2011年12月24日土曜日
第86号(2011.12.24)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□—————————————————————————————
■□□> コジマガ kojimag@ 第86号
□───────────────────——2011.12.24─——
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.086
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
Merry Christmas!
今年はクリスマスが近づくに連れ、急に寒くなって来ました。読者の
諸氏は風邪などひかぬようにご注意ください。自分は、幸いこの数年、
風邪をこじらせることなく過ごせています。冬に気をつけている習慣
といえば、喉に違和感を覚えた時、直ちに葛根湯を頓服することです。
ただし、こじらせてからではあまり効き目がないように思います。
さて、恒例の児島ゼミOB会の忘年会が開催されます。時間の許す方は、
是非ご参会ください。アメリカ土産を持参しますので、抽選会で配り
ましょう。
集合:19:00 名鉄瀬戸線栄町駅改札口前
場所:世界の山ちゃん本店
時間:19:30〜
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■NGU短信 > facebookとブログの段
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☆関連サイト:http://www.facebook.com/kojimaseminar.net
☆関連サイト:http://kojimag.blogspot.com/
☆関連サイト:http://blog.ngu.ac.jp/dokusho/
コジマガ第81号で紹介したfacebookですが、少しずつ機能が分かって
きました。グループと公式ページとの違いや使途を覚えたところです。
基本を理解するにも、実際に使ってみなければ分かりません。しかし、
FBの進化が続いているので、マニュアルと画面が違うこともあって、
できるはずが上手くいかないことも度々です。そこで、FBを登録した
ばかり(しただけ)の人に向けて簡単に説明します。
まず、グループはメンバ以外には非公開として設定してます。メンバ
登録は「児島ゼミ」を検索してもらい、<グループへの参加を希望>
をクリックしてください。するとリクエストが管理人に送信されて、
承認を得た後にメンバとなります。また、すでに児島ゼミのグループ
に所属している友人が(勝手に?)追加してしまうこともあります。
現在、FBの児島ゼミに31名のメンバがおり、彼(女)らは自分の友達
を追加できます。登録方法は、グループの画面からページ右段にある
<+グループに友達を追加>へ友人の名前を入力すればOKです。
一方、「Kojima-Seminar.NET」のfacebookページ(旧、ファンページ)
はFBに登録していない人にも公開されています。これは、企業や商品
などが「公式ページ」として利用するもので、今やFB内で多くの企業
がこれをマーケティングツールとしています。ユーザに「いいね!」
ボタンを押してもらうことで、広く知ってもらえる「クチコミ」機能
が注目されています。ゼミでは、すでに小林君が作成してくれたので、
一度、参照ください。ウォールには忘年会の案内が掲示されています。
先日、公式ページにiframeを設定しました。初めてページを訪問した
人には「Welcome」ページが表示されるという機能です。このページに
対して「いいね!」ボタンを押すと、次回からは最初に「Welcome」の
ページトップページが表示されなくなります。これはFB用のアプリを
作成・登録するものですが、facebookページの種類によっては、機能
しないようです。
さて、コジマガは8年余りで86号に至りました。バックナンバーは.NET
にアーカイブしていたので、後日参照するのに大変便利でした。また
アメリカ研修中ではWeb2.0ツールの試みとして、コジマガ配信記事を
URLを短縮してTwitterで流し、アクセスログをチェックしてみました。
帰国後、facebookを活用するOBが増えきたので、コジマがの在り方も
再考しなければならないと感じました。
そこで、メルマガをBloggerにまとめる作業に着手しました。コピペの
作業は至って快適でしたが、1日の投稿数が50を超えると発信規制が
かかります。また、Bloggerでは新たにファビコンが利用できるように
なったので、これを設定してみました。ここでファビコン画像が他の
ブログとは共有できないことを発見しました。
ブログが完成すると情報はかなり整理されます。当然ですが、時系列
表示なので1年毎の発信数が明示されます。また、ラベルを付ければ、
記事の分類が可能です。この機能によって「本の紹介」の記事だけを
まとめることができ、20冊以上を紹介してきたことも分かりました。
必要な記事を探す苦労がなくなったので、参照は大変楽になりました。
名古屋学院大学の図書館が発行している「栞輪(しおりん)」という
読書ブログがあります。ここで本に関する記事を募集していたので、
コジマガのブログリストを活用してはどうでしょうと連絡をしました。
すると早速、記事にしてくれました。これまで書き綴ってきた記事が、
改めて活用されることを目の当たりにし、感慨深い体験です。
Web2.0ツールの威力を改めて実感するこの頃です。
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■最近のゼミ・講義から > 教育コンペティションの段
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☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/rublic.pdf
☆関連サイト:http://www.nagoya-stock-exchange.com/
☆関連サイト:http://www.cccties.org/senryu/
ゼミ募集も終わり、次年度の3年生メンバの構成がほぼ固まったので、
内定者を一堂に集めてゼミの事前指導をしました。来年度はアメリカ
で覚えたルーブリックに基づいて指導する予定なので、すでに渡した
書類にチェックさせて回収です。1年後には就職活動が始まるだけに、
4月からスタートしていては実質9ヶ月しかありません。長期休暇を
無駄にせず、ロケットスタートができるよう指示を出しました。
さて、経済学部2年次ゼミを対象にして12月15日よりゼミ対抗コア6
コンペという学部イベントが行われました。これは約30のゼミで授業
時間でコア6に関する小テストを実施するものです。CCSの小テスト
機能を利用して30問を出題します。どれほど正答を得られるかをゼミ
ごとに競いました。このイベントの詳細については、次回コジマガで
報告することにしましょう。
また、コンペでは名古屋証券取引所が主催する株式投資コンテストを
授業の中で紹介し、学生に参加を求めました。名証のセントレックス
にある銘柄が取引の中心なので、これは地元企業名や業績を知る機会
となります。経済学部にとっては、現実の地元経済の動きを学習する
だけでなく、キャリア教育としても意味があります。さらにICTを使う
オンライン・トレード(バーチャル取引)を学生時代に体験すること
も、悪いことではありません。
さらに名古屋学院大学も参加しているTIESでは、大学川柳コンテスト
の一次選考が修了し、一般投票が行われています。このようにネット
でイベントに参加すること、評価に加わるすることを体験することは
情報社会の中では貴重な経験です。
学生へ参加を促し、このようなコンテストを通じて、興味関心を高め
る機会が増えてきたように思います。「何もそこまで」という意見も
あるかも知れません。しかし、現実の経済社会の動きに対して興味が
希薄な学生は多いだけに、そのような経済学部生を大学が社会へ送り
出してはならないと思います。
成績優秀者に対する賞品が、参加のインセンティブとして十分に機能
しているかといえば、思った以上には効果はありません。興味関心が
広がらない大学生に対して、少しでも関心を喚起させる仕掛けが必要
です。山本五十六の言葉「やってみせ、いって聞かせて、させてみて、
褒めてやらねば人は動かじ」は、まさにその通りです。学生を自主的
に参加するように仕向けることの難しさを実感するこの頃です。
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■編□集□後□記□
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☆関連サイト:http://www9.nhk.or.jp/sakanoue/
年末の大河ドラマとして2年前から始まった『坂の上の雲』がいよいよ
佳境を迎えています。この作品は私が大学時代に読んで、感動した作品
のひとつです。(当時、司馬遼太郎作品にはまっていました。)ドラマ
化されることをとても楽しみにしていました。
放映前年に伊予松山へ行く機会がありました。すでにその時にはロケが
進んでおり、街中にも大きな垂れ幕が目に付きました。スケジュールに
余裕がなかったために、市内観光はほとんどできませんでした。しかし、
朝早起きをして、道後温泉での入浴をした帰りに、秋山兄弟ゆかりの地
へ足を伸ばして、その銅像を写真に収めたことを思い出します。
2011年11月26日土曜日
第85号(2011.11.26)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@ 第85号
□───────────────────――2011.11.26─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.085
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
学園祭中に開催されたホームカミングデーでは、なんと14名ものゼミ卒業生
と再会することができ、とても楽しい時間を過ごすことができました。ただ
パーティ会場内でスマートフォンやタブレットを出していた光景は、他の人
からは異様な集団と思われたかも知れません。(笑)
パーティ終了後も新館で、フェアトレードコーヒーを飲みながら懇談でした。
facebookへの投稿やモバイルWiFiルーターの速度比較など、外出先でできる
ことに時代の流れを感じます。帰国後、iPad用にドコモでXiを新規契約して、
4G(実際は、3.9G)を実感しています。アメリカでの4Gの宣伝に比べ、日本
の通信キャリアのそれは控え目のような気がします。
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■NGU短信 > デジプレと卒業研究発表会の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.ngu.jp/system/article/detail/1342
秋は、卒業研究発表会の季節です。昨年から3年間はゼミ生の出場機会は
ありませんが、学生が真摯に取り組んでいる姿を観るのは良い刺激です。
現在の4年生には2年次ゼミで教えた学生がおり、4名が発表予定です。
一昨年前の卒業生以降は、全員が1年次に「デジタルプレゼンテーション」
(デジプレ)を受けているので、Powerpointでの発表が標準になりました。
それまでは、用意したレジュメを読み上げるだけやPowerpointでも見るに
耐えない雑なスライド(もちろん操作も覚束ない)発表も散見されました。
当時も全員がノートパソコンを持っていましたが、プレゼンやWebページの
作成を扱う授業の「コンピュータコミュニケーション」は選択科目でした。
実習科目は、少人数で概して講義科目よりしんどいということで敬遠され、
履修者数は減少の一途を辿っていました。全学共通科目ということもあり、
ノートパソコンの教育効果を確認することはできませんでした。
大学の名古屋移転を見据えて、2006年度からはカリキュラムが大幅に変更
されました。大きな特徴の一つは、経済学部は1年全員に春「デジプレ」、
秋には「OA実習(現、データ表現技法)」の2科目を指定科目として開設
したことです。これらの新規科目は経済学部の専門科目に位置づけ、内容
を社会人として必要なコミュニケーション能力のひとつであるプレゼンと
適切なグラフの作成能力に特化させました。講義内容を十分に検討して、
インストラクターによるPowerpointとExcelの実習が始まりました。
開設当初はいろいろと軽口を叩かれたものです。「必修科目でないと3割
ぐらいの学生しか最後まで続かないだろう」とか「今さら、Powerpointを
教える時代ではない」などさまざまです。当時、ゼミでもExcelで適切な
グラフが作れない、プレゼンの基本技能ができていないという事態を目の
当たりにしていただけに、教室で起きている事情を全く意に介さない人達
の戯言と見なしていました。同時に、必ず教育成果を出そうという意欲が
湧いたのを覚えています。ちなみに、2科目の単位取得率は現在でも70%
を超えています。
さて、これらの科目が始まり2年目のことです。学生指導に熱心な先生が
次のような質問をしてきました。「2年生のゼミで学生にプレゼンをさせ
たところ、全員がPowerpointできちんと発表できるが、一体どうして?」
と。カリキュラムの変更とその狙いを説明すると、いたく感心されました。
やはり、一部の学生ができることと全員ができることには、格段の違いが
あります。それまで、彼のゼミで実施してきたできない学生の指導が不要
になったことを見ても、組織として大きな改善といってもよいでしょう。
4年後の卒業研究発表会では、発表者全員がパソコンを使ってプレゼンを
することができました。この事実に安堵するとともに、一応の教育成果を
上げることができたと確信しています。もちろん、情報リテラシー教育に
疑念を抱く人はいまでも少なくありません。しかし、全員ができることは
いかに大変であるかは、現場で多くの学生の操作能力を見て、教えてこそ
分かることでないかと思います。
現在、大学改革のキーワードのひとつは「学士力」です。大学を卒業して
もどのような力が身に付いたのかが目に見えません。経済学部を卒業した
ならば、少なくともこの程度の知識や技量は身に付いたという内容を広く
詳らかにしなくては、大学の存在意義を問われることでしょう。その点で、
この取組みは全学生をできるようにした意味で「学士力」のひとつを実現
したといえるかも知れません。瑣末なことではあるけれども、学部の教育
目標と一致した教育内容を達成しているのではないでしょうか。ただし、
就職率という数字に現れていないだけに、社会的に注目されませんが・・。
最後に卒業研究発表会の感想です。2年後には再びゼミ生達を出場させる
ように指導しますが、全体にレベルが上がっており、決勝へ進出するだけ
でもかなり難しくなっているという印象です。特に、若い先生方はゼミ生
をしっかり指導されており、早い時期から取り組ませないと互するだけで
大変と思いました。
いずれにせよ教育力の競争で、大学としてとても良い傾向にあります。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■最近のゼミ・講義から
―――――――――――――――――――――――――――――――
前号でも報告したように秋学期には従来の科目に加えて、新しい授業の
「マクロ経済学入門」と「経済数学入門」を担当しています。授業も約
半分が終わりましたが、この2ヶ月程でいろいろと分かってきました。
まず、マクロ経済学です。指定のテキストは『マンキューの入門経済学』
で、この内容通り教えるという申し合わせになっています。そこで準備
として教科書を読むと経済学の流れは、これまでとは違ったアプローチ
になっています。例えば、消費関数の記述がないので、乗数プロセスが
丁寧に説明されていません。ミクロでも効用関数や無差別曲線を扱って
いないのにも驚きました。その代わりに現実のデータや金融面に多くの
紙幅を充てているように思います。
教える内容が過渡期であることは理解できましたが、このような時には
いろいろ困ったことが起きます。例えば、すでに既習事項と思って授業
をしても、受ける学生は初めての内容なので、チンプンカンプンという
ケースが出てきます。また、公務員試験の専門科目では伝統的な内容が
出題されているだけに、大学の授業の延長線上になっていないことです。
(元来、公務員試験は範囲が広いので、大学の学習範囲だけではとても
歯が立ちませんが・・・)
一方の数学です。最近、私立大学は推薦入試などで多くの入学者を確保
しており、一般入試での入学者割合が減少しています。また、入学者の
基礎学力不足が問題となっている背景には、学力試験を課さないような
入試形態が増えてきたことも起因しています。多様な学生を受け入れて、
入学後の授業レベルを維持するにはリメディアル教育(高校までのやり
直し)が重要になります。このようにいずれの大学でもバラバラな学力
レベルをいかに考慮しながら授業を進めなくてはなりません。
特に、私立大学の文科系では高校の時から数学を諦めてしまった学生も
少なくありません。そのような中で、数学を使い経済理論を理解させる
のは至難の業です。少しでもギャップを補うために2年前に設けられた
科目が「経済数学入門」です。毎回、演習などで受講生の理解度を確認
すると以下のことが分かりました。(1)中学・高校の数学で扱う設問、
いわゆる計算問題はパターンを教えれば可能、(2)これが変数になる
とかなり理解に苦しむようで、(3)これが文章題となると途端に理解
不能になってしまう、という傾向があります。
かつての大学受験地獄は楽勝へ、その代わりに就活地獄が待っています。
学生が積み残した課題はすべて先送りにされた感がありますが、これに
愚痴をこぼしたり、誰かに責任転嫁するのでなく、現実の課題を直視し、
少しでも解決法を探るしかありません。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.tcmit.org/
早いもので、帰国して3ヶ月が経とうとしています。暖かな秋でしたが、
急に冬が訪れて、枯れ葉も色づき、いよいよ季節感がでてきました。
月初にフロリダの友人が名古屋へ遊びに来たので、産業技術記念館まで
出かけました。ゼミの社会見学を含め、何度か訪れた場所ですが、今回
初めて知ったことがあります。トヨタ自動車の創業者である豊田喜一郎
氏は、量産車の成功を見ることなく逝去していたことでした。
トヨタは紡績業で巨額の富を築いた後、成功するかどうかも分からない
新しい事業へ投資していました。今でこそ自動車は日本を代表する産業
のひとつになっていますが、当時は、海のものとも山のものとも判断の
つかない事業(のはず)です。ここへ本業から巨額の出資をすることに
対し、不安に思ったり疑念を持つ人もいたことでしょう。想像するに、
かなり陰口を叩かれたのではないでしょうか。喜一郎氏の情熱とともに
父である佐吉翁の深い理解や多面的な支援があって、歴史的一大事業が
成功したのだと思いました。
しかし、量産車を見ることなく、世を去らねばならなかった喜一郎氏の
胸中はどのようなものだったのでしょう。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第85号
□───────────────────――2011.11.26─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.085
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
学園祭中に開催されたホームカミングデーでは、なんと14名ものゼミ卒業生
と再会することができ、とても楽しい時間を過ごすことができました。ただ
パーティ会場内でスマートフォンやタブレットを出していた光景は、他の人
からは異様な集団と思われたかも知れません。(笑)
パーティ終了後も新館で、フェアトレードコーヒーを飲みながら懇談でした。
facebookへの投稿やモバイルWiFiルーターの速度比較など、外出先でできる
ことに時代の流れを感じます。帰国後、iPad用にドコモでXiを新規契約して、
4G(実際は、3.9G)を実感しています。アメリカでの4Gの宣伝に比べ、日本
の通信キャリアのそれは控え目のような気がします。
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■NGU短信 > デジプレと卒業研究発表会の段
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/system/article/detail/1342
秋は、卒業研究発表会の季節です。昨年から3年間はゼミ生の出場機会は
ありませんが、学生が真摯に取り組んでいる姿を観るのは良い刺激です。
現在の4年生には2年次ゼミで教えた学生がおり、4名が発表予定です。
一昨年前の卒業生以降は、全員が1年次に「デジタルプレゼンテーション」
(デジプレ)を受けているので、Powerpointでの発表が標準になりました。
それまでは、用意したレジュメを読み上げるだけやPowerpointでも見るに
耐えない雑なスライド(もちろん操作も覚束ない)発表も散見されました。
当時も全員がノートパソコンを持っていましたが、プレゼンやWebページの
作成を扱う授業の「コンピュータコミュニケーション」は選択科目でした。
実習科目は、少人数で概して講義科目よりしんどいということで敬遠され、
履修者数は減少の一途を辿っていました。全学共通科目ということもあり、
ノートパソコンの教育効果を確認することはできませんでした。
大学の名古屋移転を見据えて、2006年度からはカリキュラムが大幅に変更
されました。大きな特徴の一つは、経済学部は1年全員に春「デジプレ」、
秋には「OA実習(現、データ表現技法)」の2科目を指定科目として開設
したことです。これらの新規科目は経済学部の専門科目に位置づけ、内容
を社会人として必要なコミュニケーション能力のひとつであるプレゼンと
適切なグラフの作成能力に特化させました。講義内容を十分に検討して、
インストラクターによるPowerpointとExcelの実習が始まりました。
開設当初はいろいろと軽口を叩かれたものです。「必修科目でないと3割
ぐらいの学生しか最後まで続かないだろう」とか「今さら、Powerpointを
教える時代ではない」などさまざまです。当時、ゼミでもExcelで適切な
グラフが作れない、プレゼンの基本技能ができていないという事態を目の
当たりにしていただけに、教室で起きている事情を全く意に介さない人達
の戯言と見なしていました。同時に、必ず教育成果を出そうという意欲が
湧いたのを覚えています。ちなみに、2科目の単位取得率は現在でも70%
を超えています。
さて、これらの科目が始まり2年目のことです。学生指導に熱心な先生が
次のような質問をしてきました。「2年生のゼミで学生にプレゼンをさせ
たところ、全員がPowerpointできちんと発表できるが、一体どうして?」
と。カリキュラムの変更とその狙いを説明すると、いたく感心されました。
やはり、一部の学生ができることと全員ができることには、格段の違いが
あります。それまで、彼のゼミで実施してきたできない学生の指導が不要
になったことを見ても、組織として大きな改善といってもよいでしょう。
4年後の卒業研究発表会では、発表者全員がパソコンを使ってプレゼンを
することができました。この事実に安堵するとともに、一応の教育成果を
上げることができたと確信しています。もちろん、情報リテラシー教育に
疑念を抱く人はいまでも少なくありません。しかし、全員ができることは
いかに大変であるかは、現場で多くの学生の操作能力を見て、教えてこそ
分かることでないかと思います。
現在、大学改革のキーワードのひとつは「学士力」です。大学を卒業して
もどのような力が身に付いたのかが目に見えません。経済学部を卒業した
ならば、少なくともこの程度の知識や技量は身に付いたという内容を広く
詳らかにしなくては、大学の存在意義を問われることでしょう。その点で、
この取組みは全学生をできるようにした意味で「学士力」のひとつを実現
したといえるかも知れません。瑣末なことではあるけれども、学部の教育
目標と一致した教育内容を達成しているのではないでしょうか。ただし、
就職率という数字に現れていないだけに、社会的に注目されませんが・・。
最後に卒業研究発表会の感想です。2年後には再びゼミ生達を出場させる
ように指導しますが、全体にレベルが上がっており、決勝へ進出するだけ
でもかなり難しくなっているという印象です。特に、若い先生方はゼミ生
をしっかり指導されており、早い時期から取り組ませないと互するだけで
大変と思いました。
いずれにせよ教育力の競争で、大学としてとても良い傾向にあります。
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■最近のゼミ・講義から
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前号でも報告したように秋学期には従来の科目に加えて、新しい授業の
「マクロ経済学入門」と「経済数学入門」を担当しています。授業も約
半分が終わりましたが、この2ヶ月程でいろいろと分かってきました。
まず、マクロ経済学です。指定のテキストは『マンキューの入門経済学』
で、この内容通り教えるという申し合わせになっています。そこで準備
として教科書を読むと経済学の流れは、これまでとは違ったアプローチ
になっています。例えば、消費関数の記述がないので、乗数プロセスが
丁寧に説明されていません。ミクロでも効用関数や無差別曲線を扱って
いないのにも驚きました。その代わりに現実のデータや金融面に多くの
紙幅を充てているように思います。
教える内容が過渡期であることは理解できましたが、このような時には
いろいろ困ったことが起きます。例えば、すでに既習事項と思って授業
をしても、受ける学生は初めての内容なので、チンプンカンプンという
ケースが出てきます。また、公務員試験の専門科目では伝統的な内容が
出題されているだけに、大学の授業の延長線上になっていないことです。
(元来、公務員試験は範囲が広いので、大学の学習範囲だけではとても
歯が立ちませんが・・・)
一方の数学です。最近、私立大学は推薦入試などで多くの入学者を確保
しており、一般入試での入学者割合が減少しています。また、入学者の
基礎学力不足が問題となっている背景には、学力試験を課さないような
入試形態が増えてきたことも起因しています。多様な学生を受け入れて、
入学後の授業レベルを維持するにはリメディアル教育(高校までのやり
直し)が重要になります。このようにいずれの大学でもバラバラな学力
レベルをいかに考慮しながら授業を進めなくてはなりません。
特に、私立大学の文科系では高校の時から数学を諦めてしまった学生も
少なくありません。そのような中で、数学を使い経済理論を理解させる
のは至難の業です。少しでもギャップを補うために2年前に設けられた
科目が「経済数学入門」です。毎回、演習などで受講生の理解度を確認
すると以下のことが分かりました。(1)中学・高校の数学で扱う設問、
いわゆる計算問題はパターンを教えれば可能、(2)これが変数になる
とかなり理解に苦しむようで、(3)これが文章題となると途端に理解
不能になってしまう、という傾向があります。
かつての大学受験地獄は楽勝へ、その代わりに就活地獄が待っています。
学生が積み残した課題はすべて先送りにされた感がありますが、これに
愚痴をこぼしたり、誰かに責任転嫁するのでなく、現実の課題を直視し、
少しでも解決法を探るしかありません。
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■編□集□後□記□
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早いもので、帰国して3ヶ月が経とうとしています。暖かな秋でしたが、
急に冬が訪れて、枯れ葉も色づき、いよいよ季節感がでてきました。
月初にフロリダの友人が名古屋へ遊びに来たので、産業技術記念館まで
出かけました。ゼミの社会見学を含め、何度か訪れた場所ですが、今回
初めて知ったことがあります。トヨタ自動車の創業者である豊田喜一郎
氏は、量産車の成功を見ることなく逝去していたことでした。
トヨタは紡績業で巨額の富を築いた後、成功するかどうかも分からない
新しい事業へ投資していました。今でこそ自動車は日本を代表する産業
のひとつになっていますが、当時は、海のものとも山のものとも判断の
つかない事業(のはず)です。ここへ本業から巨額の出資をすることに
対し、不安に思ったり疑念を持つ人もいたことでしょう。想像するに、
かなり陰口を叩かれたのではないでしょうか。喜一郎氏の情熱とともに
父である佐吉翁の深い理解や多面的な支援があって、歴史的一大事業が
成功したのだと思いました。
しかし、量産車を見ることなく、世を去らねばならなかった喜一郎氏の
胸中はどのようなものだったのでしょう。
2011年10月16日日曜日
第84号(2011.10.16)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@ 第84号
□───────────────────――2011.10.16─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.084
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
今夏はゼミOB会の開催が見送られたこともあり、来るホームカミングデーでお目
にかかりたいと思います。学園祭の当日で昼のパーティですから、参加しやすい
と思います。また、追加情報はMLはじめ.NETやfacebookなどから流れるかも知れ
ません。
日時: 10月30日(日) 12:00~
場所: 名古屋キャンパス 白鳥学舎 1階
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■NGU短信 > 「浦島太郎」の段
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/
在外研修中であっても、学内の事情はメールの他、CCSやグループウェアなどを
通じて、逐次、入っていました。しかし実際に現場に戻ってみると微妙な違和感
は拭えません。
例えば、教授会です。4月に新任者3名が加わりました。退職者3名と学長就任
で計4名が抜け、さらに自分と入れ替わりで在外研修に出られた先生が1名です。
そして、計8名の交代があったわけで、教授会の光景は1年前と比べればかなり
異なります。また、各種委員会のメンバも交代しているので、報告をされる先生
