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ゼミ創立30周年パーティが開催されました。
10年ごとの節目として、今回は3回目のパーティになります。
パーティ当日の詳細や写真・動画などは、Facebookから確認いただくとして、
久しぶりに多くの卒業生と会った振り返りをします。
すでに社会に出て20年以上が経過した卒業生もおり、職種や業界も多種多様です。
公務員や金融、営業や製造業など、いろいろな仕事に就いています。
中堅社員なので、「今の新入社員は・・・」という話にもなりました。
現役学生にとっては、先輩たちから貴重な話が聞けたと思います。
また、住まいも東海地区以外に東京や北陸・九州と散らばっています。
遠方より集まっていただき、本当にありがたい限りです。
卒業生らと話をしていて、特に印象に残ったのは2つのグループです。
ひとつ目は、完全移住組です。
転勤で遠隔地に引っ越したり、海外勤務もありますが、
まったく不慣れな土地で新たに生活を始めるという移住には頭が下がります。
そして、これまでを断ち、自ら飛び込んでいく姿勢には心打たれます。
もうひとつは、フリーランスや自分で起業した人たちです。
自分のしたいことが仕事になっているので、傍目からは羨ましく見える
かもしれませんが、現実には辛い部分も多いはずです。
必ずしも安定した仕事でないので、経済的な不安はあると思います。
仕事に対し「自らをもって由となす」いわゆる、自由という意味を
改めて考えさせられます。
これら2つのグループに共通するのは、「好奇心と情熱」です。
自分の中にある強い好奇心がドライブになって、その人を動かします。
ほとばしる情熱が周りの人に伝わり、新しい価値を生み出します。
眼をキラキラさせて、仕事に取り組んでいる姿を見ると
「好奇心と情熱」の重要性を改めて教えられたように感じます。
最近、自分があまりできていないだけに、大変良い刺激になりました。
自分自身の反省としては、キャリア志向を目指す学部の取組みです。
急激な少子化が進み、ライバル校との競争や差別化が求められています。
ステークホルダーに評価される大学となるため中期アクションプランを
策定し、実施して4年目になります。毎年、PDCAをするのですが、
かつての(昭和的な)価値観で、戦略を組み立てていたのではないか?
という疑問が、卒業生と再会して湧いてきました。
ゼミで求めているのは学生の成長が第一で、先が読めない時代だけに
トーマス・フリードマンのいう「好奇心と情熱」を掲げています。
今の学生へ求めている就活は、(親の目線の)安定を主眼に置いた指導が
中心になっています。尖った学生になってもらいたいものの、なかなか
好奇心で情熱的に動くような学生が見られません。少しでも全体が動く
ような指導になってしまっているのかもしれません。
経済学部では従来のコース制を止め、「教育トラック」を導入しました。
自分が目指す職種への近道としてトラックを示し、ゴールに向けて走って
もらうように示したものです。(従来のコースは既存の専門科目をまとめた
感が強く、教える側からの視点で策定しているような気がします。)
教育トラックには4つのトラックがあり、グローバル人材、DX人材、
公共政策、ファイナンスとなっています。しかし、上述した2つの
グループは教育トラックの枠組みを超えています。すなわち、自分の
人生をしっかり考えて、自分で歩みを進めています。
このような人材も輩出するのが、大学の重要な役割かと思います。
学生時代に力を入れたこと、いわゆる「ガクチカ」を尋ねられても
しっかり答えられる学生を育てていきたいものです。