU短信 > 同窓会40周年記念事業の段
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☆関連サイト:http://www.ngudo.com/

前回のコジマガでも案内しましたが、名古屋学院大学同窓会40周年記念事業
として、11月16日(日)に名古屋東急ホテルでパーティーで開催されました。
毎年、秋の大学祭にあわせて同窓会によるホームカミングデーが開催されて
いますが、今年は古田敦也氏(元ヤクルト選手兼監督)のトークショーと
懇親会が行なわれました。

この会は同窓会による運営なので、ゼミの同窓生ともゆっくり話ができます。
とても盛大で華やかなパーティなので気分も満たされます。このような会を
実行できる同窓会には敬服します。

近年、コミュニティの維持・形成には難しい環境になっています。おそらく
どこの同窓会も同じような状況でしょう。個人情報保護法によりクラス名簿
は作成しないとか、同窓会名簿は空欄だらけで同窓会の開催が危うくなって
いるという事例もあります。また、学校のサークルや職場での労働組合など
の参加率や組織率が低下傾向にあるということも拍車をかけています。

一方、SNS(mixiやFACEBOOKなど)のITツールによりネットのコミュニティ
活動は盛んになっている話もあります。ネットで新しい人間関係を構築する
人もいるでしょうが、一部の専門分野にとどまっているように思います。
というのも、新しい人間関係が発生する場合は、やはり対面の要素が必要に
なると思われるからです。

20代30代は、公私共に何かと多忙な時期かもしれません。同窓会という存在
も希薄であると思います。多くの人が持つイメージとしては、リタイアした
大先輩達が自分たちの思い出話に華を咲かせているという感じなのでしょう。
私も個人的にいくつかの同窓会とお付き合いをさせていただいていますが、
どの組織も活動的で若々しいイメージです。というのも、人の出会いを演出
しようとしている意思のある方ばかりだからです。ボランティアでお世話を
できる人たちは母校が大好きで、人と話すのが好きであるという共通の要素
を持っています。「人間力」も強靭です。


―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
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『フラット化する世界 経済の大転換と人間の未来』,トーマス・フリードマン,
日本経済新聞

今さらですが読み終えました。最近、考えている問題意識とかなり重なり合う
箇所が多かったので、理解は容易で、読むペースも快適な本でした。数年前に
話題となった本ですが、なぜその時に読まなかったのかと少し反省しています。
しかし増補版には最近のトピックスが追加されているので、古さは感じません。

まず、筆者はグローバリゼーションの流れを大航海時代から1.0から3.0と定義
し、進行中のビジネス・経済の変化を読み解いています。難解な箇所は少なく
平易に解説されてるのは、気鋭のジャーナリストによるものであるという印象
を持ちました。

この本で筆者は、ITの普及によるグローバリゼーション3.0が人類の経済環境に
大きな変化をもたらしている現象に注目し、「フラット」という言葉で表現し
ています。すでに中国、インドなどの新興国の数十億の民がフラットな競技場
に登場し、自由な競争ができる時代になりました。知識階級において相当熾烈
な競争が予想され、読者は自らの将来に不安を覚えるようになると思われます。
しかし、上巻の最後にはフラット化した社会を生き残る条件、混沌とした現代
でも輝くことのできる人を挙げていました。

「無敵の民」になるはアダプター、パーソナライザー、ローカライザーである
べきだとしています。どのような変化に対応できる適応者(スペシャリスト・
ジェネラリストでもない、何でも屋)でなくてはならないとしています。また
日常の仕事でも自分なりの個性を付与することで、唯一無二のサービスを提供
できる人としています。そして、進行中であるグローバル化の流れを理解し、
それを地元に還元できる人を挙げています。

この章で読んで分かったことは、変化の時に強いのは、人を惹きつける魅力で
あり、世界のどこでにも共通する要素であることです。自分の強みを活かし、
変化を柔軟に受け入れ、自分を成長させることができる人でしょうか。まさに
「人間力」であると思います。

一番お薦めなのは、下巻の冒頭には7章「理想の才能を求めて」です。教育と
競争の問題をテーマとして扱っていますが、とても納得できる箇所があります。
グローバル化の進展が、先進国で暮らす若者たちの不安を煽っています。自分
の将来が不安な学生の質問で「大学で学ぶために必要な科目は?」と尋ねられ
たときの筆者の回答です。

まず、好きな先生の科目は誰?と友人にを片っ端から聞いて、その科目を受講
しなさい。内容は何でも構わない。ここで重要なことは、勉強をする楽しさを
感じることである。詳細な内容は忘れてしまうが、楽しかったという実感はい
つまでも自分に残っている。最初から学習する楽しさが分かる人は少ないので、
これを早い時期に体験することが重要である。特に、ひとりでは勉強を続ける
ことは難しい。

すなわち、興味関心の素になる好奇心(curiosity)、夢中になってそれに取り
組む熱意(Passion)が、知能よりも重要であるということです

知能指数(IQ)<好奇心指数(CQ)+熱意指数(PQ)

まさに、その通りです。


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■最近のゼミから
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/dynamic/details.php?key=1201&ckey=24&sf=f

卒業研究発表会(学内審査会)が終了しました。発表者はじめそれをフォロー
してくれた皆さんに感謝します。ゼミからは9名が参加をしました。17日(水)
には国際会議場で公開審査会が行なわれました。学内審査から選ばれた6名の
発表会で、上位3名を表彰します。最優秀賞と経済学部長賞(第1席と2席)が
ゼミ生が獲得しました。(詳細は関連サイトを参照)

結果はどうであれ、2002年から経済学部卒業研究発表会がスタートして、立ち
上げから育ててきた者として、盛大に開催されたことに深い感慨を覚えます。
大学で頑張っている学生がお互いに競い合うイベントは、素晴らしいことです。
これまで描いてきた夢のひとつが8年目にしてかなった時間でもありました。

また、12月9日(火)にはゼミ社会見学と合宿を実施し、無事に終了しました。
社会見学はCBC(中部日本放送)へNGUバスで伺い、施設見学とともにデジタル
放送における業界の影響をお話いただきました。また携帯との連動番組に関し

合宿では、卒論の大ダメ出し大会を実施しました。まずダメ出しの手順を要約
した配布資料で確認します。次に、自分たちが書いてきた文章を交換します。
手元の文章の一段落を10分間で全員一斉にチェックすると、会場は静まり返えり
皆が集中している様子が窺えます。その後、5分間ほどで作者とともにチェック
した部分を確認します。これを5回繰り返しました。

初めてダメ出しを体験する学生も、他人の指摘箇所を参照することで分かって
来るようです。5回も実施すると頭が疲れてくるようですが、トレーニングと
しては最高です。この作業光景を見ながら、ゼミはさらに進化したように感じ
ました。皆で頑張ることとその成功体験を得たようです。

ここに何人かのOBも参加してくれて、とても助かりました。就職を控えた学生
に対して、実体験を語ってもらうにはこの上ない機会となりました。社会見学
や合宿も極めて順調です。


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■編□集□後□記□
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時間を見つけては.NETにデータを加えています。あまり時間をあけてしまうと
何をしたかが思い出せないからです。ネットは情報爆発の時代に入っています。
自分の足跡は確実に残っていきますが、編集作業がより難しくなると予想され
ます。インターネットは知識社会基盤として変容しており、参加するためには、
ネガティブなことや批評・批判には深い洞察が必要です。また、ポジティブな
思いを記録することで、将来の自分の振り返りにとても役立つように思います。

年末年始は片付けに加えて、ネット上のデータを整理されることをお薦めします。

2008年11月19日水曜日

第47号(2008.11.19)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第47号
□───────────────────――2008.11.19─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.047
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。

次期アメリカ大統領はオバマ氏に決まりました。現役のゼミ生で留学中に彼と
握手をした者もいます。オバマ氏の演説にはCHANGEという言葉がよく使われて
いますが、何事もやれば「できる」には同感です。そのエンジンは「人間力」
であり、ゼミではそれを鍛えます。変化を恐れずに前に進むことが重要です。
そこで、今回は名古屋学院大学のチェンジについてご紹介しようと思います。


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■NGU短信 > NGUチェンジの段
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/

大学が良い方向へ変わっているという手ごたえがあります。このような動きを
さらに加速するためには、(1)活動の周知、(2)口コミ宣伝、(3)関係者の自信、
などが必要であると思います。一朝一夕にブランド力は向上しませんが、常に
発信し続けることが重要でしょう。OBの皆様にも関心を持ち、お時間が許せば
ご参加いただければ幸いです。

○ペットボトルキャップ
 学生たちの自主的な取り組みとして、ペットボトルキャップをワクチンに
充てるということで約50万個を達成しました。中日新聞などでも取り上げら
れたので、ご存知の方も多いと思いますが、この数字は素晴らしいものです。
1から50万まで数え上げるだけでも大変です。そのように考えるといかにこの
数字が大きいものかを実感できるのではないでしょうか。

○学会の開催
 名古屋へ移転以来、各種学会が本学で開催されるようになりました。学会は
いろいろな分野があり、その規模も世界大会から全国大会・地方大会まで様々
です。交通至便なことから本学での開催が多くなりました。これは学術分野で
名前を高めるにはとても効果があります。また、多くの研究者が来場される
ことで、アカデミックな雰囲気になります。高校までとは決定的に違うので、
学生たちへの効果(自分たちはアカデミックな場所にいるという気持ち)も
徐々に出てくるのではと思います。