の姿にも、少なかれ驚くことがあります。
さらに、大学にも細かな変化が目につきます。職員の人事異動や新任人事もあり、
いつもの場所に見慣れぬ人が座っているように感じます。名古屋キャンパスには
曙館の3階に教育支援センターができています。今秋、1階にセブンイレブンが
オープンし、丸善が翼館へ移動したり配置も変わっています。ただ、残念なこと
は研修期間中に二人の先生が病気で在職中に亡くなられたことでしょう。
また、地元の様変わりに驚きます。すでに知っていても実感がないこととして、
愛知県知事が代わっています。交通系ではナマカが導入され、地下鉄は徳重まで
延伸しています。自動車道では名古屋高速東海線の六番北が完成し、環状2号も
かなり伸びているようです。
街並みでは、名古屋駅の周辺は松坂屋ナゴヤエキ店の閉店にともない、地下街
の様相も変わっています。大名古屋ビルヂング裏にある第一ホテルがクローズ
されており、飲み屋街が広がっていることにビックリです。栄地区は大津通の
歩行者天国が始まったこと、シティバンクが移転してApple Storeを彷彿させる
ような作りになっていることです。
その他、新たなスポットでは科学館の巨大プラネタリウム、リニア鉄道博物館
ができています。地上デジタル放送への移行で、自分の部屋にあったアナログ
テレビが見られなくなっていました。「めざましテレビ」のキャスターが交代、
「ぴーかんテレビ」が終了しています。これを機会として、これからはテレビ
と少し距離を置いて生活しようかと思案中です。
ホテル業界では全日空ホテルがCROWNE、サイプレスがメルキュールと提携して、
ワールドワイドな展開に驚きです。一方、丸の内東急インが休業になっている
のを見てビックリです。
これらもたった1年の変化です。
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■最近のゼミ・講義から
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☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/
一年ぶりの授業となると、なかなか調子が上がらないものです。授業前に教卓の
鍵を忘れたり、タブレットのペンを置いてきたり、これまでやらないようなミス
が頻発です。授業中でも、自分の喋りが学生にうまく伝わっていないというズレ
ている(いわゆるスベっている)感覚になったり、どうも納得いきません。
また、今学期は不慣れな科目を担当しています。在外研修から帰国すると担当の
コマ数の関係で、どうしてもそのようになるために仕方がありません。ひとつは
「マクロ経済学入門」です。この科目の準備に頭を悩ましていると、学長が以前
担当しており、その時のレジュメや練習問題を拝借できました。これで、何とか
凌ぐことができ、とてもラッキーです。もうひとつの「経済数学入門」は学生の
レベルがバラバラなだけにかなり苦労しています。
授業に使っているノートPCでタブレットペンの操作、慣れないMSオフィスのUIの
ために要らぬ苦労を強いられています。加えて、昨年春から大学院の授業もあり
今年いっぱいは大変かもしれません。しんどいことも度々ですが、毎回、楽しみ
ながら臨むようにしています。
さて、いよいよ次年度のゼミ募集が始まりました。今年はゼミ生の再募集となる
ので、学内にゼミ在籍する学生はいません。2年生は留学直前の春学期に講義を
受けた学生もいるので、多少は情報があるという感じです。しかし、1年生には
児島ゼミだけでなく、児島の存在さえも知られていない状況です。授業が開始し
2週間ほどしか経過していない中での募集なので、それも当然でしょう。
ゼミ内容を記した演習要項はCCSから事前に提示されており、それをよく読んで
応募してくる学生にはやる気が感じられます。というのも今回の演習要項は、
例年の加筆でなくアメリカで全面的に書き直したので、教える側の真意が必ず
伝わるような表現になっています。それを元に意思決定をしたというプロセスを
考えれば、確かに意欲を汲み取ることができます。さらに今回からは、アメリカ
で使われているルーブリックを提示しています。久しぶりにゼミのサイトを更新
し、ここからダウンロードできるようにしました。(在外研修中に学内ネット
ワークシステムが更新されたので、FTPの設定もやり直しでした)
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
先日、読売新聞が連載をしているコーナーに掲載するための取材を受けました。
こちらからネタをいろいろ提供しましたが、記者は経済学部で取り組んでいる
コア6に興味を示したようです。もうすぐ記事になるようですが、掲載される
日が判明次第、連絡します。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第84号
□───────────────────――2011.10.16─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.084
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
今夏はゼミOB会の開催が見送られたこともあり、来るホームカミングデーでお目
にかかりたいと思います。学園祭の当日で昼のパーティですから、参加しやすい
と思います。また、追加情報はMLはじめ.NETやfacebookなどから流れるかも知れ
ません。
日時: 10月30日(日) 12:00~
場所: 名古屋キャンパス 白鳥学舎 1階
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■NGU短信 > 「浦島太郎」の段
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/
在外研修中であっても、学内の事情はメールの他、CCSやグループウェアなどを
通じて、逐次、入っていました。しかし実際に現場に戻ってみると微妙な違和感
は拭えません。
例えば、教授会です。4月に新任者3名が加わりました。退職者3名と学長就任
で計4名が抜け、さらに自分と入れ替わりで在外研修に出られた先生が1名です。
そして、計8名の交代があったわけで、教授会の光景は1年前と比べればかなり
異なります。また、各種委員会のメンバも交代しているので、報告をされる先生
の姿にも、少なかれ驚くことがあります。
さらに、大学にも細かな変化が目につきます。職員の人事異動や新任人事もあり、
いつもの場所に見慣れぬ人が座っているように感じます。名古屋キャンパスには
曙館の3階に教育支援センターができています。今秋、1階にセブンイレブンが
オープンし、丸善が翼館へ移動したり配置も変わっています。ただ、残念なこと
は研修期間中に二人の先生が病気で在職中に亡くなられたことでしょう。
また、地元の様変わりに驚きます。すでに知っていても実感がないこととして、
愛知県知事が代わっています。交通系ではナマカが導入され、地下鉄は徳重まで
延伸しています。自動車道では名古屋高速東海線の六番北が完成し、環状2号も
かなり伸びているようです。
街並みでは、名古屋駅の周辺は松坂屋ナゴヤエキ店の閉店にともない、地下街
の様相も変わっています。大名古屋ビルヂング裏にある第一ホテルがクローズ
されており、飲み屋街が広がっていることにビックリです。栄地区は大津通の
歩行者天国が始まったこと、シティバンクが移転してApple Storeを彷彿させる
ような作りになっていることです。
その他、新たなスポットでは科学館の巨大プラネタリウム、リニア鉄道博物館
ができています。地上デジタル放送への移行で、自分の部屋にあったアナログ
テレビが見られなくなっていました。「めざましテレビ」のキャスターが交代、
「ぴーかんテレビ」が終了しています。これを機会として、これからはテレビ
と少し距離を置いて生活しようかと思案中です。
ホテル業界では全日空ホテルがCROWNE、サイプレスがメルキュールと提携して、
ワールドワイドな展開に驚きです。一方、丸の内東急インが休業になっている
のを見てビックリです。
これらもたった1年の変化です。
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■最近のゼミ・講義から
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☆関連サイト:http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/
一年ぶりの授業となると、なかなか調子が上がらないものです。授業前に教卓の
鍵を忘れたり、タブレットのペンを置いてきたり、これまでやらないようなミス
が頻発です。授業中でも、自分の喋りが学生にうまく伝わっていないというズレ
ている(いわゆるスベっている)感覚になったり、どうも納得いきません。
また、今学期は不慣れな科目を担当しています。在外研修から帰国すると担当の
コマ数の関係で、どうしてもそのようになるために仕方がありません。ひとつは
「マクロ経済学入門」です。この科目の準備に頭を悩ましていると、学長が以前
担当しており、その時のレジュメや練習問題を拝借できました。これで、何とか
凌ぐことができ、とてもラッキーです。もうひとつの「経済数学入門」は学生の
レベルがバラバラなだけにかなり苦労しています。
授業に使っているノートPCでタブレットペンの操作、慣れないMSオフィスのUIの
ために要らぬ苦労を強いられています。加えて、昨年春から大学院の授業もあり
今年いっぱいは大変かもしれません。しんどいことも度々ですが、毎回、楽しみ
ながら臨むようにしています。
さて、いよいよ次年度のゼミ募集が始まりました。今年はゼミ生の再募集となる
ので、学内にゼミ在籍する学生はいません。2年生は留学直前の春学期に講義を
受けた学生もいるので、多少は情報があるという感じです。しかし、1年生には
児島ゼミだけでなく、児島の存在さえも知られていない状況です。授業が開始し
2週間ほどしか経過していない中での募集なので、それも当然でしょう。
ゼミ内容を記した演習要項はCCSから事前に提示されており、それをよく読んで
応募してくる学生にはやる気が感じられます。というのも今回の演習要項は、
例年の加筆でなくアメリカで全面的に書き直したので、教える側の真意が必ず
伝わるような表現になっています。それを元に意思決定をしたというプロセスを
考えれば、確かに意欲を汲み取ることができます。さらに今回からは、アメリカ
で使われているルーブリックを提示しています。久しぶりにゼミのサイトを更新
し、ここからダウンロードできるようにしました。(在外研修中に学内ネット
ワークシステムが更新されたので、FTPの設定もやり直しでした)
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
先日、読売新聞が連載をしているコーナーに掲載するための取材を受けました。
こちらからネタをいろいろ提供しましたが、記者は経済学部で取り組んでいる
コア6に興味を示したようです。もうすぐ記事になるようですが、掲載される
日が判明次第、連絡します。
2011年9月25日日曜日
第83号(2011.09.25)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第83号
□───────────────────――2011.09.25─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.083
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
ハリケーンと台風の合間を縫って、無事に日本へ帰ってきました。帰国翌日から
区役所での手続きや床屋・病院などいろいろとやらねばならないことばかりです。
でも、いずれの場所であっても日本語がOKなので、とても気持ちが楽です。ただ、
車の運転は左右反対になったので、妙な違和感が1週間ほど続きました。
また、日本で食べたかったものを十分に味わい、胃袋と気持ちを満たせています。
たった1年ですが、環境へ対応するためには調整が必要ということを再確認です。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > 在外研修のまとめの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
在外研修期間が終了して、事後の整理をしています。必要な事務手続きに加えて、
自分での成果をまとめておく必要があります。この1年間は、毎日がインプット
だったので、それなりのアウトプットもできました。まず、個人的なものとして、
・コジマガの発行:第60号から第82号までを配信
・研修ブログ:370回に到達(計字)
・Twitterでのつぶやきはおよそ200回
そして、仕事のアウトプットは以下のようです。
・本の2章(36ページ)
・UCFの英文記事(約1,200Words)
・長篇論文(計100,000字)
・コア6+(プラス)のコンテンツ作成
以上のような数値化できるもの以外として、以下のような挑戦もあります。
・クラウドツール:Evernote,Dropbox
・SNS:Google+、ほか
・Mac(iPhone4、MacBook Pro、iPad2)
・スポーツ:毎週のテニス・ゴルフ・スイミング
すでにフロリダで取得した運転免許証は失効してしまいましたが、これは自動車の
ナンバープレートとともに自分へのプライスレスな記念品です。また、多くの人達
から研修の感想を求められるので、写真や成果をきちんと整理しておくことが重要
です。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■NGU短信 > 電子書籍の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
コジマガ第51号で紹介した冊子『経済学部生のための基礎知識300題』が電子書籍に
なっていました。これは自分の研修期間中に実現して欲しかったタスクのひとつで、
1年前に学術情報センターのスタッフに構想を話しておきました。
帰国早々に、この成果を見せてもらうと自分が期待した以上の出来映えに驚きです。
これまで多くの教材コンテンツは用意されていましたが、これらをどのような形式
でまとめるかは全く指示していません。今回はEPUB形式のファイルとして作成され、
iPadにあるiBookで読むことができます。
今後、細かい点の修正は必要になりますが、プロトタイプとしてまずまずのレベル
にあると思います。また、扱いやすさや読みやすさを追求するとともに、ビューア
でパソコンでも読めるようにしなければなりません。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■最近のゼミ・講義から
―――――――――――――――――――――――――――――――
帰国早々、集中講義のお付き合いをしました。「まちづくり論」での社会見学の
引率です。この科目はTIESを利用した他大学と単位互換を目的としているだけに、
自分も関わる必要があります。受講生は少ないものの、これをビデオ収録・配信
する予定です。
9月7日に実施された社会見学は、懐かしのNGUバスを利用しました。新しく完成
した名古屋高速道路の六番北の入口から、東名阪・東名高速・瀬戸道路を使えば
1時間もかからずに瀬戸へ到着です。直線でないので、距離的には遠回りとなり
ますが、やはりターンパイクなので時間的にはかなり節約できます。
まず、瀬戸蔵の見学です。これまで何度も瀬戸蔵の前を通っていまが、入館する
のは今回が初めてです。特別に館内を案内をしていただき、瀬戸と陶磁器産業の
歴史が非常によく理解できました。また、かつての尾張瀬戸駅の再現に懐かしく
思いました。
次に、窯垣の小径をお二人のボランティアガイドさんに案内していただきました。
台風12号が通り抜けた直後の秋風が感じられる涼しさの中でのウォーキングです。
商店街を通り抜けて、街並みを探索です。また、本業では登り窯の説明を受けて、
作業場の中まで見せてもらいました。瀬戸蔵で見せてもらった展示物が、実際に
稼動しています。短い時間でしたが、貴重なお話を伺うことができました。
かなりの距離を歩いたので、疲れが溜まっています。また、日差しも強くなり、
昼食でしばし休憩です。午後はバスで移動して「さかづき美術館」を見学です。
市之倉のまちづくりとの関わりの説明を受けて、展示物を鑑賞です。ここには
人間国宝の作品がズラリと並んでおり、素晴らしいものでした。
今回の引率の感想としては、再び自分で来てみたいと思いました。かなり自分の
勉強になり、ゆっくり現場を巡るのもよいと感じさせるエリアです。引率の効用
として、アメリカではあまり歩くことがなかっただけに、よい運動になりました。
そして、かなり疲れたので、その夜はぐっすり眠ることができ、時差ボケが解消
できたのも幸いでした。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.cccties.org/event/
愛知学院大学で行われたTIESのシンポジウムは帰国当日に開催されたので、残念
ながら出席はかないませんでした。ここで行われたタイピングコンテストの決勝
では、遂に本学が優勝をかざることができました。
東京出張もあって、すっかり日本の生活パターンに戻った感じです。毎日が英語
漬けだったのが、全く英語と出会うことのない生活になっています。自分で意識
して行動しなければならないと感じるこの頃です。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第83号
□───────────────────――2011.09.25─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.083
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
ハリケーンと台風の合間を縫って、無事に日本へ帰ってきました。帰国翌日から
区役所での手続きや床屋・病院などいろいろとやらねばならないことばかりです。
でも、いずれの場所であっても日本語がOKなので、とても気持ちが楽です。ただ、
車の運転は左右反対になったので、妙な違和感が1週間ほど続きました。
また、日本で食べたかったものを十分に味わい、胃袋と気持ちを満たせています。
たった1年ですが、環境へ対応するためには調整が必要ということを再確認です。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > 在外研修のまとめの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
在外研修期間が終了して、事後の整理をしています。必要な事務手続きに加えて、
自分での成果をまとめておく必要があります。この1年間は、毎日がインプット
だったので、それなりのアウトプットもできました。まず、個人的なものとして、
・コジマガの発行:第60号から第82号までを配信
・研修ブログ:370回に到達(計字)
・Twitterでのつぶやきはおよそ200回
そして、仕事のアウトプットは以下のようです。
・本の2章(36ページ)
・UCFの英文記事(約1,200Words)
・長篇論文(計100,000字)
・コア6+(プラス)のコンテンツ作成
以上のような数値化できるもの以外として、以下のような挑戦もあります。
・クラウドツール:Evernote,Dropbox
・SNS:Google+、ほか
・Mac(iPhone4、MacBook Pro、iPad2)
・スポーツ:毎週のテニス・ゴルフ・スイミング
すでにフロリダで取得した運転免許証は失効してしまいましたが、これは自動車の
ナンバープレートとともに自分へのプライスレスな記念品です。また、多くの人達
から研修の感想を求められるので、写真や成果をきちんと整理しておくことが重要
です。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■NGU短信 > 電子書籍の段
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コジマガ第51号で紹介した冊子『経済学部生のための基礎知識300題』が電子書籍に
なっていました。これは自分の研修期間中に実現して欲しかったタスクのひとつで、
1年前に学術情報センターのスタッフに構想を話しておきました。
帰国早々に、この成果を見せてもらうと自分が期待した以上の出来映えに驚きです。
これまで多くの教材コンテンツは用意されていましたが、これらをどのような形式
でまとめるかは全く指示していません。今回はEPUB形式のファイルとして作成され、
iPadにあるiBookで読むことができます。
今後、細かい点の修正は必要になりますが、プロトタイプとしてまずまずのレベル
にあると思います。また、扱いやすさや読みやすさを追求するとともに、ビューア
でパソコンでも読めるようにしなければなりません。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■最近のゼミ・講義から
―――――――――――――――――――――――――――――――
帰国早々、集中講義のお付き合いをしました。「まちづくり論」での社会見学の
引率です。この科目はTIESを利用した他大学と単位互換を目的としているだけに、
自分も関わる必要があります。受講生は少ないものの、これをビデオ収録・配信
する予定です。
9月7日に実施された社会見学は、懐かしのNGUバスを利用しました。新しく完成
した名古屋高速道路の六番北の入口から、東名阪・東名高速・瀬戸道路を使えば
1時間もかからずに瀬戸へ到着です。直線でないので、距離的には遠回りとなり
ますが、やはりターンパイクなので時間的にはかなり節約できます。
まず、瀬戸蔵の見学です。これまで何度も瀬戸蔵の前を通っていまが、入館する
のは今回が初めてです。特別に館内を案内をしていただき、瀬戸と陶磁器産業の
歴史が非常によく理解できました。また、かつての尾張瀬戸駅の再現に懐かしく
思いました。
次に、窯垣の小径をお二人のボランティアガイドさんに案内していただきました。
台風12号が通り抜けた直後の秋風が感じられる涼しさの中でのウォーキングです。
商店街を通り抜けて、街並みを探索です。また、本業では登り窯の説明を受けて、
作業場の中まで見せてもらいました。瀬戸蔵で見せてもらった展示物が、実際に
稼動しています。短い時間でしたが、貴重なお話を伺うことができました。
かなりの距離を歩いたので、疲れが溜まっています。また、日差しも強くなり、
昼食でしばし休憩です。午後はバスで移動して「さかづき美術館」を見学です。
市之倉のまちづくりとの関わりの説明を受けて、展示物を鑑賞です。ここには
人間国宝の作品がズラリと並んでおり、素晴らしいものでした。
今回の引率の感想としては、再び自分で来てみたいと思いました。かなり自分の
勉強になり、ゆっくり現場を巡るのもよいと感じさせるエリアです。引率の効用
として、アメリカではあまり歩くことがなかっただけに、よい運動になりました。
そして、かなり疲れたので、その夜はぐっすり眠ることができ、時差ボケが解消
できたのも幸いでした。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
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☆関連サイト:http://www.cccties.org/event/
愛知学院大学で行われたTIESのシンポジウムは帰国当日に開催されたので、残念
ながら出席はかないませんでした。ここで行われたタイピングコンテストの決勝
では、遂に本学が優勝をかざることができました。
東京出張もあって、すっかり日本の生活パターンに戻った感じです。毎日が英語
漬けだったのが、全く英語と出会うことのない生活になっています。自分で意識
して行動しなければならないと感じるこの頃です。
2011年8月30日火曜日
第82号(2011.08.30)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第82号
□───────────────────――2011.08.30─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.082
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
この研修期間でアメリカから発信する最後のコジマガです。研修最後の20日間は、
お盆に家人がアメリカへ来るのに加え、帰国の準備でかなりバタバタしています。
アパートメントの引き払い、レンタル家具の搬出予定、車の売却および携帯電話
や保険契約の解除などがあります。何事も最後が慌ただしくなって、名残惜しさ
を味わう余裕もありません。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > Water Parksの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://disneyworld.disney.go.com/parks/
お盆の期間を利用して、家人がオーランドへ遊びきていました。そこで10日間
ほどの夏休みをとりました。WDW中心のバケーションでしたが、お盆だけあって
WDWでは日本人の姿をちらほら見かけました。すでにWDWについては、コジマガ
第76号で取り上げましたので、今回はパークでもWater Parksを紹介します。
フロリダの夏はたしかに暑いのですが、家人によれば、日差しはかなりキツい
けれども、蒸し暑さが少ない分だけフロリダの方が過ごしやすいとのことです。
5月から10月までの半年は、プール遊びをするには適した暑さなので、これを
利用した観光施設が多くあります。オーランドでは、ウェッティン・ワイルド
やシーワールドのアクアティカなどがあります。
ディズニーは、WDWの敷地に2つのWater Parkとしてタイフーン・ラグーンと
ブリザードビーチを持っています。今回、両方へ行ってみましたが、第一印象
としては、ナガシマスパーランドにディズニーの要素を盛り込んでいるという
感じです。いくつかのスライダーがありますが、スリル感だけでなくテーマを
ふんだんに盛り込んでいます。また、家族連れでも遊べるようなリゾート的な
特徴もあるので、他のWater Parkとはかなり差別化されてるように思いました。
これらの駐車場は駐車料金は不要ですが、テーマパークと比べると多少狭い分、
開場時間にあわせて行くか、午後に訪れるのか良いようです。
さて、2つのパークには、それぞれディズニーのテーマパークにつきものの
シンボルがパークの中心に配置されています。タイフーン・ラグーンは台風で
難破した船が火山の上に突き刺さっています。そして、ブリザードビーチでは
フロリダに雪が降ったらということを想定したテーマで作られており、中心に
雪山があり、スキーのジャンプ台の模型が作られています。
これらの周りにプール・スライダー・ショップなどが配置されています。流水
プールには浮き輪が用意されており、一周するのに20分以上かかります。皆が
塗っている日焼け止めクリームで、プールの水は心なしか濁っているのが気に
なります。子供が遊べるエリアもあって、家族で楽しめるようになっています。
また、プールにはカメラマンがおり、写真をとってくれます。「フォトパスを
もっているか?」と聞いてきます。これは記念の写真をネットから販売すると
いうなかなか上手なビジネスモデルです。すでにWDWのパークでもらっています
が、さすがにプールの中まで持ってくるはずはありません。すると、腕輪が
着いた小さなフォトパスをくれました。
またWater Parksらしいサービスがあります。バーコード付きのリフィルカップ
(9ドルくらい)を購入すると、レストランの横に設置されているジュースの
サーバーが一日飲み放題となるサービスです。そこで、昼食にリフィルカップを
購入しました。レストランでも炭酸飲料はおかわり自由な国ならではのサービス
のように思いました。また、ロッカーを13ドルで借りると、返却時にデポジット
として記念のボトルがもらえます。
一番印象的なアトラクションは、タイフーン・ラグーンのBig Waveです。ボワッ
という轟音とともに大きな波が立ち上がリます。するとあちこちで悲鳴のような
驚きの声が上がり(初めて見ると間違いなく声が出ます)、2メートルあまりの
水の壁が迫ってきます。プールにいる人達はその大波に乗れるように泳いだり、
飲み込まれたりとそれぞれが楽しんでいます。この大波の発生装置はどのような
仕組みなのかが、とても気になります。
フロリダの夏につきものの雷が近づくとスライダーは一時的に中止になります。
ニュースの説明によれば、フロリダでは年平均9人が落雷で亡くなるそうです。
日没近く(夜8時)近くまで開園していますが、一日中いるとさすがに暑さに
疲れてしまいます。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから > Goodbye Partyの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://engage.ucf.edu/v/p/RXaKtxM
8月第4週目は関係者への帰国の挨拶ばかりでした。まず副学長から始まって、
研究所の仲間や日本人の先生へとお礼をしていました。週末の26日の金曜日は、
研究所へ通う最後の日となりました。1年間お世話になった研究所と使わせて
もらったオフィスともお別れです。机の周りの片付けを終えると、CDLが用意
してくれたお別れパーティです。
午後3時から皆が会場に集まってきます。自分の為にパーティを開いてもらう
のは、大変恐縮してしまいます。CDLのスタッフの多くはメインキャンパスで
仕事をしているので、わざわざ研究所まで来ていただくだけでも感激です。
パーティは、皆がそれぞれ食べ物を持ち寄るというスタイルですので、自分も
日本のお菓子を持参しました。(やはりポッキーが人気があるようです。)
ボブがビデオを流して、パーティが始まりました。彼とKSC近くまでFishingに
行った時のビデオで、短く編集されています。次に、トムから記念のplaqueを
頂きました。そこにはCDLからの言葉が英語と日本語で彫られています。思い
がけないプレゼントで感動から言葉も出ない状態です。そうした状況で最後の
スピーチを求められました。当初、考えていたストーリーも吹っ飛んで、頭の
中は真っ白です。何を英語で喋っかのか自分でもわからない状態でした(が、
何とか伝わったとのことです)。
パーティの最初から最後まで、お世話になった方々が、皆、声をかけて下さい
ました。バーバラに聞くとこの組織で1年間もいたのは初めてのケースらしく、
