2010年9月11日土曜日

第61号(2010.09.11)

□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@    第61号
□───────────────────――2010.09.11─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.061
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。


さて、今回から暫くアメリカでの研究生活から見た事情をお伝えします。
筆者はこの9月より大学から1年間サバティカル(Sabbatical:研究休暇)
をもらって、University of Central Floridaで研修に入りました。

そこで、いつもの「NGU短信」は読者の皆さんにお任せし(.NETに投稿
してもらえると助かります)て、コジマガ form USAとして「アメリカ短信」
をお送りいたします。また「最近のゼミ・講義から」は研修先の大学UCFに
ついて報告します。そこでタイトルも「UCFから」という名前に変更します。
その他、本の紹介などは続けてゆくつもりです。写真も逐次、.NETにアップ
する予定ですので、お楽しみに。

Web2.0ツールを試す時間があるだけに、ブログやTwitter、Facebookなどと
もコラボしたいと思います。


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■アメリカ短信 > アメリカ生活開始の段
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☆関連サイト:

何もかも初めての時には、かなりのパワーが必要です。大学入学や新しい
職場で見知らぬ土地に住んだことのある経験をお持ちの人ならば分かって
もらえると思います。加えて、英語が堪能でない状況となると、留学経験
がある人には共感してもらえるはずです。社会制度や生活習慣も違う中で
これに順応してゆくには、ある程度の時間も必要でしょう。

すでにアメリカ(フロリダ州オーランド)に来て2週間が過ぎましたが、
相変わらず英語のコミュニケーションに難ありです。日常英語が聞けない、
話せない、読めないというヘレンケラー状態です。論文ならば内容も推測
でき、専門用語や決まったパターンが多いので、思ったほど大変ではあり
ません。しかし、日常会話は違います。

理解できないときには「Pardon?」で聞き返し、英語がよく分からないと
言えば、ほぼ100%ゆっくりとわかりやすい表現で教えてくれます。かつて
昔フロリダはスペイン領であったこと、さらに海を隔ててキューバがあり、
ヒスパニック系が多い地域です。(WikiPediaによれば、州の人口比20%を
超えています。)

スペイン語しか話さない移民も多いようで、地元のケーブルテレビ局では
ニュースをスペイン語でも放送しています(これが多チャンネルの強み)。
という事情もあって、英語が分からなくても分かろうとする姿勢を示せば
何とかなるものです。もちろん分からないままに適当に流してしまって、
後から困ったことになるのも度々ですが・・・

現地での生活は徐々にセットアップできつつありますので、これに併せて
日常会話も上達するようにします。結局、慣れしかないと思っています。
幸い24時間英語漬けなので、これ以上の環境はないでしょう。


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■UCFから
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☆関連サイト:http://www.ucf.edu/

読者の皆さんの中には、一体アメリカへ何をしに行っているのか?という
疑問をお持ちの方がおられるかも知れません。そこで、まず何を研究しに
フロリダまで来ているのかを簡単にご紹介しましょう。

ご存じの通り、私の所属は経済学部で、計量経済学や情報処理などの科目
を専門に教えています。最近の興味関心は、Web2.0に代表されるICT技術の
進展が経済社会に極めて大きな影響を与えていることです。すでに多くの
経済取引がネット上で行われており、その趨勢はますます大きくなること
でしょう。

インターネットを最も使いこなしているアメリカの事情を知りたいという
関心があります。技術的には日本も劣るところはありませんが、ユーザ側
を見ると、その潜在能力が十分に生かしきれていないように感じます。
10年先を行っているアメリカと言われますが、どのような状況であるかを
直接、感じ取らなければならないと思っていました。

もう一つの関心はeラーニングです。すでにコジマガで紹介しているように
これまで獲得した2つのGPはこれに関連するものですし、大学同士を繋ぐ
TIESは日本の高等教育の中では、かなり先進的ツールです。

すでにICTを使った授業の試みは多様で、その活用例を挙げると枚挙に暇
がありません。特に期待されていた手法がネットでの遠隔授業です。しかし、
これを成功させるには、いくつもの条件が揃わないと有効ではありません。
残念ながら、日本ではICTの活用が国を挙げて広がるどころか、半ば諦め
られているという現状です。

一方、対面教育とeラーニングのいいとこ取りをした方法があります。これ
がブレンデッド・ラーニングです。幸い本学では全員にノートパソコンを
持たせているので、ネットを併用した教育手法が効果的ではないかと考え
実践しています。お陰で、最近は少しですが成果も出てきました。

このブレンドの最先端を行くのが、University of Central Floridaです。
世界的に著名な研究者やその実践を支えるエキスパート、素晴らしい施設
とともに理解ある大学トップという大変素晴らしい大学です。UCFの学生数
は53,000人以上と全米でも第3番目というマンモス大学です。学生への講義
にはオンラインで履修できるようにしており、学生へのサービス向上の他、
大学の経営にも寄与しています。

以上は、アメリカならではの状況かも知れませんが、すでにYouTubeなどで
動画が誰でも簡単にアップできる時代です。日本でも、医学部などでは、
ビデオを利用した臨床用の教材作成も増えつつあります。現在、日本では
注目されてはいませんが、いつか取り組まなければならない課題になると
思っています。そこで、UCFの先進事例の見聞は先行投資と思っており、
できればNGUで展開できるようにしたいと考えています。

以上、簡単ですが研修の目的でした。
なお、以下が研修先です。(Google Mapsで検索してください)

University of Central Florida
Center for Distributed Learning

3100 Technology Park Way
Orlando, FL 32826-3281


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■編□集□後□記□
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XOOPでのサイト管理に利用する画像には、規定以上のサイズはアップロード
できません。そこで、Picasaでエクスポートすると画像サイズが変更できる
のでこれを使って.NETにも写真を掲載しておきました。お暇なときにでも
ご覧ください。

今日は9.11です。フロリダ州の牧師がコーランを燃やす宣言をしたために、
このニュースが大きく取り上げられています。一時は中止する表明したよう
ですが、これを取り下げになったりと話が混沌としてます。

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