□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@ 第76号
□───────────────────――2011.05.24─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.076
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
5月16日から新学期が始まって、授業が再開です。UCFはアメリカの多くの大学と
同じく3学期制です。もちろん、このセメスターで開講される授業科目を履修し
単位を取ったり、インターンシップや短期海外研修に参加するといった選択肢が
あります。
毎年6月にNGUへ短期海外研修として米国の大学生がやって来ますが、これは夏
のセメスターで授業の代わりに研修プログラムに参加しているのでしょう。
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■アメリカ短信 > ディズニー・ワールドの段
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☆関連サイト:http://disneyworld.disney.go.com/
アメリカで15回ほどメルマガを発行しましたが、地元オーランドの最大の名所
であるウォルト・ディズニー・ワールド(以下、WDW)についてまとまった報告
をしていません。そこで、今回はWDWについてです。
オーランド国際空港で見かける日本人旅行者は2タイプです。ビジネスや学会
へ出席と思われる人と、若い女性グループもしくは新婚さんです。前者は巨大
コンベンションセンターでの仕事関係で、後者はWDWやユニバーサルなどでの
観光目的と思われます。オーランドの宿泊は、両者ともにインターナショナル
ドライブ周辺のホテルでしょうから、UCFや私のアパートメントがある地区と
はかなり離れたエリアです。ですから普段、日本人を見かけることはほとんど
ありません。
8ヶ月の滞在期間でディズニーワールド周辺を何度も訪れて、ある程度分かる
ようになりました。山手線内の約2倍の敷地面積なので、位置関係を覚えるの
にも時間がかかります。40年以上前にウォルト・ディズニーがオーラント郊外
にあった広大なオレンジ畑を買収し、巨大な施設群を構想したのが始まりです。
ここは、今やオーランドの基幹産業の集積地に変貌しています。
敷地内には4つのテーマパークの他、野球をはじめとするスポーツのキャンプ
施設、3つのゴルフ場、シルク・ドゥ・ソレイユの常設会場に加えて、ホテル
も数多くあります。シャトルバスやモノレールが走っていますが、短期間では
とても回り切ることはできません。日本のガイドブックにある1日で2パーク
という計画はかなり無茶に思えます。TDRのようにコンパクトではありません。
テーマパークはそれぞれ個性を持っています。どのパークもゲートは一箇所で、
真正面にシンボリックな建物が配置されています。マジックキングダムは東京
ディズニーランドとほぼ同じ配置で、シンデレラ城も同じです。(発祥の地で
あるアナハイムは「眠れる森の美女」だそうで、形が違います。)シンデレラ
城を中心とした夜の花火は圧巻です。ただし、ここへのアクセスは駐車場から
入口までモノレールに乗らなければなりません。ですから帰りはTDL並の混雑
とモノレール車内の薄暗さを覚悟する必要があります。
次に、ハリウッドスタジオは映画をテーマとしたパークで、正面にはミッキー
の魔法使いの弟子で登場する巨大な帽子が象徴です。映画好きには面白い内容
だと思います。ここのアトラクションでは、タワーオブテラーやコースターは
強烈です。トイ・ストーリーのミッドウェーマニアは非常に面白く、TDRにも
導入が期待されます。また、スターツアーズがオープンしたそうで、パークの
魅力がますます高まることでしょう。さらに夜のファンタズミックは必見です。
(この春から東京ディズニーシーで公演が始まったそうです。)
そして、アニマルキングダムはその名の通り動物園です。正面には巨大な木が
あり、自然をテーマとしています。ライドで動物の生態を観るアトラクション
は、富士サファリパークといった感じです。動物以外にも恐竜や昆虫を扱って
おり、子どもには面白いパークかも知れません。大人も楽しめるのは、2つの
ミュージカルで素晴らしい公演です。なお、動物に合わせた閉園時間なので、
他のパークよりも早く閉まります。
エプコット(Epcot)はExperimental Prototype Community of Tomorrowの略
です。ウォルトが描く実験未来都市なので大人も楽しめる面白いパークです。
ゲート正面は白い球体の建物が出迎えてくれます。このパークは入口手前の
フューチャーワールドと奥のワールドショーケースに二分され、まさに万博
会場のようです。科学技術を紹介するフューチャーワールドには、関連企業
が提供する近未来的アトラクションがあり、どれも興味深く面白い内容です。
とりわけSoarin'はファストパスが昼過ぎに無くなるほどの人気です。美しい
カリフォルニアの大自然で空を舞う気分は最高です。日本の風景を使いTDRに
導入すれば、クールジャパンをPRできるので切望します。池の周りに作られ
たワールドショーケースには、各国のパビリオンに特産物などのショップや
レストランがあります。日本館では三越が伝統工芸品に加え、アニメなどの
グッズも販売しています。幸い日本館はありますが、もし自国のパビリオン
がなければきっと寂しい思いをすることでしょう。なお、閉園時間の夜9時
には、池を舞台に花火と共にショーが行われます。
WDW内のダウンタウンディズニーは、東京ディズニーリゾートで例えるなら、
JR舞浜駅のイクスピアリという感じです。どちらも個性豊かなレストランや
文化施設・グッズの専門店などが集積しています。ここは湖畔の半周を使い
街が作られています。両端のウェストサイドからイーストサイドまで歩くと
約20分ぐらいしょう。ウインドウショッピングで約2時間という感じです。
この西端にシルク・ドゥ・ソレイユの常設館があり、その意味でも舞浜駅と
よく似ています。舞浜はZEDですが、ここはLa NouBAが常時公演しています。
入場料金は日本とほぼ同じですが、現在は円高の分だけ割安感があります。
2時間弱の公演では、笑いと共に超人たちの美技に魅せられます。中でも、
アジア系の少女4人によるパフォーマンスは最高です。会場の観客たちが、
次第に彼女たちの技に惹きこまれる様子がわかります。
以上、体験レポートですが、それでも観ておくべき場所は数多くあります。
例えば、セレブレーションはディズニーが開発・造成した住宅コミュニティ
です。また、夏場に開場するウォーター関連の施設は未踏ですし、敷地内
にある3つのゴルフ場は是非、プレーしたいと思います。PGAが開催される
コースやミッキーバンカーのある有名なコースは必見でしょう。
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■UCFから
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☆関連サイト:
先日、UCFの機関がスタップ向けに発行している広報誌への寄稿を依頼されま
した。ひとつはFaculty Center for Teaching and Learningの発行"Faculty
Focus"で、もうひとつは自分が所属するCDLの"Information Technologies &
Resources"です。
日本の大学関連の機関誌で、かつ日本語ならば何ら問題ありません。しかし、
作文の前提となる読者との共通の理解がどこまでであるかが分かりくいこと
に加え、貧弱な英語表現力で筆者の主張が正確に伝わるかが気にかかります。
とはいえ、折角いただいた機会ですし、このような試練も経験しておこうと
承諾しました。
作業としては、日本ができるスタッフとテーマに関する打ち合わせをした後、
まず日本語で記事全体の内容を仕上げました。次に、英語への翻訳作業です。
文章をだらだらと書いてしまう癖があるので、英文にするには不要な部分を
大きく削除しました。記事の目安としては、700Words程度と言われていまし
たが、1100から縮められません。文章を短くすれば意味が通らなくなります
し、凝った表現ができないので致し方ありません。これをきちん意味が通る
英文にするには、ネイティブチェックが必要です。そこで、日本語が堪能な
Fさんにアポイントメントをとり、何度かオフィスに伺うことになりました。
ここで英文のチェックを受ける時は、久しぶりに学生の気持ちです。自分が
書いた文章が理解してもらえるか?というのが一番の課題です。ざっくりと
読んでいただき、ストーリーはすんなり理解してもらえたようです。しかし
表現力や前提の知識に違いがあり、何箇所が説明を求められれる記述があり
ました。その後、文章での主張と結論の確認をして、とりあえずのタイトル
決めを助けてもらいました。
ひとつ終わりました。今週はもうひとつの文章チェックです。
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■編□集□後□記□
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ディズニーといえばファンタジーぽくってと思う人も多いかも知れません。
しかし、サービス産業では極めて注目すべき企業のひとつで、その動向は
チェックが必要です。
パークの入場料金は80ドル以上なので、日本のそれよりもかなり高額です。
UCFの観光学部の先生とのお話で、そんな高額でも全米や世界中からお客を
呼べる企業はすごいう点を指摘されていましたが、全く同感です。喜んで
金を支払い、また来たいと思わせるアトラクションやサービスには見習う
べきところが多いと思われます。同時に、日本のホスピタリティ産業には
まだ発展余地が残されているようにも感じます。
2011年5月10日火曜日
第75号(2011.05.10)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@ 第75号
□───────────────────――2011.05.10─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.075
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
日本のゴールデンウィークに合わせて、フロリダ半島を南半周するドライブへ
出かけました。そこで、今回はいつもの記事をお休みして、南フロリダ観光を
メインとした内容に変更です。
事前知識として地図を参照するのが一番ですが、簡単に位置関係を説明します。
フロリダ半島はアメリカの南東に位置します。地図でいえば右下にあたります。
オーランドはセントラルフロリダですので、丁度真ん中にあると考えてよいと
思います。半島の東が大西洋、西がメキシコ湾です。
フロリダ半島は東西よりも南北に長く、南先端まではオーランドからも結構な
距離があります。さらに半島の先には島々が繋がり、これをフロリダキーズと
いいます。キーズの一番端がキーウェストです。
なお、文中に出てくるI数字は、インターステイト道路の番号のことです。
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■フロリダ観光 > マイアミビーチの段
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フロリダ最大の都市はマイアミで半島の先端あたりに位置します。ただし州都
ではありません(州都は北部にあるタラハシーです。)マイアミはオーランド
から車でI95をひたすら南下し、4時間ほど走ります。片道は約350Kmですので、
日本ならば東京=名古屋くらいの距離に相当します。ここはビジネス金融街で、
日本の総領事館もここにあります。南米系の移民も多く、スペイン語が主流に
なっているエリアもあり、その周辺では「英語が話せます」という表示もある
そうです。
マイアミはビスケーン湾を隔てて、ダウンタウンとビーチに二分されています。
ダウンタウンは碁盤の目のように構成されおり、市内には電車(メトロレイル
やメトロムーバー)も走っています。スーツを着たビジネスマンの姿を数多く
見かけます。
ハーバーに隣接しているベイサイドマーケットプレイスは、ジェットボートや
観光船などの発着場所になっています。ここには多くのショップがあり、日本
に進出したHoopersやフォレストガンプに登場するシュリンプ店があります。
ダウンタウンから東へビスケーン湾を橋で越えると、そこがマイアミビーチ市
で、有名なマイアミビーチがあります。大西洋は波が高く、サーフィンに絶好
の海でしょう。ケネディスペースセンターに近いココビーチよりもサーファー
は多いような気がします。また、ビーチの南方には豪華クルーズ客船や貨物船
が、往き来するのが見えます。
このビーチに並行したストリートには、ホテルのテラス式のレストランが続き、
多くの人々が水着のまま行き交います。マイアミビーチは昼間から音楽と食事
や酒などによって、非日常な空間です。家族連れよりも、カップルや若者達が
歩いていたり、かなり開放的な雰囲気です。(これが都市の魅力なのかも知れ
ません。)
このメインストリートに沿って、カラフルな小洒落た感じのプチホテルが軒を
連ねています。いろいろな映画のロケ地になっており、「ボディガード」にも
出てくる豪華なホテルもあります。この辺りを含めてアール・デコ地区が構成
されており、建物の色使いに特徴があります。デザインを意識した街づくりが
実践されていることが分かります。
『地球の歩き方』によれば、有名なストーンクラブのレストランがあります。
この店の扉にはドレスコードが表示されています。ちょっとラフな格好をして
いただけに、入店できるかどうか心配でした。幸い断れることなくテーブルへ
案内されました。ここで名物のストーンクラブ(小皿)にクラムチャウダーと
カラマリ・フリット(イカの唐揚げ)、コールスロー・サラダを注文しました。
ストーンクラブは、名前のごとく甲羅がとても固いカニです。カニの甲羅は、
まるで陶器のようです。とりわけ美味というわけではありません。旨さならば
日本で食すカニの方が上でしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■フロリダ観光 > フロリダキーズの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