これまで2ヶ月が最長だったそうです。パーティへ30名以上の人が来てもらい、
いつもの研究所のメンバーほか、わざわざ名誉教授のチャックや副学長まで
駆けつけて頂きました。この人達のホスピタリティは生涯忘れられぬものに
なりました。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://ecollege.cccties.org/
連絡を忘れていましたが夏恒例の「みんなのTIES eカレッジ」が開催中です。
お盆過ぎから9月30日まで公開してますので、ご覧ください。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第82号
□───────────────────――2011.08.30─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.082
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
この研修期間でアメリカから発信する最後のコジマガです。研修最後の20日間は、
お盆に家人がアメリカへ来るのに加え、帰国の準備でかなりバタバタしています。
アパートメントの引き払い、レンタル家具の搬出予定、車の売却および携帯電話
や保険契約の解除などがあります。何事も最後が慌ただしくなって、名残惜しさ
を味わう余裕もありません。
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■アメリカ短信 > Water Parksの段
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☆関連サイト:http://disneyworld.disney.go.com/parks/
お盆の期間を利用して、家人がオーランドへ遊びきていました。そこで10日間
ほどの夏休みをとりました。WDW中心のバケーションでしたが、お盆だけあって
WDWでは日本人の姿をちらほら見かけました。すでにWDWについては、コジマガ
第76号で取り上げましたので、今回はパークでもWater Parksを紹介します。
フロリダの夏はたしかに暑いのですが、家人によれば、日差しはかなりキツい
けれども、蒸し暑さが少ない分だけフロリダの方が過ごしやすいとのことです。
5月から10月までの半年は、プール遊びをするには適した暑さなので、これを
利用した観光施設が多くあります。オーランドでは、ウェッティン・ワイルド
やシーワールドのアクアティカなどがあります。
ディズニーは、WDWの敷地に2つのWater Parkとしてタイフーン・ラグーンと
ブリザードビーチを持っています。今回、両方へ行ってみましたが、第一印象
としては、ナガシマスパーランドにディズニーの要素を盛り込んでいるという
感じです。いくつかのスライダーがありますが、スリル感だけでなくテーマを
ふんだんに盛り込んでいます。また、家族連れでも遊べるようなリゾート的な
特徴もあるので、他のWater Parkとはかなり差別化されてるように思いました。
これらの駐車場は駐車料金は不要ですが、テーマパークと比べると多少狭い分、
開場時間にあわせて行くか、午後に訪れるのか良いようです。
さて、2つのパークには、それぞれディズニーのテーマパークにつきものの
シンボルがパークの中心に配置されています。タイフーン・ラグーンは台風で
難破した船が火山の上に突き刺さっています。そして、ブリザードビーチでは
フロリダに雪が降ったらということを想定したテーマで作られており、中心に
雪山があり、スキーのジャンプ台の模型が作られています。
これらの周りにプール・スライダー・ショップなどが配置されています。流水
プールには浮き輪が用意されており、一周するのに20分以上かかります。皆が
塗っている日焼け止めクリームで、プールの水は心なしか濁っているのが気に
なります。子供が遊べるエリアもあって、家族で楽しめるようになっています。
また、プールにはカメラマンがおり、写真をとってくれます。「フォトパスを
もっているか?」と聞いてきます。これは記念の写真をネットから販売すると
いうなかなか上手なビジネスモデルです。すでにWDWのパークでもらっています
が、さすがにプールの中まで持ってくるはずはありません。すると、腕輪が
着いた小さなフォトパスをくれました。
またWater Parksらしいサービスがあります。バーコード付きのリフィルカップ
(9ドルくらい)を購入すると、レストランの横に設置されているジュースの
サーバーが一日飲み放題となるサービスです。そこで、昼食にリフィルカップを
購入しました。レストランでも炭酸飲料はおかわり自由な国ならではのサービス
のように思いました。また、ロッカーを13ドルで借りると、返却時にデポジット
として記念のボトルがもらえます。
一番印象的なアトラクションは、タイフーン・ラグーンのBig Waveです。ボワッ
という轟音とともに大きな波が立ち上がリます。するとあちこちで悲鳴のような
驚きの声が上がり(初めて見ると間違いなく声が出ます)、2メートルあまりの
水の壁が迫ってきます。プールにいる人達はその大波に乗れるように泳いだり、
飲み込まれたりとそれぞれが楽しんでいます。この大波の発生装置はどのような
仕組みなのかが、とても気になります。
フロリダの夏につきものの雷が近づくとスライダーは一時的に中止になります。
ニュースの説明によれば、フロリダでは年平均9人が落雷で亡くなるそうです。
日没近く(夜8時)近くまで開園していますが、一日中いるとさすがに暑さに
疲れてしまいます。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから > Goodbye Partyの段
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☆関連サイト:http://engage.ucf.edu/v/p/RXaKtxM
8月第4週目は関係者への帰国の挨拶ばかりでした。まず副学長から始まって、
研究所の仲間や日本人の先生へとお礼をしていました。週末の26日の金曜日は、
研究所へ通う最後の日となりました。1年間お世話になった研究所と使わせて
もらったオフィスともお別れです。机の周りの片付けを終えると、CDLが用意
してくれたお別れパーティです。
午後3時から皆が会場に集まってきます。自分の為にパーティを開いてもらう
のは、大変恐縮してしまいます。CDLのスタッフの多くはメインキャンパスで
仕事をしているので、わざわざ研究所まで来ていただくだけでも感激です。
パーティは、皆がそれぞれ食べ物を持ち寄るというスタイルですので、自分も
日本のお菓子を持参しました。(やはりポッキーが人気があるようです。)
ボブがビデオを流して、パーティが始まりました。彼とKSC近くまでFishingに
行った時のビデオで、短く編集されています。次に、トムから記念のplaqueを
頂きました。そこにはCDLからの言葉が英語と日本語で彫られています。思い
がけないプレゼントで感動から言葉も出ない状態です。そうした状況で最後の
スピーチを求められました。当初、考えていたストーリーも吹っ飛んで、頭の
中は真っ白です。何を英語で喋っかのか自分でもわからない状態でした(が、
何とか伝わったとのことです)。
パーティの最初から最後まで、お世話になった方々が、皆、声をかけて下さい
ました。バーバラに聞くとこの組織で1年間もいたのは初めてのケースらしく、
これまで2ヶ月が最長だったそうです。パーティへ30名以上の人が来てもらい、
いつもの研究所のメンバーほか、わざわざ名誉教授のチャックや副学長まで
駆けつけて頂きました。この人達のホスピタリティは生涯忘れられぬものに
なりました。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://ecollege.cccties.org/
連絡を忘れていましたが夏恒例の「みんなのTIES eカレッジ」が開催中です。
お盆過ぎから9月30日まで公開してますので、ご覧ください。
2011年8月9日火曜日
第81号(2011.08.09)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第81号
□───────────────────――2011.08.09─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.081
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
日本ではお盆が近づき、夏の甲子園大会も盛り上がる頃です。世界に目を
向ければ、欧米の財政不安の連鎖によって、株安と史上空前の円高水準に
なっています。日本の財政状況もそれ以上に悪いにもかかわらず、日本が
買われることに首を傾げているこの頃です。
すでに帰りの航空券も手配し、帰国へのカウントダウンとなってきました。
とはいえ、未だ抱えているタスクもあって、最後までバタバタしそうです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > facebookの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.facebook.com/
前回はTwitterに関する話でしたので、今回はfacebook(FB)を取り上げます。
「大学生の『ソーシャル・ネットワーキング・サービス』に関する意識調査」
によれば、国際基督教大学(ICU)が学生比率では一番利用が多いそうです。
また、アメリカ留学から帰国した学生のほとんどがFBを使っています。外国人
とのつながりができると当然、FBがマストアイテムになるだけにアンケートの
結果にはうなずけます。たしかに、アメリカではコミュニケーションツールと
して皆が使っています。大学生は無論のこと、12歳の少年に尋ねてもYESです。
UCFのスタッフも年齢を問わず、個人的写真などのシェアに利用しているよう
です。このようにアメリカではFBが完全に社会に溶け込んでいます。
思い返せば、初めてFBの名前を聞いたのは、UCFの副学長らが来日し、東京
での講演会(2008年8月)でした。「学生達は皆、喜んでアクセスしている」
という話でしたので、どんなツールかと早速、調べて登録したことを覚えて
います。当時、日本ではmixiが大流行中だったので、きっとそのようなもの
だろうと思っていました。しかし、基本的に情報はオープンであって、実名
登録など運用の根本的発想が全く異なります。当時、使い方がよく分からず
(今も同じです)、放ったらかしの状態でした。たまにFBの友達リクエスト
をもらいましたが、コンピュータにかなり強い知り合いか海外に友人がいる
ような人からでした。また、日本語よりも英語が公用語であって、参入には
敷居が高い感があったのも覚えています。
2011年に日本での映画「ソーシャル・ネットワーク」の封切りを契機として
FBが多くのビジネス誌に取り上げられました。その影響でしょうか、年明け
頃から友達リクエストが増えてきました。様子見ユーザなので、基本的には
こちらから友達リクエストをしません。にもかからわらず、現在まで友達は
50名を超えており、ビックリしています。これも知己がFB内で同級生を探す
活動をしてくれたことが影響してるのでしょう。
そこで、自分でも検索をかけてみると知り合いの名前がぞくぞくと現れます。
流行とはいえ、2年前の結果とは格段の差です。日本ではハンドルネームが
好まれるので、実名でのSNS活動は難しいのではないかと予想していました。
日経の記事によれば、今年1月からの半年で200万人が加入したそうですが、
これだけの人たちが実名で登録するとは全く驚きです。
また、検索から全く無関係と思われる知り合い同士が友人であることを発見
しました。リアルな世界でも稀にそのようなケースに遭遇しますが、今回は
本人達に確認しなくてもネットだけでわかるところが極めて妙な感覚です。
ネットワーク理論では6次の隔たりで、世界中の人々と繋がっているといい
ます。いわゆる「友達の友達」を6回続ければ、全世界の人と繋がることを
意味しています。その指標に「ベーコン指数」があり、これは俳優ケビン・
ベーコンへは何人を経由すれば到着するかというものです。日本国内に限定
すれば、4次の隔たりで日本在住者全員をカバーできるかも知れません。
FBの最近の動向として、佐賀県武雄市が公式サイトをFBへ移行したニュース
(http://t.co/PMOTC3A )があります。行政機関がソーシャル的なツールを
積極的に使い、市民の中へ飛び込んでゆく姿勢は個人的に高く評価をします。
ICUや九州大学はFBに公式ページを持っていますが、これも先進的な取組では
ないかと考えます。公式サイトだけで情報発信するだけでなく、より多くの
人が集まっている場に出かけ、情報を共有してもらえるような努力が見られ
るからです。
だたし、ここでもメディア・リテラシーを巡る不安はあります。SNSを利用
する場合は、それなりの思慮深さが求められます。以下は、それに関連した
お話です。ある知り合いからFBの友達リクエストをもらいました。今、これ
を承認するかどうか迷っているところです。というのも、学生時代にかなり
軽率な振る舞いで周囲を混乱させていた過去が承認をためらわせる一因です。
そこで、現在、どんな人が友達なのかかをチェックしてみました。かなりの
友達の数ですが、残念ながら共通の知り合いは見当たりません。一方、TVで
見かける有名政治家などがずらっと並んでおり(もちろん、そんな繋がりは
ないはずですので)、案の定という思いです。
実名登録のFBだけにそこに掲載される内容は、等身大でなければならないと
思います。過去の行動から現在に至るすべてから値踏みされています。また
SNSの利用者増にともなってスパムも増えているだけに、行動は慎重になら
ざるを得なくなります。経済取引では相手の信用が重要ですし、人間関係は
信用・信頼が基盤になっています。警戒心と信用は裏腹なものだけに、自分
としては信用される人物でありたいと願っています。
今、ビジネスSNSとしてアメリカではLinkedIn(リンクトイン)が流行して
います。これを使えば、必要とする人物を容易に探せるだけでなく、自分の
キャリアをPRする場にもなります。このような場において、自分の虚像では
通用しないと思います。LinkedInが日本語対応を準備しており、いずれ日本
の中にもビジネスにSNSが接近してきます。新しいツールを有効に活用する
ためにも、ユーザーひとり一人のメディア・リテラシーが問われます。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから > Google+の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://plus.google.com/
先日、UCFのスタッフとSNSの話題になった折、FBとGoogle+の熾烈なバトルの
現状について教えてもらいました。アメリカのSNS市場では、F→Gへの移行が
増えているそうです。Fでのデータが一括でごっそりGへ持って行かれるのに、
さすがにFも黙ってみているわけにいかずいろいろと策を講じているそうです。
また、あわせてGoogle+に招待してもらいました。これまで、記事でしか見た
ことのなかったGoogle+なだけに、これでいよいよ使えると思い、喜び勇んで
ログインしました。日本語対応もできているので、不便さも感じないだろう
と期待が高まります。しかし、使い始めてはたと気づいたのが、これはSNSだ
ということです。知り合いのユーザと連携しなければ、このサービスは全く
機能しません。さらに利用法を参考にしようとしても、アクティブユーザが
いない状況では何ともなりません。
先日、大学生が使うSNSはmixiが多数であるというデータが発表されました。
日本では、mixiをfacebookとGoogle+が追う展開になりそうですが、どこまで
オープンなSNSへとシフトするのかが見ものです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
FBではゼミOBから友達リクエストに応じます。FBは友達という括りが大きく、
どんな関係であろうと友達です。自分は古い人間なのか「先生が友達?」と
いうことに違和感を覚えます。その点、Google+ではサークルという概念を
使っているので、スッキリしています。しかし、毎春卒業式で話すことです
が、もはや同じ社会人としてライバルでもあるわけですから、SNSでの情報
交換は望むところです。お互いメディア・リテラシーを高めながら、生産的
な活動ができれば幸いです。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第81号
□───────────────────――2011.08.09─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.081
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
日本ではお盆が近づき、夏の甲子園大会も盛り上がる頃です。世界に目を
向ければ、欧米の財政不安の連鎖によって、株安と史上空前の円高水準に
なっています。日本の財政状況もそれ以上に悪いにもかかわらず、日本が
買われることに首を傾げているこの頃です。
すでに帰りの航空券も手配し、帰国へのカウントダウンとなってきました。
とはいえ、未だ抱えているタスクもあって、最後までバタバタしそうです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > facebookの段
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☆関連サイト:http://www.facebook.com/
前回はTwitterに関する話でしたので、今回はfacebook(FB)を取り上げます。
「大学生の『ソーシャル・ネットワーキング・サービス』に関する意識調査」
によれば、国際基督教大学(ICU)が学生比率では一番利用が多いそうです。
また、アメリカ留学から帰国した学生のほとんどがFBを使っています。外国人
とのつながりができると当然、FBがマストアイテムになるだけにアンケートの
結果にはうなずけます。たしかに、アメリカではコミュニケーションツールと
して皆が使っています。大学生は無論のこと、12歳の少年に尋ねてもYESです。
UCFのスタッフも年齢を問わず、個人的写真などのシェアに利用しているよう
です。このようにアメリカではFBが完全に社会に溶け込んでいます。
思い返せば、初めてFBの名前を聞いたのは、UCFの副学長らが来日し、東京
での講演会(2008年8月)でした。「学生達は皆、喜んでアクセスしている」
という話でしたので、どんなツールかと早速、調べて登録したことを覚えて
います。当時、日本ではmixiが大流行中だったので、きっとそのようなもの
だろうと思っていました。しかし、基本的に情報はオープンであって、実名
登録など運用の根本的発想が全く異なります。当時、使い方がよく分からず
(今も同じです)、放ったらかしの状態でした。たまにFBの友達リクエスト
をもらいましたが、コンピュータにかなり強い知り合いか海外に友人がいる
ような人からでした。また、日本語よりも英語が公用語であって、参入には
敷居が高い感があったのも覚えています。
2011年に日本での映画「ソーシャル・ネットワーク」の封切りを契機として
FBが多くのビジネス誌に取り上げられました。その影響でしょうか、年明け
頃から友達リクエストが増えてきました。様子見ユーザなので、基本的には
こちらから友達リクエストをしません。にもかからわらず、現在まで友達は
50名を超えており、ビックリしています。これも知己がFB内で同級生を探す
活動をしてくれたことが影響してるのでしょう。
そこで、自分でも検索をかけてみると知り合いの名前がぞくぞくと現れます。
流行とはいえ、2年前の結果とは格段の差です。日本ではハンドルネームが
好まれるので、実名でのSNS活動は難しいのではないかと予想していました。
日経の記事によれば、今年1月からの半年で200万人が加入したそうですが、
これだけの人たちが実名で登録するとは全く驚きです。
また、検索から全く無関係と思われる知り合い同士が友人であることを発見
しました。リアルな世界でも稀にそのようなケースに遭遇しますが、今回は
本人達に確認しなくてもネットだけでわかるところが極めて妙な感覚です。
ネットワーク理論では6次の隔たりで、世界中の人々と繋がっているといい
ます。いわゆる「友達の友達」を6回続ければ、全世界の人と繋がることを
意味しています。その指標に「ベーコン指数」があり、これは俳優ケビン・
ベーコンへは何人を経由すれば到着するかというものです。日本国内に限定
すれば、4次の隔たりで日本在住者全員をカバーできるかも知れません。
FBの最近の動向として、佐賀県武雄市が公式サイトをFBへ移行したニュース
(http://t.co/PMOTC3A )があります。行政機関がソーシャル的なツールを
積極的に使い、市民の中へ飛び込んでゆく姿勢は個人的に高く評価をします。
ICUや九州大学はFBに公式ページを持っていますが、これも先進的な取組では
ないかと考えます。公式サイトだけで情報発信するだけでなく、より多くの
人が集まっている場に出かけ、情報を共有してもらえるような努力が見られ
るからです。
だたし、ここでもメディア・リテラシーを巡る不安はあります。SNSを利用
する場合は、それなりの思慮深さが求められます。以下は、それに関連した
お話です。ある知り合いからFBの友達リクエストをもらいました。今、これ
を承認するかどうか迷っているところです。というのも、学生時代にかなり
軽率な振る舞いで周囲を混乱させていた過去が承認をためらわせる一因です。
そこで、現在、どんな人が友達なのかかをチェックしてみました。かなりの
友達の数ですが、残念ながら共通の知り合いは見当たりません。一方、TVで
見かける有名政治家などがずらっと並んでおり(もちろん、そんな繋がりは
ないはずですので)、案の定という思いです。
実名登録のFBだけにそこに掲載される内容は、等身大でなければならないと
思います。過去の行動から現在に至るすべてから値踏みされています。また
SNSの利用者増にともなってスパムも増えているだけに、行動は慎重になら
ざるを得なくなります。経済取引では相手の信用が重要ですし、人間関係は
信用・信頼が基盤になっています。警戒心と信用は裏腹なものだけに、自分
としては信用される人物でありたいと願っています。
今、ビジネスSNSとしてアメリカではLinkedIn(リンクトイン)が流行して
います。これを使えば、必要とする人物を容易に探せるだけでなく、自分の
キャリアをPRする場にもなります。このような場において、自分の虚像では
通用しないと思います。LinkedInが日本語対応を準備しており、いずれ日本
の中にもビジネスにSNSが接近してきます。新しいツールを有効に活用する
ためにも、ユーザーひとり一人のメディア・リテラシーが問われます。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから > Google+の段
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☆関連サイト:http://plus.google.com/
先日、UCFのスタッフとSNSの話題になった折、FBとGoogle+の熾烈なバトルの
現状について教えてもらいました。アメリカのSNS市場では、F→Gへの移行が
増えているそうです。Fでのデータが一括でごっそりGへ持って行かれるのに、
さすがにFも黙ってみているわけにいかずいろいろと策を講じているそうです。
また、あわせてGoogle+に招待してもらいました。これまで、記事でしか見た
ことのなかったGoogle+なだけに、これでいよいよ使えると思い、喜び勇んで
ログインしました。日本語対応もできているので、不便さも感じないだろう
と期待が高まります。しかし、使い始めてはたと気づいたのが、これはSNSだ
ということです。知り合いのユーザと連携しなければ、このサービスは全く
機能しません。さらに利用法を参考にしようとしても、アクティブユーザが
いない状況では何ともなりません。
先日、大学生が使うSNSはmixiが多数であるというデータが発表されました。
日本では、mixiをfacebookとGoogle+が追う展開になりそうですが、どこまで
オープンなSNSへとシフトするのかが見ものです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
FBではゼミOBから友達リクエストに応じます。FBは友達という括りが大きく、
どんな関係であろうと友達です。自分は古い人間なのか「先生が友達?」と
いうことに違和感を覚えます。その点、Google+ではサークルという概念を
使っているので、スッキリしています。しかし、毎春卒業式で話すことです
が、もはや同じ社会人としてライバルでもあるわけですから、SNSでの情報
交換は望むところです。お互いメディア・リテラシーを高めながら、生産的
な活動ができれば幸いです。
2011年8月3日水曜日
第80号(2011.08.03)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第80号
□───────────────────――2011.08.03─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.080
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
8月になりました。コジマガも80号になりました。アメリカ滞在中に発行したのは
これで21号目となります。約半月に1度という、通常の倍以上のペースで配信して
きました。アメリカでの研修は残り1ヶ月弱ですが、メルマガのネタが豊かになる
よう、少しでも知見を広げておきたいと思います。その原動力となるのが好奇心
でしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > なでしこの活躍とメディア・リテラシーの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://twitter.com/
女子ワールドカップサッカーの決勝戦が行われた7月17日は、アメリカ知人宅で
ホームパーティがあり、ここで世紀の一戦を観戦しました。対戦相手がアメリカ
だけに完全なアウェー状態の応援でしたが、なでしこジャパンの驚異的な粘りに
巨大テレビの前で熱くなります。同時間帯にコパ・アメリカの準々決勝が行われ
ていました。パーティのゲストに南米出身者が多く、パラグアイ・ブラジル戦が
大きな注目を集めています。1階ではコパアメリカ、2階ではワールドカップを
楽しむという、さながらスポーツバーといった状況です。
PK戦の劇的な幕切れにとても感動です。アメリカ応援団は大きなため息と共に、
階下へ降りていきました。iPhoneでTwitterをチェックすると、日本は早朝にも
かかわらず、相当数のつぶやきが流れていました。翌日のネットニュースでは
「サッカー女子W杯決勝でTwitterが毎秒7196ツイートの新記録達成」だそうです。
今をときめくなでしこジャパンだけにその動向は万人から注目されます。歓喜の
瞬間からそれほど時を経ずして、ネットで事件が起こりました。飲み会で大学生
の思慮に欠ける投稿がネットで祭り状態になってしまいました。これに対して、
本人はアカウントを削除し、大学側が謝罪をしたそうです。
5月27日にツィートした「若者の何気ないつぶやきには心配」という発言が現実
になってしまいました。クローズなSNSであるmixiでも不適切な投稿内容は世間
にさらされるだけに、Twitterであれば炎上する危険性は極めて高いと言えます。
加えて拡散のスピードが速いだけに、関係者の事後の対応には的確さと迅速さが
求められます。
これまでタイムラインから学生諸君のツィートを眺めていると、公な場所と私的
な範囲との区別がかなり曖昧な発言が多いことを懸念していました。また、他人
のタイムラインも表示できる(http://bit.ly/lNAtnY)そうなので、一層の注意
が必要と感じていました。というのも採用人事の担当者ならば、応募者のタイム
ラインも参考にするかも知れないからです。さらに検索結果にTwitterの発言が
ヒットしますので、己の発言は誰の目にも触れるのだという意識は常に必要です。
Twitterは衆人にさらしたライフログの一部となるだけに、安易な利用に警鐘を
鳴らしたつもりでした。
このような事件が起こると各マスコミはいろいろなコメントを紹介してくれます。
そのようなニュースを読み「Twitterは危険だから、やらない方がよい」という
考えを強める人達もいることでしょう。しかし、その考え方には首肯できません。
なぜなら、今は新技術が社会へ浸透する過程にあると思うからです。すなわち、
新たなコミュニケーション手段の仕組みや有効性とその限界が理解されないまま
無造作に活用している利用者がいるということです。その意味では、メディア・
リテラシーの問題に帰着するかも知れません。
今後もこうしたメディア・リテラシーに起因した事件が起こる可能性はあります。
Twitterはどこからでもツィート可能なので、大学の授業などでのちょっとした
軽口が露にされることも考えられます。文脈がないつぶやき(一方的な発言)が
独り歩きして、問題を引き起こさないとも限りません。携帯電話が教室にあると
いうことは、ボイスレコーダー・カメラ・ビデオが用意されていることでもあり、
常に外部とコネクトされている状態です。今春に発生した入試問題の不正投稿も
このフレームワークで起こっています。技術の普及によって学習空間も進化して
いるだけに、それに合わせて学校側も柔軟に対応しなければならないでしょう。
周知の通り、Twitterは瞬時にフォロワーへ配信され、本文にはサイトの引用や
写真なども活用できるツールです。リツィートも簡単なので、興味ある記事は
あっという間に拡散します。この機能が東日本大震災の直後に活躍したことは
記憶に新しいところです。また、140文字という文字制限は、いかに伝えるかと
いう書き手の文章力が試されます。字数制限はある意味で、短歌や俳句と似て
いるので、日本語文化には馴染むツールかも知れません。表現が豊かな日本語
を駆使し、実践トレーニングするには最適なツールではないかもと考えるよう
になりました。
マルチメディアに対応した通常のブログと、制限付きとはいえ即時性が長所の
Twitter。ツールの使い分けを覚えてゆけば、情報発信に長けた人材になれるや
も知れません。もちろん、どちらも文字として残るので投稿前には必ず原稿の
再チェックが必要です。原稿を書く時は、真夜中やお酒が入ると筆(表現)が