○経済学検定と勉強サークル
 経済学検定(ERE)は15年ほど前から実施されています。最初の頃のゼミ生
には案内したかも知れません。当時は相当難しい問題が出題されていた印象が
あります。大学の講義の範囲をかなり超えているので、学生へ強く勧めること
はしませんでした。しかし、最近はEREにもミクロ・マクロの2科目受験という
コースができたり、出題範囲は基礎的な内容からと幅が広くなったということ
です。若手の先生方からカリキュラムのひとつとして取り入れてはという声が
上がりました。そこで、EREのミクロ・マクロで基準以上の成績を取った学生
を学部で単位認定することにしました。また、受験を積極的に勧めることに
なりました。ゼミで紹介したところ、2年のゼミ生がこれに反応しました。
 最近は、彼らが自主的な勉強会を開いて、夜遅くまで頑張っています。この
集まりを勉強サークルとして申請しています。このように大学の施設・制度を
活用する学生がどんどん増えることで、良い外部性が働くはずです。勉強する
のに相応しい環境になることを期待します。

○新棟建設:名古屋キャンパス
 名古屋キャンパスの南側に新棟の建設が決定しました。学生ホールを中心に
5階建ての建造物の予定ですが、居場所がないという学生の声に呼応したもの
でしょう。キャリアセンターも新棟に移転するということで、学生サポートの
色合いが強く出ています。また、クラブハウス増設とともに合宿所も用意する
そうです。希少な学内資源を有効に活用するためにも、頑張っているる学生が
これらに応えてくれることを期待しています。

○地下鉄のポスター:経済学部
 現在、経済学部には企業研究2という授業があります。これは実業界で
活躍している方を講師としてお招きし、オムニバス形式で学生に話をして
もらう授業です。この科目は公開授業ですので、申し込みいただければ、
どなたでも参加可能です。(科目等履修生ではありませんので、単位認定
はされませんが・・・)これを広くPRすべく、今年度は地下鉄の吊広告
ならびにJR金山駅の構内に広告宣伝をしました。先日のサブゼミの飲み会
(詳細は.NET参照)の後、皆で金山駅を通りかかった際にこれを発見して
ビックリです。地下鉄の吊広告もゼミの後、学生と地下鉄に乗車した際に、
チェックすると自然と話題になります。

○その他
 瀬戸グランドの整備:野球場、アーチェリー場、第2グランド人工芝化
(第38号で紹介)
 名古屋キャンパス禁煙化:指定場所の喫煙所新設(2008年4月より)


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■最近のゼミから
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☆関連サイト:http://www.kojima-seminar.net/

来年度の3・4年ゼミは開講されませんが、2年生のゼミ選考がありました。
今年は1年生の指定科目「統計学入門」を担当したので、学科生全員が私の
顔を知っています。ということは、応募も多くなるわけで(これは本当か?)、
倍率が2倍を超えてしまいました。これまで通り能力でなく「やる気」さえ
あれば、誰でもウェルカムです。そこで十分にゼミの説明をした後に、選考
課題としてメールにやる気を書いてもらいました。もちろん、この時点で「
やっぱり辞めた」ということは何ら問題ありません。それでも多くの1年生
が真摯な気持ちでメールをくれました。本当に悩んだ選考となりましたが、
彼らの期待に添えるようなゼミにしなくてはなりません。

今年も12月が近づき、卒論の追い込み時期となっています。3年生は卒論の
テーマ選択と作成、4年生は完成へ向けての作業です。毎週火曜日のゼミは
20名ほどの発表を聞いて、コメントをしています。水曜日には残りの学生と
いうように取り組んでいます。

□ゼミ予定 : 毎週火曜日(15時~20時迄):日比野503教室
 サブゼミ : 毎週水曜日(14時~17時頃):白鳥305教室

彼らには毎週のように発表をしてもらっていますが、常に伝えていることは
「自分で進めること」そのためのコーチが担当教員である、ということです。
社会で素晴らしい仕事をするには、目標の設定から下準備・実行、振り返り
が必要です。これまでにそのような経験が乏しい学生ですから、ゼミで皆が
一緒に勉強する環境とペースメーカーである担当教員によって、誰でも困難
は乗り越えられるはずです。

さて、卒業研究発表会も名古屋へ来て、大きくリニューアルしました。今回
より予選決勝という形になりましたので、懸案だった採点問題は解決される
ことでしょう。実施の日程は以下の通りです。初めてのことなのでどのよう
になるか分かりませんので、お時間のある方は、是非、ご参加下さい。

1.卒業研究発表学内審査会(予選)
 12月1日(月),2日(火),4日(木),5日(金)
 4時限目(15:00~)白鳥キャンパス

2.卒業研究発表公開審査会(決勝)
 17日(水)
 国際会議場 224会議室


□ゼミ社会見学・合宿
12月9日(火)
社会見学:CBC(中部日本放送)、15:00 大学出発
宿泊場所:京屋旅館 ダメ出し大会

詳細は.NETにある学生からのお知らせをご覧下さい。

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■編□集□後□記□
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.NETのトップページ「お知らせ」はOBの皆さんが投稿可能です。ホーム
→お知らせ(NEWS)→ニュース投稿から書き込み可能です。反映させるには
投稿された内容を管理者側で承認しなくてはなりません。そこで、もし
投稿された場合には、お手数ですが児島までメールでご連絡ください。

2008年10月17日金曜日

第46号(2008.10.17)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第46号
□───────────────────――2008.10.17─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.046
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。

10月2日(木)の昼休みに名古屋キャンパスのチャペルでカレッジアワーを
担当しました。ここでは本の紹介をすることになっていましたので、以前、
コジマガでも取り上げた『海嶺』の話をさせてもらいました。キリスト教の
神聖な場所だけに、考えた挙句、三浦綾子氏の作品にすることにしました。
先日、チャペルで学生に紹介した裁断橋へ行きました。伝馬町の旧東海道に
あります。今回話すことにで、行きたかった場所へ誘われたのでしょうか。


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■NGU短信 > 大学生のためのマーケティングセミナーの段
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☆関連サイト:http://www.cpc.or.jp/html/mg/mg_top.htm

10月3日(金)に中部マーケティング協会が主催する『大学生のためのマーケ
ティングセミナー』がありました。同協会の普及啓発事業として、毎年、
愛知近辺の大学3年生を中心にセミナーが開催されています。参加には紹介が
必要ですが、ありがたいことに商学部の先生よりお誘いをいただいたので、
数年前からゼミで案内をし、希望者がこれに参加をしています。いつもは
授業や仕事と重なって出席できませんでしたが、今回初めて参加しました。

今年は、ほとんどの3年ゼミ生と4年生数名が参加しました。10月この時期に
全員スーツでの参加は就職意識を高めるには絶好の機会です。2つの講演が
用意され、NTTドコモとコンサルタントの方のお話でした。どりらも対象者を
意識いただいているので、社会人となる学生にはとてもよい内容でした。

先日ゼミで彼らに話したばかりのことが、講師の口からも語っていただき、
ダメ押しには助かります。思わず苦笑してしまいました。また、講師陣は
私と同じ世代ですので、学生に伝えたいことは似ているのでしょう。

セミナーの後には懇親会です。軽食をご用意いただいて、暫くの懇談の後、
ドコモの携帯ゲーム『千切り』を使った対抗戦があり、ゼミ生たちの多くは
賞品をゲットです。やはり大学対抗だけにすれば、学生たちは燃えます。
私はゲームに参加できませんでしたので賞品はありませんでしたが、それ
以上の人脈が新たにできて、とても満足です。やはり何事も積極的に外へ
出向かなくてはいけません。


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■最近のゼミから
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☆関連サイト:http://www.tiesnet.jp/

秋は卒論作成が最大のテーマです。そこでTIESに『卒業研究2008』という
科目を設定しました。これまでは卒論をPDFファイルにしてゼミのサイトで
広く公開してきましたが、最近はこれらをTIES内に移動させつつあります。

TIESには完成版のPDFだけでなく、児島の赤ペン指導のプロセスまでもPDFに
なっています。これを見るとゼミ生一人ひとりの成長過程が分かります。
また、卒業研究発表会以外に、ゼミ生の発表ビデオがここに残っています。
いずれも学内のみの公開設定なので、特に大きな問題はありません。先輩
の資料を元にゼミの後輩たちが参照するので、さらにゼミの改善は進みます。
すでに案内はしていますが、卒業生の方もTIESはご利用いただけます。

さて、ゼミ開催日の火曜日は白鳥学舎が大混雑です。ゼミ生がゆっくりと
作業するにはあまりにも適さない環境になっていました。時間帯によっては
自分の席すら確保できないという悲惨な状態でした。いつも秋学期では、
ゼミ生に時間と場所を共有してもらい、相互扶助とともに信頼感を高める
ことを最大の目的としています。これを達成するには、新たな空間を確保
した方が良いと感じていました。

そこで、日比野学舎への移動を決めました。ここは午後に授業が開かれて
おらず、噂に違わず閑古鳥が鳴いています。また、白鳥学舎からは歩いて
10分程かかり、午後8時までに出なければなりません。でも、帰りは地下鉄
至便ですし、ゼミの後に飲みに行くこともできそうです。近くにコンビニ
やマイルポストもあり、今後はいろいろな展開が考えられます。

新しい教室の日比野学舎503教室では60名程が収容でき、のびのびと作業に
取り組めます。また、だらしない学生からマイナスの影響を受けることもなく、
長時間にわたって快適な仕事が達成できます。結果として、生産性が高く、
一段と改善できています。水曜日のサブゼミも順調ですので、年末までに
ゼミ生たちは自分の目標を達成してくれることでしょう。