国道1号線(US1)はアメリカの東海岸を南北に縦断しています。ボストンから
NY・フィラデルフィア・ワシントンD.C.を経て、フロリダ半島へと繋がります。
そしてマイアミを抜けて半島の先端に達すると島々を渡って、キーウェストが
終着点となります。
まず、マイアミからフロリダ半島の先端でUS1に入って、キーウェストまでの
ロングドライブが始まります。キーラーゴからいくつもの島々を通り、左右の
車窓からは珊瑚礁の美しい海が望めます。抜けるような空の青さを反射した海
は本当に綺麗です。マラソンの街が終われば、いよいよセブンマイルブリッジ
です。広く青い海の中に架かるセブンマイルブリッジには感動です。約10Km
以上の続く長い橋は、コマーシャルにも使われるような絶景ポイントです。
マイアミから4時間のドライブで、ようやくキーウエストに到着します。第一
印象は、キーウェストは日本の軽井沢や湘南の観光の町という感じです。この
島は東西が長く南北は短く、南の端から北のピアまでは30分以内で歩けます。
自転車やバイクをレンタルする観光客も多いようです。当初は、小さな島を
イメージしていましたが、実際はちょっと違っていました。
見学ポイントはいろいろあります。まず最初に、US1の起点となるポイントへ
寄ってからヘミングウェイの家を見学です。ここでは彼の猫好きがよく分かり
ます。また、日本語の案内をもらえますので、文学に疎い自分には助かります。
その後、最南端の地まで歩いてゆき記念撮影。ここから海の向こう90マイルは
キューバです。
次に、最南端からウインドウショッピングしながら北上です。キーウェストの
メインストリートは観光地という雰囲気が出ています。いくつものお土産屋や
レストランが立ち並んでいます。最後は、有名なキーライムパイの店でお茶と
キーライムパイをいただき予定は終了です。
サンセット前にはキーウェストを離れて、宿泊先のキーラーゴまで戻ります。
Bertie Higginsの歌 "Keylargo" を聞きながらのドライブです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■フロリダ観光 > サラソタからタンパベイの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
フロリダキーズからフロリダ半島に戻り、I75を使いエバーグレイズ国立公園
の中を走り抜けます。半島を西へ横断するという感じですから、かなりの距離
を走ることになります。道路の左右はブッシュや森がはるか地平線の彼方まで
続く光景です。これが夜だったら、かなり恐怖感があるだろうと思いました。
また、こんな一本道で速度違反を取り締まっているパトロールにも驚きます。
大自然のエリアを抜けてからは、フォートマイヤーズ(レッドソックスの春の
キャンプ地)を通って、サラソタ(上原が所属するオリオールズのキャンプ地)
まで移動です。市内からさらに西に進み、橋を渡ってロングボードキーに入る
とようやくメキシコ湾が見えてきます。この辺りは地図上では細長い島ですが、
お金持ちが住んでいるような家やきれいなゴルフ場があって、高級なイメージ
を持ちました。ここでは、創業1905年というコロンビア料理の有名レストラン
へ出かけました。本店はタンパですが、フロリダにはいくつも支店があります。
平日だけに店も空いており、スペイン風のパエリアとステーキを堪能です。
サラソタのビーチからは180度に渡って水平線が見え、地球が丸いことも確認
できます。観光客もそれほど多くなく、ゆっくりと滞在するには良い場所です。
また、ラッキーなことに、夕陽は雲に隠れることなく、サンセットを迎えます。
太陽がメキシコ湾の水平線に接してから、完全に海へ沈むまでのシーンを見る
ことができました。これはかなり感動的な光景です。
サラソタから北上して、セントピーターズバーグへ向かいます。I275でタンパ
ベイを越えるサンシャイン・スカイウェイ橋は圧巻で、通行料金の2.5ドルを
支払う価値は十分あります。巨大な斜張橋で、セブンマイルブリッジとは一味
違った迫力があります。かなり高い位置まで上るので、橋からの眺望は最高で、
対岸のトロピカーナ球場(レイズの本拠地)なども遠くに見わたせます。
セントピーターズバーグにはダリ美術館があります。平日にも関わらず駐車場
は満杯で、かなりのお客さんがいます。ここでシュール・レアリズムの作品を
鑑賞です。オーランドへの帰り道は北東方面ですが、またタンパベイを渡って
レストランへ寄り道です。このレストランの窓からはタンパベイが一望でき、
魚が水面を跳ね回っています。前に来たときは、眼下の海にエイ(デビルレイ)
がおり、ちょっと贅沢な光景です。ここではシュリンプカクテルとともお薦め
のサーフアンドターフを堪能です。お腹も満たされて、I4で100マイルの道を
帰ります。2時間ほど走ると、WDWの近くにあるミッキーの形をした電信柱が
見えてきました。これでオーランドに戻ってきたという実感が湧きます。
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■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
メールの文字だけで旅情を伝えることは、大変難しいように感じました。その
意味で作家の才能には憧れます。やはり写真などでフォローがないと、十分に
伝わらないでしょう。アメリカ研修ブログには、写真をアップしていますので、
こちらをご参考してください。リンク先は.NETに提示しています。
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■□□> コジマガ kojimag@ 第75号
□───────────────────――2011.05.10─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.075
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
日本のゴールデンウィークに合わせて、フロリダ半島を南半周するドライブへ
出かけました。そこで、今回はいつもの記事をお休みして、南フロリダ観光を
メインとした内容に変更です。
事前知識として地図を参照するのが一番ですが、簡単に位置関係を説明します。
フロリダ半島はアメリカの南東に位置します。地図でいえば右下にあたります。
オーランドはセントラルフロリダですので、丁度真ん中にあると考えてよいと
思います。半島の東が大西洋、西がメキシコ湾です。
フロリダ半島は東西よりも南北に長く、南先端まではオーランドからも結構な
距離があります。さらに半島の先には島々が繋がり、これをフロリダキーズと
いいます。キーズの一番端がキーウェストです。
なお、文中に出てくるI数字は、インターステイト道路の番号のことです。
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■フロリダ観光 > マイアミビーチの段
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フロリダ最大の都市はマイアミで半島の先端あたりに位置します。ただし州都
ではありません(州都は北部にあるタラハシーです。)マイアミはオーランド
から車でI95をひたすら南下し、4時間ほど走ります。片道は約350Kmですので、
日本ならば東京=名古屋くらいの距離に相当します。ここはビジネス金融街で、
日本の総領事館もここにあります。南米系の移民も多く、スペイン語が主流に
なっているエリアもあり、その周辺では「英語が話せます」という表示もある
そうです。
マイアミはビスケーン湾を隔てて、ダウンタウンとビーチに二分されています。
ダウンタウンは碁盤の目のように構成されおり、市内には電車(メトロレイル
やメトロムーバー)も走っています。スーツを着たビジネスマンの姿を数多く
見かけます。
ハーバーに隣接しているベイサイドマーケットプレイスは、ジェットボートや
観光船などの発着場所になっています。ここには多くのショップがあり、日本
に進出したHoopersやフォレストガンプに登場するシュリンプ店があります。
ダウンタウンから東へビスケーン湾を橋で越えると、そこがマイアミビーチ市
で、有名なマイアミビーチがあります。大西洋は波が高く、サーフィンに絶好
の海でしょう。ケネディスペースセンターに近いココビーチよりもサーファー
は多いような気がします。また、ビーチの南方には豪華クルーズ客船や貨物船
が、往き来するのが見えます。
このビーチに並行したストリートには、ホテルのテラス式のレストランが続き、
多くの人々が水着のまま行き交います。マイアミビーチは昼間から音楽と食事
や酒などによって、非日常な空間です。家族連れよりも、カップルや若者達が
歩いていたり、かなり開放的な雰囲気です。(これが都市の魅力なのかも知れ
ません。)
このメインストリートに沿って、カラフルな小洒落た感じのプチホテルが軒を
連ねています。いろいろな映画のロケ地になっており、「ボディガード」にも
出てくる豪華なホテルもあります。この辺りを含めてアール・デコ地区が構成
されており、建物の色使いに特徴があります。デザインを意識した街づくりが
実践されていることが分かります。
『地球の歩き方』によれば、有名なストーンクラブのレストランがあります。
この店の扉にはドレスコードが表示されています。ちょっとラフな格好をして
いただけに、入店できるかどうか心配でした。幸い断れることなくテーブルへ
案内されました。ここで名物のストーンクラブ(小皿)にクラムチャウダーと
カラマリ・フリット(イカの唐揚げ)、コールスロー・サラダを注文しました。
ストーンクラブは、名前のごとく甲羅がとても固いカニです。カニの甲羅は、
まるで陶器のようです。とりわけ美味というわけではありません。旨さならば
日本で食すカニの方が上でしょう。
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■フロリダ観光 > フロリダキーズの段
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国道1号線(US1)はアメリカの東海岸を南北に縦断しています。ボストンから
NY・フィラデルフィア・ワシントンD.C.を経て、フロリダ半島へと繋がります。
そしてマイアミを抜けて半島の先端に達すると島々を渡って、キーウェストが
終着点となります。
まず、マイアミからフロリダ半島の先端でUS1に入って、キーウェストまでの
ロングドライブが始まります。キーラーゴからいくつもの島々を通り、左右の
車窓からは珊瑚礁の美しい海が望めます。抜けるような空の青さを反射した海
は本当に綺麗です。マラソンの街が終われば、いよいよセブンマイルブリッジ
です。広く青い海の中に架かるセブンマイルブリッジには感動です。約10Km
以上の続く長い橋は、コマーシャルにも使われるような絶景ポイントです。
マイアミから4時間のドライブで、ようやくキーウエストに到着します。第一
印象は、キーウェストは日本の軽井沢や湘南の観光の町という感じです。この
島は東西が長く南北は短く、南の端から北のピアまでは30分以内で歩けます。
自転車やバイクをレンタルする観光客も多いようです。当初は、小さな島を
イメージしていましたが、実際はちょっと違っていました。
見学ポイントはいろいろあります。まず最初に、US1の起点となるポイントへ
寄ってからヘミングウェイの家を見学です。ここでは彼の猫好きがよく分かり
ます。また、日本語の案内をもらえますので、文学に疎い自分には助かります。
その後、最南端の地まで歩いてゆき記念撮影。ここから海の向こう90マイルは
キューバです。
次に、最南端からウインドウショッピングしながら北上です。キーウェストの
メインストリートは観光地という雰囲気が出ています。いくつものお土産屋や
レストランが立ち並んでいます。最後は、有名なキーライムパイの店でお茶と
キーライムパイをいただき予定は終了です。
サンセット前にはキーウェストを離れて、宿泊先のキーラーゴまで戻ります。
Bertie Higginsの歌 "Keylargo" を聞きながらのドライブです。
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■フロリダ観光 > サラソタからタンパベイの段
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フロリダキーズからフロリダ半島に戻り、I75を使いエバーグレイズ国立公園
の中を走り抜けます。半島を西へ横断するという感じですから、かなりの距離
を走ることになります。道路の左右はブッシュや森がはるか地平線の彼方まで
続く光景です。これが夜だったら、かなり恐怖感があるだろうと思いました。
また、こんな一本道で速度違反を取り締まっているパトロールにも驚きます。
大自然のエリアを抜けてからは、フォートマイヤーズ(レッドソックスの春の
キャンプ地)を通って、サラソタ(上原が所属するオリオールズのキャンプ地)
まで移動です。市内からさらに西に進み、橋を渡ってロングボードキーに入る
とようやくメキシコ湾が見えてきます。この辺りは地図上では細長い島ですが、
お金持ちが住んでいるような家やきれいなゴルフ場があって、高級なイメージ
を持ちました。ここでは、創業1905年というコロンビア料理の有名レストラン
へ出かけました。本店はタンパですが、フロリダにはいくつも支店があります。
平日だけに店も空いており、スペイン風のパエリアとステーキを堪能です。
サラソタのビーチからは180度に渡って水平線が見え、地球が丸いことも確認
できます。観光客もそれほど多くなく、ゆっくりと滞在するには良い場所です。
また、ラッキーなことに、夕陽は雲に隠れることなく、サンセットを迎えます。
太陽がメキシコ湾の水平線に接してから、完全に海へ沈むまでのシーンを見る
ことができました。これはかなり感動的な光景です。
サラソタから北上して、セントピーターズバーグへ向かいます。I275でタンパ
ベイを越えるサンシャイン・スカイウェイ橋は圧巻で、通行料金の2.5ドルを
支払う価値は十分あります。巨大な斜張橋で、セブンマイルブリッジとは一味
違った迫力があります。かなり高い位置まで上るので、橋からの眺望は最高で、
対岸のトロピカーナ球場(レイズの本拠地)なども遠くに見わたせます。
セントピーターズバーグにはダリ美術館があります。平日にも関わらず駐車場
は満杯で、かなりのお客さんがいます。ここでシュール・レアリズムの作品を