荒れるので、避けたほうが無難と言われます。自分もそんな状況で作文をして、
翌朝に読み返して恥ずしい思いをした経験があります。その意味で、夜の酒宴
をTwitterで実況するのは、危険極まりない行為でしょう。
いろいろと考えさられる事件です。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから > クラウドアプリの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.evernote.com/about/intl/jp/
UCFでの体験を記事としてまとめるそうなので、メインキャンパスまで出向き
インタビューを受けました。1時間弱のインタビューでしたが、この研修での
振り返りという良い機会になりました。日頃からブログやメルマガでまとめて
おいたことが大変役に立っています。これもひとつのeポートフォリオの効用
でしょう。
このインタビューの前後の時間、スタッフの皆さんといろいろと情報交換です。
聞きたい内容は、アメリカでのEvernoteの普及状況です。これまで尋ねた人は
「知らない。それは日本のものか?」と切り返されて、ビックリしていたから
です。結論として、スマートフォンを使っている人以外は、Evernoteをあまり
知らないということです。たしかに、これまで質問した人がスマートフォン・
ユーザではありませんでした。そこで、日本での応用事例としてEvernote連携
商品「ショットノート」やスキャナーとの連動、デジタルペンの活用事例の話
をしました。非常に日本的な事業展開なだけに、大変興味深そうであったのが
印象的でした。
最近は、EvernoteよりもSpringPadが良いという話も聞きました、というのは、
サイトにある情報のメモ書きの利便性が高いからという理由だそうです。また、
今アメリカで人気アプリであるFoursquareやYelpの存在を教えてもらいました。
10年以上前ならば、アメリカのビジネスモデルを日本流にアレンジすることで、
大成功を収めた話をよく耳にしました。最近はグローバル化が進み、流行関連
の情報も速いので、きっとこのような新ビジネスに着手している企業もいると
思います。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
研修も終わりが近づいてくると、自分の仕事のペースも上げざるを得ない状況
になります。まるで夏休みの終わりに宿題に追われる学生のようですが、切迫
した悲壮感が少ないのは、出発前に自分で決めた目標だからかも知れません。
さらにゴールも見えかけているだけに、ちょっとした充足感もあります。
日本にいるより自分の自由な時間があり、タイムマネジメントしながら仕事を
進めることができる今の環境に満足しています。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第80号
□───────────────────――2011.08.03─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.080
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
8月になりました。コジマガも80号になりました。アメリカ滞在中に発行したのは
これで21号目となります。約半月に1度という、通常の倍以上のペースで配信して
きました。アメリカでの研修は残り1ヶ月弱ですが、メルマガのネタが豊かになる
よう、少しでも知見を広げておきたいと思います。その原動力となるのが好奇心
でしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > なでしこの活躍とメディア・リテラシーの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://twitter.com/
女子ワールドカップサッカーの決勝戦が行われた7月17日は、アメリカ知人宅で
ホームパーティがあり、ここで世紀の一戦を観戦しました。対戦相手がアメリカ
だけに完全なアウェー状態の応援でしたが、なでしこジャパンの驚異的な粘りに
巨大テレビの前で熱くなります。同時間帯にコパ・アメリカの準々決勝が行われ
ていました。パーティのゲストに南米出身者が多く、パラグアイ・ブラジル戦が
大きな注目を集めています。1階ではコパアメリカ、2階ではワールドカップを
楽しむという、さながらスポーツバーといった状況です。
PK戦の劇的な幕切れにとても感動です。アメリカ応援団は大きなため息と共に、
階下へ降りていきました。iPhoneでTwitterをチェックすると、日本は早朝にも
かかわらず、相当数のつぶやきが流れていました。翌日のネットニュースでは
「サッカー女子W杯決勝でTwitterが毎秒7196ツイートの新記録達成」だそうです。
今をときめくなでしこジャパンだけにその動向は万人から注目されます。歓喜の
瞬間からそれほど時を経ずして、ネットで事件が起こりました。飲み会で大学生
の思慮に欠ける投稿がネットで祭り状態になってしまいました。これに対して、
本人はアカウントを削除し、大学側が謝罪をしたそうです。
5月27日にツィートした「若者の何気ないつぶやきには心配」という発言が現実
になってしまいました。クローズなSNSであるmixiでも不適切な投稿内容は世間
にさらされるだけに、Twitterであれば炎上する危険性は極めて高いと言えます。
加えて拡散のスピードが速いだけに、関係者の事後の対応には的確さと迅速さが
求められます。
これまでタイムラインから学生諸君のツィートを眺めていると、公な場所と私的
な範囲との区別がかなり曖昧な発言が多いことを懸念していました。また、他人
のタイムラインも表示できる(http://bit.ly/lNAtnY)そうなので、一層の注意
が必要と感じていました。というのも採用人事の担当者ならば、応募者のタイム
ラインも参考にするかも知れないからです。さらに検索結果にTwitterの発言が
ヒットしますので、己の発言は誰の目にも触れるのだという意識は常に必要です。
Twitterは衆人にさらしたライフログの一部となるだけに、安易な利用に警鐘を
鳴らしたつもりでした。
このような事件が起こると各マスコミはいろいろなコメントを紹介してくれます。
そのようなニュースを読み「Twitterは危険だから、やらない方がよい」という
考えを強める人達もいることでしょう。しかし、その考え方には首肯できません。
なぜなら、今は新技術が社会へ浸透する過程にあると思うからです。すなわち、
新たなコミュニケーション手段の仕組みや有効性とその限界が理解されないまま
無造作に活用している利用者がいるということです。その意味では、メディア・
リテラシーの問題に帰着するかも知れません。
今後もこうしたメディア・リテラシーに起因した事件が起こる可能性はあります。
Twitterはどこからでもツィート可能なので、大学の授業などでのちょっとした
軽口が露にされることも考えられます。文脈がないつぶやき(一方的な発言)が
独り歩きして、問題を引き起こさないとも限りません。携帯電話が教室にあると
いうことは、ボイスレコーダー・カメラ・ビデオが用意されていることでもあり、
常に外部とコネクトされている状態です。今春に発生した入試問題の不正投稿も
このフレームワークで起こっています。技術の普及によって学習空間も進化して
いるだけに、それに合わせて学校側も柔軟に対応しなければならないでしょう。
周知の通り、Twitterは瞬時にフォロワーへ配信され、本文にはサイトの引用や
写真なども活用できるツールです。リツィートも簡単なので、興味ある記事は
あっという間に拡散します。この機能が東日本大震災の直後に活躍したことは
記憶に新しいところです。また、140文字という文字制限は、いかに伝えるかと
いう書き手の文章力が試されます。字数制限はある意味で、短歌や俳句と似て
いるので、日本語文化には馴染むツールかも知れません。表現が豊かな日本語
を駆使し、実践トレーニングするには最適なツールではないかもと考えるよう
になりました。
マルチメディアに対応した通常のブログと、制限付きとはいえ即時性が長所の
Twitter。ツールの使い分けを覚えてゆけば、情報発信に長けた人材になれるや
も知れません。もちろん、どちらも文字として残るので投稿前には必ず原稿の
再チェックが必要です。原稿を書く時は、真夜中やお酒が入ると筆(表現)が
荒れるので、避けたほうが無難と言われます。自分もそんな状況で作文をして、
翌朝に読み返して恥ずしい思いをした経験があります。その意味で、夜の酒宴
をTwitterで実況するのは、危険極まりない行為でしょう。
いろいろと考えさられる事件です。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから > クラウドアプリの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.evernote.com/about/intl/jp/
UCFでの体験を記事としてまとめるそうなので、メインキャンパスまで出向き
インタビューを受けました。1時間弱のインタビューでしたが、この研修での
振り返りという良い機会になりました。日頃からブログやメルマガでまとめて
おいたことが大変役に立っています。これもひとつのeポートフォリオの効用
でしょう。
このインタビューの前後の時間、スタッフの皆さんといろいろと情報交換です。
聞きたい内容は、アメリカでのEvernoteの普及状況です。これまで尋ねた人は
「知らない。それは日本のものか?」と切り返されて、ビックリしていたから
です。結論として、スマートフォンを使っている人以外は、Evernoteをあまり
知らないということです。たしかに、これまで質問した人がスマートフォン・
ユーザではありませんでした。そこで、日本での応用事例としてEvernote連携
商品「ショットノート」やスキャナーとの連動、デジタルペンの活用事例の話
をしました。非常に日本的な事業展開なだけに、大変興味深そうであったのが
印象的でした。
最近は、EvernoteよりもSpringPadが良いという話も聞きました、というのは、
サイトにある情報のメモ書きの利便性が高いからという理由だそうです。また、
今アメリカで人気アプリであるFoursquareやYelpの存在を教えてもらいました。
10年以上前ならば、アメリカのビジネスモデルを日本流にアレンジすることで、
大成功を収めた話をよく耳にしました。最近はグローバル化が進み、流行関連
の情報も速いので、きっとこのような新ビジネスに着手している企業もいると
思います。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
研修も終わりが近づいてくると、自分の仕事のペースも上げざるを得ない状況
になります。まるで夏休みの終わりに宿題に追われる学生のようですが、切迫
した悲壮感が少ないのは、出発前に自分で決めた目標だからかも知れません。
さらにゴールも見えかけているだけに、ちょっとした充足感もあります。
日本にいるより自分の自由な時間があり、タイムマネジメントしながら仕事を
進めることができる今の環境に満足しています。
2011年7月15日金曜日
第79号(2011.07.15)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第79号
□───────────────────――2011.07.15─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.079
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
ネットの情報では、東海地方は例年よりも早い梅雨明け宣言がされたそうです。
本格的な夏の訪れは開放的な気持ちにさせるものですが、今年は原発のドミノ
停止によって、日本全国が深刻な電力不足にさらされているようです。衷心、
暑中お見舞い申し上げます。暑さ厳しき折、くれぐれも無理はせず、熱中症に
ご留意いただきお過ごしください。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > 独立記念日と花火の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:
7月4日はアメリカの独立記念日で祝日です。今年は月曜日なので土曜日から
3連休でした。連休前後に何人かのスタッフの姿を見かけなかったので、この
期間を利用して長期休暇をとっていたようです。また、あちこちでイベントが
行われており、これに合わせたパーティーに招待されました。
ホームパーティでは、自宅のガレージ前に大きなバーベキューグリルを用意し、
男性諸氏が食材を焼いています(やはりBBQはアメリカン・ダディの仕事です)。
独立記念日にはホットドックがつきものだそうで、BBQではアメリカンサイズの
肉塊に加えて、ホットドックのソーセージやハンバーガー用のハンバーガーを
火にかけます。ちょっと変わった光景と感じましたが、日本人がBBQで焼きそば
や焼きおにぎりを作るのは、外国人にとってはかなり異様だと思いました。
食材を焼き終わると家の中へ持ち込んでのパーティです。どのホームパーティ
も同じスタイルで、プールサイドに食べ物や飲み物を並べて、皆が思い思いに
楽しんでいます。どの食材もアメリカンサイズで、普段はこのようなサイズは
食べないようにしていますが、この日ばかりは遠慮なく頂きます。
さて、独立記念日には花火がつきものです。外が暗くなってからのスタートで
すから午後9時30分です。サマータイムなので、夜8時半を過ぎないと陽は落ち
ません。イベントのメイン会場はモールの北側にある湖に設置され、夕方から
コンサートなどで盛り上がっているようです。10万人の見物客が集まる大規模
なイベントなので、モールがある大通りまで出ると車で大混雑です。そこで、
大通りの手前にあるパーキングから見物することになりました。開始30分前に
なると、ここにも多くの人が集まってきました。
夜空を見上げるとセスナが飛んでいるので、てっきり上空からの花火見物だと
思ってました。しかし、機体の下には電光掲示板が取り付けられており、何と
広告です。ビーチではバナーをつけたセスナ機の旋回は何度か見たことがあり
ましたが、さすがにこれには驚きです。(広告効果は十分なのでしょうか?)
いよいよ花火が始まりました。多くの人が集まるだけあり、なかなかの豪華さ
です。規模は日本の花火大会とほぼ同じですが、近くの数カ所でも花火が打ち
上がっていることにもビックリします。日本ならば、〇〇〇花火大会といえば
メイン会場だけの花火であって、近場で同時に花火を上げることはありません。
また、オーランドのダウンタウンであるレイクエオラで大きな花火大会が開催
されていました。ちょうど帰り道なので、ダウンタウン脇を走る高速道路から
は花火がよく見えます。まっすぐ上に伸びる高層ビルと円や曲線を描く花火の
コンストラストがとても見事です。驚いたのは、高速道路の脇に停車して見物
している車が多いことです。明らかに危険であるにもかかわらず(きっと日本
ならば、事前に警察による規制がされることでしょう)、平気で見物している
姿にアメリカらしさを感じました。
ダウンタウンを抜けると、自宅まで真西に向かい一直線にExpress Wayを走り
ます。約10分超ほどの道のりですが、道路の両サイドにいくつもの花火を見る
ことができます。コミュニティ毎に独立記念日をお祝いしていることが、よく
分かります。これはニューイヤーズ・イブと同じ光景です。そして、夜11時過
ぎにアパートメントに戻った後、NYで行われているMacy'sのFireworksをTVで
観ました。一体何発の花火が使われているのかと思うほどの豪華さです。
花火によって国民が独立記念日を祝っているという雰囲気を直に味わうことが
できました。日本でもこのように派手なイベントでお祝いする休日があっても
良いような気がします。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://cdl.ucf.edu/
UCFで所属している組織がCDLで、Center for Distributed Learningの略です。
日本語の文献をチェックしたところ、これを「分散学習センター」と訳して
ありました。しかし、この訳語にちょっとした違和感を覚えます。
Distributed Learningがどのように訳されるかを調べると必ず出てくるのが
ADLです。これはAdvanced Distributed Learningの略でアメリカの国防総省
に属する組織です。ここではeラーニング規格の標準化であるSCROMを進めて
いるそうです。たしかに軍の基地では、オンラインでの教育が進んでいます。
多様な背景を持った人が入隊するので、各人に適した教育プログラムを用意
する必要があります。また、常に研修も必要となりますが、軍隊任務もあり
教育研修ばかりに集中するわけにもいきません。学校のようにクラスを編成
して、一堂に介した授業が定期的に実施できる保証はありません。
すると教育プログラムを効果的に、かつ効率的に提供する仕組みが必要です。
独習でも可能な教材の開発、オンラインでの授業やディスカッションという
運用形態も求められます。教育学や軍事的なプログラムに疎いので、正確な
知識は持ち合わせていませんが、こうした中で使われるようになった用語が
Distributed Learningではないだろうかと推測します。なお、その反対語は
Massed Learningで、訳語は「集合教育」でなく「集中学習」だそうです。
しかし、UCFにおけるCDLの活動を間近で見ていると「分散」という用語では
当てはまりが悪いような気がしてなりません。というのも、英語辞書を見る
とDistributedには「分配された」というの意味はありますが、「分散」に
近い意味は見当たらないからです。さらに、英語の辞書の用例を見てみると
「be distributed on the Internet」は「インターネットを通じて配信され
る」という訳が掲載されています。
CDLが携わっている主な事業は、集合教育で利用されるコンテンツをうまく
チャンクダウンし、個々のエレメントをブラッシュアップしています。また、
それぞれの部品を利用者(インストラクター)が使いやすく、受講者の理解
が深まるように配信するという業務を担っています。すなわち、授業に対し
インストラクショナル・デザイナーがWebでも運用できるように精査をして、
イラストレーター、Webデザイナー、プログラマー、写真家らが学習者の興味
を惹きつけるようなコンテンツへと磨きあげているのです。これらはWebを
中心に配信されますが、対面教育でも利用されるので、必ずしも「分散学習」
という感じではありません。
その他にも関連用語として、Distance Learning(遠隔教育)もありますが、
これも含んでいるのがDistributed Learningであるように思います。コース
化された学習コンテンツをネットなどを通じて教育者や学習者へ届けるのが
使命であるだけに、Distributed Learningの訳は「教育配信」、そしてCDLは
「教育配信センター」とするのが実態に合っているように思います。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
先日、NGUの学長ブログが開設されました。NGU公式サイトからアクセスでき
ます。学長は経済学部所属ですので、在学時に学長の授業を受けた人も多い
と思います。一度、チェックして下さい。多忙にもかかわらず、トップ自ら
が直接、自分の言葉で伝えようする姿勢には頭が下がります。何より心理的
な距離が縮まります。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第79号
□───────────────────――2011.07.15─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.079
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
ネットの情報では、東海地方は例年よりも早い梅雨明け宣言がされたそうです。
本格的な夏の訪れは開放的な気持ちにさせるものですが、今年は原発のドミノ
停止によって、日本全国が深刻な電力不足にさらされているようです。衷心、
暑中お見舞い申し上げます。暑さ厳しき折、くれぐれも無理はせず、熱中症に
ご留意いただきお過ごしください。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > 独立記念日と花火の段
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☆関連サイト:
7月4日はアメリカの独立記念日で祝日です。今年は月曜日なので土曜日から
3連休でした。連休前後に何人かのスタッフの姿を見かけなかったので、この
期間を利用して長期休暇をとっていたようです。また、あちこちでイベントが
行われており、これに合わせたパーティーに招待されました。
ホームパーティでは、自宅のガレージ前に大きなバーベキューグリルを用意し、
男性諸氏が食材を焼いています(やはりBBQはアメリカン・ダディの仕事です)。
独立記念日にはホットドックがつきものだそうで、BBQではアメリカンサイズの
肉塊に加えて、ホットドックのソーセージやハンバーガー用のハンバーガーを
火にかけます。ちょっと変わった光景と感じましたが、日本人がBBQで焼きそば
や焼きおにぎりを作るのは、外国人にとってはかなり異様だと思いました。
食材を焼き終わると家の中へ持ち込んでのパーティです。どのホームパーティ
も同じスタイルで、プールサイドに食べ物や飲み物を並べて、皆が思い思いに
楽しんでいます。どの食材もアメリカンサイズで、普段はこのようなサイズは
食べないようにしていますが、この日ばかりは遠慮なく頂きます。
さて、独立記念日には花火がつきものです。外が暗くなってからのスタートで
すから午後9時30分です。サマータイムなので、夜8時半を過ぎないと陽は落ち
ません。イベントのメイン会場はモールの北側にある湖に設置され、夕方から
コンサートなどで盛り上がっているようです。10万人の見物客が集まる大規模
なイベントなので、モールがある大通りまで出ると車で大混雑です。そこで、
大通りの手前にあるパーキングから見物することになりました。開始30分前に
なると、ここにも多くの人が集まってきました。
夜空を見上げるとセスナが飛んでいるので、てっきり上空からの花火見物だと
思ってました。しかし、機体の下には電光掲示板が取り付けられており、何と
広告です。ビーチではバナーをつけたセスナ機の旋回は何度か見たことがあり
ましたが、さすがにこれには驚きです。(広告効果は十分なのでしょうか?)
いよいよ花火が始まりました。多くの人が集まるだけあり、なかなかの豪華さ
です。規模は日本の花火大会とほぼ同じですが、近くの数カ所でも花火が打ち
上がっていることにもビックリします。日本ならば、〇〇〇花火大会といえば
メイン会場だけの花火であって、近場で同時に花火を上げることはありません。
また、オーランドのダウンタウンであるレイクエオラで大きな花火大会が開催
されていました。ちょうど帰り道なので、ダウンタウン脇を走る高速道路から
は花火がよく見えます。まっすぐ上に伸びる高層ビルと円や曲線を描く花火の
コンストラストがとても見事です。驚いたのは、高速道路の脇に停車して見物
している車が多いことです。明らかに危険であるにもかかわらず(きっと日本
ならば、事前に警察による規制がされることでしょう)、平気で見物している
姿にアメリカらしさを感じました。
ダウンタウンを抜けると、自宅まで真西に向かい一直線にExpress Wayを走り
ます。約10分超ほどの道のりですが、道路の両サイドにいくつもの花火を見る
ことができます。コミュニティ毎に独立記念日をお祝いしていることが、よく
分かります。これはニューイヤーズ・イブと同じ光景です。そして、夜11時過
ぎにアパートメントに戻った後、NYで行われているMacy'sのFireworksをTVで
観ました。一体何発の花火が使われているのかと思うほどの豪華さです。
花火によって国民が独立記念日を祝っているという雰囲気を直に味わうことが
できました。日本でもこのように派手なイベントでお祝いする休日があっても
良いような気がします。
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■UCFから
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☆関連サイト:http://cdl.ucf.edu/
UCFで所属している組織がCDLで、Center for Distributed Learningの略です。
日本語の文献をチェックしたところ、これを「分散学習センター」と訳して
ありました。しかし、この訳語にちょっとした違和感を覚えます。
Distributed Learningがどのように訳されるかを調べると必ず出てくるのが
ADLです。これはAdvanced Distributed Learningの略でアメリカの国防総省
に属する組織です。ここではeラーニング規格の標準化であるSCROMを進めて
いるそうです。たしかに軍の基地では、オンラインでの教育が進んでいます。
多様な背景を持った人が入隊するので、各人に適した教育プログラムを用意
する必要があります。また、常に研修も必要となりますが、軍隊任務もあり
教育研修ばかりに集中するわけにもいきません。学校のようにクラスを編成
して、一堂に介した授業が定期的に実施できる保証はありません。
すると教育プログラムを効果的に、かつ効率的に提供する仕組みが必要です。
独習でも可能な教材の開発、オンラインでの授業やディスカッションという
運用形態も求められます。教育学や軍事的なプログラムに疎いので、正確な
知識は持ち合わせていませんが、こうした中で使われるようになった用語が
Distributed Learningではないだろうかと推測します。なお、その反対語は
Massed Learningで、訳語は「集合教育」でなく「集中学習」だそうです。
しかし、UCFにおけるCDLの活動を間近で見ていると「分散」という用語では
当てはまりが悪いような気がしてなりません。というのも、英語辞書を見る
とDistributedには「分配された」というの意味はありますが、「分散」に
近い意味は見当たらないからです。さらに、英語の辞書の用例を見てみると
「be distributed on the Internet」は「インターネットを通じて配信され
る」という訳が掲載されています。
CDLが携わっている主な事業は、集合教育で利用されるコンテンツをうまく
チャンクダウンし、個々のエレメントをブラッシュアップしています。また、
それぞれの部品を利用者(インストラクター)が使いやすく、受講者の理解
が深まるように配信するという業務を担っています。すなわち、授業に対し
インストラクショナル・デザイナーがWebでも運用できるように精査をして、
イラストレーター、Webデザイナー、プログラマー、写真家らが学習者の興味
を惹きつけるようなコンテンツへと磨きあげているのです。これらはWebを
中心に配信されますが、対面教育でも利用されるので、必ずしも「分散学習」
という感じではありません。
その他にも関連用語として、Distance Learning(遠隔教育)もありますが、
これも含んでいるのがDistributed Learningであるように思います。コース
化された学習コンテンツをネットなどを通じて教育者や学習者へ届けるのが
使命であるだけに、Distributed Learningの訳は「教育配信」、そしてCDLは
「教育配信センター」とするのが実態に合っているように思います。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
先日、NGUの学長ブログが開設されました。NGU公式サイトからアクセスでき
ます。学長は経済学部所属ですので、在学時に学長の授業を受けた人も多い
と思います。一度、チェックして下さい。多忙にもかかわらず、トップ自ら
が直接、自分の言葉で伝えようする姿勢には頭が下がります。何より心理的
な距離が縮まります。
2011年6月27日月曜日
第78号(2011.06.27)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第78号
□───────────────────――2011.06.27─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.078
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
フロリダでは最近、非常に暑い日が続いています。天気予報で華氏100度を示すこと
さえあります。そして毎日、必ずと言っていいほど夕立がやって来ます。日本で雷
を伴なった豪雨といった感じです。1時間もすれば止みますが、あまりの激しさに
ちょっと面食らうこともあります。
夕立がいつ頃に止むのか?さらに厳しくなるのか?という不安がありますが、報道
機関からの天気情報はそのような心配を払拭します。かなり具体的で詳細なデータ
なので、雨雲があとどれくらいで通りすぎるのかが分かります。雨雲の状態を3Dで
表現したり、局地的なデータが提示されるので、とても便利です。素人ながらに、
日本でこのようなシステムを導入すれば、ゲリラ豪雨など対策に利用できるのでは
と思いました。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > Web2.0ツールの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:
こちらではMacな日々を過ごしています。もちろん研究所で英語版Windowsのデスク
トップを用意してもらっていますが、毎日、MacBookを持参しています。例えば、
メインキャンパスへ向うシャトルバスの中ではiPhone4をいじり、自宅ではiPad2で
ネットへアクセスしています。帰国後は、MacとWinPCとの共存になるでしょうから
これらのディバイスとのデータ交換が効果的にできるような手法を覚えています。
まず、Blogやメルマガなどの原稿やメモ書きは基本的にエディタを使っています。
Macにもmiを入れてますが、Evernoteでほぼ代替できます。毎日使うことでやっと
操作にも慣れてきた感じです。様々なTIPSがあると思いますが、残念ながらまだ
そこまで至っていません。
そして、情報整理のツールとしてのDropboxには、少しずつデータのバックアップ
を入れています。写真はPicasaで管理して、整理したものをウェブアルバムへも