しかし、火・水曜日で30名以上の発表を聞いて、各人にコメントをつけるの
も過酷な作業です。これも改善できないものか・・・


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■編□集□後□記□
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☆関連サイト:http://www.ngudo.com

毎年、大学祭にあわせてホームカミングデーが開催されており、我がゼミも
これに便乗して、ささやかな集まりを持っています。今年は同窓会の40周年
を記念して、11月16日(日)に名古屋東急ホテルでパーティーとなりました。
今回は古田敦也氏(ヤクルト元選手兼監督)のトークショーです。前回の5年
前には35周年パーティとして、同じ場所でモト冬樹のライブショーでした。
その時、なぜかサインをいただいています。(笑

今回も同窓会の暖かいお言葉に甘え、私は参加させていただきます。出席を
予定されている人は会場でお会いいたしましょう。楽しみにしています。

2008年9月18日木曜日

第45号(2008.09.18)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第45号
□───────────────────――2008.09.18─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.045
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。

早いもので小中学校は夏休みも終わり、2学期が始まりました。今夏の話題は
北京オリンピックに始まり、ゲリラ豪雨や突然の福田首相の辞任報道と総裁
選挙など多彩でした。アメリカのサブプライムローンに端を発する金融危機は
11年前の日本を思い出させます。今年も残り4ヶ月ですが、グローバル経済に
大きな変化を予感させます。

個人レベルでは、これまで撒いておいた種が実り、秋から冬にかけて収穫
時期が始まります。どのような成果が得られるか収穫前には分かりませんが、
後で振り返れば自明なことがあります。日頃の努力はいつかきっと大きな
成果に結びつくことでしょう。焦らずじっくりと取り組むことも時には
必要かも知れません。


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■NGU短信 > 裁判所見学の段
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/dynamic/details.php?key=1088&ckey=28&sf=f

夏休みに地方裁判所の見学へ行ってきました。法律の先生方が学生に実体験
をということで、名古屋地方裁判所の見学に便乗しました。来年から開始の
裁判員制度もあって良い機会かと思い、参加させてもらいました。

実際の裁判が開かれる法廷には、独特の緊張感があります。傍聴席で審理を
聞いていると「これが現実?」という錯覚に囚われます。このようなシーン
はニュースや映画でよく見ていましたが、本物は初めてだからです。
「百聞は一見にしかず」現場を見るということの大切さをあらためて痛感し
ました。周防監督の作品『それでも僕はやっていない』は本当によく観察さ
れていると思いました。

また、冒頭陳述を聞いていると現実の経済社会問題が浮き彫りになります。
被告の置かれた状況は、どこにであるような苦労話なだけに思わず同情して
しまいます。みのもんたのワイドショーにある電話相談を髣髴させるような
感じです。誰しもそのような状況に陥るかもしれないだけに、人間の弱さを
見たようでした。

傍聴した件では被告と原告で言い争う場面はなく、情状酌量を狙った弁護士
の戦略が見え隠れします。弁護士の明快な論理で進める事情説明なども印象
に残りました。

私にとって貴重な経験でした。傍聴は誰でもできますので、お時間が許せば、
傍聴をお薦めします。ただ、このような雰囲気の職場は自分に似つかわしく
ないと思いました。さすがに法廷の場では笑顔はありませんから。(笑


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■ 本の紹介
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☆関連サイト:http://store.shopping.yahoo.co.jp/7andy/31659171.html

『「みんなの意見」は案外正しい』,ジェームス・スロウィッキー,小高尚子訳,角川書店,\1,600
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タイトルだけでは分かりにくいと思いますが、Web2.0の集合知の解説本です。
この単行本の帯には「会社員、経営者、就活学生の必読書!」となっています
が、果たしてそうでしょうか?12章の構成で、どれも興味をそそるような話題
ばかりです。この本を読み進めるには、Web2.0の集合知だけでなく、学際的な
知識が必要です。

皆の意見が正しい方向となるという条件として、多様性・独立性・分散性など
を挙げています。この中には、データ処理としての統計の基本や複雑系の例題、
エージェント理論、経済学などのエッセンスがちりばめられています。これら
の知識をベースに書かれているようなので、一般向けの本ではないという印象
を受けました。

また、取り上げられていた例としてアメリカンフットボールの攻撃方法が
ありました。アメフトのルールを知らなければ、このトピックスを読むのは
苦痛でしょう。これは多くの日本人には馴染みませんが、ラッキーなことに
これを楽しく読むことができました。月末から始まるシーズン戦を見ながら
この本の内容を考えてみましょう。


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■最近のゼミから
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/dynamic/details.php?key=1080&ckey=28&sf=f

夏の恒例行事であるゼミOB会がいつもの場所で開催されました。いつものよう
に賑やかで愉しい会になり、気分も手伝いかなり飲みすぎました。幹事の方や
遠方より駆けつけて下さった方々には頭が下がります。多くの元気をもらい、
また頑張ろうと心新たにできる機会です。次にお会いできる機会としては11月
の大学祭(ホームカミングデー)、年末のOB会です。ご都合がよろしければ、
是非、ご参加ください。

本学の学生による情報誌「i-ris」が創刊されましたが、これには現役の
ゼミ生が関わっています。非常によくできた内容ですので、一度ご覧下さい。
学生が運営するお店「マイルポスト」でも配布しています。特に、この裏表紙
には多くの学生の笑顔で埋め尽くされていますが、そのうち半分程度が現役の
ゼミ生です。なので、研究室のゼミの色紙やアルバムの棚に飾っています。

さて、授業は9月22日から再開です。今年度は秋学期が始まると同時に自主的
なサブゼミが予定されています。本ゼミは卒論の進捗状況の報告会であり、
ペースメーカーです。一方、サブゼミは自分たちで時間や知識・技能を共有し、
力をつけてゆくことが目標です。2つのゼミの時間を利用して、夏休みの間
に溜め込んだ知識をゼミ生に語りながら、自分の頭で咀嚼したいと思ってい
ます。


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■編□集□後□記□
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毎週木曜日の昼休みに名古屋キャンパスのチャペルでカレッジアワーが開催
されています。今回、キリスト教センターから10月2日(木)の担当者を依頼
されました。常々チャペルでは心閑に話を聞くものと思っていましたので、
まさか私が話すとは晴天の霹靂です。どのような話になるかわかりませんが、
お時間がある方はご参加ください。私の話の内容より、名古屋キャンパスの
チャペルを見学するに良い機会かと思います。

2008年8月10日日曜日

第44号(2008.08.10)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第44号
□───────────────────――2008.08.10─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.044
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。

残暑お見舞い申し上げます。

この8月は甲子園大会ほか北京オリンピックもあり、話題に事欠きません。
今週末の16日(土)には、OB会が予定されており、久し振りに皆と会える
機会を得て、とても楽しみしています。すでに参加申し込みをされている
方は、こちらも心構えができるので安心です。もし参加できそうだという
場合には、事前に.NETか幹事の小林君まで申し込んでくだされば幸いです。
暑気払いには、冷たいビールと楽しい仲間が最高です。


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■イベント案内 > 産経eカレッジみんなde大学
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☆関連サイト:http://www.minnade-daigaku.com

すでにTIESについてはコジマガで何度もご紹介していますが、これを利用
した全国的なイベントが開催されています。フジ・サンケイグループとの
共同で「産経eカレッジみんなde大学」として、8月5日(火)~9月10日(水)
に上記URLからアクセスできます。参加するには会員登録が必要で、お手数
をおかけしますが、是非、チェックいただきますようお願いします。

昨年から本学でも多くの先生が授業を録画し、TIESにアーカイブ・配信して
きました。今回はNPO法人CCC-TIESと産経新聞社の共催企画で、TIESにある
授業を再編集して、広く大学の授業を体験してもらおうという試みです。

現在、TIESの加盟大学は約70校ありますが、このうち全国14大学の先生の
100ものコンテンツが公開されることになりました。名古屋学院大学からは
3名の講義、木船経済学部長(経済学)と商学部の岸田教授(会計学)、私
(統計学)が公開されています。一度、視聴いただいて、ネットから評価
をいただければ幸いです。もちろん厳しい評価で結構です。

一大学よりも皆で力を合わせれば、社会に何らかの大きな貢献ができる。
また、これまで不可能と思われたことでも可能になるというのが私の信条
です。TIESと出会ったときに、「これはいける!」と直感したもの今回の
ような大学連携を期待していたのかも知れません。

これからの大学は連携がいっそう重要となりますが、全国的にあまり進展
しているとはいい難い状況です。生き残りをかけて、各大学が自分のこと
で必死になるあまり、教育という社会使命を忘れがちです。でも、ネット
での協力ならば参加者同士のWin-Winの関係が構築でき、かつ成果は広く
社会にも還元されると思います。

例えば、各大学が有する教育コンテンツをネットで公開することで、良い
授業は相応の評価を受けることができます。これらを皆で利用・参考し、
自分たちの授業改善に繋げることもできるでしょう。こうして教育現場も
進化を遂げる可能性が見えてきます。

競争という言葉は好きではありません。「争い」が嫌いだからです。でも
お互いが「競い合う」ことは素晴らしいことだと思います。私の好きな曲
に小椋桂の『夢積み上げて』があります。この歌詞には、まさに人という
素晴らしさが描かれています。

「・・・一人きりなら 意味のないこと 力を競い 力を合わせ・・・」

それが良い意味での「競争社会」なのでしょう。


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■最近のゼミから
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☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/