鑑賞です。オーランドへの帰り道は北東方面ですが、またタンパベイを渡って
レストランへ寄り道です。このレストランの窓からはタンパベイが一望でき、
魚が水面を跳ね回っています。前に来たときは、眼下の海にエイ(デビルレイ)
がおり、ちょっと贅沢な光景です。ここではシュリンプカクテルとともお薦め
のサーフアンドターフを堪能です。お腹も満たされて、I4で100マイルの道を
帰ります。2時間ほど走ると、WDWの近くにあるミッキーの形をした電信柱が
見えてきました。これでオーランドに戻ってきたという実感が湧きます。
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■編□集□後□記□
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メールの文字だけで旅情を伝えることは、大変難しいように感じました。その
意味で作家の才能には憧れます。やはり写真などでフォローがないと、十分に
伝わらないでしょう。アメリカ研修ブログには、写真をアップしていますので、
こちらをご参考してください。リンク先は.NETに提示しています。
2011年4月28日木曜日
第74号(2011.04.28)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@ 第74号
□───────────────────――2011.04.28─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.074
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
フロリダはすっかり夏模様です。アメリカの大学は春学期のテスト期間を迎え、
学生たちは忙しそうです。
さて、スペースシャトルのエンデバーがラスト飛行となり、4月29日(金)の
午後(現地時間)にKSCから打ち上げが予定されています。オバマ大統領一家
も見学に来るということで、地元ニュースではシャトルの話題で盛り上がって
います。
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■アメリカ短信 > 想定外の規模と範囲の段
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☆関連サイト:http://bit.ly/kojimag054
今回の激甚災害には「想定外の規模」という形容詞が目立ちます。これにより
地震学者や防災学者の免罪符になるとは思いませんが、再び科学技術とは何か
ということを考えさせるような出来事です。超巨大地震とそれに起因する連鎖
が現代社会に与えた事実からいろいろと思いを巡らせました。
まず、ありえないことが起ったことで『ブラックスワン』を思い出しました。
これはコジマガ第54号で取り上げた本ですが、我々は将来に起こりうる確率を
正規分布という「月並みの世界」で捉えていたのかも知れません。経済分野の
リーマンショックを含めて、この世の中には予測を越えた事態は起こりうると
いう事実を忘れがちです。これに関しては、4月7日付の日経新聞の経済教室に
今回の大地震とべき乗分布について触れられています。
たしか関連本に「名もなき英雄」の話題がありました。これは、惨事を未然に
防いだヒーローを取り上げています。事前の正しい措置によって、惨事が起こ
らないので、その功績は誰も知らないままという話です。今回とは事態が違い
ますが、小学校の校舎の2階から直接、避難できる橋を作った市議の話が新聞
に掲載されていました。大津波が襲いましたが、幸い子供達が無事だったので
その功績が確認できました。
次に、ありえないことによる最大の被害が原発事故です。これまでの安全性を
高める努力が無残なまでに消失しました。原発は99.9%安全で、小数点以下を
さらに小さくする努力を電力会社は続けているという話をかつて聞いたことが
あります。たしかに地震後に運転は自動停止できましたが、発熱が収まるまで
の時間が長いという点が問題です。制止に必要な冷却装置が津波によって破壊
されたことで、最悪の事態が生じています。
そして、被害の連鎖です。生産地が被災したことで、サプライチェーンが機能
不全に陥りました。このシステムの弱点を指摘する論が新聞でも散見されまし
たが、ネットワーク化された現代社会において代替となる手段を見つけるのは
容易でありません。グルーバルな競争下で、世界生産システムから外れること
は国全体の経済力を弱めてしまうことになります。
加えて、風評被害です。日本では福島産の農産物が代表的な例のようですが、
世界市場で見れば、日本全体が対象になっています。周知のように、食物以外
にも工業製品の出荷まで支障が来たしています。日本への観光や留学を控える
動きも見られます。アメリカでの報道を見ていても、正確な情報や知識を持た
なければ、心配や不安になるのも理解できます。日本から積極的に情報を発信
し、一刻も早いジャパンブランドの回復が望まれます。
このように巨大地震のインパクトは、我々の想像を越えた範囲に及んでいます。
科学はさまざまな叡智を結集して、自然や未来へ挑戦してきました。ある意味
で、我々人間に「慢心」があったのかも知れません。統計学で扱う正規分布は
不確実が伴う事象を前にして、多くの有益なヒントを与えてくれました。今回
『ブラックスワン』の登場で、これまで何となく信じていた平穏無事な日常の
連続が終焉を迎えました。あらためて、将来は正確に予見できないということ
を思い出させてくれました。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:
学期末が近づいて、授業時間内で学生のプレゼンが始まりました。これは成績
の最終評価に大きく影響するだけに学生も真剣です。1回の授業につき発表者
は5人で、4日間行われます。
2週間ほど前に発表順序を決めました。まず、全員にくじを引かせて選択順序
を決定します。次に、一番くじを引いた学生からスケジュールの一覧表に希望
する順番を埋めてゆきます。彼らの選好順序を見ていると、まず2日目および
3日目が埋まります。そして、最終日が詰まってしまうと残りは1日目だけに
なります。このような学生の行動は、日本と同じで大変興味深い光景でした。
(まるで経済学の例題を見ているようです)
さて、実際の発表で一番印象深いのは、アメリカの大学生は1年生であっても、
かなり自信を持ってプレゼンをしていることです。皆がチーティング・シート
を手に持っていますが、これを読み上げるようなことはしません。この自信の
裏付けは、それまで授業の課題にされてきた事前調査をしっかりこなしている
ところにあるように思います。全員がPowerpointに加えて、PDFやYouTubeなど
を駆使しており、自分の意見である結論も明確にできるプレゼンレベルの高さ
に感動しました。
学生が周到に事前の発表準備をしているということは、さまざまな面から推察
できます。まず、チーティングシートについてです。日本では、ルーズリーフ
に手書きの台本というスタイルをよく目にします。こちらではスライドに対応
したカード型を使っています。ここに台本が印刷または貼り付けられており、
上手い利用方法に納得です。
そして、発表者はきちんとした格好をしています。普段は男女ともにTシャツ
に短パン、サンダルというかなりラフな格好ですが、発表の時には男子学生は
襟付きのシャツにスラックス、女子はワンピースを着ています。ですから教室
を見渡すと、当日の発表者は誰かが一目瞭然です。
さらに、授業の始まる前には、事前に教室のプロジェクタに投影し、自分たち
でチェックを行っています。プレゼンの冒頭には、きちんと自己紹介を兼ねた
挨拶もできています。ピアレビューの評価表を見ると、テクニカルな部分より
内容重視になっていますが、ほとんどの学生がプレゼンの技術的側面もきちん
とできています。
学生の発表テーマはさまざまです。内容には、一年前にメキシコ湾で起こった
BPの石油流出事故、若者のfacebook、ネットでの不正アクセス、遺伝子工学の
視点での食糧問題、子どもがTVをみる影響、学生の仕事が与える影響、教育へ
対する州の財政支出・・・など、さまざまです。特に、自分の専門に関わった
テーマというわけではありません。
発表に至る過程には、学期の始まりに各自がテーマを決めて、それぞれ調査を
進めます。最初にネットでのツールとしてCQやEBSCOを使って、関連の文献と
議論の集約結果を授業に持ち寄ります。図書館のオンラインサービスの使い方
では、研究の基本スタイルを実践的に覚えることができます。次に、それらを
まとめる作業(参考文献リストや引用方法)を行ないます。文献の要旨を書く
課題では、大学のライティングセンターを活用させたり、学生同士のダメ出し
というピアレビューを実施していました。さらにスプリング・ブレイクを利用
してインタビューを実施しなくてはなりません。このようなプロセスを経て、
研究テーマを煮詰めてゆきます。
約10週間にわたる週2回の対面授業と1回のオンラインによって、内容の豊富さ
でかなりのレベルに到達することが分かります。さながら日本では、ゼミでの
研究という印象を受けました。このような調査作業は常にファイリングをして、
数回にわたり教員が確認をします。今回のプレゼンは、これまでの作業を下地
にして最終的に自分の意見をまとめた発表です。
プレゼンに関する自己・相互評価表を自分で印刷しておき、発表直前にそれを
教員に渡します。すると点数やコメントが加えられて、授業時間の最後に返却
されます。即時にレスポンスをもらえるのは、学生にとって有益なことと思い
ます。
以上のように学生も教員も大変ですが、とても参考になった授業形態でした。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.ngu.jp/system/article/detail/1580
NGUでは新学長の元、新たな年度を迎えているようです。ネットからの情報で
知るだけですが、これまでも大学人にはない発想と実行力を備えている学長
だけに、新しい変化の予感がします。どこの大学でも、何かと理屈ばかりを
述べて、前向きの行動や変化を拒んできた大学人が多く見られました。それ
によって大学は時代や社会から取り残されてきたのかも知れません。しかし、
これからは大学であっても社会の変化の速さにキャッチアップする適応能力
が求められます。
そのために、まずはトライをしてから課題を洗い出し、改善計画を示した上
で再実行が必要でしょう。従来のPDCAサイクルからDCAPサイクルという変化
が重要なのかも知れません。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第74号
□───────────────────――2011.04.28─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.074
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
フロリダはすっかり夏模様です。アメリカの大学は春学期のテスト期間を迎え、
学生たちは忙しそうです。
さて、スペースシャトルのエンデバーがラスト飛行となり、4月29日(金)の
午後(現地時間)にKSCから打ち上げが予定されています。オバマ大統領一家
も見学に来るということで、地元ニュースではシャトルの話題で盛り上がって
います。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > 想定外の規模と範囲の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://bit.ly/kojimag054
今回の激甚災害には「想定外の規模」という形容詞が目立ちます。これにより
地震学者や防災学者の免罪符になるとは思いませんが、再び科学技術とは何か
ということを考えさせるような出来事です。超巨大地震とそれに起因する連鎖
が現代社会に与えた事実からいろいろと思いを巡らせました。
まず、ありえないことが起ったことで『ブラックスワン』を思い出しました。
これはコジマガ第54号で取り上げた本ですが、我々は将来に起こりうる確率を
正規分布という「月並みの世界」で捉えていたのかも知れません。経済分野の
リーマンショックを含めて、この世の中には予測を越えた事態は起こりうると
いう事実を忘れがちです。これに関しては、4月7日付の日経新聞の経済教室に
今回の大地震とべき乗分布について触れられています。
たしか関連本に「名もなき英雄」の話題がありました。これは、惨事を未然に
防いだヒーローを取り上げています。事前の正しい措置によって、惨事が起こ
らないので、その功績は誰も知らないままという話です。今回とは事態が違い
ますが、小学校の校舎の2階から直接、避難できる橋を作った市議の話が新聞
に掲載されていました。大津波が襲いましたが、幸い子供達が無事だったので
その功績が確認できました。
次に、ありえないことによる最大の被害が原発事故です。これまでの安全性を
高める努力が無残なまでに消失しました。原発は99.9%安全で、小数点以下を
さらに小さくする努力を電力会社は続けているという話をかつて聞いたことが
あります。たしかに地震後に運転は自動停止できましたが、発熱が収まるまで
の時間が長いという点が問題です。制止に必要な冷却装置が津波によって破壊
されたことで、最悪の事態が生じています。
そして、被害の連鎖です。生産地が被災したことで、サプライチェーンが機能
不全に陥りました。このシステムの弱点を指摘する論が新聞でも散見されまし
たが、ネットワーク化された現代社会において代替となる手段を見つけるのは
容易でありません。グルーバルな競争下で、世界生産システムから外れること
は国全体の経済力を弱めてしまうことになります。
加えて、風評被害です。日本では福島産の農産物が代表的な例のようですが、
世界市場で見れば、日本全体が対象になっています。周知のように、食物以外
にも工業製品の出荷まで支障が来たしています。日本への観光や留学を控える
動きも見られます。アメリカでの報道を見ていても、正確な情報や知識を持た
なければ、心配や不安になるのも理解できます。日本から積極的に情報を発信
し、一刻も早いジャパンブランドの回復が望まれます。
このように巨大地震のインパクトは、我々の想像を越えた範囲に及んでいます。
科学はさまざまな叡智を結集して、自然や未来へ挑戦してきました。ある意味
で、我々人間に「慢心」があったのかも知れません。統計学で扱う正規分布は
不確実が伴う事象を前にして、多くの有益なヒントを与えてくれました。今回