置くようにしています。論文や文献のPDF管理はMendeley、読書管理はブクログと
便利なツールへ徐々に移行中です。
さらに、自分の情報発信はこれまでコジマガのMLだけでしたが、ブログ、Twitter
などを試しています。Twitterは150程度のつぶやきから、仕組みなどがようやく
実感できはじめました。しかし、FBは未だに様子見です。どちらも半オープンな
ツールなだけに不用意に投稿しないよう気遣っています。Blogは、研修開始以来
300日以上書き続けています。でも、文字情報が中心で、ブログツールにはあまり
関心を払っていませんでした。ブログツールを利用すれば、最近流行りのSNSとの
コラボが簡単に実現できるので、上手く組み合わせてるテクニックも覚えた方が
よさそうです。マーケティングツールとしてこれらが重宝されているのが、よく
分かります。
インターネットの音楽配信サービスでは、Sky.fmやLast.fm、Pandoraを利用して
おり、仕事時間のBGMとして活躍中です。これらで驚いたのは、Sky.fmにJ-Popの
ジャンルがあること、Pandoraは上場で2億ドルもの資金を調達したことなどです。
日本のサービスとはあまりに差があり過ぎて、厳しい規制ととも硬直化した日本
の業界の将来に不安を覚えます。優れた技術はあっても、素晴らしいアイディア
や新しいビジネスを創発する環境にないことは確かです。
こうして振り返ると、ネットの世界ではアメリカが断然優位に立っていることが
よく分かります。ハードだけでなく、ソフトの分野においても日本の活躍を期待
しています。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから > Leaders Summitの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.aascu.org/
AASCUが主催する'The Leaders Summit 2011'が、UCFで6/23,24の2日間に渡って
行わました。American Association of State Colleges and Universitiesの略
なので、AASUCにはアメリカ州立大学協会という訳が当てはまるように思います。
このカンファレンスはEDUCAUSEとのジョイントですから、ICTの話題が中心です。
サブタイトルには'Designing Learning Environments for the 21st Century'が
付けられていますから、今の学生に適した学習環境を構築するかという内容です。
今回は、全米18の州立大学からリーダー達を中心として、総勢80名ほどが集まり
ました。参加大学に共通する点として、とりわけ大きな大学でなく、それだけに
大学の使命である教育をいかに効果的かつ効率的に運営するかという問題を抱え
ていることです。そこで、問題意識の共有に加え、現状を見つめソリューション
やその手がかりを掴もうというのが会の狙いです。
確かにフロリダも他の州と同様に、厳しい予算カットが実施されています。逼迫
した財政事情の中で、いかに次のステップを見い出すかという点ではUCFは良い
事例になるでしょう。急増する学生、変化する学生に対応して、新しい学習環境
をICTで創造し続けている先進事例は大きな参考になるはずです。
さて、会議は参加者にUCFや主催者のスタッフを含めると100名以上になるために
メイン会場は隣の建物であるパートナーシップ3で行わました。研究所のフロア
だけでは手狭なことから、広い会場を確保することで、軍の施設を借りました。
初日は朝8時半のスタートです。主催者の冒頭の挨拶で、基調講演が変更になる
という連絡がありました。フライト欠航の影響で、EDUCAUSEの会長が来られなく
なったそうです。基調講演がキャンセルになるというハプニングが起こっても、
慌てることなく、うまく対応する運営には感心します。
3つの講演に続き、4つの事例を担当者から聞くというイベントがありました。
4つのパーラーで構成され、参加者はこれらを20分ごとに回るというものです。
具体的な教育事例の紹介として、心理学・数学・英作文の各責任者が取り組みを
説明します。また、今の学生たちがよく利用するICTツールの紹介もありました。
昼は用意されたランチボックスをいただきながら、次の講演へと入ります。休憩
を挟みながら午後5時20分まで研修は続きました。1日目の最終イベントで懇親会
が開催され、ここでUCFの総長を直にお見かけました。恰幅のよいおじいさんで、
すでに73歳だそうです。主催者からの紹介コメントで驚いたのは、何と20年以上
もトップの職を務めているそうです。UCFは創立47年目ですから、半分近くの間
ガバナンスしていることになります。
事実確認もかねて同僚に事情を聴けば、UCFの総長は選挙で決定されるのでなく、
州からの指名だそうです。確かに州立大学ですから上手く経営できる人物を州が
選ぶのも当然でしょう。無能な人物によって放漫経営をされたら、州として住民
に説明がつきません。大変納得するとともに、何ともアメリカらしい制度に感心
しました。
自分が知っているだけでも、今の総長はITを活用し、経営効率を向上させるとも
に大学の名声を上げることに成功しています。巨大なアメリカンフットボールの
スタジアムを建設して、大学の人気を高める努力を続けています。(アメリカの
大学のトップはオペラからアメフトまでの話ができないと務まらないという記事
を読んだことがあります。)さらに、昨年オープンしたの医学部に続き、歯学部
も新設予定になっています。かなりやり手のリーダーであり、まるで企業経営者
のようです。アカデミックキャピタリズムの国ですから、優秀なリーダーの存在
が大学にも求められるのでしょう。
AASCUの2日目は、開始時間がさらに早まり8時からです。多くの人は前日の疲れ
を残しているはずですが、司会者は結構な高齢にも関わらず、元気が漲っている
という感じです。やはりこのような会をマネジメントできる人はエネルギッシュ
でなければなりません。
この日のイベントはできるだけ参加型にする工夫が見られます。例えばグループ
ディスカッションは3グループに分け、発言をしやすくしています。また、全体
ミーティングでも、壁に貼られた大きな紙にそれぞれがアイディアを書き出して、
共有するという仕掛けがみられました。
全体ミーティングも正午で終了です。最後は、出席者にアハ体験を語ってもらい、
締めくくりです。詳細まではわかりませんが、この会で獲得できたものは大きい
ようです。1日半のタイトなスケジュールでしたが、それでも出席者は満足した
様子でした。生産性の高いミーティングをオーガナイズすることの重要性を体感
しました。このような大会にオブザーバとして参加できたことはラッキーでした。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
AASCUの会場ではiPad2を使っている人を結構、見かけました。スマートカバーを
台座にしてメモを取ったり、メールをチェックしたりしていました。やはり驚い
たのは、カメラを使って必要なスライドを撮影していたことです。10インチ以上
の画面で撮影している姿はちょっと異様な感じがします。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第78号
□───────────────────――2011.06.27─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.078
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
フロリダでは最近、非常に暑い日が続いています。天気予報で華氏100度を示すこと
さえあります。そして毎日、必ずと言っていいほど夕立がやって来ます。日本で雷
を伴なった豪雨といった感じです。1時間もすれば止みますが、あまりの激しさに
ちょっと面食らうこともあります。
夕立がいつ頃に止むのか?さらに厳しくなるのか?という不安がありますが、報道
機関からの天気情報はそのような心配を払拭します。かなり具体的で詳細なデータ
なので、雨雲があとどれくらいで通りすぎるのかが分かります。雨雲の状態を3Dで
表現したり、局地的なデータが提示されるので、とても便利です。素人ながらに、
日本でこのようなシステムを導入すれば、ゲリラ豪雨など対策に利用できるのでは
と思いました。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > Web2.0ツールの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:
こちらではMacな日々を過ごしています。もちろん研究所で英語版Windowsのデスク
トップを用意してもらっていますが、毎日、MacBookを持参しています。例えば、
メインキャンパスへ向うシャトルバスの中ではiPhone4をいじり、自宅ではiPad2で
ネットへアクセスしています。帰国後は、MacとWinPCとの共存になるでしょうから
これらのディバイスとのデータ交換が効果的にできるような手法を覚えています。
まず、Blogやメルマガなどの原稿やメモ書きは基本的にエディタを使っています。
Macにもmiを入れてますが、Evernoteでほぼ代替できます。毎日使うことでやっと
操作にも慣れてきた感じです。様々なTIPSがあると思いますが、残念ながらまだ
そこまで至っていません。
そして、情報整理のツールとしてのDropboxには、少しずつデータのバックアップ
を入れています。写真はPicasaで管理して、整理したものをウェブアルバムへも
置くようにしています。論文や文献のPDF管理はMendeley、読書管理はブクログと
便利なツールへ徐々に移行中です。
さらに、自分の情報発信はこれまでコジマガのMLだけでしたが、ブログ、Twitter
などを試しています。Twitterは150程度のつぶやきから、仕組みなどがようやく
実感できはじめました。しかし、FBは未だに様子見です。どちらも半オープンな
ツールなだけに不用意に投稿しないよう気遣っています。Blogは、研修開始以来
300日以上書き続けています。でも、文字情報が中心で、ブログツールにはあまり
関心を払っていませんでした。ブログツールを利用すれば、最近流行りのSNSとの
コラボが簡単に実現できるので、上手く組み合わせてるテクニックも覚えた方が
よさそうです。マーケティングツールとしてこれらが重宝されているのが、よく
分かります。
インターネットの音楽配信サービスでは、Sky.fmやLast.fm、Pandoraを利用して
おり、仕事時間のBGMとして活躍中です。これらで驚いたのは、Sky.fmにJ-Popの
ジャンルがあること、Pandoraは上場で2億ドルもの資金を調達したことなどです。
日本のサービスとはあまりに差があり過ぎて、厳しい規制ととも硬直化した日本
の業界の将来に不安を覚えます。優れた技術はあっても、素晴らしいアイディア
や新しいビジネスを創発する環境にないことは確かです。
こうして振り返ると、ネットの世界ではアメリカが断然優位に立っていることが
よく分かります。ハードだけでなく、ソフトの分野においても日本の活躍を期待
しています。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから > Leaders Summitの段
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☆関連サイト:http://www.aascu.org/
AASCUが主催する'The Leaders Summit 2011'が、UCFで6/23,24の2日間に渡って
行わました。American Association of State Colleges and Universitiesの略
なので、AASUCにはアメリカ州立大学協会という訳が当てはまるように思います。
このカンファレンスはEDUCAUSEとのジョイントですから、ICTの話題が中心です。
サブタイトルには'Designing Learning Environments for the 21st Century'が
付けられていますから、今の学生に適した学習環境を構築するかという内容です。
今回は、全米18の州立大学からリーダー達を中心として、総勢80名ほどが集まり
ました。参加大学に共通する点として、とりわけ大きな大学でなく、それだけに
大学の使命である教育をいかに効果的かつ効率的に運営するかという問題を抱え
ていることです。そこで、問題意識の共有に加え、現状を見つめソリューション
やその手がかりを掴もうというのが会の狙いです。
確かにフロリダも他の州と同様に、厳しい予算カットが実施されています。逼迫
した財政事情の中で、いかに次のステップを見い出すかという点ではUCFは良い
事例になるでしょう。急増する学生、変化する学生に対応して、新しい学習環境
をICTで創造し続けている先進事例は大きな参考になるはずです。
さて、会議は参加者にUCFや主催者のスタッフを含めると100名以上になるために
メイン会場は隣の建物であるパートナーシップ3で行わました。研究所のフロア
だけでは手狭なことから、広い会場を確保することで、軍の施設を借りました。
初日は朝8時半のスタートです。主催者の冒頭の挨拶で、基調講演が変更になる
という連絡がありました。フライト欠航の影響で、EDUCAUSEの会長が来られなく
なったそうです。基調講演がキャンセルになるというハプニングが起こっても、
慌てることなく、うまく対応する運営には感心します。
3つの講演に続き、4つの事例を担当者から聞くというイベントがありました。
4つのパーラーで構成され、参加者はこれらを20分ごとに回るというものです。
具体的な教育事例の紹介として、心理学・数学・英作文の各責任者が取り組みを
説明します。また、今の学生たちがよく利用するICTツールの紹介もありました。
昼は用意されたランチボックスをいただきながら、次の講演へと入ります。休憩
を挟みながら午後5時20分まで研修は続きました。1日目の最終イベントで懇親会
が開催され、ここでUCFの総長を直にお見かけました。恰幅のよいおじいさんで、
すでに73歳だそうです。主催者からの紹介コメントで驚いたのは、何と20年以上
もトップの職を務めているそうです。UCFは創立47年目ですから、半分近くの間
ガバナンスしていることになります。
事実確認もかねて同僚に事情を聴けば、UCFの総長は選挙で決定されるのでなく、
州からの指名だそうです。確かに州立大学ですから上手く経営できる人物を州が
選ぶのも当然でしょう。無能な人物によって放漫経営をされたら、州として住民
に説明がつきません。大変納得するとともに、何ともアメリカらしい制度に感心
しました。
自分が知っているだけでも、今の総長はITを活用し、経営効率を向上させるとも
に大学の名声を上げることに成功しています。巨大なアメリカンフットボールの
スタジアムを建設して、大学の人気を高める努力を続けています。(アメリカの
大学のトップはオペラからアメフトまでの話ができないと務まらないという記事
を読んだことがあります。)さらに、昨年オープンしたの医学部に続き、歯学部
も新設予定になっています。かなりやり手のリーダーであり、まるで企業経営者
のようです。アカデミックキャピタリズムの国ですから、優秀なリーダーの存在
が大学にも求められるのでしょう。
AASCUの2日目は、開始時間がさらに早まり8時からです。多くの人は前日の疲れ
を残しているはずですが、司会者は結構な高齢にも関わらず、元気が漲っている
という感じです。やはりこのような会をマネジメントできる人はエネルギッシュ
でなければなりません。
この日のイベントはできるだけ参加型にする工夫が見られます。例えばグループ
ディスカッションは3グループに分け、発言をしやすくしています。また、全体
ミーティングでも、壁に貼られた大きな紙にそれぞれがアイディアを書き出して、
共有するという仕掛けがみられました。
全体ミーティングも正午で終了です。最後は、出席者にアハ体験を語ってもらい、
締めくくりです。詳細まではわかりませんが、この会で獲得できたものは大きい
ようです。1日半のタイトなスケジュールでしたが、それでも出席者は満足した
様子でした。生産性の高いミーティングをオーガナイズすることの重要性を体感
しました。このような大会にオブザーバとして参加できたことはラッキーでした。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
AASCUの会場ではiPad2を使っている人を結構、見かけました。スマートカバーを
台座にしてメモを取ったり、メールをチェックしたりしていました。やはり驚い
たのは、カメラを使って必要なスライドを撮影していたことです。10インチ以上
の画面で撮影している姿はちょっと異様な感じがします。
2011年6月11日土曜日
第77号(2011.06.11)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第77号
□───────────────────――2011.06.11─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.077
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
今回で第3回目となる全国大学対抗タイピング大会(学内予選)がTIESで開催中
です。今年は在外研修中につき傍観ですが、情報処理の授業の中扱っているので、
NGUからの参加者は加盟校でも断トツの規模を維持しています。また、現在、個人
部門でも1位、2位と活躍しており、喜ばしい限りです。
実際のタイピング大会の状況は、TIESにログインするのが一番でしょう。TIESの
アカウントについては、コジマガ第32号に書いた通りですので、興味のある方は
是非、ご参照ください。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > 「豊かさとは何か」の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://bit.ly/kojimag068
アメリカで生活をしていると世界中のさまざまな国に出会います。出身の人々で
あったり、食事などの文化であったりします。国際的な政治経済情勢についても
まるで自国の出来事のごとくニュースで扱っています。さすがに世界から多くの
人を集めている国だけあります。
コジマガ第68号でも書きましたが、平均的な個人宅に訪れるとこの国の豊かさを
実感します。庭付きの広い敷地にガレージと自宅があり、ほとんどがプール付き
です。プールの使い方はただ泳ぐだけでなく、プールサイドにテーブルを出して
涼みながらのパーティに使われます。プールサイドにはカウンターを置き、飲み
物や食べ物を思い思いに取りながら、初めて合う人同士が会話で盛り上がります。
BGMは、ノートPCでインターネットラジオにアクセスし、外付けスピーカーから
流れてきます。もちろん気が向いたらプールで遊んだりします。
日本でプール付きの自宅を持つ人は億万長者に限られます。自宅でのパーティと
いう文化が、プールとセットになっていません。屋外プールの利用期間は3ヶ月
程度ですし、敷地代外にもメンテナンスで費用が発生します。それならば、屋内
プールを持つスポーツクラブの会員となった方が世話入らずで、結果として安く
上がります。
クルーズコントロール付きの大きな車で優雅に走行し、長距離の移動も可能です。
道路や駐車のスペースは広く、渋滞も日本ほどひどくないので、平均速度は日本
よりも上です。さらに高騰したガソリンも比較すれば日本より安いという、完全
な車社会になっています。また、携帯電話はすでに4Gへ向かっており、GPSでの
サービスも日本より進んでいるように思います。
このようにアメリカの生活環境を考えると、余裕が感じられます。経済力のある
日本から見ても、アメリカにはかなり多くの魅力があります。もちろん、個人の
経済的な裏付けは最低条件ですが、安定収入や将来性が保証されるのであれば、
閉塞感が漂う日本にいるよりもいいかも知れません。経済発展途国の出身者なら
ば、なおさらこの国に惹かれるでしょう。世界中の国々から多くの人が集まって
くるのも、首肯できます。
英語圏で生まれ育った人以外は、皆、英語を覚えて、この国で生活をしています。
経済力を身につけて言葉や生活習慣を身につければ、自国で暮らすよりも快適な
生活を送ることができます。この国で暮らしてみて「豊かさとは何か」を改めて
考えてしまいます。
―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://bit.ly/mckK4L
『歴史は「べき乗則」で動く』,マーク・ブキャナン著(水谷淳訳),ハヤカワ文庫
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
渡米して2冊目(電子書籍も含めると正確には3冊目)となる日本語の本を読了
しました。自分の研究材料にもべき乗分布が関連していることもあり、これまで
ネットワーク理論関係の書籍を集めていました。この本はタイトルを見ただけで
購入し、所謂「つんどく」状態になっていました。文庫なのでさほど重たくなか
ろうとアメリカまで持ってきた次第です。とはいえ、なかなか手付かずのままに
なっていたのをようやく読み終えたところです。
内容はネットワーク理論や自己組織化の話です。その一例として、阪神大震災や
ブラックマンデーについて言及されています。この原本(『歴史の方程式』)が
最初に世に出た後、たった10年で「想定外」規模の大惨事(リーマンショック、
9.11や東日本大震災など)が起こるとは、誰にも予見できなかったと思います。
リーマンショックは100年に一度で、東日本大震災は1000年に一度だそうですが、
このような稀有な出来事が10年の間に生起するものだろうかという問いがあると
すれば、きっと著者は肯定するでしょう。
地震に関する話題はかなり詳細に述べられています。この本でも指摘されている
ように、阪神大震災は事前に全く想定されていませんでした。その後、活断層が
起因する地震について注目が集まりました。また、核融合の話まで扱われており、
反応炉に制御棒で反応を抑えるトピックスには、3.11を想起してしまいました。
地震の規模と発生頻度をグラフにすると「べき乗分布」が確認されます。つまり
スケールフリーの巨大地震は必ず起こるということです。一方で、研究は予測に
必要な発生時間・場所・規模を特定できるレベルにないことも述べられています。
また、発生のサイクルを歴史から探ろうとしても、100年程のデータでは46億年
ともいわれる地球の歴史からすれば、ほんの一瞬の動きを捉えたに過ぎません。
巨大地震の発生に関する誤差の範囲は、明日かも知れないし、50年後なのかも
ということは、全く役に立たないことを意味します。人間の一生の時間と地球の
活動時間にあまりに大きな格差があります。
この本でネットワークや自己組織化、臨界状態の形成に関する事例は、森林火災
の延焼、生態系の変化、絶滅種なども取り上げています。これは集団的振る舞い
がシステム全体の臨界状態を作り出し、あるきっかけでそれが一瞬にして崩れて
しまう事象です。文中にある表現では「何かが変わるためには、歪みがある限界
を超えなければならない」ような事例を説明しています。
また、第10章では金融経済の話としてブラックマンデーを扱っています。株価が
世界同時に大暴落する理由を、ネットワーク理論で説明しています。この内容は
『ブラックスワン』でのリーマンショックへの言及箇所と重ね合わせながら読む
と良いかも知れません。さらに人間の繋がりの説明には、ミルグラムの実験から
ネットワーク理論へと話が展開します。本の最後の部分では、トーマス・クーン
のパラダイム理論(学説ネットワーク)まで及び、革命や戦争の発生という歴史
に臨界状態を見い出そうとしています。
確かに90年代初め、都市銀行は13行もあり往時のバブル経済を謳歌していました。
しかし、バブル崩壊で巨大金融機関は淘汰、合併が進みメガバンクへ再編されて
います。バブルの宴の中では、悲惨な結末を全く予想できませんでした。そして
万一、日本が財政破綻した場合、どのような議論が噴出するのでしょう。やはり
「想定外」という言葉で責任を回避するのでしょうか。この言葉が論点になって
いる時機にこそ、読んでおくべき本であるように思います。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
アメリカでは5月末の祝日であるメモリアルデーを迎えて、いよいよ夏が始まり
ました。すでに真夏のフロリダでは、本格的なハリケーン・シーズンが到来した
ようです。こればかりは来てもらいたくないと願うばかりです。
1年間のサバティカルなので、8月末で研修終了です。フロリダでの研修生活も
残すところあと3ヶ月となりました。早いもので、研修ブログは284日を更新し、
カウントダウンです。出発前に皆に言われた「慣れた頃に帰る」ということが、
まさにその通りになってきました。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第77号
□───────────────────――2011.06.11─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.077
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
今回で第3回目となる全国大学対抗タイピング大会(学内予選)がTIESで開催中
です。今年は在外研修中につき傍観ですが、情報処理の授業の中扱っているので、
NGUからの参加者は加盟校でも断トツの規模を維持しています。また、現在、個人
部門でも1位、2位と活躍しており、喜ばしい限りです。
実際のタイピング大会の状況は、TIESにログインするのが一番でしょう。TIESの
アカウントについては、コジマガ第32号に書いた通りですので、興味のある方は
是非、ご参照ください。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > 「豊かさとは何か」の段
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☆関連サイト:http://bit.ly/kojimag068
アメリカで生活をしていると世界中のさまざまな国に出会います。出身の人々で
あったり、食事などの文化であったりします。国際的な政治経済情勢についても
まるで自国の出来事のごとくニュースで扱っています。さすがに世界から多くの
人を集めている国だけあります。
コジマガ第68号でも書きましたが、平均的な個人宅に訪れるとこの国の豊かさを
実感します。庭付きの広い敷地にガレージと自宅があり、ほとんどがプール付き
です。プールの使い方はただ泳ぐだけでなく、プールサイドにテーブルを出して
涼みながらのパーティに使われます。プールサイドにはカウンターを置き、飲み
物や食べ物を思い思いに取りながら、初めて合う人同士が会話で盛り上がります。
BGMは、ノートPCでインターネットラジオにアクセスし、外付けスピーカーから
流れてきます。もちろん気が向いたらプールで遊んだりします。
日本でプール付きの自宅を持つ人は億万長者に限られます。自宅でのパーティと
いう文化が、プールとセットになっていません。屋外プールの利用期間は3ヶ月
程度ですし、敷地代外にもメンテナンスで費用が発生します。それならば、屋内
プールを持つスポーツクラブの会員となった方が世話入らずで、結果として安く
上がります。
クルーズコントロール付きの大きな車で優雅に走行し、長距離の移動も可能です。
道路や駐車のスペースは広く、渋滞も日本ほどひどくないので、平均速度は日本
よりも上です。さらに高騰したガソリンも比較すれば日本より安いという、完全
な車社会になっています。また、携帯電話はすでに4Gへ向かっており、GPSでの
サービスも日本より進んでいるように思います。
このようにアメリカの生活環境を考えると、余裕が感じられます。経済力のある
日本から見ても、アメリカにはかなり多くの魅力があります。もちろん、個人の
経済的な裏付けは最低条件ですが、安定収入や将来性が保証されるのであれば、
閉塞感が漂う日本にいるよりもいいかも知れません。経済発展途国の出身者なら
ば、なおさらこの国に惹かれるでしょう。世界中の国々から多くの人が集まって
くるのも、首肯できます。
英語圏で生まれ育った人以外は、皆、英語を覚えて、この国で生活をしています。
経済力を身につけて言葉や生活習慣を身につければ、自国で暮らすよりも快適な
生活を送ることができます。この国で暮らしてみて「豊かさとは何か」を改めて
考えてしまいます。
―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://bit.ly/mckK4L
『歴史は「べき乗則」で動く』,マーク・ブキャナン著(水谷淳訳),ハヤカワ文庫
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
渡米して2冊目(電子書籍も含めると正確には3冊目)となる日本語の本を読了
しました。自分の研究材料にもべき乗分布が関連していることもあり、これまで
ネットワーク理論関係の書籍を集めていました。この本はタイトルを見ただけで
購入し、所謂「つんどく」状態になっていました。文庫なのでさほど重たくなか
ろうとアメリカまで持ってきた次第です。とはいえ、なかなか手付かずのままに
なっていたのをようやく読み終えたところです。
内容はネットワーク理論や自己組織化の話です。その一例として、阪神大震災や
ブラックマンデーについて言及されています。この原本(『歴史の方程式』)が
最初に世に出た後、たった10年で「想定外」規模の大惨事(リーマンショック、
9.11や東日本大震災など)が起こるとは、誰にも予見できなかったと思います。
リーマンショックは100年に一度で、東日本大震災は1000年に一度だそうですが、
このような稀有な出来事が10年の間に生起するものだろうかという問いがあると
すれば、きっと著者は肯定するでしょう。
地震に関する話題はかなり詳細に述べられています。この本でも指摘されている
ように、阪神大震災は事前に全く想定されていませんでした。その後、活断層が
起因する地震について注目が集まりました。また、核融合の話まで扱われており、
反応炉に制御棒で反応を抑えるトピックスには、3.11を想起してしまいました。
地震の規模と発生頻度をグラフにすると「べき乗分布」が確認されます。つまり
スケールフリーの巨大地震は必ず起こるということです。一方で、研究は予測に
必要な発生時間・場所・規模を特定できるレベルにないことも述べられています。
また、発生のサイクルを歴史から探ろうとしても、100年程のデータでは46億年
ともいわれる地球の歴史からすれば、ほんの一瞬の動きを捉えたに過ぎません。