先週、定期試験の全日程が終了し、大学もいよいよ夏休みに入りました。
ゼミ生たちもインターンシップに留学にと学外で貴重な体験を積んできて
くれることでしょう。

さて、2008年度のゼミを半分終えての感想としては、「とても楽をさせて
もらっている」ということです。このような感想はともすると「先生は手
を抜いているのか?」と思われがちですが、ゼミ生がきちんと行動すると
いうことです。自分たちでできることは精一杯努力しており、先輩たちも
これをフォローするという理想的なサイクルが2,3年のゼミでできあが
っています。ですから自主性を重んじる私としては、手がかからないゼミ
です。欲を言えば、さらに積極性を前面に出してもいいかもしれません。
これは4年生が戻ってくる秋学期の課題でしょうか。

さて、週末のOB会ではゼミに関して重要な報告をしなければなりません。
まず、直接、自分の言葉で皆さんに伝えたいと思っています。ゼミOB諸氏
がどのような反応をされるかは分かりません。継続はとても大事であると
思いますが、一層の飛躍を目指すには自分自身が挑戦をしないといけない
と感じています。ステージを上げるためには、何らかのきっかけが必要で
しょう。大きなジャンプするには、それだけの屈伸が必要です。


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■編□集□後□記□
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前回のコジマガでお知らせしたイベント「現代の若者気質を活かす教育」
はもっと皆さんに広報すべきでした。というのも内容的に極めてよかった
からです。講師のお二人の話は調査データを元にして、マクロ的な視点で
若者の変化をうまく捉えていました。さすがこの分野の研究者です。現場
で日頃学生と接している私にはそのように感じました。

大学教育の役割として「生徒から学生へ」が提起されていました。2000年
辺りから学生で自分たちを「生徒」と呼ぶ学生が多いように感じています。
早く自立した大人にしなければなりません。さらに強く逞しく。

このイベントの後日談として、日本経済新聞(8月4日)のコラム「まなび
再考」で本学のCCSを「最強の学習支援ツール」と紹介されました。筆者の
耳塚教授にはシンポジウムの講演者およびパネリストとして出席いただき
ました。来学いただいた折から、CCSに極めて関心を示され、イベント前の
1時間ほど特設ブースでCCSの説明をさせてもらいました。

2008年7月16日水曜日

第43号(2008.07.16)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@    第43号
□───────────────────――2008.07.16─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.043
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。

この時期に大学ではオープンキャンパスなど学生募集に関わるイベントが
開催されます。少子化が進行するなか、どの大学も学生募集に懸命です。
ただ、大学に入れても十分な教育力がなければなりません。20世紀の大学
のように学生が自分で何事もこなしてゆく時代は終わったように思います。
しかし、すべて手取り足取りをするのではなく、彼らの自主性をどれだけ
引き出すかが重要でしょう。そのためには「忍耐」が必要です。


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■イベント案内 > 「現代の若者気質を活かす教育」
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☆関連サイト:http://www.ngugp.jp/news/05.html

文部科学省GP採択シンポジウムとして、来る7月26日(土)の13:30から
名古屋キャンパス白鳥学舎でを開催します。本学が採択された3つのGP
(特色・現代・学生支援)に共通するテーマを元にしたイベントです。
詳細および申し込みは関連サイトからお願いします。

□講演(13:30~14:55)
○大学教育の行方
 耳塚寛明教授(お茶の水女子大)
○「就職」から見た現代の大学生の課題
 小杉礼子氏(労働政策研究・研修機構)

□トークセッション(15:05~16:40)
○名古屋学院大学におけるIT利用、フィールドワーク、学生ケア
○ディスカッション

このイベントで、私はディスカッションに登場する予定になっています。
参加無料の定員200名ですので、お時間の許す方は是非、ご参加ください。
最近の新入社員は・・・と会社でお困りの諸氏には、何らかのヒントが
見つかるかもしれません。あわせてご来場の前後に「マイルポスト」へ
お寄りいただければ幸甚です。そして感想を.NETにいただけるともっと
ありがたいです。

なお、この講演会の模様はネットでもライブ配信予定ですので、ご来場
が難しい方は、是非ネットからご覧ください。http://www.cccties.org/


―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
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☆関連サイト:http://store.shopping.yahoo.co.jp/7andy/19759683.html

『深い河』,遠藤周作,講談社文庫,620円
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大学でキリスト教主義教育を受けた皆さんですから、一読を薦める本です。
日本には仏教、神道をはじめとする多くの宗教があります。キリスト教は
明治以降、多くのミッションスクールを設立し、東洋人である我々の生活
にも、クリスマスなどのように習慣として入り込んでいます。

この作品は、インドのガンジス川を舞台として東洋人の死生観、宗教観を
捉えた内容になっています。多くの登場人物の背景を語りながら、人々を
ガンジス河へといざないます。西洋のキリスト教と東洋の宗教観の関わり
を考えるのによい本ではないでしょうか。ただ、この作品の結末に思わず
ビックリしますが、これも作者の隠された意図があるのでしょうか。

この本は自分で探したわけではなく、宗教部長とのお話の中で紹介されま
した。すでにコジマガのコラムで取り上げた『海嶺』について宗教部長に
読後感をお話しする機会がありました。その折に、どのような本がお薦め
ですか?とお尋ねしたところこの作品をご紹介いただきました。

やはりその道に明るい人に聞くことで素敵な本に出合えることがあります。
かつて、文学を研究されていた先生にどのような本がお薦めでしょう?と
尋ねたところ夏目漱石の『夢十夜』がよいというお返事をいただきました。
短い文章ですが漱石の描写は素晴らしく、このような表現を感じること、
学んでおくことは、教養として重要でしょうと教えていただきました。

この夏のお薦めの一冊です。


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■最近のゼミから
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☆関連サイト:http://www.tiesnet.jp/

7月15日/16日に恒例のゼミ合宿を実施しました。初めて一宮での開催でした
が、非常にリーズナブルな施設で感心しました。(一泊二食付で3,800円!)
高速を利用すれば30分で到着できますので、これからもっと利用すべき施設
のひとつと思います。昨年の愛知青年会館といいよく調べたと感心します。

4つのグループ研究発表がビデオに収録されれると、春学期のゼミの行事は
終りです。プレゼンを中心としたグループ研究では「人間力」が試されます。
与えられたテーマを皆でどのように結論へ持ってゆくかを見守っていました。
各グループがどのような結論を出そうとも構いません。誰がどのように取り
組んでいるかを観察し、その学生の能力を見極めていました。

いよいよ秋学期からは、日本語のトレーニングです。今年の3年生からかつて
のように卒業論文が必修に戻ります。そこで、秋にはできるだけ早く卒論を
書かせる指導をします。これまでの試行錯誤により指導方法も進化しました。
このノウハウを活かして、できるだけ早く卒業論文を終わらせてしまいたい
と思っています。

就職活動の時期は10年前に比べると、かなり早くなっています。それに対応
するためにも3年生で卒論を書き上げて、4年生には細かいダメ出しなどで
手を加えるだけにすれば、皆がハッピーになるのではと思います。4年生で
ひとりで作業するのでなく、皆でやれば生産性が向上することを体験させて
将来へつなげるようにしたいと考えています。


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■編□集□後□記□
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いよいよ夏休みに入ります。これまで時間がとれずにできなかったタスクに
取り組む良い時期です。今にして思えば、学生時代もそのように取り組んで
いたならば、大したものになっていたはずです。この貴重な時期を利用して
ゼミにも留学に出発する学生、インターンシップに取り組む学生がいます。
大学では学べない経験が、彼らの人間力を養成してくれることでしょう。
一回り逞しくなってキャンパスに戻ってくることを楽しみにしています。

2008年6月22日日曜日

第42号(2008.06.22)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@    第42号
□───────────────────――2008.06.22─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.042
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。

コジマガも5周年を迎えることができました。これもひとえに読者である
OB諸氏のお陰であると深謝いたします。この春以来、OBのメンバたちと
飲む機会があればメルマガの話をします。すると思わぬ人から読んでます
と云われ意外な嬉しさがこみ上げてきます。このような読者がいることが
継続の力だったように思います。ゼミも同じように一人ではできないこと
でも、皆がいればこそできてしまうこともあるのです。


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■NGU短信 > マナー向上活動の段
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/dynamic/details.php?key=1015&ckey=24&sf=f

ゼミOBの活躍もあり、最近は本学もメディアに出る機会が増えています。
かつてOB会の席で「CMでもよいから、もっと大学のメディア露出度を高め
てほしい」という声に胸を痛めていました。一般社会と学会ではテレビや
新聞への露出に対して評価はかなり違います。気恥ずかしさとともにこの
ような評判には私自身どうも腰が引けていました。

しかし、最近の大学のメディア露出頻度にはOB・OGもご満足いただけるの
ではないでしょうか。去る5/13(火)には1年生ゼミでのゴミ拾い活動が
テレビの取材を受けました。たまたま取材日に私が担当する基礎ゼミが、
清掃日だったのでテレビに出ることになりました。その後の反響をみれば
テレビの影響力を感じます。

もちろんメディアに出るために活動をしているわけではありません。都心
へ引っ越してきて、地域と共生するため大学がするべきひとつの活動です。
心無い学生のポイ捨てなどの振る舞いが、地域に悪い影響を与えています。
ゼミ単位での大学周辺の清掃活動は2年目です。今回は堀川周辺でしたが、
やはり周辺が綺麗になるのは気持ちがいいものです。