『ブラックスワン』の登場で、これまで何となく信じていた平穏無事な日常の
連続が終焉を迎えました。あらためて、将来は正確に予見できないということ
を思い出させてくれました。
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■UCFから
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☆関連サイト:
学期末が近づいて、授業時間内で学生のプレゼンが始まりました。これは成績
の最終評価に大きく影響するだけに学生も真剣です。1回の授業につき発表者
は5人で、4日間行われます。
2週間ほど前に発表順序を決めました。まず、全員にくじを引かせて選択順序
を決定します。次に、一番くじを引いた学生からスケジュールの一覧表に希望
する順番を埋めてゆきます。彼らの選好順序を見ていると、まず2日目および
3日目が埋まります。そして、最終日が詰まってしまうと残りは1日目だけに
なります。このような学生の行動は、日本と同じで大変興味深い光景でした。
(まるで経済学の例題を見ているようです)
さて、実際の発表で一番印象深いのは、アメリカの大学生は1年生であっても、
かなり自信を持ってプレゼンをしていることです。皆がチーティング・シート
を手に持っていますが、これを読み上げるようなことはしません。この自信の
裏付けは、それまで授業の課題にされてきた事前調査をしっかりこなしている
ところにあるように思います。全員がPowerpointに加えて、PDFやYouTubeなど
を駆使しており、自分の意見である結論も明確にできるプレゼンレベルの高さ
に感動しました。
学生が周到に事前の発表準備をしているということは、さまざまな面から推察
できます。まず、チーティングシートについてです。日本では、ルーズリーフ
に手書きの台本というスタイルをよく目にします。こちらではスライドに対応
したカード型を使っています。ここに台本が印刷または貼り付けられており、
上手い利用方法に納得です。
そして、発表者はきちんとした格好をしています。普段は男女ともにTシャツ
に短パン、サンダルというかなりラフな格好ですが、発表の時には男子学生は
襟付きのシャツにスラックス、女子はワンピースを着ています。ですから教室
を見渡すと、当日の発表者は誰かが一目瞭然です。
さらに、授業の始まる前には、事前に教室のプロジェクタに投影し、自分たち
でチェックを行っています。プレゼンの冒頭には、きちんと自己紹介を兼ねた
挨拶もできています。ピアレビューの評価表を見ると、テクニカルな部分より
内容重視になっていますが、ほとんどの学生がプレゼンの技術的側面もきちん
とできています。
学生の発表テーマはさまざまです。内容には、一年前にメキシコ湾で起こった
BPの石油流出事故、若者のfacebook、ネットでの不正アクセス、遺伝子工学の
視点での食糧問題、子どもがTVをみる影響、学生の仕事が与える影響、教育へ
対する州の財政支出・・・など、さまざまです。特に、自分の専門に関わった
テーマというわけではありません。
発表に至る過程には、学期の始まりに各自がテーマを決めて、それぞれ調査を
進めます。最初にネットでのツールとしてCQやEBSCOを使って、関連の文献と
議論の集約結果を授業に持ち寄ります。図書館のオンラインサービスの使い方
では、研究の基本スタイルを実践的に覚えることができます。次に、それらを
まとめる作業(参考文献リストや引用方法)を行ないます。文献の要旨を書く
課題では、大学のライティングセンターを活用させたり、学生同士のダメ出し
というピアレビューを実施していました。さらにスプリング・ブレイクを利用
してインタビューを実施しなくてはなりません。このようなプロセスを経て、
研究テーマを煮詰めてゆきます。
約10週間にわたる週2回の対面授業と1回のオンラインによって、内容の豊富さ
でかなりのレベルに到達することが分かります。さながら日本では、ゼミでの
研究という印象を受けました。このような調査作業は常にファイリングをして、
数回にわたり教員が確認をします。今回のプレゼンは、これまでの作業を下地
にして最終的に自分の意見をまとめた発表です。
プレゼンに関する自己・相互評価表を自分で印刷しておき、発表直前にそれを
教員に渡します。すると点数やコメントが加えられて、授業時間の最後に返却
されます。即時にレスポンスをもらえるのは、学生にとって有益なことと思い
ます。
以上のように学生も教員も大変ですが、とても参考になった授業形態でした。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.ngu.jp/system/article/detail/1580
NGUでは新学長の元、新たな年度を迎えているようです。ネットからの情報で
知るだけですが、これまでも大学人にはない発想と実行力を備えている学長
だけに、新しい変化の予感がします。どこの大学でも、何かと理屈ばかりを
述べて、前向きの行動や変化を拒んできた大学人が多く見られました。それ
によって大学は時代や社会から取り残されてきたのかも知れません。しかし、
これからは大学であっても社会の変化の速さにキャッチアップする適応能力
が求められます。
そのために、まずはトライをしてから課題を洗い出し、改善計画を示した上
で再実行が必要でしょう。従来のPDCAサイクルからDCAPサイクルという変化
が重要なのかも知れません。
2011年3月30日水曜日
第73号(2011.03.30)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第73号
□───────────────────――2011.03.30─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.073
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
1995年1月17日の阪神大震災はゼミがスタートする直前に起こりました。今回の
東北関東大震災は、ゼミが休止中の出来事となりました。日本の歴史に刻まれる
大災害ですが、これまで日本人が幾多の苦難や試練を乗り越えたように、必ずや
復活できるものと強く信じています。復興の道は簡単ではありませんが、これを
達成することは、地球規模の問題でさえ力を合わせれば解決できるという自信を
世界の人々に示すことにもつながると思います。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > 情報流通と収集の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://kizuna311.com/
いつもTVでは、News13でオーランドの地元の話題を、CNBCでアメリカの経済に
関する情報を入手しています。さらにNHK国際放送の30分ニュースで、日本が
世界に発信する話題と日本関連の最新ニュースを観ることにしています。英語
での国際ニュースだけに分かりづらい点ありますが、日本語のサイトを使って
知識と情報を補うことで、背景が理解できるようになります。
また、渡米に合わせて日経新聞電子版を購読しています。日本との時差がある
ので、アメリカでは午後に朝刊を読むことができます。ちょうど研究所にいる
時ですので、毎日、オフィスで紙面に目を通します。日本では、なかなか読む
時間がなかった日経新聞ですが、ここでじっくり読めるようになりました。
さらに、リアルタイムの情報は、Yahoo!Japanで全体の動向を把握した後に、
個別の情報へアクセスします。また、CNETJapanではIT業界の最新動向を知る
ことができます。地元ニュースは中日新聞のサイトで「名古屋の乱」などを
チェックします。Twitterから名古屋周辺の天気なども知ることができます。
日本にいると知らず知らずテレビの解説やコメンテーターの意見が耳に入って
きます。また、電車の吊り下げ広告などにある扇動的な見出しが目に飛び込ん
できます。このように日本では情報が溢れているので、自分の力で情報を取捨
選択する必要があります。表面的な内容なのか、問題の核心に迫っているのか
を判断しなくてはなりません。
311から、情報収集の手段と内容が一変しました。東北関東大震災は、発生の
直後から米国でも連日トップニュース扱いでした。地震・津波・放射能の関連
情報は大きく取り上げられていました。そして、地元のケーブルテレビ会社は
TVJapanを無料視聴できるようにして、このチャンネルではNHK総合が24時間、
流されています。
併せて、ネットで震災情報をチェックするとNHK・TBS・フジテレビがサイマル
配信をU-STREAMとニコニコ動画で行っていました。日本のテレビ局がネット上
にリアルタイムで映像を流すのは異例中の異例です。これまで技術的には可能
であったにもかかわらず、権利関係によって全く進展がなく、実現は不可能と
思われていたサービスです。こんな時に体験することができました。
NHKだけでも情報ソースやバリエーションがかなりあって、さまざま切り口で
情報を届けられる体制に、あたらめてその組織の大きさに驚きました。日本は
民放や新聞・週刊誌によって多くの情報が溢れかえっているように推察します。
今回は、情報源がNHKとネットだけなので、情報が錯綜しない分だけ、自分の
頭を整理しやすい環境であるかと思います。NHKが大本営発表かも?と疑念を
抱くこともないわけではありません。
さて、今回の大災害におけるネット活用の効果は改めて検証されると思います。
緊急時の電話回線の絞り込みによって、一般電話は繋がりにくい状況が続いた
ようですが、Skypeは十分機能したようです。また、Googleが行った安否確認
システムであるパーソンファインダー、Youtubeでのメッセージビデオはじめ
ネットの特性をうまく活かしたサービスが展開されました。
さらに、Twitterやfacebookでの情報伝達を観察していると、混沌とした状況
でも秩序正しい方向へ進んで行ったように見受けられました。例えば、正確な
情報が掴めない状況下では、チェーンメールの類が横行しますが、SNSの情報
交換では、冷静に判断できるユーザ達が誤った情報の増幅を抑えていた場面も
散見されました。ハッシュタグや拡散希望の使い方も徐々にまとまっていった
ように感じます。
現在、被災者の方々への応援メッセージがネットで始まっています。とりわけ
Kizuna311のような取り組みによって、さらに多くの支援の輪が広がることを
期待しています。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:
東日本を直撃した未曾有の大震災の情報は、アメリカでは朝早くからトップ
ニュースで扱われていました。アパートメントでネットから情報を入手して
いると、UCFのスタッフから電話をもらい、家族の安否を気遣っていただき
ました。UCFには地震を東京で体験し、映像に収めたスタッフもいたそうで、
その揺れの凄まじさをfacebookにアップしたとのことです。
予期できない災害などによって、授業が進められないケースが出てきました。
このような場合、定められている授業時間数の確保が難しくなります。補講
期間を使っても対応できない場合には、授業期間そのものが後ろにずれ込む
ことさえあります。昨今では、長期休暇を利用して留学やインターンシップ
などの行事があるために、かつてほど柔軟に対応できません。
一昨年もH1N1の影響で、行政の指導に基づき大学が休校措置を取ったことが
あります。このような事態にただ鎮静化を待つだけでなく、学習できる環境
にある学生だけでもその時間を無駄にしないような取り組みが必要であると
思います。すでにネット上に多くの教材があるので、これらを非常事態での
自習用コンテンツと組織として取り組むべきと提案したことがあります。
(ほとんど無視された状態でしたが・・・)
東京のW大学は卒業式・入学式の中止に加えて、授業の開始を5月の連休明け
とするそうです。不足する授業時間はオンラインの利用を視野に入れている
ようです。実際に、UCFでは大学での着席時間(シーティング・タイム)を
減らすブレンデッド・ラーニングが、かなり進んでいます。
UCFのようなインストラクショナル・デザインの専門家や支援組織が十分で
なくても、日本でできることもあります。例えば、初回の授業に行われる
ガイダンスはビデオ収録・配信し、受講生はこれを視聴、質問はBBSを利用
することで、完全代替が可能です。また、事前にシラバスはネットで閲覧
できている大学も多いわけですから、どの大学でもある程度の実施は可能
であると思います。ただし、シラバスやプロトコルなどの書き方には改善
が求められますが・・・。いずれにせよ、新しいツールや試みを続けて、
その費用対効果をきちんと見極めることが必要でしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
2010年度の最後は、日本に大きな試練を与えました。新年度は、これらの
課題を皆で克服し、新しく再建が求められます。激甚災害を被った地域や
人々の支援・復興策に加えて、今夏のエネルギー不足をどう乗り切るかと
いう難題が日本国民に待ち構えています。
限られた時間の中で、必要な時と場所にヒト・モノ・カネを効率的に回す
ことが求められます。経済学を学ぶ者は、これらの動きを注視する必要が
あります。今こそマーシャルが言う経済学の視点(Cool head,warm heart)
をもって、熟慮と行動をする好機かもしれません。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第73号
□───────────────────――2011.03.30─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.073
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
1995年1月17日の阪神大震災はゼミがスタートする直前に起こりました。今回の
東北関東大震災は、ゼミが休止中の出来事となりました。日本の歴史に刻まれる
大災害ですが、これまで日本人が幾多の苦難や試練を乗り越えたように、必ずや
復活できるものと強く信じています。復興の道は簡単ではありませんが、これを
達成することは、地球規模の問題でさえ力を合わせれば解決できるという自信を
世界の人々に示すことにもつながると思います。