巨大地震の発生に関する誤差の範囲は、明日かも知れないし、50年後なのかも
ということは、全く役に立たないことを意味します。人間の一生の時間と地球の
活動時間にあまりに大きな格差があります。
この本でネットワークや自己組織化、臨界状態の形成に関する事例は、森林火災
の延焼、生態系の変化、絶滅種なども取り上げています。これは集団的振る舞い
がシステム全体の臨界状態を作り出し、あるきっかけでそれが一瞬にして崩れて
しまう事象です。文中にある表現では「何かが変わるためには、歪みがある限界
を超えなければならない」ような事例を説明しています。
また、第10章では金融経済の話としてブラックマンデーを扱っています。株価が
世界同時に大暴落する理由を、ネットワーク理論で説明しています。この内容は
『ブラックスワン』でのリーマンショックへの言及箇所と重ね合わせながら読む
と良いかも知れません。さらに人間の繋がりの説明には、ミルグラムの実験から
ネットワーク理論へと話が展開します。本の最後の部分では、トーマス・クーン
のパラダイム理論(学説ネットワーク)まで及び、革命や戦争の発生という歴史
に臨界状態を見い出そうとしています。
確かに90年代初め、都市銀行は13行もあり往時のバブル経済を謳歌していました。
しかし、バブル崩壊で巨大金融機関は淘汰、合併が進みメガバンクへ再編されて
います。バブルの宴の中では、悲惨な結末を全く予想できませんでした。そして
万一、日本が財政破綻した場合、どのような議論が噴出するのでしょう。やはり
「想定外」という言葉で責任を回避するのでしょうか。この言葉が論点になって
いる時機にこそ、読んでおくべき本であるように思います。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
アメリカでは5月末の祝日であるメモリアルデーを迎えて、いよいよ夏が始まり
ました。すでに真夏のフロリダでは、本格的なハリケーン・シーズンが到来した
ようです。こればかりは来てもらいたくないと願うばかりです。
1年間のサバティカルなので、8月末で研修終了です。フロリダでの研修生活も
残すところあと3ヶ月となりました。早いもので、研修ブログは284日を更新し、
カウントダウンです。出発前に皆に言われた「慣れた頃に帰る」ということが、
まさにその通りになってきました。
2011年5月24日火曜日
第76号(2011.05.24)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第76号
□───────────────────――2011.05.24─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.076
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
5月16日から新学期が始まって、授業が再開です。UCFはアメリカの多くの大学と
同じく3学期制です。もちろん、このセメスターで開講される授業科目を履修し
単位を取ったり、インターンシップや短期海外研修に参加するといった選択肢が
あります。
毎年6月にNGUへ短期海外研修として米国の大学生がやって来ますが、これは夏
のセメスターで授業の代わりに研修プログラムに参加しているのでしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > ディズニー・ワールドの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://disneyworld.disney.go.com/
アメリカで15回ほどメルマガを発行しましたが、地元オーランドの最大の名所
であるウォルト・ディズニー・ワールド(以下、WDW)についてまとまった報告
をしていません。そこで、今回はWDWについてです。
オーランド国際空港で見かける日本人旅行者は2タイプです。ビジネスや学会
へ出席と思われる人と、若い女性グループもしくは新婚さんです。前者は巨大
コンベンションセンターでの仕事関係で、後者はWDWやユニバーサルなどでの
観光目的と思われます。オーランドの宿泊は、両者ともにインターナショナル
ドライブ周辺のホテルでしょうから、UCFや私のアパートメントがある地区と
はかなり離れたエリアです。ですから普段、日本人を見かけることはほとんど
ありません。
8ヶ月の滞在期間でディズニーワールド周辺を何度も訪れて、ある程度分かる
ようになりました。山手線内の約2倍の敷地面積なので、位置関係を覚えるの
にも時間がかかります。40年以上前にウォルト・ディズニーがオーラント郊外
にあった広大なオレンジ畑を買収し、巨大な施設群を構想したのが始まりです。
ここは、今やオーランドの基幹産業の集積地に変貌しています。
敷地内には4つのテーマパークの他、野球をはじめとするスポーツのキャンプ
施設、3つのゴルフ場、シルク・ドゥ・ソレイユの常設会場に加えて、ホテル
も数多くあります。シャトルバスやモノレールが走っていますが、短期間では
とても回り切ることはできません。日本のガイドブックにある1日で2パーク
という計画はかなり無茶に思えます。TDRのようにコンパクトではありません。
テーマパークはそれぞれ個性を持っています。どのパークもゲートは一箇所で、
真正面にシンボリックな建物が配置されています。マジックキングダムは東京
ディズニーランドとほぼ同じ配置で、シンデレラ城も同じです。(発祥の地で
あるアナハイムは「眠れる森の美女」だそうで、形が違います。)シンデレラ
城を中心とした夜の花火は圧巻です。ただし、ここへのアクセスは駐車場から
入口までモノレールに乗らなければなりません。ですから帰りはTDL並の混雑
とモノレール車内の薄暗さを覚悟する必要があります。
次に、ハリウッドスタジオは映画をテーマとしたパークで、正面にはミッキー
の魔法使いの弟子で登場する巨大な帽子が象徴です。映画好きには面白い内容
だと思います。ここのアトラクションでは、タワーオブテラーやコースターは
強烈です。トイ・ストーリーのミッドウェーマニアは非常に面白く、TDRにも
導入が期待されます。また、スターツアーズがオープンしたそうで、パークの
魅力がますます高まることでしょう。さらに夜のファンタズミックは必見です。
(この春から東京ディズニーシーで公演が始まったそうです。)
そして、アニマルキングダムはその名の通り動物園です。正面には巨大な木が
あり、自然をテーマとしています。ライドで動物の生態を観るアトラクション
は、富士サファリパークといった感じです。動物以外にも恐竜や昆虫を扱って
おり、子どもには面白いパークかも知れません。大人も楽しめるのは、2つの
ミュージカルで素晴らしい公演です。なお、動物に合わせた閉園時間なので、
他のパークよりも早く閉まります。
エプコット(Epcot)はExperimental Prototype Community of Tomorrowの略
です。ウォルトが描く実験未来都市なので大人も楽しめる面白いパークです。
ゲート正面は白い球体の建物が出迎えてくれます。このパークは入口手前の
フューチャーワールドと奥のワールドショーケースに二分され、まさに万博
会場のようです。科学技術を紹介するフューチャーワールドには、関連企業
が提供する近未来的アトラクションがあり、どれも興味深く面白い内容です。
とりわけSoarin'はファストパスが昼過ぎに無くなるほどの人気です。美しい
カリフォルニアの大自然で空を舞う気分は最高です。日本の風景を使いTDRに
導入すれば、クールジャパンをPRできるので切望します。池の周りに作られ
たワールドショーケースには、各国のパビリオンに特産物などのショップや
レストランがあります。日本館では三越が伝統工芸品に加え、アニメなどの
グッズも販売しています。幸い日本館はありますが、もし自国のパビリオン
がなければきっと寂しい思いをすることでしょう。なお、閉園時間の夜9時
には、池を舞台に花火と共にショーが行われます。
WDW内のダウンタウンディズニーは、東京ディズニーリゾートで例えるなら、
JR舞浜駅のイクスピアリという感じです。どちらも個性豊かなレストランや
文化施設・グッズの専門店などが集積しています。ここは湖畔の半周を使い
街が作られています。両端のウェストサイドからイーストサイドまで歩くと
約20分ぐらいしょう。ウインドウショッピングで約2時間という感じです。
この西端にシルク・ドゥ・ソレイユの常設館があり、その意味でも舞浜駅と
よく似ています。舞浜はZEDですが、ここはLa NouBAが常時公演しています。
入場料金は日本とほぼ同じですが、現在は円高の分だけ割安感があります。
2時間弱の公演では、笑いと共に超人たちの美技に魅せられます。中でも、
アジア系の少女4人によるパフォーマンスは最高です。会場の観客たちが、
次第に彼女たちの技に惹きこまれる様子がわかります。
以上、体験レポートですが、それでも観ておくべき場所は数多くあります。
例えば、セレブレーションはディズニーが開発・造成した住宅コミュニティ
です。また、夏場に開場するウォーター関連の施設は未踏ですし、敷地内
にある3つのゴルフ場は是非、プレーしたいと思います。PGAが開催される
コースやミッキーバンカーのある有名なコースは必見でしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:
先日、UCFの機関がスタップ向けに発行している広報誌への寄稿を依頼されま
した。ひとつはFaculty Center for Teaching and Learningの発行"Faculty
Focus"で、もうひとつは自分が所属するCDLの"Information Technologies &
Resources"です。
日本の大学関連の機関誌で、かつ日本語ならば何ら問題ありません。しかし、
作文の前提となる読者との共通の理解がどこまでであるかが分かりくいこと
に加え、貧弱な英語表現力で筆者の主張が正確に伝わるかが気にかかります。
とはいえ、折角いただいた機会ですし、このような試練も経験しておこうと
承諾しました。
作業としては、日本ができるスタッフとテーマに関する打ち合わせをした後、
まず日本語で記事全体の内容を仕上げました。次に、英語への翻訳作業です。
文章をだらだらと書いてしまう癖があるので、英文にするには不要な部分を
大きく削除しました。記事の目安としては、700Words程度と言われていまし
たが、1100から縮められません。文章を短くすれば意味が通らなくなります
し、凝った表現ができないので致し方ありません。これをきちん意味が通る
英文にするには、ネイティブチェックが必要です。そこで、日本語が堪能な
Fさんにアポイントメントをとり、何度かオフィスに伺うことになりました。
ここで英文のチェックを受ける時は、久しぶりに学生の気持ちです。自分が
書いた文章が理解してもらえるか?というのが一番の課題です。ざっくりと
読んでいただき、ストーリーはすんなり理解してもらえたようです。しかし
表現力や前提の知識に違いがあり、何箇所が説明を求められれる記述があり
ました。その後、文章での主張と結論の確認をして、とりあえずのタイトル
決めを助けてもらいました。
ひとつ終わりました。今週はもうひとつの文章チェックです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
ディズニーといえばファンタジーぽくってと思う人も多いかも知れません。
しかし、サービス産業では極めて注目すべき企業のひとつで、その動向は
チェックが必要です。
パークの入場料金は80ドル以上なので、日本のそれよりもかなり高額です。
UCFの観光学部の先生とのお話で、そんな高額でも全米や世界中からお客を
呼べる企業はすごいう点を指摘されていましたが、全く同感です。喜んで
金を支払い、また来たいと思わせるアトラクションやサービスには見習う
べきところが多いと思われます。同時に、日本のホスピタリティ産業には
まだ発展余地が残されているようにも感じます。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第76号
□───────────────────――2011.05.24─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.076
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
5月16日から新学期が始まって、授業が再開です。UCFはアメリカの多くの大学と
同じく3学期制です。もちろん、このセメスターで開講される授業科目を履修し
単位を取ったり、インターンシップや短期海外研修に参加するといった選択肢が
あります。
毎年6月にNGUへ短期海外研修として米国の大学生がやって来ますが、これは夏
のセメスターで授業の代わりに研修プログラムに参加しているのでしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > ディズニー・ワールドの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://disneyworld.disney.go.com/
アメリカで15回ほどメルマガを発行しましたが、地元オーランドの最大の名所
であるウォルト・ディズニー・ワールド(以下、WDW)についてまとまった報告
をしていません。そこで、今回はWDWについてです。
オーランド国際空港で見かける日本人旅行者は2タイプです。ビジネスや学会
へ出席と思われる人と、若い女性グループもしくは新婚さんです。前者は巨大
コンベンションセンターでの仕事関係で、後者はWDWやユニバーサルなどでの
観光目的と思われます。オーランドの宿泊は、両者ともにインターナショナル
ドライブ周辺のホテルでしょうから、UCFや私のアパートメントがある地区と
はかなり離れたエリアです。ですから普段、日本人を見かけることはほとんど
ありません。
8ヶ月の滞在期間でディズニーワールド周辺を何度も訪れて、ある程度分かる
ようになりました。山手線内の約2倍の敷地面積なので、位置関係を覚えるの
にも時間がかかります。40年以上前にウォルト・ディズニーがオーラント郊外
にあった広大なオレンジ畑を買収し、巨大な施設群を構想したのが始まりです。
ここは、今やオーランドの基幹産業の集積地に変貌しています。
敷地内には4つのテーマパークの他、野球をはじめとするスポーツのキャンプ
施設、3つのゴルフ場、シルク・ドゥ・ソレイユの常設会場に加えて、ホテル
も数多くあります。シャトルバスやモノレールが走っていますが、短期間では
とても回り切ることはできません。日本のガイドブックにある1日で2パーク
という計画はかなり無茶に思えます。TDRのようにコンパクトではありません。
テーマパークはそれぞれ個性を持っています。どのパークもゲートは一箇所で、
真正面にシンボリックな建物が配置されています。マジックキングダムは東京
ディズニーランドとほぼ同じ配置で、シンデレラ城も同じです。(発祥の地で
あるアナハイムは「眠れる森の美女」だそうで、形が違います。)シンデレラ
城を中心とした夜の花火は圧巻です。ただし、ここへのアクセスは駐車場から
入口までモノレールに乗らなければなりません。ですから帰りはTDL並の混雑
とモノレール車内の薄暗さを覚悟する必要があります。
次に、ハリウッドスタジオは映画をテーマとしたパークで、正面にはミッキー
の魔法使いの弟子で登場する巨大な帽子が象徴です。映画好きには面白い内容
だと思います。ここのアトラクションでは、タワーオブテラーやコースターは
強烈です。トイ・ストーリーのミッドウェーマニアは非常に面白く、TDRにも
導入が期待されます。また、スターツアーズがオープンしたそうで、パークの
魅力がますます高まることでしょう。さらに夜のファンタズミックは必見です。
(この春から東京ディズニーシーで公演が始まったそうです。)
そして、アニマルキングダムはその名の通り動物園です。正面には巨大な木が
あり、自然をテーマとしています。ライドで動物の生態を観るアトラクション
は、富士サファリパークといった感じです。動物以外にも恐竜や昆虫を扱って
おり、子どもには面白いパークかも知れません。大人も楽しめるのは、2つの
ミュージカルで素晴らしい公演です。なお、動物に合わせた閉園時間なので、
他のパークよりも早く閉まります。
エプコット(Epcot)はExperimental Prototype Community of Tomorrowの略
です。ウォルトが描く実験未来都市なので大人も楽しめる面白いパークです。
ゲート正面は白い球体の建物が出迎えてくれます。このパークは入口手前の
フューチャーワールドと奥のワールドショーケースに二分され、まさに万博
会場のようです。科学技術を紹介するフューチャーワールドには、関連企業
が提供する近未来的アトラクションがあり、どれも興味深く面白い内容です。
とりわけSoarin'はファストパスが昼過ぎに無くなるほどの人気です。美しい
カリフォルニアの大自然で空を舞う気分は最高です。日本の風景を使いTDRに
導入すれば、クールジャパンをPRできるので切望します。池の周りに作られ
たワールドショーケースには、各国のパビリオンに特産物などのショップや
レストランがあります。日本館では三越が伝統工芸品に加え、アニメなどの
グッズも販売しています。幸い日本館はありますが、もし自国のパビリオン
がなければきっと寂しい思いをすることでしょう。なお、閉園時間の夜9時
には、池を舞台に花火と共にショーが行われます。
WDW内のダウンタウンディズニーは、東京ディズニーリゾートで例えるなら、
JR舞浜駅のイクスピアリという感じです。どちらも個性豊かなレストランや
文化施設・グッズの専門店などが集積しています。ここは湖畔の半周を使い
街が作られています。両端のウェストサイドからイーストサイドまで歩くと
約20分ぐらいしょう。ウインドウショッピングで約2時間という感じです。
この西端にシルク・ドゥ・ソレイユの常設館があり、その意味でも舞浜駅と
よく似ています。舞浜はZEDですが、ここはLa NouBAが常時公演しています。
入場料金は日本とほぼ同じですが、現在は円高の分だけ割安感があります。
2時間弱の公演では、笑いと共に超人たちの美技に魅せられます。中でも、
アジア系の少女4人によるパフォーマンスは最高です。会場の観客たちが、
次第に彼女たちの技に惹きこまれる様子がわかります。
以上、体験レポートですが、それでも観ておくべき場所は数多くあります。
例えば、セレブレーションはディズニーが開発・造成した住宅コミュニティ
です。また、夏場に開場するウォーター関連の施設は未踏ですし、敷地内
にある3つのゴルフ場は是非、プレーしたいと思います。PGAが開催される
コースやミッキーバンカーのある有名なコースは必見でしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから
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☆関連サイト:
先日、UCFの機関がスタップ向けに発行している広報誌への寄稿を依頼されま
した。ひとつはFaculty Center for Teaching and Learningの発行"Faculty
Focus"で、もうひとつは自分が所属するCDLの"Information Technologies &
Resources"です。
日本の大学関連の機関誌で、かつ日本語ならば何ら問題ありません。しかし、
作文の前提となる読者との共通の理解がどこまでであるかが分かりくいこと
に加え、貧弱な英語表現力で筆者の主張が正確に伝わるかが気にかかります。
とはいえ、折角いただいた機会ですし、このような試練も経験しておこうと
承諾しました。
作業としては、日本ができるスタッフとテーマに関する打ち合わせをした後、
まず日本語で記事全体の内容を仕上げました。次に、英語への翻訳作業です。
文章をだらだらと書いてしまう癖があるので、英文にするには不要な部分を
大きく削除しました。記事の目安としては、700Words程度と言われていまし
たが、1100から縮められません。文章を短くすれば意味が通らなくなります
し、凝った表現ができないので致し方ありません。これをきちん意味が通る
英文にするには、ネイティブチェックが必要です。そこで、日本語が堪能な
Fさんにアポイントメントをとり、何度かオフィスに伺うことになりました。
ここで英文のチェックを受ける時は、久しぶりに学生の気持ちです。自分が
書いた文章が理解してもらえるか?というのが一番の課題です。ざっくりと
読んでいただき、ストーリーはすんなり理解してもらえたようです。しかし
表現力や前提の知識に違いがあり、何箇所が説明を求められれる記述があり
ました。その後、文章での主張と結論の確認をして、とりあえずのタイトル
決めを助けてもらいました。
ひとつ終わりました。今週はもうひとつの文章チェックです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
ディズニーといえばファンタジーぽくってと思う人も多いかも知れません。
しかし、サービス産業では極めて注目すべき企業のひとつで、その動向は
チェックが必要です。
パークの入場料金は80ドル以上なので、日本のそれよりもかなり高額です。
UCFの観光学部の先生とのお話で、そんな高額でも全米や世界中からお客を
呼べる企業はすごいう点を指摘されていましたが、全く同感です。喜んで
金を支払い、また来たいと思わせるアトラクションやサービスには見習う
べきところが多いと思われます。同時に、日本のホスピタリティ産業には
まだ発展余地が残されているようにも感じます。
2011年5月10日火曜日
第75号(2011.05.10)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第75号
□───────────────────――2011.05.10─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.075
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
日本のゴールデンウィークに合わせて、フロリダ半島を南半周するドライブへ
出かけました。そこで、今回はいつもの記事をお休みして、南フロリダ観光を
メインとした内容に変更です。
事前知識として地図を参照するのが一番ですが、簡単に位置関係を説明します。
フロリダ半島はアメリカの南東に位置します。地図でいえば右下にあたります。
オーランドはセントラルフロリダですので、丁度真ん中にあると考えてよいと
思います。半島の東が大西洋、西がメキシコ湾です。
フロリダ半島は東西よりも南北に長く、南先端まではオーランドからも結構な
距離があります。さらに半島の先には島々が繋がり、これをフロリダキーズと
いいます。キーズの一番端がキーウェストです。
なお、文中に出てくるI数字は、インターステイト道路の番号のことです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■フロリダ観光 > マイアミビーチの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
フロリダ最大の都市はマイアミで半島の先端あたりに位置します。ただし州都
ではありません(州都は北部にあるタラハシーです。)マイアミはオーランド
から車でI95をひたすら南下し、4時間ほど走ります。片道は約350Kmですので、
日本ならば東京=名古屋くらいの距離に相当します。ここはビジネス金融街で、
日本の総領事館もここにあります。南米系の移民も多く、スペイン語が主流に
なっているエリアもあり、その周辺では「英語が話せます」という表示もある
そうです。
マイアミはビスケーン湾を隔てて、ダウンタウンとビーチに二分されています。
ダウンタウンは碁盤の目のように構成されおり、市内には電車(メトロレイル
やメトロムーバー)も走っています。スーツを着たビジネスマンの姿を数多く
見かけます。
ハーバーに隣接しているベイサイドマーケットプレイスは、ジェットボートや
観光船などの発着場所になっています。ここには多くのショップがあり、日本
に進出したHoopersやフォレストガンプに登場するシュリンプ店があります。
ダウンタウンから東へビスケーン湾を橋で越えると、そこがマイアミビーチ市
で、有名なマイアミビーチがあります。大西洋は波が高く、サーフィンに絶好
の海でしょう。ケネディスペースセンターに近いココビーチよりもサーファー
は多いような気がします。また、ビーチの南方には豪華クルーズ客船や貨物船
が、往き来するのが見えます。
このビーチに並行したストリートには、ホテルのテラス式のレストランが続き、
多くの人々が水着のまま行き交います。マイアミビーチは昼間から音楽と食事
や酒などによって、非日常な空間です。家族連れよりも、カップルや若者達が
歩いていたり、かなり開放的な雰囲気です。(これが都市の魅力なのかも知れ
ません。)
このメインストリートに沿って、カラフルな小洒落た感じのプチホテルが軒を
連ねています。いろいろな映画のロケ地になっており、「ボディガード」にも
出てくる豪華なホテルもあります。この辺りを含めてアール・デコ地区が構成
されており、建物の色使いに特徴があります。デザインを意識した街づくりが
実践されていることが分かります。
『地球の歩き方』によれば、有名なストーンクラブのレストランがあります。
この店の扉にはドレスコードが表示されています。ちょっとラフな格好をして
いただけに、入店できるかどうか心配でした。幸い断れることなくテーブルへ
案内されました。ここで名物のストーンクラブ(小皿)にクラムチャウダーと
カラマリ・フリット(イカの唐揚げ)、コールスロー・サラダを注文しました。
ストーンクラブは、名前のごとく甲羅がとても固いカニです。カニの甲羅は、
まるで陶器のようです。とりわけ美味というわけではありません。旨さならば
日本で食すカニの方が上でしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■フロリダ観光 > フロリダキーズの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
国道1号線(US1)はアメリカの東海岸を南北に縦断しています。ボストンから
NY・フィラデルフィア・ワシントンD.C.を経て、フロリダ半島へと繋がります。
そしてマイアミを抜けて半島の先端に達すると島々を渡って、キーウェストが
終着点となります。
まず、マイアミからフロリダ半島の先端でUS1に入って、キーウェストまでの
ロングドライブが始まります。キーラーゴからいくつもの島々を通り、左右の
車窓からは珊瑚礁の美しい海が望めます。抜けるような空の青さを反射した海
は本当に綺麗です。マラソンの街が終われば、いよいよセブンマイルブリッジ
です。広く青い海の中に架かるセブンマイルブリッジには感動です。約10Km
以上の続く長い橋は、コマーシャルにも使われるような絶景ポイントです。
マイアミから4時間のドライブで、ようやくキーウエストに到着します。第一
印象は、キーウェストは日本の軽井沢や湘南の観光の町という感じです。この
島は東西が長く南北は短く、南の端から北のピアまでは30分以内で歩けます。
自転車やバイクをレンタルする観光客も多いようです。当初は、小さな島を
イメージしていましたが、実際はちょっと違っていました。
見学ポイントはいろいろあります。まず最初に、US1の起点となるポイントへ
寄ってからヘミングウェイの家を見学です。ここでは彼の猫好きがよく分かり
ます。また、日本語の案内をもらえますので、文学に疎い自分には助かります。
その後、最南端の地まで歩いてゆき記念撮影。ここから海の向こう90マイルは
キューバです。
次に、最南端からウインドウショッピングしながら北上です。キーウェストの
メインストリートは観光地という雰囲気が出ています。いくつものお土産屋や
レストランが立ち並んでいます。最後は、有名なキーライムパイの店でお茶と
キーライムパイをいただき予定は終了です。
サンセット前にはキーウェストを離れて、宿泊先のキーラーゴまで戻ります。
Bertie Higginsの歌 "Keylargo" を聞きながらのドライブです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■フロリダ観光 > サラソタからタンパベイの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
フロリダキーズからフロリダ半島に戻り、I75を使いエバーグレイズ国立公園
の中を走り抜けます。半島を西へ横断するという感じですから、かなりの距離
を走ることになります。道路の左右はブッシュや森がはるか地平線の彼方まで
続く光景です。これが夜だったら、かなり恐怖感があるだろうと思いました。
また、こんな一本道で速度違反を取り締まっているパトロールにも驚きます。
大自然のエリアを抜けてからは、フォートマイヤーズ(レッドソックスの春の
キャンプ地)を通って、サラソタ(上原が所属するオリオールズのキャンプ地)
まで移動です。市内からさらに西に進み、橋を渡ってロングボードキーに入る
とようやくメキシコ湾が見えてきます。この辺りは地図上では細長い島ですが、
お金持ちが住んでいるような家やきれいなゴルフ場があって、高級なイメージ
を持ちました。ここでは、創業1905年というコロンビア料理の有名レストラン
へ出かけました。本店はタンパですが、フロリダにはいくつも支店があります。
平日だけに店も空いており、スペイン風のパエリアとステーキを堪能です。
サラソタのビーチからは180度に渡って水平線が見え、地球が丸いことも確認
できます。観光客もそれほど多くなく、ゆっくりと滞在するには良い場所です。
また、ラッキーなことに、夕陽は雲に隠れることなく、サンセットを迎えます。
太陽がメキシコ湾の水平線に接してから、完全に海へ沈むまでのシーンを見る
ことができました。これはかなり感動的な光景です。
サラソタから北上して、セントピーターズバーグへ向かいます。I275でタンパ
ベイを越えるサンシャイン・スカイウェイ橋は圧巻で、通行料金の2.5ドルを
支払う価値は十分あります。巨大な斜張橋で、セブンマイルブリッジとは一味
違った迫力があります。かなり高い位置まで上るので、橋からの眺望は最高で、
対岸のトロピカーナ球場(レイズの本拠地)なども遠くに見わたせます。
セントピーターズバーグにはダリ美術館があります。平日にも関わらず駐車場
は満杯で、かなりのお客さんがいます。ここでシュール・レアリズムの作品を
鑑賞です。オーランドへの帰り道は北東方面ですが、またタンパベイを渡って
レストランへ寄り道です。このレストランの窓からはタンパベイが一望でき、
魚が水面を跳ね回っています。前に来たときは、眼下の海にエイ(デビルレイ)
がおり、ちょっと贅沢な光景です。ここではシュリンプカクテルとともお薦め