ゴミのポイ捨てをなくすためには、マナーの向上が求められます。しかし、
教室内のゴミは驚くばかりです。ですから私自身の活動として毎回の授業
では「脱帽・教室美化」と黒板に書いて、受講生に協力を求めます。また、
卒業生OB・OGの活躍を話をすることで、自信を持たせるようにしています。
すると立派なもので、他人のゴミを片付ける学生も見られます。このように
素晴らしい光景を見ると幸せになります。

また、授業の最初は必ず挨拶から始めます。ゼミではいつもの光景ですが、
大教室でもやります。すると中には返事をしてくれる学生がいます。最近
では、キャンパス内で学生から先に挨拶をされることが多くなりました。
小さな行動ですが、少しでも大学の改善活動を皆が実施すれば、必ず組織
は変わると思います。

また、今春からキャンパスの喫煙エリアが制限されて、喫煙者の姿が目立
たなくなりました。不思議なもので、これだけでキャンパスが落ち着いた
感じになっています。多くの喫煙者がマナーを守っているにもかかわらず、
そうでない一部の者が雰囲気を台無しにしていたのでしょう。本学は、昔
お坊ちゃん大学で有名でした。この名声を取り戻すべく、きちんした学生
による活動が際立つような雰囲気作りをしたいものです。

新聞にも掲載されましたが、マナー向上キャンペーン第1弾の清掃活動
(5月21日)は83名の参加がありました。次回は6月25日(水)に開催され
るそうです。現在、大学が取り組んでいるマナー向上活動は、重要な社会
活動です。教育機関だけに良いことが進められる組織でありたいものです。


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■最近のゼミから
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☆関連サイト:http://www.tiesnet.jp/

去る6/17に恒例となったゼミのボーリング大会が開催(ラウンドワン千種)
されました。3年生が中心となったたイベントでしたが、多くの4年生の
参加もあり大いに盛り上がりました。10年前に作成した児島杯トロフィー
は、一時、解体状態になってしまいましたが、ゼミ生の力で元通りの姿と
なって今回も表彰式に活躍しました。

この大会の開催直前にCBCで「学部長のガチンコ面談」が放映されました。
この取材にはゼミの3年生が協力してくれたので、どのように編集されて
いるのかが楽しみでした。そこで、ボーリング場でワンセグ携帯の画面を
皆で観るという不思議な経験をしました。ICTの活用にも時代の大きな流れ
を感じます。

ボーリングの後には、いよいよ来月には春学期のまとめとしてゼミ合宿が
あります。3年生はこれに向けての準備がしんどいはずですが、皆でよく
頑張っていると思います。また、4年生もよく指導をしてくれています。
素晴らしい夏を迎えるにも、今が辛抱のときでしょう。

さて.NETでも報告されたように、1年生の基礎ゼミを「マイルポスト」で
行いました。本学の学生でまだ「マイルポスト」へ行ったことがない学生
が大勢います。瀬戸の時代はいたし方がないとしても、名古屋キャンパス
から便利な場所あるだけに、大学の授業やイベントでもっと積極的に利用
するという意識が関係者には必要でしょう。

ゼミOBであれば参加できるTIES(タイズ)ですが、現在、TIESタイピング
を利用したコンテストが実施されています。(6月9日~6月30日)賞品が
もらえるということで多くの大学生がチャレンジしています。大学生同士
が競うということは、とても活気づきます。これが大学対抗戦ともなれば、
クラブ活動のごとく、いっそうに燃え上がることでしょう。

現時点では、札幌大学がリードしていますが、これに追いつき、追い越す
ような本学の学生が出てくることを心待ちにしています。(うちのゼミ生
が何とかランクインできないものか・・・)2年連続の名古屋VS札幌の
日本シリーズのごとく熱い戦いを繰り広げられればと思います。詳しくは
関連サイトをご覧下さい。

ちなみにコンテストではありませんが、これまでのタイピング記録に全国
41位にゼミOBがランクインしています!


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■編□集□後□記□
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コジマガ5周年を機会として、新しい欄を作ってみたいと思います。従来の
ように児島から一方的に発信するのでなく、ゼミのOB・OGが思いのままに
参加することで、一対多から相互のやりとりになればと思います。どんな
短い記事でも構いません。.NETに投稿するような感覚・内容で十分でしょう。
もちろん、自分の近況や現役生に言っておきたいことなど何でもありです。
ゼミの仲間での指名によるリレーも面白いかもしれません。

表現力がないからといって遠慮することはありません。コジマガは編集長
である児島が日本語の表現や内容にチェックを入れますのでご安心下さい。
(ただ、卒論以来のダメ出しのようで、悪夢が甦る人もいるのでは・・・)
ご希望の方は、児島(kkojima[at]ngu.ac.jp)まで。

2008年5月2日金曜日

第41号(2008.05.02)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@    第41号
□───────────────────――2008.05.02─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.041
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。

年度初めの一月の授業も終了し、キャンパスは徐々に落ち着きを見せています。
半期の講義日数を揃えるために、GWは平日の3日間がお休みです。慣れてきた
時に休みがあってだれてしまいがちですが、学生諸君が連休明けからも頑張って
くれることを切に望みます。


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■NGU短信 > ブレンデッド・ラーニングの段
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☆関連サイト:http://www.tiesnet.jp/

今年度はかなり挑戦的な授業を展開しています。小教室での授業はゼミ程度で、
ほとんどが大教室です。「現代経済学」や「統計学入門」では毎回、CCSの自学
自習の範囲を用意して、授業時間の中で受講生に解かせています。少人数での
実習授業ならば特筆に値しないのですが、100名以上の学生を対象としてノート
PCを活用させるには、相当のストレスがかかります。学内ネットワークの負荷
や個別PCのトラブルなど、全員が順調であるという保証は全くありません。

大教室での授業は、教育効果が低くなるのはご存知の通りです。私語をしたり
眠ってしまう学生など勉強する環境としては最悪です。大学では一度に教室に
集めて講義するという経済効率性を優先した形態が現在でも継続しています。
しかし、名古屋キャンパスでは最大300名までの教室しか用意していませんので、
瀬戸のC教室のような超巨大教室はなくなりましたが・・・大教室の場合、
教える側の意欲と学ぶ側の意欲が高くないと授業は成立しません。予備校なら
十分に成立するかも知れませんが、大学では難しい課題です。

ブレンデッド・ラーニングとは、対面授業にコンピュータを活用し、効果的な
授業を展開しようというeラーニング手法です。eラーニングといえば、ネット
で遠隔授業をするというイメージが先行しますが、これは対面授業とITの利点
をうまく組み合せた教授法です。教員による一方的な講義では、授業時間中に
眠くなることも少なくありません。理解を深めるにはワークをした方が記憶に
残るので、自学自習の設問を解かせます。また、理解度の確認としてネットで
小テストをしたり、授業の理解度を5択から回答してもらったりとノートPCを
フル活用しています。さらに授業教材や課題もネットから配布・提出したりと
これまでにネットで実際可能であったことを目の前で実践しているだけです。
異なるのは、大人数で、かつ授業時間内にやってしまうということでしょう。

さらに1年生指定科目である月曜日4限(15:00~16:30)の「統計学入門」では、
瀬戸キャンパスでも同時間帯に開講して、TIESでライブ配信を実施しています。
TIESからの配信なので、受講者以外(ゼミOB)もこれに参加できると思います。
単なる配信とはいえ双方向を意識しなければならず、授業の開始と終了時間が
異なる中では試行錯誤の連続です。

当然ですが、授業の準備は完璧でなければなりません。これが想像以上に大変
であるというのが現状です。特に、自学自習にアップするための設問を十分に
吟味・用意しておくことが授業の成功の秘訣です。

他大学で取り組んでいないことをいち早く試してみることこそ価値があります。
IT利用で先進の大学だけに誰かが新しい手法に挑戦する必要があります。また
このような試みを理解・応援してくれるスタッフがいるのも恵まれた環境です。


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■最近のゼミから
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☆関連サイト:http://www.kojima-seminar.net/

今年度は4月22日(火)に新歓コンパが金山で実施されました。3年生を歓待する
宴はもとより、4年生が就職活動の状況を報告してくれました。これからも就職
戦線に向かうわけですが、気分転換になってくれればと思います。また、OBも
職場から駆けつけてくれて、現役生にはよい刺激になったのではないでしょうか?