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■アメリカ短信 > 情報流通と収集の段
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☆関連サイト:http://kizuna311.com/
いつもTVでは、News13でオーランドの地元の話題を、CNBCでアメリカの経済に
関する情報を入手しています。さらにNHK国際放送の30分ニュースで、日本が
世界に発信する話題と日本関連の最新ニュースを観ることにしています。英語
での国際ニュースだけに分かりづらい点ありますが、日本語のサイトを使って
知識と情報を補うことで、背景が理解できるようになります。
また、渡米に合わせて日経新聞電子版を購読しています。日本との時差がある
ので、アメリカでは午後に朝刊を読むことができます。ちょうど研究所にいる
時ですので、毎日、オフィスで紙面に目を通します。日本では、なかなか読む
時間がなかった日経新聞ですが、ここでじっくり読めるようになりました。
さらに、リアルタイムの情報は、Yahoo!Japanで全体の動向を把握した後に、
個別の情報へアクセスします。また、CNETJapanではIT業界の最新動向を知る
ことができます。地元ニュースは中日新聞のサイトで「名古屋の乱」などを
チェックします。Twitterから名古屋周辺の天気なども知ることができます。
日本にいると知らず知らずテレビの解説やコメンテーターの意見が耳に入って
きます。また、電車の吊り下げ広告などにある扇動的な見出しが目に飛び込ん
できます。このように日本では情報が溢れているので、自分の力で情報を取捨
選択する必要があります。表面的な内容なのか、問題の核心に迫っているのか
を判断しなくてはなりません。
311から、情報収集の手段と内容が一変しました。東北関東大震災は、発生の
直後から米国でも連日トップニュース扱いでした。地震・津波・放射能の関連
情報は大きく取り上げられていました。そして、地元のケーブルテレビ会社は
TVJapanを無料視聴できるようにして、このチャンネルではNHK総合が24時間、
流されています。
併せて、ネットで震災情報をチェックするとNHK・TBS・フジテレビがサイマル
配信をU-STREAMとニコニコ動画で行っていました。日本のテレビ局がネット上
にリアルタイムで映像を流すのは異例中の異例です。これまで技術的には可能
であったにもかかわらず、権利関係によって全く進展がなく、実現は不可能と
思われていたサービスです。こんな時に体験することができました。
NHKだけでも情報ソースやバリエーションがかなりあって、さまざま切り口で
情報を届けられる体制に、あたらめてその組織の大きさに驚きました。日本は
民放や新聞・週刊誌によって多くの情報が溢れかえっているように推察します。
今回は、情報源がNHKとネットだけなので、情報が錯綜しない分だけ、自分の
頭を整理しやすい環境であるかと思います。NHKが大本営発表かも?と疑念を
抱くこともないわけではありません。
さて、今回の大災害におけるネット活用の効果は改めて検証されると思います。
緊急時の電話回線の絞り込みによって、一般電話は繋がりにくい状況が続いた
ようですが、Skypeは十分機能したようです。また、Googleが行った安否確認
システムであるパーソンファインダー、Youtubeでのメッセージビデオはじめ
ネットの特性をうまく活かしたサービスが展開されました。
さらに、Twitterやfacebookでの情報伝達を観察していると、混沌とした状況
でも秩序正しい方向へ進んで行ったように見受けられました。例えば、正確な
情報が掴めない状況下では、チェーンメールの類が横行しますが、SNSの情報
交換では、冷静に判断できるユーザ達が誤った情報の増幅を抑えていた場面も
散見されました。ハッシュタグや拡散希望の使い方も徐々にまとまっていった
ように感じます。
現在、被災者の方々への応援メッセージがネットで始まっています。とりわけ
Kizuna311のような取り組みによって、さらに多くの支援の輪が広がることを
期待しています。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから
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☆関連サイト:
東日本を直撃した未曾有の大震災の情報は、アメリカでは朝早くからトップ
ニュースで扱われていました。アパートメントでネットから情報を入手して
いると、UCFのスタッフから電話をもらい、家族の安否を気遣っていただき
ました。UCFには地震を東京で体験し、映像に収めたスタッフもいたそうで、
その揺れの凄まじさをfacebookにアップしたとのことです。
予期できない災害などによって、授業が進められないケースが出てきました。
このような場合、定められている授業時間数の確保が難しくなります。補講
期間を使っても対応できない場合には、授業期間そのものが後ろにずれ込む
ことさえあります。昨今では、長期休暇を利用して留学やインターンシップ
などの行事があるために、かつてほど柔軟に対応できません。
一昨年もH1N1の影響で、行政の指導に基づき大学が休校措置を取ったことが
あります。このような事態にただ鎮静化を待つだけでなく、学習できる環境
にある学生だけでもその時間を無駄にしないような取り組みが必要であると
思います。すでにネット上に多くの教材があるので、これらを非常事態での
自習用コンテンツと組織として取り組むべきと提案したことがあります。
(ほとんど無視された状態でしたが・・・)
東京のW大学は卒業式・入学式の中止に加えて、授業の開始を5月の連休明け
とするそうです。不足する授業時間はオンラインの利用を視野に入れている
ようです。実際に、UCFでは大学での着席時間(シーティング・タイム)を
減らすブレンデッド・ラーニングが、かなり進んでいます。
UCFのようなインストラクショナル・デザインの専門家や支援組織が十分で
なくても、日本でできることもあります。例えば、初回の授業に行われる
ガイダンスはビデオ収録・配信し、受講生はこれを視聴、質問はBBSを利用
することで、完全代替が可能です。また、事前にシラバスはネットで閲覧
できている大学も多いわけですから、どの大学でもある程度の実施は可能
であると思います。ただし、シラバスやプロトコルなどの書き方には改善
が求められますが・・・。いずれにせよ、新しいツールや試みを続けて、
その費用対効果をきちんと見極めることが必要でしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
2010年度の最後は、日本に大きな試練を与えました。新年度は、これらの
課題を皆で克服し、新しく再建が求められます。激甚災害を被った地域や
人々の支援・復興策に加えて、今夏のエネルギー不足をどう乗り切るかと
いう難題が日本国民に待ち構えています。
限られた時間の中で、必要な時と場所にヒト・モノ・カネを効率的に回す
ことが求められます。経済学を学ぶ者は、これらの動きを注視する必要が
あります。今こそマーシャルが言う経済学の視点(Cool head,warm heart)
をもって、熟慮と行動をする好機かもしれません。
2011年3月15日火曜日
第72号(2011.03.15)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第72号
□───────────────────――2011.03.15─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.072
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
日本では卒業式の頃だと思います。毎年、手塩にかけた学生を送り出す行事は
大学にとって向かい入れるのと同じく重要な節目です。NGUでは3月16日に学位
授与式が行われるようです。
今年の卒業生には、残念ながら直接、声はかけられないものの、いつも話して
いるような内容を掲載して、餞の言葉にさせてもらいます。
「これからは学生でなく、同じ社会人。どれだけ頑張っているかをお互い勝負
しよう。君たちの頑張っている話はどこからともなく聞こえてくるので、それ
は喜びであり、大きな刺激です。出藍の誉れというほど高いレベルでないので、
追い抜いて行ってもらいたい。でも再び抜き返すから。」
コジマガのバックナンバーを見ると2月から3月にかけての記事には、必ず卒業
に関する話題が出てきます。一度、ご笑覧ください。
―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://bit.ly/eI9Cfz
『競争の作法 いかに働き、投資するか』,斎藤誠,ちくま新書,2010年
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
コジマガ第57号(http://bit.ly/kojimag057)以来、久しぶりに本の紹介です。
昨年話題になった本をアメリカで読了しました。現在、取り組んでいる日本の
仕事の関連本として、大いに参考になりました。経済学部の3年生以上ならば、
この本を理解するのに必要な周辺知識は、身につけていてもらいたいものです。
(一般向けの本ですが、正直なところどうなのでしょう?「難しい」か「適当」
かは気になるところです。)
文面にハッキリと書かれていませんが「構造改革が評価されて外国資本を呼び
こみ、日本の株価を上げた」という考え方を真っ向から否定しています。それ
には「2つの円安」を使って、当時の長期にわたる景気回復を経済学的に説明
しています。一方で、格差社会が進んだ原因をすべて市場のせいだとする風潮
にも、一石を投じています。ここでは、一部の人達を犠牲にして、多くの人達
(既得権)を守ったことを示しながら、たった年1%の賃金切り下げを全員が
容認すれば、何とかしのげたはずとコメントしています。
少し深読みしすぎかもしれませんが、労働市場も硬直的でなく、適度に競争的
状況であったならば、このような事態に陥らなかったというようにも読むこと
ができます。いずれの指摘にも基本的なマクロ経済データを用いた解説であり、
マスコミに扇動された経済論壇をすっきりさせてくれる内容でした。
また本書で、競争が進展する時代を生きるための個人の姿勢が示されています。
もはや競争から逃れることはできなくなっているので、一人ひとりがどう競争
と向かい合ってゆくべきかというものです。この書で指摘されている、地主や
株主の態度、生産性を2割上昇させる考え方は個人的に首肯できます。自分が
持っている生産要素(能力や資産など)は十分に活用できているか、それらに
無駄が生じてはいないだろうか?筆者の問いかけに、ふと自分を見つめる機会
になりました。
この本を読みながらひとつ疑問点が浮かびました。それは逼迫した財政状況に
あって、一国民としてどのような態度であるべきかということです。もちろん
本書のテーマからは離れているので、この点には言及されていません。大きな
テーマだけに別の紙面が必要でしょう。なぜ、この点が気になったのかは日本
の経済成長を持続・発展させていかなければ、この国の莫大の借金はとうてい
返済不可能だからです。
プライマリーバランスを目指すにも、財源は不十分であり、社会保障費は上昇
するばかりです。さらにデフレやマイナス成長では、借金を返済できる目処も
立ちません。財政赤字を改善するには、持続的な経済成長による税収アップと
インフレ的な状況が望まれます。この本では、税に関して地方税の固定資産税
には言及されていましたが・・・。
最後に、タイトルにもある「作法」というのは個人の矜持なのかもしれません。
もっと経済をしっかり見つめる能力を養い、日頃から自分の頭で考える習慣が
重要なのでしょう。競争社会にあっては自分の考えと行動が自然に一致できる
(評論家のように言いっぱなしにしない・責任転嫁をしない)ような最低限の
作法が求められるのでしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから
―――――――――――――――――――――――――――――――
UCFの学生とはあまり喋る機会がなかったので、同じ授業を受講している学生
をランチに誘ってみました。いつも隣に座っている2人とともに3限目クラス
終了後にStudent Unionでランチです。
こちらの誘いであり、かつ子供みたいな年齢ですから、当然のごとくご馳走
をしました。しかし、いたく恐縮している姿勢が新鮮です。聞けば、彼らは
ともに19歳で1年生だそうです。
彼らはこの半期に4科目しか履修していません。日本の学生は半期10科目以上
を履修していることに驚かれました。こちらの学生は宿題や課題が多いので、
それほど多くの授業をとりません。1科目が3単位ということもありますし、
また、夏には別の学期もあるので、それでOKなのでしょう。
ブレンド型の授業(週3回の内、1回はオンラインで代替)は、教室まで来る
必要がないので、便利だそうです。とはいえネットでの課題も結構あるので
楽ができるわけではありません。(それだけ、勉強するのが当たり前なので
しょう。)週末は宿題をしたり、友だちと遊んだりしているそうで、あまり
日本の学生と変わりません。
また、facebookは2・3年前のハイスクールの頃から始めていることのことで、
友達リクエストをすることになりました。皆、当たり前に情報交換している
話に、言葉で聞いていたネットジェネレーションを見た思いです。
このように授業や学生生活について、実際に学生の生の声を聞く機会を得て
とてもラッキーです。しかし、ガチンコの英会話ランチは、大変勉強になり
ますが、冷や汗をかく量も半端ではありません。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://bit.ly/
UCFのIDLではURLの短縮サービスとしてTinyURLを使っています。当初、なぜ
このサービスを使うのかは理解できませんでしたが、ブログの各記事に付く
長いURLには効果的であることが分かりました。(お恥ずかしい話、それだけ
ブログを上手に使っていなかったという証左です)また、Twitterなどの文字
制限がある場合や直接URLを入力させる場合には有効に機能します。さらに
これらのサービスを使えば、アクセス数の分析ができます。
現在では、TwitterはTinyURLに代わってbit.lyを使っています。そこで今回
からコジマガでも試してみることにしました。上手くできていない場合には
笑い飛ばしてください。さて、成果はいかに?