のサーフアンドターフを堪能です。お腹も満たされて、I4で100マイルの道を
帰ります。2時間ほど走ると、WDWの近くにあるミッキーの形をした電信柱が
見えてきました。これでオーランドに戻ってきたという実感が湧きます。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
メールの文字だけで旅情を伝えることは、大変難しいように感じました。その
意味で作家の才能には憧れます。やはり写真などでフォローがないと、十分に
伝わらないでしょう。アメリカ研修ブログには、写真をアップしていますので、
こちらをご参考してください。リンク先は.NETに提示しています。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第75号
□───────────────────――2011.05.10─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.075
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
日本のゴールデンウィークに合わせて、フロリダ半島を南半周するドライブへ
出かけました。そこで、今回はいつもの記事をお休みして、南フロリダ観光を
メインとした内容に変更です。
事前知識として地図を参照するのが一番ですが、簡単に位置関係を説明します。
フロリダ半島はアメリカの南東に位置します。地図でいえば右下にあたります。
オーランドはセントラルフロリダですので、丁度真ん中にあると考えてよいと
思います。半島の東が大西洋、西がメキシコ湾です。
フロリダ半島は東西よりも南北に長く、南先端まではオーランドからも結構な
距離があります。さらに半島の先には島々が繋がり、これをフロリダキーズと
いいます。キーズの一番端がキーウェストです。
なお、文中に出てくるI数字は、インターステイト道路の番号のことです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■フロリダ観光 > マイアミビーチの段
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フロリダ最大の都市はマイアミで半島の先端あたりに位置します。ただし州都
ではありません(州都は北部にあるタラハシーです。)マイアミはオーランド
から車でI95をひたすら南下し、4時間ほど走ります。片道は約350Kmですので、
日本ならば東京=名古屋くらいの距離に相当します。ここはビジネス金融街で、
日本の総領事館もここにあります。南米系の移民も多く、スペイン語が主流に
なっているエリアもあり、その周辺では「英語が話せます」という表示もある
そうです。
マイアミはビスケーン湾を隔てて、ダウンタウンとビーチに二分されています。
ダウンタウンは碁盤の目のように構成されおり、市内には電車(メトロレイル
やメトロムーバー)も走っています。スーツを着たビジネスマンの姿を数多く
見かけます。
ハーバーに隣接しているベイサイドマーケットプレイスは、ジェットボートや
観光船などの発着場所になっています。ここには多くのショップがあり、日本
に進出したHoopersやフォレストガンプに登場するシュリンプ店があります。
ダウンタウンから東へビスケーン湾を橋で越えると、そこがマイアミビーチ市
で、有名なマイアミビーチがあります。大西洋は波が高く、サーフィンに絶好
の海でしょう。ケネディスペースセンターに近いココビーチよりもサーファー
は多いような気がします。また、ビーチの南方には豪華クルーズ客船や貨物船
が、往き来するのが見えます。
このビーチに並行したストリートには、ホテルのテラス式のレストランが続き、
多くの人々が水着のまま行き交います。マイアミビーチは昼間から音楽と食事
や酒などによって、非日常な空間です。家族連れよりも、カップルや若者達が
歩いていたり、かなり開放的な雰囲気です。(これが都市の魅力なのかも知れ
ません。)
このメインストリートに沿って、カラフルな小洒落た感じのプチホテルが軒を
連ねています。いろいろな映画のロケ地になっており、「ボディガード」にも
出てくる豪華なホテルもあります。この辺りを含めてアール・デコ地区が構成
されており、建物の色使いに特徴があります。デザインを意識した街づくりが
実践されていることが分かります。
『地球の歩き方』によれば、有名なストーンクラブのレストランがあります。
この店の扉にはドレスコードが表示されています。ちょっとラフな格好をして
いただけに、入店できるかどうか心配でした。幸い断れることなくテーブルへ
案内されました。ここで名物のストーンクラブ(小皿)にクラムチャウダーと
カラマリ・フリット(イカの唐揚げ)、コールスロー・サラダを注文しました。
ストーンクラブは、名前のごとく甲羅がとても固いカニです。カニの甲羅は、
まるで陶器のようです。とりわけ美味というわけではありません。旨さならば
日本で食すカニの方が上でしょう。
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■フロリダ観光 > フロリダキーズの段
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国道1号線(US1)はアメリカの東海岸を南北に縦断しています。ボストンから
NY・フィラデルフィア・ワシントンD.C.を経て、フロリダ半島へと繋がります。
そしてマイアミを抜けて半島の先端に達すると島々を渡って、キーウェストが
終着点となります。
まず、マイアミからフロリダ半島の先端でUS1に入って、キーウェストまでの
ロングドライブが始まります。キーラーゴからいくつもの島々を通り、左右の
車窓からは珊瑚礁の美しい海が望めます。抜けるような空の青さを反射した海
は本当に綺麗です。マラソンの街が終われば、いよいよセブンマイルブリッジ
です。広く青い海の中に架かるセブンマイルブリッジには感動です。約10Km
以上の続く長い橋は、コマーシャルにも使われるような絶景ポイントです。
マイアミから4時間のドライブで、ようやくキーウエストに到着します。第一
印象は、キーウェストは日本の軽井沢や湘南の観光の町という感じです。この
島は東西が長く南北は短く、南の端から北のピアまでは30分以内で歩けます。
自転車やバイクをレンタルする観光客も多いようです。当初は、小さな島を
イメージしていましたが、実際はちょっと違っていました。
見学ポイントはいろいろあります。まず最初に、US1の起点となるポイントへ
寄ってからヘミングウェイの家を見学です。ここでは彼の猫好きがよく分かり
ます。また、日本語の案内をもらえますので、文学に疎い自分には助かります。
その後、最南端の地まで歩いてゆき記念撮影。ここから海の向こう90マイルは
キューバです。
次に、最南端からウインドウショッピングしながら北上です。キーウェストの
メインストリートは観光地という雰囲気が出ています。いくつものお土産屋や
レストランが立ち並んでいます。最後は、有名なキーライムパイの店でお茶と
キーライムパイをいただき予定は終了です。
サンセット前にはキーウェストを離れて、宿泊先のキーラーゴまで戻ります。
Bertie Higginsの歌 "Keylargo" を聞きながらのドライブです。
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■フロリダ観光 > サラソタからタンパベイの段
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フロリダキーズからフロリダ半島に戻り、I75を使いエバーグレイズ国立公園
の中を走り抜けます。半島を西へ横断するという感じですから、かなりの距離
を走ることになります。道路の左右はブッシュや森がはるか地平線の彼方まで
続く光景です。これが夜だったら、かなり恐怖感があるだろうと思いました。
また、こんな一本道で速度違反を取り締まっているパトロールにも驚きます。
大自然のエリアを抜けてからは、フォートマイヤーズ(レッドソックスの春の
キャンプ地)を通って、サラソタ(上原が所属するオリオールズのキャンプ地)
まで移動です。市内からさらに西に進み、橋を渡ってロングボードキーに入る
とようやくメキシコ湾が見えてきます。この辺りは地図上では細長い島ですが、
お金持ちが住んでいるような家やきれいなゴルフ場があって、高級なイメージ
を持ちました。ここでは、創業1905年というコロンビア料理の有名レストラン
へ出かけました。本店はタンパですが、フロリダにはいくつも支店があります。
平日だけに店も空いており、スペイン風のパエリアとステーキを堪能です。
サラソタのビーチからは180度に渡って水平線が見え、地球が丸いことも確認
できます。観光客もそれほど多くなく、ゆっくりと滞在するには良い場所です。
また、ラッキーなことに、夕陽は雲に隠れることなく、サンセットを迎えます。
太陽がメキシコ湾の水平線に接してから、完全に海へ沈むまでのシーンを見る
ことができました。これはかなり感動的な光景です。
サラソタから北上して、セントピーターズバーグへ向かいます。I275でタンパ
ベイを越えるサンシャイン・スカイウェイ橋は圧巻で、通行料金の2.5ドルを
支払う価値は十分あります。巨大な斜張橋で、セブンマイルブリッジとは一味
違った迫力があります。かなり高い位置まで上るので、橋からの眺望は最高で、
対岸のトロピカーナ球場(レイズの本拠地)なども遠くに見わたせます。
セントピーターズバーグにはダリ美術館があります。平日にも関わらず駐車場
は満杯で、かなりのお客さんがいます。ここでシュール・レアリズムの作品を
鑑賞です。オーランドへの帰り道は北東方面ですが、またタンパベイを渡って
レストランへ寄り道です。このレストランの窓からはタンパベイが一望でき、
魚が水面を跳ね回っています。前に来たときは、眼下の海にエイ(デビルレイ)
がおり、ちょっと贅沢な光景です。ここではシュリンプカクテルとともお薦め
のサーフアンドターフを堪能です。お腹も満たされて、I4で100マイルの道を
帰ります。2時間ほど走ると、WDWの近くにあるミッキーの形をした電信柱が
見えてきました。これでオーランドに戻ってきたという実感が湧きます。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
メールの文字だけで旅情を伝えることは、大変難しいように感じました。その
意味で作家の才能には憧れます。やはり写真などでフォローがないと、十分に
伝わらないでしょう。アメリカ研修ブログには、写真をアップしていますので、
こちらをご参考してください。リンク先は.NETに提示しています。
2011年4月28日木曜日
第74号(2011.04.28)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第74号
□───────────────────――2011.04.28─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.074
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
フロリダはすっかり夏模様です。アメリカの大学は春学期のテスト期間を迎え、
学生たちは忙しそうです。
さて、スペースシャトルのエンデバーがラスト飛行となり、4月29日(金)の
午後(現地時間)にKSCから打ち上げが予定されています。オバマ大統領一家
も見学に来るということで、地元ニュースではシャトルの話題で盛り上がって
います。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > 想定外の規模と範囲の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://bit.ly/kojimag054
今回の激甚災害には「想定外の規模」という形容詞が目立ちます。これにより
地震学者や防災学者の免罪符になるとは思いませんが、再び科学技術とは何か
ということを考えさせるような出来事です。超巨大地震とそれに起因する連鎖
が現代社会に与えた事実からいろいろと思いを巡らせました。
まず、ありえないことが起ったことで『ブラックスワン』を思い出しました。
これはコジマガ第54号で取り上げた本ですが、我々は将来に起こりうる確率を
正規分布という「月並みの世界」で捉えていたのかも知れません。経済分野の
リーマンショックを含めて、この世の中には予測を越えた事態は起こりうると
いう事実を忘れがちです。これに関しては、4月7日付の日経新聞の経済教室に
今回の大地震とべき乗分布について触れられています。
たしか関連本に「名もなき英雄」の話題がありました。これは、惨事を未然に
防いだヒーローを取り上げています。事前の正しい措置によって、惨事が起こ
らないので、その功績は誰も知らないままという話です。今回とは事態が違い
ますが、小学校の校舎の2階から直接、避難できる橋を作った市議の話が新聞
に掲載されていました。大津波が襲いましたが、幸い子供達が無事だったので
その功績が確認できました。
次に、ありえないことによる最大の被害が原発事故です。これまでの安全性を
高める努力が無残なまでに消失しました。原発は99.9%安全で、小数点以下を
さらに小さくする努力を電力会社は続けているという話をかつて聞いたことが
あります。たしかに地震後に運転は自動停止できましたが、発熱が収まるまで
の時間が長いという点が問題です。制止に必要な冷却装置が津波によって破壊
されたことで、最悪の事態が生じています。
そして、被害の連鎖です。生産地が被災したことで、サプライチェーンが機能
不全に陥りました。このシステムの弱点を指摘する論が新聞でも散見されまし
たが、ネットワーク化された現代社会において代替となる手段を見つけるのは
容易でありません。グルーバルな競争下で、世界生産システムから外れること
は国全体の経済力を弱めてしまうことになります。
加えて、風評被害です。日本では福島産の農産物が代表的な例のようですが、
世界市場で見れば、日本全体が対象になっています。周知のように、食物以外
にも工業製品の出荷まで支障が来たしています。日本への観光や留学を控える
動きも見られます。アメリカでの報道を見ていても、正確な情報や知識を持た
なければ、心配や不安になるのも理解できます。日本から積極的に情報を発信
し、一刻も早いジャパンブランドの回復が望まれます。
このように巨大地震のインパクトは、我々の想像を越えた範囲に及んでいます。
科学はさまざまな叡智を結集して、自然や未来へ挑戦してきました。ある意味
で、我々人間に「慢心」があったのかも知れません。統計学で扱う正規分布は
不確実が伴う事象を前にして、多くの有益なヒントを与えてくれました。今回
『ブラックスワン』の登場で、これまで何となく信じていた平穏無事な日常の
連続が終焉を迎えました。あらためて、将来は正確に予見できないということ
を思い出させてくれました。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから
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☆関連サイト:
学期末が近づいて、授業時間内で学生のプレゼンが始まりました。これは成績
の最終評価に大きく影響するだけに学生も真剣です。1回の授業につき発表者
は5人で、4日間行われます。
2週間ほど前に発表順序を決めました。まず、全員にくじを引かせて選択順序
を決定します。次に、一番くじを引いた学生からスケジュールの一覧表に希望
する順番を埋めてゆきます。彼らの選好順序を見ていると、まず2日目および
3日目が埋まります。そして、最終日が詰まってしまうと残りは1日目だけに
なります。このような学生の行動は、日本と同じで大変興味深い光景でした。
(まるで経済学の例題を見ているようです)
さて、実際の発表で一番印象深いのは、アメリカの大学生は1年生であっても、
かなり自信を持ってプレゼンをしていることです。皆がチーティング・シート
を手に持っていますが、これを読み上げるようなことはしません。この自信の
裏付けは、それまで授業の課題にされてきた事前調査をしっかりこなしている
ところにあるように思います。全員がPowerpointに加えて、PDFやYouTubeなど
を駆使しており、自分の意見である結論も明確にできるプレゼンレベルの高さ
に感動しました。
学生が周到に事前の発表準備をしているということは、さまざまな面から推察
できます。まず、チーティングシートについてです。日本では、ルーズリーフ
に手書きの台本というスタイルをよく目にします。こちらではスライドに対応
したカード型を使っています。ここに台本が印刷または貼り付けられており、
上手い利用方法に納得です。
そして、発表者はきちんとした格好をしています。普段は男女ともにTシャツ
に短パン、サンダルというかなりラフな格好ですが、発表の時には男子学生は
襟付きのシャツにスラックス、女子はワンピースを着ています。ですから教室
を見渡すと、当日の発表者は誰かが一目瞭然です。
さらに、授業の始まる前には、事前に教室のプロジェクタに投影し、自分たち
でチェックを行っています。プレゼンの冒頭には、きちんと自己紹介を兼ねた
挨拶もできています。ピアレビューの評価表を見ると、テクニカルな部分より
内容重視になっていますが、ほとんどの学生がプレゼンの技術的側面もきちん
とできています。
学生の発表テーマはさまざまです。内容には、一年前にメキシコ湾で起こった
BPの石油流出事故、若者のfacebook、ネットでの不正アクセス、遺伝子工学の
視点での食糧問題、子どもがTVをみる影響、学生の仕事が与える影響、教育へ
対する州の財政支出・・・など、さまざまです。特に、自分の専門に関わった
テーマというわけではありません。
発表に至る過程には、学期の始まりに各自がテーマを決めて、それぞれ調査を
進めます。最初にネットでのツールとしてCQやEBSCOを使って、関連の文献と
議論の集約結果を授業に持ち寄ります。図書館のオンラインサービスの使い方
では、研究の基本スタイルを実践的に覚えることができます。次に、それらを
まとめる作業(参考文献リストや引用方法)を行ないます。文献の要旨を書く
課題では、大学のライティングセンターを活用させたり、学生同士のダメ出し
というピアレビューを実施していました。さらにスプリング・ブレイクを利用
してインタビューを実施しなくてはなりません。このようなプロセスを経て、
研究テーマを煮詰めてゆきます。
約10週間にわたる週2回の対面授業と1回のオンラインによって、内容の豊富さ
でかなりのレベルに到達することが分かります。さながら日本では、ゼミでの
研究という印象を受けました。このような調査作業は常にファイリングをして、
数回にわたり教員が確認をします。今回のプレゼンは、これまでの作業を下地
にして最終的に自分の意見をまとめた発表です。
プレゼンに関する自己・相互評価表を自分で印刷しておき、発表直前にそれを
教員に渡します。すると点数やコメントが加えられて、授業時間の最後に返却
されます。即時にレスポンスをもらえるのは、学生にとって有益なことと思い
ます。
以上のように学生も教員も大変ですが、とても参考になった授業形態でした。
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■編□集□後□記□
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☆関連サイト:http://www.ngu.jp/system/article/detail/1580
NGUでは新学長の元、新たな年度を迎えているようです。ネットからの情報で
知るだけですが、これまでも大学人にはない発想と実行力を備えている学長
だけに、新しい変化の予感がします。どこの大学でも、何かと理屈ばかりを
述べて、前向きの行動や変化を拒んできた大学人が多く見られました。それ
によって大学は時代や社会から取り残されてきたのかも知れません。しかし、
これからは大学であっても社会の変化の速さにキャッチアップする適応能力
が求められます。
そのために、まずはトライをしてから課題を洗い出し、改善計画を示した上
で再実行が必要でしょう。従来のPDCAサイクルからDCAPサイクルという変化
が重要なのかも知れません。
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■□□> コジマガ kojimag@ 第74号
□───────────────────――2011.04.28─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.074
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
フロリダはすっかり夏模様です。アメリカの大学は春学期のテスト期間を迎え、
学生たちは忙しそうです。
さて、スペースシャトルのエンデバーがラスト飛行となり、4月29日(金)の
午後(現地時間)にKSCから打ち上げが予定されています。オバマ大統領一家
も見学に来るということで、地元ニュースではシャトルの話題で盛り上がって
います。
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■アメリカ短信 > 想定外の規模と範囲の段
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☆関連サイト:http://bit.ly/kojimag054
今回の激甚災害には「想定外の規模」という形容詞が目立ちます。これにより
地震学者や防災学者の免罪符になるとは思いませんが、再び科学技術とは何か
ということを考えさせるような出来事です。超巨大地震とそれに起因する連鎖
が現代社会に与えた事実からいろいろと思いを巡らせました。
まず、ありえないことが起ったことで『ブラックスワン』を思い出しました。
これはコジマガ第54号で取り上げた本ですが、我々は将来に起こりうる確率を
正規分布という「月並みの世界」で捉えていたのかも知れません。経済分野の
リーマンショックを含めて、この世の中には予測を越えた事態は起こりうると
いう事実を忘れがちです。これに関しては、4月7日付の日経新聞の経済教室に
今回の大地震とべき乗分布について触れられています。
たしか関連本に「名もなき英雄」の話題がありました。これは、惨事を未然に
防いだヒーローを取り上げています。事前の正しい措置によって、惨事が起こ
らないので、その功績は誰も知らないままという話です。今回とは事態が違い
ますが、小学校の校舎の2階から直接、避難できる橋を作った市議の話が新聞
に掲載されていました。大津波が襲いましたが、幸い子供達が無事だったので
その功績が確認できました。
次に、ありえないことによる最大の被害が原発事故です。これまでの安全性を
高める努力が無残なまでに消失しました。原発は99.9%安全で、小数点以下を
さらに小さくする努力を電力会社は続けているという話をかつて聞いたことが
あります。たしかに地震後に運転は自動停止できましたが、発熱が収まるまで
の時間が長いという点が問題です。制止に必要な冷却装置が津波によって破壊
されたことで、最悪の事態が生じています。
そして、被害の連鎖です。生産地が被災したことで、サプライチェーンが機能
不全に陥りました。このシステムの弱点を指摘する論が新聞でも散見されまし
たが、ネットワーク化された現代社会において代替となる手段を見つけるのは
容易でありません。グルーバルな競争下で、世界生産システムから外れること
は国全体の経済力を弱めてしまうことになります。
加えて、風評被害です。日本では福島産の農産物が代表的な例のようですが、
世界市場で見れば、日本全体が対象になっています。周知のように、食物以外
にも工業製品の出荷まで支障が来たしています。日本への観光や留学を控える
動きも見られます。アメリカでの報道を見ていても、正確な情報や知識を持た
なければ、心配や不安になるのも理解できます。日本から積極的に情報を発信
し、一刻も早いジャパンブランドの回復が望まれます。
このように巨大地震のインパクトは、我々の想像を越えた範囲に及んでいます。
科学はさまざまな叡智を結集して、自然や未来へ挑戦してきました。ある意味
で、我々人間に「慢心」があったのかも知れません。統計学で扱う正規分布は
不確実が伴う事象を前にして、多くの有益なヒントを与えてくれました。今回
『ブラックスワン』の登場で、これまで何となく信じていた平穏無事な日常の
連続が終焉を迎えました。あらためて、将来は正確に予見できないということ
を思い出させてくれました。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから
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☆関連サイト:
学期末が近づいて、授業時間内で学生のプレゼンが始まりました。これは成績
の最終評価に大きく影響するだけに学生も真剣です。1回の授業につき発表者
は5人で、4日間行われます。
2週間ほど前に発表順序を決めました。まず、全員にくじを引かせて選択順序
を決定します。次に、一番くじを引いた学生からスケジュールの一覧表に希望
する順番を埋めてゆきます。彼らの選好順序を見ていると、まず2日目および
3日目が埋まります。そして、最終日が詰まってしまうと残りは1日目だけに
なります。このような学生の行動は、日本と同じで大変興味深い光景でした。
(まるで経済学の例題を見ているようです)
さて、実際の発表で一番印象深いのは、アメリカの大学生は1年生であっても、
かなり自信を持ってプレゼンをしていることです。皆がチーティング・シート
を手に持っていますが、これを読み上げるようなことはしません。この自信の
裏付けは、それまで授業の課題にされてきた事前調査をしっかりこなしている
ところにあるように思います。全員がPowerpointに加えて、PDFやYouTubeなど
を駆使しており、自分の意見である結論も明確にできるプレゼンレベルの高さ
に感動しました。
学生が周到に事前の発表準備をしているということは、さまざまな面から推察
できます。まず、チーティングシートについてです。日本では、ルーズリーフ
に手書きの台本というスタイルをよく目にします。こちらではスライドに対応
したカード型を使っています。ここに台本が印刷または貼り付けられており、
上手い利用方法に納得です。
そして、発表者はきちんとした格好をしています。普段は男女ともにTシャツ
に短パン、サンダルというかなりラフな格好ですが、発表の時には男子学生は
襟付きのシャツにスラックス、女子はワンピースを着ています。ですから教室
を見渡すと、当日の発表者は誰かが一目瞭然です。
さらに、授業の始まる前には、事前に教室のプロジェクタに投影し、自分たち
でチェックを行っています。プレゼンの冒頭には、きちんと自己紹介を兼ねた
挨拶もできています。ピアレビューの評価表を見ると、テクニカルな部分より
内容重視になっていますが、ほとんどの学生がプレゼンの技術的側面もきちん
とできています。
学生の発表テーマはさまざまです。内容には、一年前にメキシコ湾で起こった
BPの石油流出事故、若者のfacebook、ネットでの不正アクセス、遺伝子工学の
視点での食糧問題、子どもがTVをみる影響、学生の仕事が与える影響、教育へ
対する州の財政支出・・・など、さまざまです。特に、自分の専門に関わった
テーマというわけではありません。
発表に至る過程には、学期の始まりに各自がテーマを決めて、それぞれ調査を
進めます。最初にネットでのツールとしてCQやEBSCOを使って、関連の文献と
議論の集約結果を授業に持ち寄ります。図書館のオンラインサービスの使い方
では、研究の基本スタイルを実践的に覚えることができます。次に、それらを
まとめる作業(参考文献リストや引用方法)を行ないます。文献の要旨を書く
課題では、大学のライティングセンターを活用させたり、学生同士のダメ出し
というピアレビューを実施していました。さらにスプリング・ブレイクを利用
してインタビューを実施しなくてはなりません。このようなプロセスを経て、
研究テーマを煮詰めてゆきます。
約10週間にわたる週2回の対面授業と1回のオンラインによって、内容の豊富さ
でかなりのレベルに到達することが分かります。さながら日本では、ゼミでの
研究という印象を受けました。このような調査作業は常にファイリングをして、
数回にわたり教員が確認をします。今回のプレゼンは、これまでの作業を下地
にして最終的に自分の意見をまとめた発表です。
プレゼンに関する自己・相互評価表を自分で印刷しておき、発表直前にそれを
教員に渡します。すると点数やコメントが加えられて、授業時間の最後に返却
されます。即時にレスポンスをもらえるのは、学生にとって有益なことと思い
ます。
以上のように学生も教員も大変ですが、とても参考になった授業形態でした。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.ngu.jp/system/article/detail/1580
NGUでは新学長の元、新たな年度を迎えているようです。ネットからの情報で
知るだけですが、これまでも大学人にはない発想と実行力を備えている学長
だけに、新しい変化の予感がします。どこの大学でも、何かと理屈ばかりを
述べて、前向きの行動や変化を拒んできた大学人が多く見られました。それ
によって大学は時代や社会から取り残されてきたのかも知れません。しかし、
これからは大学であっても社会の変化の速さにキャッチアップする適応能力
が求められます。
そのために、まずはトライをしてから課題を洗い出し、改善計画を示した上
で再実行が必要でしょう。従来のPDCAサイクルからDCAPサイクルという変化
が重要なのかも知れません。
2011年3月30日水曜日
第73号(2011.03.30)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第73号
□───────────────────――2011.03.30─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.073
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
1995年1月17日の阪神大震災はゼミがスタートする直前に起こりました。今回の
東北関東大震災は、ゼミが休止中の出来事となりました。日本の歴史に刻まれる
大災害ですが、これまで日本人が幾多の苦難や試練を乗り越えたように、必ずや
復活できるものと強く信じています。復興の道は簡単ではありませんが、これを
達成することは、地球規模の問題でさえ力を合わせれば解決できるという自信を
世界の人々に示すことにもつながると思います。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > 情報流通と収集の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://kizuna311.com/