さて、2・3年生のゼミ発表も一回りしたので、連休明けからいよいよ本格的に
なります。隔週発表なので準備がとても大変ですが、ここを乗り切って力をつける
試練の時です。なお、彼らによるゼミの活動内容は、.NETに掲載していますので、
一度ご覧下さい。毎回、書記に記録させていますので、OBの皆さんがコメントを
つけてもらえると彼らの励みにもなって、とても助かります。

また、ゼミは火曜日に515教室で行っていますので、もしお時間があれば覗いて
いただくと刺激的な時間が過ごせるかもしれません。初めて実践的なプレゼンを
するというという学生もおり、今後が楽しみな時期でもあります。


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■編□集□後□記□
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私にとって、GWは3月末から新年度の準備・スタートで突っ走ってきた日々に
ちょっとした休息がもらえる期間です。大学が閑なだけにオフィスで自分の仕事を
処理するには最高の時間です。これまで溜まった仕事を片付けつつ、これから夏
までの準備をすることで、最高の結果が出るような仕込み期間となります。

2008年4月8日火曜日

第40号(2008.04.08)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第40号
□───────────────────――2008.04.08─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.040
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。

新年度の始まりとともにコジマガも40号に到達しました。これもOB読者が
きっといるだろうと想像で書いてきた結果だと思います。(一人も読んで
なかったりしたら侘しさを覚えますが・・)来る6月をもって発行5周年を
迎えます。そこで、何か特集を組んでみようかと思案中です。

さて最近、コジマガを編集して感じることは過去の記事にインデックスや
検索機能があったらなぁということです。似たような記事を書いていない
か、いつ書いたのかということチェックする必要が出てきました。データ
が多くなれば、それだけ機能が必要になります。


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■NGU短信 > 新オリエンテーションの段
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☆関連サイト:http://ngugp.jp/gendai/

3年間にわたり新入生オリエンテーションは合宿形式で行ってきました。
今年は合宿形式から通学形式に変更しました。アイスブレイクの自己紹介
ゲームやファシリテーションのためのゲームなどに加え、ウォークラリー
で大学の周辺の散策を兼ねた学習とちょっと嗜好を凝らしたものでした。

このように地域を素材として学部教育の中で学習する試みは、経済学部が
昨年度現代GPに採択された『「地域創成プログラム」の実践』の一環です。
基礎演習で、実際に歩きながら地域の概要について学び、実践的な学びを
通じて、「社会人基礎力」を養成するという教育プログラムです。

.NETで案内している学生によるマイルポスト運営も関連事業のひとつです。
生産地である瀬戸と消費地の名古屋を繋ぎ、経済学の学習内容を深めると
いう実践が現代GPでの取り組みです。その最初の学年として、新入生への
アプローチを開始しました。

さて「新入生はどうですか?」と聞かれることがありますが、このような
質問は難しく答えられません。というのも学生は一人ひとり違いますし、
どのようにでも変わることができるのが彼らの強みです。将来を期待される
若者ですから、皆で良い方向へ育ててゆくのが重要でしょう。

そのためには、彼らに夢や希望を与えること、それを実現するための道を
示すこと、さらに意欲を持続させること、自信を持たせることが大事です。
できるだけ大人として扱うようにして、自我に目覚めさせることにも気を
遣わねばなりません。大変なことですが、人間の成長に携わるというのは
楽しい仕事でもあります。


―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
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☆関連サイト:http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=04270339

『海嶺』(上中下),三浦綾子,,角川文庫
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すでにコジマガ35号で取り上げた『細川ガラシア夫人』で少し触れた作品
です。岩松(のちに岩吉に改名)、音吉、久吉の3人がマカオで日本初と
なる聖書の和訳作業に従事したというストーリーです。彼らは地元である
愛知県美浜町小野浦の船乗りでしたが、遠州灘で嵐に遭遇して1年以上も
太平洋を漂います。音吉たちの太平洋を船上漂流生活は凄まじく描かれて
いますが、これについては吉村昭の『漂流』もお薦めです。

彼らはカナダのフラッタリー岬への漂着し、地元インディアン部族の奴隷
となってしまったいましたが、救助されバンクーバーへ。その後、南米を
回りロンドンへ。さらに軍艦に乗船し、喜望峰からインドそしてマカオへ。

各地でキリスト教信者に救われますが、ここでは聖書和訳の手伝いをする
ことになます。キリシタン禁令の世に生まれ、掟に背いたときの仕打ちが
いかに厳しいものであるかを知っている彼らにとって、その仕事を手伝う
ことは想像以上に恐ろしいものでしょう。

帰郷を夢見て、いまそこにある苦難を受け入れ、諦めずに努力をしました。
ようやく日本へ向かう船を見つけ乗船することができましたが、彼らの船
は日本史でも有名なアメリカ商船モリソン号です。史実の通り、上陸を
目前にして砲撃を受け、打ち払われました。(この幕府の対応を批判した
渡辺崋山や高野長英らが捕らえられました。)

最後に故郷から捨てられた彼らの思いは一体どんなものだったのでしょう。
希望を失った彼らはその後どのように生きていったのでしょうか?岩松は
ラッキーという意味で吉に改名しましたが、ラッキーとは何でしょうか?

さて、これは原作を読む前に映画を先に見てしまった作品です。音吉たち
の記念碑は、数年前のゼミ旅行で近くを通りましたが、立ち寄ることが
できませんでした。また、この上巻では、熱田神宮や宮の渡も舞台になり、
大学の名古屋キャンパスに近いなんともローカルな話題です。

三浦綾子は、この地域の歴史をよく捉えています。夕方、伊勢湾から見る
鈴鹿山脈の稜線はとても綺麗です。セントレアから見る風景とほぼ同じです
ので、一度、幕末という激動の時代を考えてみるのも良いかもしれません。


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■最近のゼミから
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☆関連サイト:http://www.tiesnet.jp/

追い出しコンパで新4年生と久し振りに顔を合わせましたが、就職活動も
真っ只中で意欲的に取り組んでいる学生やちょっと落ち込んでいる者など
さまざまです。就職活動という経験が自分を見つめなおすきっかけとなり、
また一歩、大人へなってゆくのでしょう。徐々に敬語の使い方や所作など
もこなれてきて、ようやく話ができるぐらいになります。

さて、新しいゼミ生たちと対面をしました。3年生からが本格的なゼミに
なり、忙しい毎日が続くことになります。10年以上に亘るゼミのノウハウ
が蓄積され、最初に話すべき事項が多くなり過ぎました。昨年度も4年生
のフォローで助かりましたが、結構、忘れてしまうこともあります。です
から、Powerpointにガイダンス事項を備忘録のようにまとめてみました。

ちなみに春学期は以下の要領でゼミを実施します。お時間ができたら一度
覗きに来てください。OB諸氏にとって、後輩たちの慣れない発表は新鮮に
映ることでしょう。

【グループ研究テーマ】2・3年生
1. 電子マネーの規格乱立はどうなるか?
2. 市場飽和で携帯電話事業はどうなるか?
3. 住基カードはどうなるか?
4. ネットでの評価は正しいか?

【ご案内】
新学期のゼミ教室です。
 1年 基礎ゼミ  火曜1限 515教室(白鳥)
 2年 演習    火曜2限 515教室(白鳥)
 3年 経済演習  火曜4限 515教室(白鳥)

【行事案内】
日時:4月22日(火) 新歓コンパ
場所などの詳細は、.NETを参照下さい。


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■編□集□後□記□
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.NETにリンクしましたが、野口嘉則の “幸せ成功法則”は自分に悩んで
いる社会人の皆さんに勇気や自信を与えてくれるでしょう。またiTunesが
インストールしてなくても、Flashで聴くことができますので、試聴して
みてください。ちなみに野口嘉則氏はコーチングで有名で、ベストセラー
の『鏡の法則』の作者でもあります。人間力向上の手段に「コーチング」
が向いていると思う今日この頃です。

2008年3月15日土曜日

第39号(2008.03.15)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第39号
□───────────────────――2008.03.15─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.039
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。

2月は例年にないほど雪の日が多かったのですが、3月になり急に春
めいてきました。メリハリの効いた季節変わりです。季節の移ろいに
比べて、仕事が春モードにならないないのにちょっと焦りを感じます。
年度末の大学は何かと慌しいので、これも季節的要因でしょうか?


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■NGU短信 > 地域経済・産業調査と出会いの段
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毎年、名古屋学院の先生方と地域経済と産業の実地調査をしています。
今年で10年目になりますが、生きている経済を勉強する良い機会です。
ヒアリングの依頼から日程調整・移動などかなりハードな出張ですが、
その分、得られる成果も大きいように思います。

地域で頑張っている企業人からお話を伺うと、パワーが伝わってきます。
地方という立地条件や少子高齢化などのハンデに何らひるむことなく、
いまそこにある問題意識と新しい切り口で進んでゆきます。

評論や非難だけでなく、地域の人々に訴えかけ取り組みを拡大してゆく
姿勢には感動さえ覚えます。きっとプロジェクトXに出てきた人達と同じ
ような心意気で臨んでいるのでしょう。名誉心などでなくよく生きたい
という姿勢や、人目に触れずともひたむきな努力が感動を呼びます。
余談ですが、この調査期間はいつも天候に恵まれています。

さて今回の調査では、思いがけず歴史に触れ合うとことができました。
愛媛県宇和島市から南予の卯之町まで見学に連れていってもらった時の
ことです。どうも気になる地名で、歴史小説で出てきたようなのですが
その場では思い出せません。随行いただいた方に聞いても分からないと
のことでした。

気になりながらも、車窓から街のとある看板を発見しました。そこには
「高野長英の隠れ家」と書いてあります。なるほど『長英逃亡』か!と
思いましたが、それだけではないはずとすっきりとしない気持ち悪さが
残りました。出張から戻り、気になるのでネットで調べてみてようやく
分かりました。キーワードはシーボルトです。

シーボルトの鳴滝塾の塾頭が高野長英です。1837年にモリソン号事件が
起こりました。漂流民の音吉たちが帰国を願って商船モリソン号に乗船
していましたが、異国船打払令によって無念にもマカオに戻ったという
ことは三浦綾子の『海嶺』に詳述されています。

高野長英は幕府のこの対応を『戊戌夢物語』で批判して、幕府に捕らえ
られます。脱獄した後、各地を転々とし宇和島藩に庇護され、卯之町に
隠れていたといいます。これは吉村昭の『長英逃亡』に著されています。

シーボルトの弟子の二宮敬作が宇和島藩の出身で、シーボルト事件以降
地元に戻り、医者として活躍をしていました。シーボルトの娘のイネを
女医にすべく教育したのもこの街です。『ふぉん・しいほるとの娘』で
吉村氏が描いています。自分の頭の中で歴史と小説が繋がってゆきます。