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第72号
□───────────────────――2011.03.15─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.072
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
日本では卒業式の頃だと思います。毎年、手塩にかけた学生を送り出す行事は
大学にとって向かい入れるのと同じく重要な節目です。NGUでは3月16日に学位
授与式が行われるようです。
今年の卒業生には、残念ながら直接、声はかけられないものの、いつも話して
いるような内容を掲載して、餞の言葉にさせてもらいます。
「これからは学生でなく、同じ社会人。どれだけ頑張っているかをお互い勝負
しよう。君たちの頑張っている話はどこからともなく聞こえてくるので、それ
は喜びであり、大きな刺激です。出藍の誉れというほど高いレベルでないので、
追い抜いて行ってもらいたい。でも再び抜き返すから。」
コジマガのバックナンバーを見ると2月から3月にかけての記事には、必ず卒業
に関する話題が出てきます。一度、ご笑覧ください。
―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://bit.ly/eI9Cfz
『競争の作法 いかに働き、投資するか』,斎藤誠,ちくま新書,2010年
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
コジマガ第57号(http://bit.ly/kojimag057)以来、久しぶりに本の紹介です。
昨年話題になった本をアメリカで読了しました。現在、取り組んでいる日本の
仕事の関連本として、大いに参考になりました。経済学部の3年生以上ならば、
この本を理解するのに必要な周辺知識は、身につけていてもらいたいものです。
(一般向けの本ですが、正直なところどうなのでしょう?「難しい」か「適当」
かは気になるところです。)
文面にハッキリと書かれていませんが「構造改革が評価されて外国資本を呼び
こみ、日本の株価を上げた」という考え方を真っ向から否定しています。それ
には「2つの円安」を使って、当時の長期にわたる景気回復を経済学的に説明
しています。一方で、格差社会が進んだ原因をすべて市場のせいだとする風潮
にも、一石を投じています。ここでは、一部の人達を犠牲にして、多くの人達
(既得権)を守ったことを示しながら、たった年1%の賃金切り下げを全員が
容認すれば、何とかしのげたはずとコメントしています。
少し深読みしすぎかもしれませんが、労働市場も硬直的でなく、適度に競争的
状況であったならば、このような事態に陥らなかったというようにも読むこと
ができます。いずれの指摘にも基本的なマクロ経済データを用いた解説であり、
マスコミに扇動された経済論壇をすっきりさせてくれる内容でした。
また本書で、競争が進展する時代を生きるための個人の姿勢が示されています。
もはや競争から逃れることはできなくなっているので、一人ひとりがどう競争
と向かい合ってゆくべきかというものです。この書で指摘されている、地主や
株主の態度、生産性を2割上昇させる考え方は個人的に首肯できます。自分が
持っている生産要素(能力や資産など)は十分に活用できているか、それらに
無駄が生じてはいないだろうか?筆者の問いかけに、ふと自分を見つめる機会
になりました。
この本を読みながらひとつ疑問点が浮かびました。それは逼迫した財政状況に
あって、一国民としてどのような態度であるべきかということです。もちろん
本書のテーマからは離れているので、この点には言及されていません。大きな
テーマだけに別の紙面が必要でしょう。なぜ、この点が気になったのかは日本
の経済成長を持続・発展させていかなければ、この国の莫大の借金はとうてい
返済不可能だからです。
プライマリーバランスを目指すにも、財源は不十分であり、社会保障費は上昇
するばかりです。さらにデフレやマイナス成長では、借金を返済できる目処も
立ちません。財政赤字を改善するには、持続的な経済成長による税収アップと
インフレ的な状況が望まれます。この本では、税に関して地方税の固定資産税
には言及されていましたが・・・。
最後に、タイトルにもある「作法」というのは個人の矜持なのかもしれません。
もっと経済をしっかり見つめる能力を養い、日頃から自分の頭で考える習慣が
重要なのでしょう。競争社会にあっては自分の考えと行動が自然に一致できる
(評論家のように言いっぱなしにしない・責任転嫁をしない)ような最低限の
作法が求められるのでしょう。
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■UCFから
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UCFの学生とはあまり喋る機会がなかったので、同じ授業を受講している学生
をランチに誘ってみました。いつも隣に座っている2人とともに3限目クラス
終了後にStudent Unionでランチです。
こちらの誘いであり、かつ子供みたいな年齢ですから、当然のごとくご馳走
をしました。しかし、いたく恐縮している姿勢が新鮮です。聞けば、彼らは
ともに19歳で1年生だそうです。
彼らはこの半期に4科目しか履修していません。日本の学生は半期10科目以上
を履修していることに驚かれました。こちらの学生は宿題や課題が多いので、
それほど多くの授業をとりません。1科目が3単位ということもありますし、
また、夏には別の学期もあるので、それでOKなのでしょう。
ブレンド型の授業(週3回の内、1回はオンラインで代替)は、教室まで来る
必要がないので、便利だそうです。とはいえネットでの課題も結構あるので
楽ができるわけではありません。(それだけ、勉強するのが当たり前なので
しょう。)週末は宿題をしたり、友だちと遊んだりしているそうで、あまり
日本の学生と変わりません。
また、facebookは2・3年前のハイスクールの頃から始めていることのことで、
友達リクエストをすることになりました。皆、当たり前に情報交換している
話に、言葉で聞いていたネットジェネレーションを見た思いです。
このように授業や学生生活について、実際に学生の生の声を聞く機会を得て
とてもラッキーです。しかし、ガチンコの英会話ランチは、大変勉強になり
ますが、冷や汗をかく量も半端ではありません。
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■編□集□後□記□
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☆関連サイト:http://bit.ly/
UCFのIDLではURLの短縮サービスとしてTinyURLを使っています。当初、なぜ
このサービスを使うのかは理解できませんでしたが、ブログの各記事に付く
長いURLには効果的であることが分かりました。(お恥ずかしい話、それだけ
ブログを上手に使っていなかったという証左です)また、Twitterなどの文字
制限がある場合や直接URLを入力させる場合には有効に機能します。さらに
これらのサービスを使えば、アクセス数の分析ができます。
現在では、TwitterはTinyURLに代わってbit.lyを使っています。そこで今回
からコジマガでも試してみることにしました。上手くできていない場合には
笑い飛ばしてください。さて、成果はいかに?
2011年3月3日木曜日
第71号(2011.03.03)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第71号
□───────────────────――2011.03.03─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.071
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
米国ではメジャーリーグの春のキャンプが始まっています。MLBのほとんどの
球団がフロリダとアリゾナで実施し、フロリダには東部を中心として15球団が
来ています。
人気球団のヤンキースはタンパ、レッドソックスはフォートマイヤーズという
フロリダ半島の西側でキャンプを行っています。オーランドではアトランタ・
ブレーブスがキャンプをしていますので、ディズニーワールドまで見学に行き
ました。スタジアムの周りに練習グランドがいくつもあり、ここで多くの選手
が練習をしています。残念ながら川上憲伸は昨年度の不調がたたって、合流に
時間がかかっているようです。機会があれば、レッドソックスとのオープン戦
を観戦したいものです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > スペースシャトルの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.kennedyspacecenter.com/
ケネディ宇宙センターは、アパートメントから車で約40分ほど西に走ると到着
します。アメリカ南部に位置する理由は、理科で学習したように地球の自転を
利用して打ち上げを行うからです。また、大西洋に面しているのはブースター
の着水に便利だからです(多分・・・)。
KSCにはビジターコンプレックスをはじめ、さまざま見学施設が揃っています。
組立工場やロケットを運搬するクローラーなど実際の作業現場を遠くから見る
ことができます。また、巨大なアポロロケットや宇宙服の数々。「月の石」は
間近でいくつも見ることができます。これは1970年の大阪万博でアメリカ館の
目玉展示だっただけに懐かしさを覚えます。
また、学習施設では、月面を歩いた人類は12人しかいないことや理科で習った
内容を思い出させてくれます。改めて小さい頃に読んだ科学の本を見てみたい
と思わせます。ここへ来るとディズニーランドのトゥモローランドに似ている
ことに気づきます。東京ディズニーランドにはどうしてアポロロケットがある
のか不思議でしたが、アメリカ国民にとってニューフロンティアの象徴であり、
明日への希望としての宇宙開発であったことで納得できます。
宇宙開発は旧ソ連との開発競争で国家威信をかけた計画であり、成功への思い
は相当なものだったことが推察できます。展示物や説明を見ていると、詳細は
わからなくともその熱い思いは伝わってきます。壮大な計画と投入した莫大な
予算は、基礎的科学研究のひとつになり、アメリカに多くの利益をもたらした
ことでしょう。宇宙開発研究から派生した技術や商品もたくさんあります。
その意味で1986年1月に起きたスペースシャトルのチャレンジャー爆発事故は
アメリカ国民にとって大きなショックだったと思います。また、この事故に
よって、その後のシャトル計画も大きな影響を受けました。
日本でのロケットの打ち上げは種子島宇宙センターなので、これを見る機会は
皆無に等しいと思います。オーランドではこれが間近で見られるのでラッキー
です。昨年の12月には、商業用小型ロケットが打ち上がるのをアパートメント
からでも目視できました。
当初、Final Missionとなるディスカバリーの打ち上げは11月3日の予定でした。
燃料タンクから液漏れが露見し、4度に渡って日程変更が続きました。12月の
打ち上げ予定も遅延し、さらなる延期でようやく今回にこぎつけました。安全
第一ですので、このような措置は当然ですが、装備の使い回しにより点検でも
見えないような不具合の箇所があるのでしょう。
さて、2月24日(木)の午後4時55分が打ち上げ予定時刻です。ビーチラインの
高速528は、普段に比べてかなりの交通量です。KSC周辺まで通常ならば30分で
到着できるのが、1時間弱かかりました。見晴らしが良い場所では道のサイド
に車を停めて、かなりの人が見学の準備をしています。私たちは、発射場から
十数マイル南方に位置するバナナ・リバーにかかる橋のたもとから見学です。
そこでも多くの人が「その時」を待っています。
予定時刻になると北の方角から煙が見えます。その中心に爆発時の大きな炎が
上がります。シャトルが上昇するのが見えてきました。まるで機体は炎と煙に
押し上げられているようです。シャトルは上昇しながら、徐々に西の方へ進路
を取ります。機体は雲に隠れてしまいましたが、その時、ようやく発射の爆音
が届きます。Padから10マイル以上も離れているので、轟音ではありませんが、
唸るような音はこれまで聞いたことがありません。雲間から再び現れた機体は
さらに小さくなっています。やがてブースターが外されるとシャトルの姿を目
では確認できなくなりました。
ほんの数分の光景でしたが、何とも感動的です。これまでKSCで何度も映像を
見ていますが、実際の打ち上げは何とも言えません。あいにく緩やかな南風が
吹いていたので、音が伝わりにくいこともありましたが、待ちくたびれるほど
の時間でもなく、本当にラッキーな見学になりました。打ち上げ後には一斉に
車が移動しますので、暫し時間つぶしをしました。しかし、夜11時になっても
道が混んでいたのには驚きです。
今年でシャトル計画は中止です。4月と6月に予定される2回の打ち上げを残す
のみになりました。KSCではレイオフが話題となり、地元のニュースでも取り
上げられています。一大産業ですから多くの人達がKSCに雇用されています。
フロリダも大きな転換点を迎えることになります。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:
半年先ですが、すでに帰国後の仕事の予定が入り始めました。残りはあと半分
しかしないないと考えるのか、それともまだ半分もあると考えるのか?惰性で
過ごすならば後者の考え方ですが、好奇心を高めるならば前者です。やはり、
あれもしておけばよかったと後悔することだけは、No Thank Youです。
この半年で間、日常生活を送るだけの基盤はできました。お店での用事はある
程度ならばできます。というのも、向こうは仕事なので相手が一生懸命聞いて
くれるのと、こちらも決まった表現でOKというのが大きな理由です。しかし、
相手の言うことがほとんど理解できるようになれば、どれだけ楽なことか・・・
これまでやってきた分だけ自分が伸びると考えれば、先が楽しみです。80年代
の曲ですが、アメリカではJourneyのDon't stop believin'がよく流れます。
この曲のごとく、とりあえず自分の可能性を信じてやってみましょう。結果は
後からついくるものです。
この研修を振り返れば、2008年5月19日に大学に申請しています。その時には、
現在の状況を全く予想できませんでした。勇気を持って一歩を踏み出すこと、
そして強く願うことで、自分の道が開けることがあります。今はここから何を
つかむかが重要です。幸いUCFからこれまで多くのケアをもらい大変感謝です。
大学のeメールアドレスまで頂き、Novell GroupWiseを体験しています。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
アメリカに来て、コジマガ発行がこれで11回目となりました。残すところあと
半年ですので、このままのペースならば第80号まではお届けできると思います。
きっと日本に戻ると発行ペースは元に戻ってしまうので、100号まで達成する
には相当の時間が経過するかも知れません。
一方、研修ブログも書き始めてから183日目となり、継続によってかなりの分量
(文字数12万字以上、写真150枚以上)になりました。これだけ書いておけば、
後日の振り返りにも使えることでしょう。ブログにリンク設定していませんが、
すでにアクセス(自分を除く)が1100を超えており、日頃より読んで下さって
いる方に感謝です。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第71号
□───────────────────――2011.03.03─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.071
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
米国ではメジャーリーグの春のキャンプが始まっています。MLBのほとんどの
球団がフロリダとアリゾナで実施し、フロリダには東部を中心として15球団が
来ています。
人気球団のヤンキースはタンパ、レッドソックスはフォートマイヤーズという
フロリダ半島の西側でキャンプを行っています。オーランドではアトランタ・
ブレーブスがキャンプをしていますので、ディズニーワールドまで見学に行き
ました。スタジアムの周りに練習グランドがいくつもあり、ここで多くの選手
が練習をしています。残念ながら川上憲伸は昨年度の不調がたたって、合流に
時間がかかっているようです。機会があれば、レッドソックスとのオープン戦
を観戦したいものです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > スペースシャトルの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.kennedyspacecenter.com/
ケネディ宇宙センターは、アパートメントから車で約40分ほど西に走ると到着
します。アメリカ南部に位置する理由は、理科で学習したように地球の自転を
利用して打ち上げを行うからです。また、大西洋に面しているのはブースター
の着水に便利だからです(多分・・・)。
KSCにはビジターコンプレックスをはじめ、さまざま見学施設が揃っています。
組立工場やロケットを運搬するクローラーなど実際の作業現場を遠くから見る
ことができます。また、巨大なアポロロケットや宇宙服の数々。「月の石」は
間近でいくつも見ることができます。これは1970年の大阪万博でアメリカ館の
目玉展示だっただけに懐かしさを覚えます。
また、学習施設では、月面を歩いた人類は12人しかいないことや理科で習った
内容を思い出させてくれます。改めて小さい頃に読んだ科学の本を見てみたい
と思わせます。ここへ来るとディズニーランドのトゥモローランドに似ている
ことに気づきます。東京ディズニーランドにはどうしてアポロロケットがある
のか不思議でしたが、アメリカ国民にとってニューフロンティアの象徴であり、
明日への希望としての宇宙開発であったことで納得できます。
宇宙開発は旧ソ連との開発競争で国家威信をかけた計画であり、成功への思い
は相当なものだったことが推察できます。展示物や説明を見ていると、詳細は
わからなくともその熱い思いは伝わってきます。壮大な計画と投入した莫大な
予算は、基礎的科学研究のひとつになり、アメリカに多くの利益をもたらした
ことでしょう。宇宙開発研究から派生した技術や商品もたくさんあります。
その意味で1986年1月に起きたスペースシャトルのチャレンジャー爆発事故は
アメリカ国民にとって大きなショックだったと思います。また、この事故に
よって、その後のシャトル計画も大きな影響を受けました。
日本でのロケットの打ち上げは種子島宇宙センターなので、これを見る機会は
皆無に等しいと思います。オーランドではこれが間近で見られるのでラッキー
です。昨年の12月には、商業用小型ロケットが打ち上がるのをアパートメント
からでも目視できました。
当初、Final Missionとなるディスカバリーの打ち上げは11月3日の予定でした。
燃料タンクから液漏れが露見し、4度に渡って日程変更が続きました。12月の
打ち上げ予定も遅延し、さらなる延期でようやく今回にこぎつけました。安全
第一ですので、このような措置は当然ですが、装備の使い回しにより点検でも
見えないような不具合の箇所があるのでしょう。
さて、2月24日(木)の午後4時55分が打ち上げ予定時刻です。ビーチラインの
高速528は、普段に比べてかなりの交通量です。KSC周辺まで通常ならば30分で
到着できるのが、1時間弱かかりました。見晴らしが良い場所では道のサイド
に車を停めて、かなりの人が見学の準備をしています。私たちは、発射場から
十数マイル南方に位置するバナナ・リバーにかかる橋のたもとから見学です。
そこでも多くの人が「その時」を待っています。
予定時刻になると北の方角から煙が見えます。その中心に爆発時の大きな炎が
上がります。シャトルが上昇するのが見えてきました。まるで機体は炎と煙に
押し上げられているようです。シャトルは上昇しながら、徐々に西の方へ進路
を取ります。機体は雲に隠れてしまいましたが、その時、ようやく発射の爆音
が届きます。Padから10マイル以上も離れているので、轟音ではありませんが、
唸るような音はこれまで聞いたことがありません。雲間から再び現れた機体は
さらに小さくなっています。やがてブースターが外されるとシャトルの姿を目
では確認できなくなりました。
ほんの数分の光景でしたが、何とも感動的です。これまでKSCで何度も映像を
見ていますが、実際の打ち上げは何とも言えません。あいにく緩やかな南風が
吹いていたので、音が伝わりにくいこともありましたが、待ちくたびれるほど
の時間でもなく、本当にラッキーな見学になりました。打ち上げ後には一斉に
車が移動しますので、暫し時間つぶしをしました。しかし、夜11時になっても
道が混んでいたのには驚きです。
今年でシャトル計画は中止です。4月と6月に予定される2回の打ち上げを残す
のみになりました。KSCではレイオフが話題となり、地元のニュースでも取り
上げられています。一大産業ですから多くの人達がKSCに雇用されています。
フロリダも大きな転換点を迎えることになります。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから
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☆関連サイト:
半年先ですが、すでに帰国後の仕事の予定が入り始めました。残りはあと半分
しかしないないと考えるのか、それともまだ半分もあると考えるのか?惰性で
過ごすならば後者の考え方ですが、好奇心を高めるならば前者です。やはり、
あれもしておけばよかったと後悔することだけは、No Thank Youです。
この半年で間、日常生活を送るだけの基盤はできました。お店での用事はある
程度ならばできます。というのも、向こうは仕事なので相手が一生懸命聞いて
くれるのと、こちらも決まった表現でOKというのが大きな理由です。しかし、
相手の言うことがほとんど理解できるようになれば、どれだけ楽なことか・・・
これまでやってきた分だけ自分が伸びると考えれば、先が楽しみです。80年代
の曲ですが、アメリカではJourneyのDon't stop believin'がよく流れます。
この曲のごとく、とりあえず自分の可能性を信じてやってみましょう。結果は
後からついくるものです。
この研修を振り返れば、2008年5月19日に大学に申請しています。その時には、
現在の状況を全く予想できませんでした。勇気を持って一歩を踏み出すこと、
そして強く願うことで、自分の道が開けることがあります。今はここから何を
つかむかが重要です。幸いUCFからこれまで多くのケアをもらい大変感謝です。
大学のeメールアドレスまで頂き、Novell GroupWiseを体験しています。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
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アメリカに来て、コジマガ発行がこれで11回目となりました。残すところあと
半年ですので、このままのペースならば第80号まではお届けできると思います。
きっと日本に戻ると発行ペースは元に戻ってしまうので、100号まで達成する
には相当の時間が経過するかも知れません。
一方、研修ブログも書き始めてから183日目となり、継続によってかなりの分量
(文字数12万字以上、写真150枚以上)になりました。これだけ書いておけば、
後日の振り返りにも使えることでしょう。ブログにリンク設定していませんが、
すでにアクセス(自分を除く)が1100を超えており、日頃より読んで下さって
いる方に感謝です。
2011年2月13日日曜日
第70号(2011.02.13)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第70号
□───────────────────――2011.02.13─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.070
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
2010年はiPhone4とAndroid携帯によって、スマートフォン元年になりました。
今年は各社からタブレットがぞくぞくと登場するのに加えて、春にはiPad2の
発表されるとの噂が世界中を駆け巡っています。2011年は、スマートフォンと
タブレット端末が入り乱れて、熾烈な競争を繰り広げながら新たな市場を開拓
してゆくものと期待されます。
また、これらの通信インフラにも大きな変化が見られます。日本でDocomoが
昨年末にLTEサービスを開始しました。アメリカでもVerizonがLTE用の携帯
新機種を市場にどんどん投入しています。無線による高速ブロードバンドは
LTEに加えて、無線LANからの発展形であるWiMAXとの競争によって、急速に
市場へ浸透するように思われます。
今年の通信関連市場の動向は見逃せません。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > アメリカ経済の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.cnbc.com/
アメリカにいると日本の情報はほとんど入ってきません。ネットなどで自分で
情報を取りに行かないと全く分からない状況になります。幸いアパートメント
も研究所もネットは完備ですし、さらにiPhoneからでもアクセスできますので、
まずまず快適な情報環境と言えるでしょう。
日本人がアメリカ生活を送ると為替の動きにかなり敏感になりますが、地元の
人は円ドルレートに全く関心はなさそうです。そもそも円と元・ウォンなどの
区別がつかない人がいても不思議でありません。また、例えばカシオが日本製
ということを知りませんし、韓国製品と日本のそれと明確には意識していない
と思います。多くの日本人が海外事情にそれほど関心を示さないのと同様です。
テレビではCNBCが株や経済の専門チャンネルなので、これを見ると経済や社会
の動きや話題になっていることが把握できます。また、株式の話題では、日本
であまり馴染みのない企業の名前も覚えることができます。さらにバーナンキ
FRB議長が実際にインタビューを受けていたり、自らコメントを出す姿を見る
こともできます。日本では新聞記事でコメントを読むことはあっても、映像で
見る機会は少ないだけに、貴重な経験です。
さて、2008年のリーマンショックでは甚大な損失を被ったアメリカでしたが、
株価は以前の水準ぐらいまでに戻しています。やはり日本の不良債権処理の
失敗から学び、迅速かつ大きな措置を施した成果でしょう。そんなアメリカ
ですが、オバマ政権発足時に掲げた公約の実施は、思惑通りに実現できない
ようです。国民皆保険制度の「オバマケア」は大きな政府の象徴としてみな
され、異論が噴出しています。これ以上の国の借金はすべきでないという声
が大きくなっています。昨秋の中間選挙で米国民主党が大負けをし、閣僚も
入れ替えしたのは、あまりにも日本とソックリです。
S&Pが日本国債の格を下げた報道に対して、CNBCは日本の逼迫した財政状況
を引き合いに、オバマ政権の経済政策へ危機感を煽っていました。すなわち、
大きな政府ではギリシアや日本のようになってしまうぞということを国民に
警鐘しているようです。このようにテレビの専門チャンネルではアメリカの
政治・経済だけでなく、世界の動きにも大きな関心を払っているように思え
ます。(アメリカの外交は国務長官の役割ですから、アメリカにとって世界
事情も国務の範囲なのでしょうか。)
一般教書演説以降、オバマ政権は政策転換を図っているようですが、現実に
合わせ柔軟に対応しているように見えます。しかし、基本となる成長戦略は
不変です。日本との違いは、いかに持続的に経済発展させるかという視点が
ぶれていないことでしょう、昨今、日本市場から外資がどんどん逃げてゆく
のは、グローバル化への対応の遅れや危機的な財政状況下での国債依存体質
から脱却できないところにあります。何より、揺るぎない成長路線が描けて
いないのが一番の問題でしょう。
日本経済の動きはアメリカの市場動向をチェックしていると理解が容易です。
昨年11月18日にGMが再上場しました。これに呼応した形で、一時的に円高に
歯止めがかかりました。すると日経平均が上昇します。また北朝鮮が韓国に
攻撃を加えました。すると有事にはドルが強くなるので、直ちに円安に振れ
ます。さらに、アメリカの主要な経済データが発表になると、アメリカ市場
が大きく反応して、日本はその影響を受けます。このようにアメリカ経済の
大きな影響を感じます。やはり日本経済だけを注視するのでなく、アメリカ
というフィルタを通して世界経済を眺める重要性を再確認しました。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.gsis.kumamoto-u.ac.jp/opencourses/pf/2Block/05/05-2_text.html