来訪前に思い出していれば、もっと興味深い経験ができたことでしょう。
でも、これを契機に作品のストーリーが甦り、幕末の風景と重なります。
地元の名物ジャコ天や鯛飯(宇和島独特の鯛飯は最高です)も頂くこと
もでき、これまで読んだ素晴らしい作品との出会いも最高でした。


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■最近のゼミから
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☆関連サイト:http://www.tiesnet.jp/

3月14日(金)に2007年度の卒業式が名古屋国際会議場センチュリーホールで
挙行されました。これでようやく名古屋での1年が過ぎました。というのも
昨年の2月に名古屋キャンパスを新設して、入学式から卒業式までの1年を
終えたからです。また、本学にとって名古屋市内での卒業式は初めてのこと
だそうです。

隣接とはいえ大学ではない会場、イベント用の大きな会場で卒業式の雰囲気
は、瀬戸でのそれとは異なります。あいにくの雨でしたが、無事に終了しま
した。終了後に、白鳥学舎で卒業証書の交付や学部でのパーティなどが開催
されました。その後、研究室でゼミ修了証の授与式です。04生から卒業論文
を書き上げた学生にはゼミの修了証を渡してます。やはりゼミで学ぶことは、
卒論を書くプロセスにあるとしみじみと感じます。(ちなみに卒論はTIESの
中にPDFでおいてありますので参照ください。)

その夜、3年生による恒例の追出しコンパも行われ、楽しいひと時でした。
3年生諸君も就職活動真っ只中ですので、就職活動報告を聞きながらこの
1ヶ月の頑張りを想像します。最後に4年生から現役生へのプレゼントも
あり(ゼミの3種の神器:3色ペン、ミニ手帳、USBメモリ)、心温まる
お開きとなりました。

今年も卒業式が終わりましたので、いよいよ新年度の準備が本格化します。
新しい春はもうすぐです。


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■編□集□後□記□
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先週、ささやかですがOB達との飲み会がありました。このような飲み会の
お誘いがあるのも嬉しいものです。研究室に訪ねてくれるのもよいのですが、
何かと忙しくゆっくり話をすることもままなりません。日時を決めて、皆で
集まって飲むのがとても楽しいですね。互いの話題が創発することで新しい
展開が見えてきます。

2008年2月26日火曜日

第38号(2008.02.26)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@    第38号
□───────────────────――2008.02.26─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.038
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。

マイルポストが日比野駅前にオープンして1ヶ月あまりです。これまで瀬戸で
実績がある店舗だけに、その注目度やパブリシティは大きいものがあります。
テレビやラジオ・新聞に取り上げられる度に、店長であるゼミ生が登場します。
OB諸氏にとってより身近に感じられるのではないでしょうか。マイルポストに
立ち寄られましたら、是非、その感想を.NETにアップしてください。


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■NGU短信 > 人工芝グランド(瀬戸キャンパス)の段
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/

去る2月22日に瀬戸キャンパスでグランド完成式が挙行されました。昨年末から
第1グランド(ラグビー・アメフト場)の改修工事とともに野球場の排水工事と
アーチェリー場の移転も含めての大がかりな工事でした。

第1グランドには一面に人工芝が敷かれており、緑の絨毯が眩いばかりです。
新装したグランドは、心地よい足の感覚とともに想像より開放感があります。
以前とは全く違った場所に思えるほどです。多くの近隣大学もすでに人工芝で
整備しているだけに、これで対等以上になったといえます。

式典当日は、2月とは思えないほどのとても暖かい一日でした。冷たい北風が
吹くこともなく穏やかな日和ですので、屋外のイベントには最高の日でした。
キリスト教式にのっとた厳かな式典に続いて、お披露目などがありましたが、
これらからを期待をさせるようなワクワク感があります。

午後からは公開練習が行われましたが、クラブ員も皆、嬉しそうです。温かい
陽差しや見学者の視線に包まれている彼らの動きを見ていると、思わず笑みが
こぼれてきます。白いユニホーム姿で緑の絨毯で走り回る姿は、本当に鮮やか
で、これ以上ない至福のシチュエーションです。

アメリカンフットボール部の部長をお引き受けしてから今年で10年目ですが、
まるでField of Dreamのワンシーンを見ているようです。


―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
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☆関連サイト:http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=18687903

『「粗にして野だが卑ではない」石田禮助の生涯』、城山三郎、文芸春秋
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気骨ある愛知県出身の作家城山三郎氏の作品です。氏の作品『気張る男』の
主人公である松本重太郎についてはkojimag@02で述べています。お亡くなり
になりましたが、氏は個人情報保護法が国会を通過した時にテレビに出演し、
憤慨たるや凄まじい気迫を感じたのを覚えています。

さて、これは昭和63年に別冊文藝春秋に発表されたベストセラー小説で、当時
「粗にして野だが卑ではない」という流行語になった程です。主人公は、民間
から国鉄総裁になった石田禮助の話です。

主人公は三井物産に勤務し、長い海外生活を経験しています。しかし、自分を
マンキーと称して雑な人間と思っているところが人間味があります。裏と表を
使い分けることなく、合理的なものの考え方をするも、自分の行動には決して
卑しくないという精神はとても魅力的です。

国鉄の合理化は小泉内閣の郵政民営化の手本になるほど、難しい改革でした。
国労や族議員などの大きな影響のもとにあり、親方日の丸的な非効率経営は、
国の予算を圧迫する程です。巨大な公的組織のトップに立つことは、矢面に
立たされるということで、要職を引き受けるには相当な覚悟が必要になります。

今、「粗にして野だが卑でもある」という大人が増えています。自分の保身や
自己利益のためたけに行動することに躊躇いを感じない人たちはどの組織にも
いるはずです。日本の伝統的美意識や「武士道」とはほど遠い卑しい価値観で
あり、そのようにはなりたくないという反面教師もいます。

いまだに若者の純粋さを持ち理想を胸に頑張っている人にお薦めの一冊です。
ちなみに文庫本は380円ですから、コーヒー一杯の価格で多くの感動とともに
豊かな人生観をもたらしてくれることでしょう。


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■最近のゼミから
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☆関連サイト:http://www.tiesnet.jp/

名古屋に移転して辛くなったことは、サブゼミを開催する空間が無いことです。
瀬戸キャンパスではマルチメディア実習室があり、研究室からも近く何かと便利
でした。名古屋キャンパスの学術情報センターは綺麗でよいのですが、サブゼミ
となると多くの学生の中で使い辛く、クローズする時期や時間にあまり融通が
利きません。卒論の仕上げのためには、十分な時間や施設が欲しいところです。

ガラス張りのミーティングルームが利用できそうでしたので、早速予約し、利用
してみることにしました。最初は、外から覗かれているようで気恥ずかしくも
ありましたが、慣れてくるうちに使い勝手もよく、結構、利用できそうかなぁと
いう感触を得ました。

頑張っている学生の姿が知られることは組織の活性化になります、彼らの自信
にもつながります。案外と見られている緊張感は、良いのかもしれません。卒論
指導をするときには、あたかも受験生を扱うようです。頑張るのは私でなくゼミ
生なので、叱咤激励するしかありません。卒論の取組や完成のプロセスを改善
していますが、今年の3年には卒論完成へ王手をかける学生が出てきました。
今後の成果が楽しみです。

ゼミの朗報です。3年の柴田勇紀君が第22回全日本学生スキー技術選手権大会で
男子個人総合で優勝しました。(最近のゼミ生は、サークルや部活のリーダーが
増えているのが特長です)


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■編□集□後□記□
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先月の幕張への出張では、OBから電話をもらい一緒にランチをするという機会に
恵まれました。久し振りに会って、ゆっくり話をきけるのも素敵な時間でした。
また.NETからスケジュールをチェックしていたことに感心します。これがネット
の楽しみでしょうか。

2008年1月29日火曜日

第37号(2008.01.29)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@    第37号
□───────────────────――2008.01.29─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.037
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。

卒業生からの年賀状をみると、そこからいろいろな情報が読み取れます。
最近は、固定電話や手紙・葉書が疎かにされがちですが、良いところは
日本の文化として大切に残しておく必要性を感じます。

メールやWebでも情報は伝達できますが、手紙などには何とも言えない
その人の「人となり」を感じることができます。作成に手間をかけた
手紙の表現に作者の思いが込められるのでしょう。


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■NGU短信 > 新マイルポスト・オープンの段
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☆関連サイトhttp://d.hatena.ne.jp/milepost/

すでに新聞や.NETでご存知の方も多いと思いますが、27日(日)に日比野
商店街にマイルポストがオープンしました。新しいマイルポストの運営に
ゼミ生も何人か関わっており、頑張っています。

オープン前の内覧会へ招待されたので、私も行ってきました。地下鉄の駅
に近く、とても便利です。小さなスペースですが、小洒落て清潔感があり
素敵な雰囲気です。とても寒い日だったので、メニューの温かいスープは
いっそう美味でした。コーヒーとミニパンも美味しくいただきました。

準備期間は短く、大変であっただろうということが、容易に推察できます。
これから地域の人達とのコミュニケーションを図るため、そしてスタッフ
がいろいろな経験をするための場です。希望の未来への道標となることを
祈っています。

【マイルポスト概要】
□営業時間:午前11時~午後6時
□定休日 :水・木曜日
□場 所 :地下鉄日比野駅3番出口 西40m


―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
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☆関連サイト:http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31091427

本の紹介は、ゼミサイト.NETの☆談話室(フォーラム)のコンテンツにも
アップします。すでに11冊をコジマガで紹介しましたが、徐々に掲載して、
サイトとのコラボを実現する予定です。