授業が行われるメインキャンパスには研究所に車を停めてシャトルバスで移動
します。いつも研究所の敷地内に停車するルート9番のバスを使っていました。
最初の授業日には、8時30分の開始時間にあわせて時間に余裕を持って停車所
で待っていました。しかし、バスはなかなか来ません。待っている間にルート
5番のシャトルバスが何本も通ってゆくのが見えます。時間が経過するにつれ
だんだん焦ってきます。仕方なくルート5番の停車所へ急いで移動です。9番
のバスはあまりに不定時なので、次回以降は5番のバスを使うようにしました。
研究所の周辺はパーク&ライドになっていますので、第3週目からはルート5
のバス停近くのパーキングに車を停めることにしました。
毎回乗るバスには常連さんがいることも分かってきました。バスの中で学生は
音楽を聞いたり、宿題をしたり、本(nookも)を読んでいたりとさまざまです。
日本と違うところを一つ発見しました。居眠りをする、またはしようとしてる
人がいないということです。日本ならば、どんな短い時間でも寝ようとする人
はいます。また、終点が目的地のバスですから、寝ていても乗り過ごす心配は
ありません。でも、この車内ではまだ見かけたことはなく、日本の通勤・通学
風景とはちょっと違います。
さて、授業も第5週目を過ぎてくるといろいろなことが分かってきます。まず、
インストラクタである教員の指示にしたがって、学生が全員ネットから書類を
ダウンロードし、プリントアウトしてきます。授業のルールとして当然のこと
ですが、日本ならば「プリンタがない」「パソコンが壊れた」など、さまざま
な言い訳とともに提出できない学生もしばしば見られます。もちろんUCFでは
大学からノートPCを全学生に渡しているわけではありません。そうでなくとも
ICTの要求もきちん守れる環境に驚きです。授業での約束事(プロトコル)が
しっかり提示されていますが、それが守られているようです。
次に、学生の学習到達度と目標が明らかになっていることです。これを遂行上
で重要な書類がルーブリック(Rublic)です。学生はこれまでの成果(自分で
作ったレポート及びチェックされたメモなど)を紙のファイルにまとめますが、
ルーブリックが一緒に用意されています。ルーブリックとは授業での達成目標
(複数)に対して、どこまで進捗しているのかかを明らかにした表のことです。
学生はそれを見ながら、これらか自分の努力すべき点を確認してきます。
また、事前に読んでおくべき文も学生は読んできているので、face to faceの
授業も上手く展開できています。最近、サンデル教授の「ハーバード白熱教室」
が日本で話題となっているようで、大学が目指すべき理想の授業形態のように
扱われているように思えます。しかし、注意が必要なのは、このような授業の
前提には教員の努力・能力もさることながら、学生たちの事前の準備が求めら
れていることです。何の準備もなく聞いているだけの学生とアメリカのように
事前の課題をこなして臨む学生とでは、アプローチを変えなければなりません。
1回あたり50分の授業ですが、20名以下のクラスサイズということもあってか
無駄がなく中身は濃いように感じてます。さらに週3回なので学生にとっては
ハードな授業のように思います。最初に比べて学生が少しばかり減ったように
思いますが、授業についてこれなくなりドロップアウトしたのかも知れません。
3割以上の学生がドロップアウトしてゆくアメリカの大学だけに、この状況も
分からなくもありません。
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■編□集□後□記□
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先週、第45回スーパーボウルがテキサスで開催されました。やはりアメリカ
最高の舞台だけにいろいろなところで話題になっていました。当日は自宅の
アパートメントで観戦です。テレビで映し出されていた有名人にはブッシュ
前大統領とその側近たちもいました。
試合は、前半からリードを保ったパッカーズが優勝です。スティーラーズの
追い上げで3点差まで迫りましたが、やはり3回ものターンオーバーが勝利
の要因でしょう。試合だけでなく、ハーフタイムやTVコマーシャルが面白い
のも印象的です。ハーフタイムショーはコンサートさながらですし、また、
各社が競ってCMづくりをしているのがよく分かります。いつトイレに立って
よいかに悩みました。これでアメフトもシーズンオフです。
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■□□> コジマガ kojimag@ 第70号
□───────────────────――2011.02.13─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.070
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
2010年はiPhone4とAndroid携帯によって、スマートフォン元年になりました。
今年は各社からタブレットがぞくぞくと登場するのに加えて、春にはiPad2の
発表されるとの噂が世界中を駆け巡っています。2011年は、スマートフォンと
タブレット端末が入り乱れて、熾烈な競争を繰り広げながら新たな市場を開拓
してゆくものと期待されます。
また、これらの通信インフラにも大きな変化が見られます。日本でDocomoが
昨年末にLTEサービスを開始しました。アメリカでもVerizonがLTE用の携帯
新機種を市場にどんどん投入しています。無線による高速ブロードバンドは
LTEに加えて、無線LANからの発展形であるWiMAXとの競争によって、急速に
市場へ浸透するように思われます。
今年の通信関連市場の動向は見逃せません。
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■アメリカ短信 > アメリカ経済の段
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☆関連サイト:http://www.cnbc.com/
アメリカにいると日本の情報はほとんど入ってきません。ネットなどで自分で
情報を取りに行かないと全く分からない状況になります。幸いアパートメント
も研究所もネットは完備ですし、さらにiPhoneからでもアクセスできますので、
まずまず快適な情報環境と言えるでしょう。
日本人がアメリカ生活を送ると為替の動きにかなり敏感になりますが、地元の
人は円ドルレートに全く関心はなさそうです。そもそも円と元・ウォンなどの
区別がつかない人がいても不思議でありません。また、例えばカシオが日本製
ということを知りませんし、韓国製品と日本のそれと明確には意識していない
と思います。多くの日本人が海外事情にそれほど関心を示さないのと同様です。
テレビではCNBCが株や経済の専門チャンネルなので、これを見ると経済や社会
の動きや話題になっていることが把握できます。また、株式の話題では、日本
であまり馴染みのない企業の名前も覚えることができます。さらにバーナンキ
FRB議長が実際にインタビューを受けていたり、自らコメントを出す姿を見る
こともできます。日本では新聞記事でコメントを読むことはあっても、映像で
見る機会は少ないだけに、貴重な経験です。
さて、2008年のリーマンショックでは甚大な損失を被ったアメリカでしたが、
株価は以前の水準ぐらいまでに戻しています。やはり日本の不良債権処理の
失敗から学び、迅速かつ大きな措置を施した成果でしょう。そんなアメリカ
ですが、オバマ政権発足時に掲げた公約の実施は、思惑通りに実現できない
ようです。国民皆保険制度の「オバマケア」は大きな政府の象徴としてみな
され、異論が噴出しています。これ以上の国の借金はすべきでないという声
が大きくなっています。昨秋の中間選挙で米国民主党が大負けをし、閣僚も
入れ替えしたのは、あまりにも日本とソックリです。
S&Pが日本国債の格を下げた報道に対して、CNBCは日本の逼迫した財政状況
を引き合いに、オバマ政権の経済政策へ危機感を煽っていました。すなわち、
大きな政府ではギリシアや日本のようになってしまうぞということを国民に
警鐘しているようです。このようにテレビの専門チャンネルではアメリカの
政治・経済だけでなく、世界の動きにも大きな関心を払っているように思え
ます。(アメリカの外交は国務長官の役割ですから、アメリカにとって世界
事情も国務の範囲なのでしょうか。)
一般教書演説以降、オバマ政権は政策転換を図っているようですが、現実に
合わせ柔軟に対応しているように見えます。しかし、基本となる成長戦略は
不変です。日本との違いは、いかに持続的に経済発展させるかという視点が
ぶれていないことでしょう、昨今、日本市場から外資がどんどん逃げてゆく
のは、グローバル化への対応の遅れや危機的な財政状況下での国債依存体質
から脱却できないところにあります。何より、揺るぎない成長路線が描けて
いないのが一番の問題でしょう。
日本経済の動きはアメリカの市場動向をチェックしていると理解が容易です。
昨年11月18日にGMが再上場しました。これに呼応した形で、一時的に円高に
歯止めがかかりました。すると日経平均が上昇します。また北朝鮮が韓国に
攻撃を加えました。すると有事にはドルが強くなるので、直ちに円安に振れ
ます。さらに、アメリカの主要な経済データが発表になると、アメリカ市場
が大きく反応して、日本はその影響を受けます。このようにアメリカ経済の
大きな影響を感じます。やはり日本経済だけを注視するのでなく、アメリカ
というフィルタを通して世界経済を眺める重要性を再確認しました。
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■UCFから
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☆関連サイト:http://www.gsis.kumamoto-u.ac.jp/opencourses/pf/2Block/05/05-2_text.html
授業が行われるメインキャンパスには研究所に車を停めてシャトルバスで移動
します。いつも研究所の敷地内に停車するルート9番のバスを使っていました。
最初の授業日には、8時30分の開始時間にあわせて時間に余裕を持って停車所
で待っていました。しかし、バスはなかなか来ません。待っている間にルート
5番のシャトルバスが何本も通ってゆくのが見えます。時間が経過するにつれ
だんだん焦ってきます。仕方なくルート5番の停車所へ急いで移動です。9番
のバスはあまりに不定時なので、次回以降は5番のバスを使うようにしました。
研究所の周辺はパーク&ライドになっていますので、第3週目からはルート5
のバス停近くのパーキングに車を停めることにしました。
毎回乗るバスには常連さんがいることも分かってきました。バスの中で学生は
音楽を聞いたり、宿題をしたり、本(nookも)を読んでいたりとさまざまです。
日本と違うところを一つ発見しました。居眠りをする、またはしようとしてる
人がいないということです。日本ならば、どんな短い時間でも寝ようとする人
はいます。また、終点が目的地のバスですから、寝ていても乗り過ごす心配は
ありません。でも、この車内ではまだ見かけたことはなく、日本の通勤・通学
風景とはちょっと違います。
さて、授業も第5週目を過ぎてくるといろいろなことが分かってきます。まず、
インストラクタである教員の指示にしたがって、学生が全員ネットから書類を
ダウンロードし、プリントアウトしてきます。授業のルールとして当然のこと
ですが、日本ならば「プリンタがない」「パソコンが壊れた」など、さまざま
な言い訳とともに提出できない学生もしばしば見られます。もちろんUCFでは
大学からノートPCを全学生に渡しているわけではありません。そうでなくとも
ICTの要求もきちん守れる環境に驚きです。授業での約束事(プロトコル)が
しっかり提示されていますが、それが守られているようです。
次に、学生の学習到達度と目標が明らかになっていることです。これを遂行上
で重要な書類がルーブリック(Rublic)です。学生はこれまでの成果(自分で
作ったレポート及びチェックされたメモなど)を紙のファイルにまとめますが、
ルーブリックが一緒に用意されています。ルーブリックとは授業での達成目標
(複数)に対して、どこまで進捗しているのかかを明らかにした表のことです。
学生はそれを見ながら、これらか自分の努力すべき点を確認してきます。
また、事前に読んでおくべき文も学生は読んできているので、face to faceの
授業も上手く展開できています。最近、サンデル教授の「ハーバード白熱教室」
が日本で話題となっているようで、大学が目指すべき理想の授業形態のように
扱われているように思えます。しかし、注意が必要なのは、このような授業の
前提には教員の努力・能力もさることながら、学生たちの事前の準備が求めら
れていることです。何の準備もなく聞いているだけの学生とアメリカのように
事前の課題をこなして臨む学生とでは、アプローチを変えなければなりません。
1回あたり50分の授業ですが、20名以下のクラスサイズということもあってか
無駄がなく中身は濃いように感じてます。さらに週3回なので学生にとっては
ハードな授業のように思います。最初に比べて学生が少しばかり減ったように
思いますが、授業についてこれなくなりドロップアウトしたのかも知れません。
3割以上の学生がドロップアウトしてゆくアメリカの大学だけに、この状況も
分からなくもありません。
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■編□集□後□記□
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先週、第45回スーパーボウルがテキサスで開催されました。やはりアメリカ
最高の舞台だけにいろいろなところで話題になっていました。当日は自宅の
アパートメントで観戦です。テレビで映し出されていた有名人にはブッシュ
前大統領とその側近たちもいました。
試合は、前半からリードを保ったパッカーズが優勝です。スティーラーズの
追い上げで3点差まで迫りましたが、やはり3回ものターンオーバーが勝利
の要因でしょう。試合だけでなく、ハーフタイムやTVコマーシャルが面白い
のも印象的です。ハーフタイムショーはコンサートさながらですし、また、
各社が競ってCMづくりをしているのがよく分かります。いつトイレに立って
よいかに悩みました。これでアメフトもシーズンオフです。
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