02.本に関する話題(目がつぶれるまで本を読もう!)
『樅の木は残った』(上中下巻)、山本周五郎、新潮文庫
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(2008年1月10日にアップ)

樅(もみ)の木は、ご存知の通りクリスマスシーズンに活躍する寒冷地の
樹木です。でも、クリスマスに関する話ではありません。

この本は文豪の山本周五郎が昭和30年頃に連載した小説なので、最近の
若い人にはあまり知られていないかもしれません。題材となったテーマ
は、江戸時代に起こった「伊達騒動」です。

仙台藩家臣である原田甲斐がお家取り潰しの謀略を身を挺して、逆臣の
レッテルを貼られても未然に防ぐというストーリーです。巨大な相手の
政治的思惑に乗らないため、陰湿な仕掛けにもひたすら耐えて凌ぎます、
最終的には、自らの命を賭してこれにあたるのですが・・・。対峙する
相手の大きさに無常さを覚えながらも、守るべきもののためにひたすら
堪忍や辛抱の必要性が描かれています。

本来、政治的動向には興味がなく、自然のままに振舞っていたいと願う
主人公が、自分の立場として次第に巻き込まれてゆく。絶対に他人には
知られてはならない使命をもってことにあたると姿、そのために汚名を
着せられても、守るべきもののために冷静にことを運ぶ主人公の姿勢に
共感します。

名を挙げる功績だけでなく、自分が果たすべき役割が何か、そのために
人に謗られようが、命を狙われようが関係ありません。仲良く、楽しく
暮らしたいが、家臣であるためにその願いも叶わず、武士の忠孝とは何
であるか、従来の日本人の美意識を教えてくれる作品です。

また、作者の描く人物像には心打たれます。物静かであるが人の痛みや
苦しみをじっと見つめることのできる主人公。人間的な器量のに大きさ
を上手に描いています。さまざまな登場人物には、人間の精神的弱さ、
一途さ、厭らしさ、性急さ、失望感などが巧く表現されています。

本の最後に描かれている樅木に雪が舞うシーンは、目に浮かぶようです。
北国の厳しい自然を樅木に映し出すとともに、主人公が持つ芯の強さ、
たとえ一人になっても凛として耐え忍ぶということを表現しているよう
です。

正月休みに素晴らしい長編小説を読破でき、とても満足です。

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■最近のゼミから
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☆関連サイト:http://www.tiesnet.jp/

昨年からのトライアルでTIESを利用した日本語のダメ出し指導は、大変
便利です。コジマガ27号でも紹介しましたが、これほどICTの利便性を
感じるのも珍しいと思います。児島とゼミ生が感じる具体的な利便性は
以下の通りです。

1.受け渡しがシームレス
 →児島:同期をとる必要なし(本人に直接、手渡さなくてもよい)
 →学生:自宅でも受け取れる(早く修正作業ができる)
2.ダメ出し記録・原稿が残る
 →児島:PDFとして指導履歴が残っている、しっかりダメを出せる
 →学生:オープンなので、いい加減に書かない

上記のメリットは、実際に見たり、使ったりしなくてはわかりません。
ご案内の通りOBの皆さんのTIES登録は済ませていますので、思い立った
時に、ご利用いただけます。(ID:学籍番号、PWD:問合せください)


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■編□集□後□記□
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☆関連サイト:http://www.city.nagoya.jp/jigyou/kenchiku/toshikeikan/
keikanshou/keikan/nagoya00038897.html

コジマガ32号「都市景観について考えるの段」でも紹介した都市景観賞です
が、昨年の受賞は以下の通りです。

●まちなみ部門●
アーバンネット名古屋ビル(商業施設名:ブロッサ)
文化のみち 百花百草
ミッドランドスクエア
南山高等学校・中学校(女子部)新校舎
南山のワークスペース+住居
名古屋学院大学 名古屋キャンパス 白鳥学舎
広告付バス停留所上屋

詳細は、関連サイトで確認してください。

2008年1月4日金曜日

第36号(2008.01.04)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第36号
□───────────────────――2008.01.04─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.036
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。

新年あけましておめでとうございます。
2008年のゼミのテーマは「明日を創る人間力」です。

恒例の忘年会は30名ほどの宴会となり、とても楽しい時を過ごすことが
できました。大きな成果を出してくれた人、皆がワクワクする夢を宣言
してくれた人・・・それぞれが参加者に希望を与え、明日への力となる
のでしょう。ここで発表されたゼミのテーマの意味は、以下の通りです。

明日を待っているのでなく、自分で明日を創ってゆく、創れるような
環境に身を投じるという意味です。自分が思い描く夢は自らの手で掴む
しかありません。夢の実現のために一日一日を大切にしてゆこうという
願いがこもっています。


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■NGU短信 > 教育力の評価:3つのGPの段
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☆関連サイト:http://ngugp.jp/,http://ngugp.jp/gendai/

新年ですから明るい話題をしましょう。今年度の名古屋学院大学は名古屋
キャンパスを開設し、名古屋地区で初めてとなる都心回帰を果たしました。
また、白鳥キャンパスはミッドランドスクエアなどとともに名古屋市都市
景観賞に選定され、大きな話題を振りまいています。

大学としては教育機関としての社会評価を高めてゆかなければなりません。
もちろん、学生や卒業生がマスコミなど登場し頑張ってくれることも重要
ですが、大学の活動は研究・教育が中心です。この社会評価のひとつには
文部科学省が選定しているCOEやGPがあります。

今年度は、現代GPと学生支援GPの2つが採択されました。どちらもかなり
難関ですが、2年間で3つもGPが採択されたのは名古屋学院の教育力が評価
されたものとして素直に喜んでよいでしょう。もちろん、この基盤は瀬戸
での実施してきた地道な教育改革の賜であると思っています。GPの詳細に
ついては、上記の関連サイトをご覧ください。

例えば、週刊東洋経済(2007.10.13号)の「日本の大学トップ100」という
記事で、本学は92位にランクされました。愛知県の私立大学では6番目です。
この評価には11の指標を利用していますが、「教育力」にはGP採択件数が
挙げられています。3つのGPを獲得できたことが、大学のランクをアップ
させている結果に繋がりました。

今後もどのような評価を得るのかということに思いを巡らせます。むろん
活躍するOBでも高まるであろうし、教員や学生の活躍でもよいでしょう。
ただ、小手先の方策よりも、地に足をつけた努力を上手く売り出して行く
ことが名古屋学院らしく思えます。

現代GPは「地域創成プログラム」として生産地の瀬戸と消費地の名古屋と
を繋ぐ広域街づくりです。これを経済学部の教育プログラムの中で実践し
ている点が評価されています。この活動のひとつとして、瀬戸の商店街で
まちづくりを展開した実績があります。

瀬戸でスタートした学生の店「マイルポスト」は今月末、地下鉄日比野駅
の近くにオープンします。現役のゼミ生も深く関わっているので、一度、
ご来店ください。実践的な教育の場を名古屋でも展開し、これらをさらに
加速させるのが、本学らしいスタイルであると思います。

このように卒業生の知らないところで、大学は大きく変わっています。


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■最近のゼミから
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☆関連サイト:http://www.kojima-seminar.net/

2007年中には、コジマガを10号(第26号~第35号まで)発行できました。
これまでの発行状況を見てみると、忙しいときにはなかなか発信できて
いません。昨年はブログやGoogleノートを利用することでアイディアや
話題のメモ書きが容易になったことが功を奏しているように思います。
しかし、コジマガの課題として配信先MLの整理が必要です。どのように
OBの皆さんから更新データを集めたらよいでしょうか?

周知の通り、コジマガは.NETでバックナンバーを読むことができますが、
リアルタイムでの配信システムを確立しないとコンテンツの賞味期限が
切れてしまいます。そこで、これからはコジマガと.NETとの併用を模索
しようと思います。従来は150行を目処にしていましたが、これを100行
程度に減らします。例えば、卒業研究発表会の結果報告は即時性が高く、
残しておきたい記事なので、.NETへ持ってゆきます。

卒業生からのメールや問合わせは嬉しい限りですが、もっと嬉しいのは
卒業生同士の世代を超えたやりとりです。私一人で100名以上の相手を
していても意味がありません。人間力を磨くためには、どれだけ共有し
周りに気を遣えるか、自分の立場が理解できるかだと思います。

ネットでの実現として、お手持ちの写真をアルバムにアップして下さい。
また、ゼミのメンバー登録をお願いします。さらに、mixi日記やブログ
の使いまわし(コピペ)で結構ですので、投稿をお願いします。サイト
の価値は自分たちで創造するものですので、まず一人ひとりの投稿(票)
をお願いします。情報を共有することでコンテンツは創発されます。

.NETには創発のための仕掛けがしてあります。投稿数によってランクが
アップしたり、学年ごとのスレッドなどを上手く利用してもらえればと
期待しています。今年は、誰が一番書き込みをしてくれるか楽しみです。


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■編□集□後□記□
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2007年の振り返り。3月は岡山・広島への調査、夏には浜松や静岡への
出張・飲み会でした。秋には熊本へ視察、その他に、北海道や沖縄での
学会・研究会。もちろん、いつものように東京や奈良への出張もあり、
昨年も東奔西走しました。

今年はどこへ行くのやら。旅先がお住まいの近くなら、浜松でのOB会の
ように一度、ゼミOBと飲む機会も楽しいことでしょう。スケジュールは
.NETをチェックください。さて、今年も始動です。