いつもTVでは、News13でオーランドの地元の話題を、CNBCでアメリカの経済に
関する情報を入手しています。さらにNHK国際放送の30分ニュースで、日本が
世界に発信する話題と日本関連の最新ニュースを観ることにしています。英語
での国際ニュースだけに分かりづらい点ありますが、日本語のサイトを使って
知識と情報を補うことで、背景が理解できるようになります。
また、渡米に合わせて日経新聞電子版を購読しています。日本との時差がある
ので、アメリカでは午後に朝刊を読むことができます。ちょうど研究所にいる
時ですので、毎日、オフィスで紙面に目を通します。日本では、なかなか読む
時間がなかった日経新聞ですが、ここでじっくり読めるようになりました。
さらに、リアルタイムの情報は、Yahoo!Japanで全体の動向を把握した後に、
個別の情報へアクセスします。また、CNETJapanではIT業界の最新動向を知る
ことができます。地元ニュースは中日新聞のサイトで「名古屋の乱」などを
チェックします。Twitterから名古屋周辺の天気なども知ることができます。
日本にいると知らず知らずテレビの解説やコメンテーターの意見が耳に入って
きます。また、電車の吊り下げ広告などにある扇動的な見出しが目に飛び込ん
できます。このように日本では情報が溢れているので、自分の力で情報を取捨
選択する必要があります。表面的な内容なのか、問題の核心に迫っているのか
を判断しなくてはなりません。
311から、情報収集の手段と内容が一変しました。東北関東大震災は、発生の
直後から米国でも連日トップニュース扱いでした。地震・津波・放射能の関連
情報は大きく取り上げられていました。そして、地元のケーブルテレビ会社は
TVJapanを無料視聴できるようにして、このチャンネルではNHK総合が24時間、
流されています。
併せて、ネットで震災情報をチェックするとNHK・TBS・フジテレビがサイマル
配信をU-STREAMとニコニコ動画で行っていました。日本のテレビ局がネット上
にリアルタイムで映像を流すのは異例中の異例です。これまで技術的には可能
であったにもかかわらず、権利関係によって全く進展がなく、実現は不可能と
思われていたサービスです。こんな時に体験することができました。
NHKだけでも情報ソースやバリエーションがかなりあって、さまざま切り口で
情報を届けられる体制に、あたらめてその組織の大きさに驚きました。日本は
民放や新聞・週刊誌によって多くの情報が溢れかえっているように推察します。
今回は、情報源がNHKとネットだけなので、情報が錯綜しない分だけ、自分の
頭を整理しやすい環境であるかと思います。NHKが大本営発表かも?と疑念を
抱くこともないわけではありません。
さて、今回の大災害におけるネット活用の効果は改めて検証されると思います。
緊急時の電話回線の絞り込みによって、一般電話は繋がりにくい状況が続いた
ようですが、Skypeは十分機能したようです。また、Googleが行った安否確認
システムであるパーソンファインダー、Youtubeでのメッセージビデオはじめ
ネットの特性をうまく活かしたサービスが展開されました。
さらに、Twitterやfacebookでの情報伝達を観察していると、混沌とした状況
でも秩序正しい方向へ進んで行ったように見受けられました。例えば、正確な
情報が掴めない状況下では、チェーンメールの類が横行しますが、SNSの情報
交換では、冷静に判断できるユーザ達が誤った情報の増幅を抑えていた場面も
散見されました。ハッシュタグや拡散希望の使い方も徐々にまとまっていった
ように感じます。
現在、被災者の方々への応援メッセージがネットで始まっています。とりわけ
Kizuna311のような取り組みによって、さらに多くの支援の輪が広がることを
期待しています。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:
東日本を直撃した未曾有の大震災の情報は、アメリカでは朝早くからトップ
ニュースで扱われていました。アパートメントでネットから情報を入手して
いると、UCFのスタッフから電話をもらい、家族の安否を気遣っていただき
ました。UCFには地震を東京で体験し、映像に収めたスタッフもいたそうで、
その揺れの凄まじさをfacebookにアップしたとのことです。
予期できない災害などによって、授業が進められないケースが出てきました。
このような場合、定められている授業時間数の確保が難しくなります。補講
期間を使っても対応できない場合には、授業期間そのものが後ろにずれ込む
ことさえあります。昨今では、長期休暇を利用して留学やインターンシップ
などの行事があるために、かつてほど柔軟に対応できません。
一昨年もH1N1の影響で、行政の指導に基づき大学が休校措置を取ったことが
あります。このような事態にただ鎮静化を待つだけでなく、学習できる環境
にある学生だけでもその時間を無駄にしないような取り組みが必要であると
思います。すでにネット上に多くの教材があるので、これらを非常事態での
自習用コンテンツと組織として取り組むべきと提案したことがあります。
(ほとんど無視された状態でしたが・・・)
東京のW大学は卒業式・入学式の中止に加えて、授業の開始を5月の連休明け
とするそうです。不足する授業時間はオンラインの利用を視野に入れている
ようです。実際に、UCFでは大学での着席時間(シーティング・タイム)を
減らすブレンデッド・ラーニングが、かなり進んでいます。
UCFのようなインストラクショナル・デザインの専門家や支援組織が十分で
なくても、日本でできることもあります。例えば、初回の授業に行われる
ガイダンスはビデオ収録・配信し、受講生はこれを視聴、質問はBBSを利用
することで、完全代替が可能です。また、事前にシラバスはネットで閲覧
できている大学も多いわけですから、どの大学でもある程度の実施は可能
であると思います。ただし、シラバスやプロトコルなどの書き方には改善
が求められますが・・・。いずれにせよ、新しいツールや試みを続けて、
その費用対効果をきちんと見極めることが必要でしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
2010年度の最後は、日本に大きな試練を与えました。新年度は、これらの
課題を皆で克服し、新しく再建が求められます。激甚災害を被った地域や
人々の支援・復興策に加えて、今夏のエネルギー不足をどう乗り切るかと
いう難題が日本国民に待ち構えています。
限られた時間の中で、必要な時と場所にヒト・モノ・カネを効率的に回す
ことが求められます。経済学を学ぶ者は、これらの動きを注視する必要が
あります。今こそマーシャルが言う経済学の視点(Cool head,warm heart)
をもって、熟慮と行動をする好機かもしれません。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第73号
□───────────────────――2011.03.30─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.073
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
1995年1月17日の阪神大震災はゼミがスタートする直前に起こりました。今回の
東北関東大震災は、ゼミが休止中の出来事となりました。日本の歴史に刻まれる
大災害ですが、これまで日本人が幾多の苦難や試練を乗り越えたように、必ずや
復活できるものと強く信じています。復興の道は簡単ではありませんが、これを
達成することは、地球規模の問題でさえ力を合わせれば解決できるという自信を
世界の人々に示すことにもつながると思います。
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■アメリカ短信 > 情報流通と収集の段
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☆関連サイト:http://kizuna311.com/
いつもTVでは、News13でオーランドの地元の話題を、CNBCでアメリカの経済に
関する情報を入手しています。さらにNHK国際放送の30分ニュースで、日本が
世界に発信する話題と日本関連の最新ニュースを観ることにしています。英語
での国際ニュースだけに分かりづらい点ありますが、日本語のサイトを使って
知識と情報を補うことで、背景が理解できるようになります。
また、渡米に合わせて日経新聞電子版を購読しています。日本との時差がある
ので、アメリカでは午後に朝刊を読むことができます。ちょうど研究所にいる
時ですので、毎日、オフィスで紙面に目を通します。日本では、なかなか読む
時間がなかった日経新聞ですが、ここでじっくり読めるようになりました。
さらに、リアルタイムの情報は、Yahoo!Japanで全体の動向を把握した後に、
個別の情報へアクセスします。また、CNETJapanではIT業界の最新動向を知る
ことができます。地元ニュースは中日新聞のサイトで「名古屋の乱」などを
チェックします。Twitterから名古屋周辺の天気なども知ることができます。
日本にいると知らず知らずテレビの解説やコメンテーターの意見が耳に入って
きます。また、電車の吊り下げ広告などにある扇動的な見出しが目に飛び込ん
できます。このように日本では情報が溢れているので、自分の力で情報を取捨
選択する必要があります。表面的な内容なのか、問題の核心に迫っているのか
を判断しなくてはなりません。
311から、情報収集の手段と内容が一変しました。東北関東大震災は、発生の
直後から米国でも連日トップニュース扱いでした。地震・津波・放射能の関連
情報は大きく取り上げられていました。そして、地元のケーブルテレビ会社は
TVJapanを無料視聴できるようにして、このチャンネルではNHK総合が24時間、
流されています。
併せて、ネットで震災情報をチェックするとNHK・TBS・フジテレビがサイマル
配信をU-STREAMとニコニコ動画で行っていました。日本のテレビ局がネット上
にリアルタイムで映像を流すのは異例中の異例です。これまで技術的には可能
であったにもかかわらず、権利関係によって全く進展がなく、実現は不可能と
思われていたサービスです。こんな時に体験することができました。
NHKだけでも情報ソースやバリエーションがかなりあって、さまざま切り口で
情報を届けられる体制に、あたらめてその組織の大きさに驚きました。日本は
民放や新聞・週刊誌によって多くの情報が溢れかえっているように推察します。
今回は、情報源がNHKとネットだけなので、情報が錯綜しない分だけ、自分の
頭を整理しやすい環境であるかと思います。NHKが大本営発表かも?と疑念を
抱くこともないわけではありません。
さて、今回の大災害におけるネット活用の効果は改めて検証されると思います。
緊急時の電話回線の絞り込みによって、一般電話は繋がりにくい状況が続いた
ようですが、Skypeは十分機能したようです。また、Googleが行った安否確認
システムであるパーソンファインダー、Youtubeでのメッセージビデオはじめ
ネットの特性をうまく活かしたサービスが展開されました。
さらに、Twitterやfacebookでの情報伝達を観察していると、混沌とした状況
でも秩序正しい方向へ進んで行ったように見受けられました。例えば、正確な
情報が掴めない状況下では、チェーンメールの類が横行しますが、SNSの情報
交換では、冷静に判断できるユーザ達が誤った情報の増幅を抑えていた場面も
散見されました。ハッシュタグや拡散希望の使い方も徐々にまとまっていった
ように感じます。
現在、被災者の方々への応援メッセージがネットで始まっています。とりわけ
Kizuna311のような取り組みによって、さらに多くの支援の輪が広がることを
期待しています。
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■UCFから
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☆関連サイト:
東日本を直撃した未曾有の大震災の情報は、アメリカでは朝早くからトップ
ニュースで扱われていました。アパートメントでネットから情報を入手して
いると、UCFのスタッフから電話をもらい、家族の安否を気遣っていただき
ました。UCFには地震を東京で体験し、映像に収めたスタッフもいたそうで、
その揺れの凄まじさをfacebookにアップしたとのことです。
予期できない災害などによって、授業が進められないケースが出てきました。
このような場合、定められている授業時間数の確保が難しくなります。補講
期間を使っても対応できない場合には、授業期間そのものが後ろにずれ込む
ことさえあります。昨今では、長期休暇を利用して留学やインターンシップ
などの行事があるために、かつてほど柔軟に対応できません。
一昨年もH1N1の影響で、行政の指導に基づき大学が休校措置を取ったことが
あります。このような事態にただ鎮静化を待つだけでなく、学習できる環境
にある学生だけでもその時間を無駄にしないような取り組みが必要であると
思います。すでにネット上に多くの教材があるので、これらを非常事態での
自習用コンテンツと組織として取り組むべきと提案したことがあります。
(ほとんど無視された状態でしたが・・・)
東京のW大学は卒業式・入学式の中止に加えて、授業の開始を5月の連休明け
とするそうです。不足する授業時間はオンラインの利用を視野に入れている
ようです。実際に、UCFでは大学での着席時間(シーティング・タイム)を
減らすブレンデッド・ラーニングが、かなり進んでいます。
UCFのようなインストラクショナル・デザインの専門家や支援組織が十分で
なくても、日本でできることもあります。例えば、初回の授業に行われる
ガイダンスはビデオ収録・配信し、受講生はこれを視聴、質問はBBSを利用
することで、完全代替が可能です。また、事前にシラバスはネットで閲覧
できている大学も多いわけですから、どの大学でもある程度の実施は可能
であると思います。ただし、シラバスやプロトコルなどの書き方には改善
が求められますが・・・。いずれにせよ、新しいツールや試みを続けて、
その費用対効果をきちんと見極めることが必要でしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
2010年度の最後は、日本に大きな試練を与えました。新年度は、これらの
課題を皆で克服し、新しく再建が求められます。激甚災害を被った地域や
人々の支援・復興策に加えて、今夏のエネルギー不足をどう乗り切るかと
いう難題が日本国民に待ち構えています。
限られた時間の中で、必要な時と場所にヒト・モノ・カネを効率的に回す
ことが求められます。経済学を学ぶ者は、これらの動きを注視する必要が
あります。今こそマーシャルが言う経済学の視点(Cool head,warm heart)
をもって、熟慮と行動をする好機かもしれません。
2011年3月15日火曜日
第72号(2011.03.15)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第72号
□───────────────────――2011.03.15─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.072
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
日本では卒業式の頃だと思います。毎年、手塩にかけた学生を送り出す行事は
大学にとって向かい入れるのと同じく重要な節目です。NGUでは3月16日に学位
授与式が行われるようです。
今年の卒業生には、残念ながら直接、声はかけられないものの、いつも話して
いるような内容を掲載して、餞の言葉にさせてもらいます。
「これからは学生でなく、同じ社会人。どれだけ頑張っているかをお互い勝負
しよう。君たちの頑張っている話はどこからともなく聞こえてくるので、それ
は喜びであり、大きな刺激です。出藍の誉れというほど高いレベルでないので、
追い抜いて行ってもらいたい。でも再び抜き返すから。」
コジマガのバックナンバーを見ると2月から3月にかけての記事には、必ず卒業
に関する話題が出てきます。一度、ご笑覧ください。
―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://bit.ly/eI9Cfz
『競争の作法 いかに働き、投資するか』,斎藤誠,ちくま新書,2010年
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
コジマガ第57号(http://bit.ly/kojimag057)以来、久しぶりに本の紹介です。
昨年話題になった本をアメリカで読了しました。現在、取り組んでいる日本の
仕事の関連本として、大いに参考になりました。経済学部の3年生以上ならば、
この本を理解するのに必要な周辺知識は、身につけていてもらいたいものです。
(一般向けの本ですが、正直なところどうなのでしょう?「難しい」か「適当」
かは気になるところです。)
文面にハッキリと書かれていませんが「構造改革が評価されて外国資本を呼び
こみ、日本の株価を上げた」という考え方を真っ向から否定しています。それ
には「2つの円安」を使って、当時の長期にわたる景気回復を経済学的に説明
しています。一方で、格差社会が進んだ原因をすべて市場のせいだとする風潮
にも、一石を投じています。ここでは、一部の人達を犠牲にして、多くの人達
(既得権)を守ったことを示しながら、たった年1%の賃金切り下げを全員が
容認すれば、何とかしのげたはずとコメントしています。
少し深読みしすぎかもしれませんが、労働市場も硬直的でなく、適度に競争的
状況であったならば、このような事態に陥らなかったというようにも読むこと
ができます。いずれの指摘にも基本的なマクロ経済データを用いた解説であり、
マスコミに扇動された経済論壇をすっきりさせてくれる内容でした。
また本書で、競争が進展する時代を生きるための個人の姿勢が示されています。
もはや競争から逃れることはできなくなっているので、一人ひとりがどう競争
と向かい合ってゆくべきかというものです。この書で指摘されている、地主や
株主の態度、生産性を2割上昇させる考え方は個人的に首肯できます。自分が
持っている生産要素(能力や資産など)は十分に活用できているか、それらに
無駄が生じてはいないだろうか?筆者の問いかけに、ふと自分を見つめる機会
になりました。
この本を読みながらひとつ疑問点が浮かびました。それは逼迫した財政状況に
あって、一国民としてどのような態度であるべきかということです。もちろん
本書のテーマからは離れているので、この点には言及されていません。大きな
テーマだけに別の紙面が必要でしょう。なぜ、この点が気になったのかは日本
の経済成長を持続・発展させていかなければ、この国の莫大の借金はとうてい
返済不可能だからです。
プライマリーバランスを目指すにも、財源は不十分であり、社会保障費は上昇
するばかりです。さらにデフレやマイナス成長では、借金を返済できる目処も
立ちません。財政赤字を改善するには、持続的な経済成長による税収アップと
インフレ的な状況が望まれます。この本では、税に関して地方税の固定資産税
には言及されていましたが・・・。
最後に、タイトルにもある「作法」というのは個人の矜持なのかもしれません。
もっと経済をしっかり見つめる能力を養い、日頃から自分の頭で考える習慣が
重要なのでしょう。競争社会にあっては自分の考えと行動が自然に一致できる
(評論家のように言いっぱなしにしない・責任転嫁をしない)ような最低限の
作法が求められるのでしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから
―――――――――――――――――――――――――――――――
UCFの学生とはあまり喋る機会がなかったので、同じ授業を受講している学生
をランチに誘ってみました。いつも隣に座っている2人とともに3限目クラス
終了後にStudent Unionでランチです。
こちらの誘いであり、かつ子供みたいな年齢ですから、当然のごとくご馳走
をしました。しかし、いたく恐縮している姿勢が新鮮です。聞けば、彼らは
ともに19歳で1年生だそうです。
彼らはこの半期に4科目しか履修していません。日本の学生は半期10科目以上
を履修していることに驚かれました。こちらの学生は宿題や課題が多いので、
それほど多くの授業をとりません。1科目が3単位ということもありますし、
また、夏には別の学期もあるので、それでOKなのでしょう。
ブレンド型の授業(週3回の内、1回はオンラインで代替)は、教室まで来る
必要がないので、便利だそうです。とはいえネットでの課題も結構あるので
楽ができるわけではありません。(それだけ、勉強するのが当たり前なので
しょう。)週末は宿題をしたり、友だちと遊んだりしているそうで、あまり
日本の学生と変わりません。
また、facebookは2・3年前のハイスクールの頃から始めていることのことで、
友達リクエストをすることになりました。皆、当たり前に情報交換している
話に、言葉で聞いていたネットジェネレーションを見た思いです。
このように授業や学生生活について、実際に学生の生の声を聞く機会を得て
とてもラッキーです。しかし、ガチンコの英会話ランチは、大変勉強になり
ますが、冷や汗をかく量も半端ではありません。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://bit.ly/
UCFのIDLではURLの短縮サービスとしてTinyURLを使っています。当初、なぜ
このサービスを使うのかは理解できませんでしたが、ブログの各記事に付く
長いURLには効果的であることが分かりました。(お恥ずかしい話、それだけ
ブログを上手に使っていなかったという証左です)また、Twitterなどの文字
制限がある場合や直接URLを入力させる場合には有効に機能します。さらに
これらのサービスを使えば、アクセス数の分析ができます。
現在では、TwitterはTinyURLに代わってbit.lyを使っています。そこで今回
からコジマガでも試してみることにしました。上手くできていない場合には
笑い飛ばしてください。さて、成果はいかに?
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第72号
□───────────────────――2011.03.15─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.072
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
日本では卒業式の頃だと思います。毎年、手塩にかけた学生を送り出す行事は
大学にとって向かい入れるのと同じく重要な節目です。NGUでは3月16日に学位
授与式が行われるようです。
今年の卒業生には、残念ながら直接、声はかけられないものの、いつも話して
いるような内容を掲載して、餞の言葉にさせてもらいます。
「これからは学生でなく、同じ社会人。どれだけ頑張っているかをお互い勝負
しよう。君たちの頑張っている話はどこからともなく聞こえてくるので、それ
は喜びであり、大きな刺激です。出藍の誉れというほど高いレベルでないので、
追い抜いて行ってもらいたい。でも再び抜き返すから。」
コジマガのバックナンバーを見ると2月から3月にかけての記事には、必ず卒業
に関する話題が出てきます。一度、ご笑覧ください。
―――――――――――――――――――――――≪ books ≫――
■ 本の紹介
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☆関連サイト:http://bit.ly/eI9Cfz
『競争の作法 いかに働き、投資するか』,斎藤誠,ちくま新書,2010年
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
コジマガ第57号(http://bit.ly/kojimag057)以来、久しぶりに本の紹介です。
昨年話題になった本をアメリカで読了しました。現在、取り組んでいる日本の
仕事の関連本として、大いに参考になりました。経済学部の3年生以上ならば、
この本を理解するのに必要な周辺知識は、身につけていてもらいたいものです。
(一般向けの本ですが、正直なところどうなのでしょう?「難しい」か「適当」
かは気になるところです。)
文面にハッキリと書かれていませんが「構造改革が評価されて外国資本を呼び
こみ、日本の株価を上げた」という考え方を真っ向から否定しています。それ
には「2つの円安」を使って、当時の長期にわたる景気回復を経済学的に説明
しています。一方で、格差社会が進んだ原因をすべて市場のせいだとする風潮
にも、一石を投じています。ここでは、一部の人達を犠牲にして、多くの人達
(既得権)を守ったことを示しながら、たった年1%の賃金切り下げを全員が
容認すれば、何とかしのげたはずとコメントしています。
少し深読みしすぎかもしれませんが、労働市場も硬直的でなく、適度に競争的
状況であったならば、このような事態に陥らなかったというようにも読むこと
ができます。いずれの指摘にも基本的なマクロ経済データを用いた解説であり、
マスコミに扇動された経済論壇をすっきりさせてくれる内容でした。
また本書で、競争が進展する時代を生きるための個人の姿勢が示されています。
もはや競争から逃れることはできなくなっているので、一人ひとりがどう競争
と向かい合ってゆくべきかというものです。この書で指摘されている、地主や
株主の態度、生産性を2割上昇させる考え方は個人的に首肯できます。自分が
持っている生産要素(能力や資産など)は十分に活用できているか、それらに
無駄が生じてはいないだろうか?筆者の問いかけに、ふと自分を見つめる機会
になりました。
この本を読みながらひとつ疑問点が浮かびました。それは逼迫した財政状況に
あって、一国民としてどのような態度であるべきかということです。もちろん
本書のテーマからは離れているので、この点には言及されていません。大きな
テーマだけに別の紙面が必要でしょう。なぜ、この点が気になったのかは日本
の経済成長を持続・発展させていかなければ、この国の莫大の借金はとうてい
返済不可能だからです。
プライマリーバランスを目指すにも、財源は不十分であり、社会保障費は上昇
するばかりです。さらにデフレやマイナス成長では、借金を返済できる目処も
立ちません。財政赤字を改善するには、持続的な経済成長による税収アップと
インフレ的な状況が望まれます。この本では、税に関して地方税の固定資産税
には言及されていましたが・・・。
最後に、タイトルにもある「作法」というのは個人の矜持なのかもしれません。
もっと経済をしっかり見つめる能力を養い、日頃から自分の頭で考える習慣が
重要なのでしょう。競争社会にあっては自分の考えと行動が自然に一致できる
(評論家のように言いっぱなしにしない・責任転嫁をしない)ような最低限の
作法が求められるのでしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから
―――――――――――――――――――――――――――――――
UCFの学生とはあまり喋る機会がなかったので、同じ授業を受講している学生
をランチに誘ってみました。いつも隣に座っている2人とともに3限目クラス
終了後にStudent Unionでランチです。
こちらの誘いであり、かつ子供みたいな年齢ですから、当然のごとくご馳走
をしました。しかし、いたく恐縮している姿勢が新鮮です。聞けば、彼らは
ともに19歳で1年生だそうです。
彼らはこの半期に4科目しか履修していません。日本の学生は半期10科目以上
を履修していることに驚かれました。こちらの学生は宿題や課題が多いので、
それほど多くの授業をとりません。1科目が3単位ということもありますし、
また、夏には別の学期もあるので、それでOKなのでしょう。
ブレンド型の授業(週3回の内、1回はオンラインで代替)は、教室まで来る
必要がないので、便利だそうです。とはいえネットでの課題も結構あるので
楽ができるわけではありません。(それだけ、勉強するのが当たり前なので
しょう。)週末は宿題をしたり、友だちと遊んだりしているそうで、あまり
日本の学生と変わりません。
また、facebookは2・3年前のハイスクールの頃から始めていることのことで、
友達リクエストをすることになりました。皆、当たり前に情報交換している
話に、言葉で聞いていたネットジェネレーションを見た思いです。
このように授業や学生生活について、実際に学生の生の声を聞く機会を得て
とてもラッキーです。しかし、ガチンコの英会話ランチは、大変勉強になり
ますが、冷や汗をかく量も半端ではありません。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://bit.ly/
UCFのIDLではURLの短縮サービスとしてTinyURLを使っています。当初、なぜ
このサービスを使うのかは理解できませんでしたが、ブログの各記事に付く
長いURLには効果的であることが分かりました。(お恥ずかしい話、それだけ
ブログを上手に使っていなかったという証左です)また、Twitterなどの文字
制限がある場合や直接URLを入力させる場合には有効に機能します。さらに
これらのサービスを使えば、アクセス数の分析ができます。
現在では、TwitterはTinyURLに代わってbit.lyを使っています。そこで今回
からコジマガでも試してみることにしました。上手くできていない場合には
笑い飛ばしてください。さて、成果はいかに?
2011年3月3日木曜日
第71号(2011.03.03)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第71号
□───────────────────――2011.03.03─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.071
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
米国ではメジャーリーグの春のキャンプが始まっています。MLBのほとんどの
球団がフロリダとアリゾナで実施し、フロリダには東部を中心として15球団が
来ています。
人気球団のヤンキースはタンパ、レッドソックスはフォートマイヤーズという
フロリダ半島の西側でキャンプを行っています。オーランドではアトランタ・
ブレーブスがキャンプをしていますので、ディズニーワールドまで見学に行き
ました。スタジアムの周りに練習グランドがいくつもあり、ここで多くの選手
が練習をしています。残念ながら川上憲伸は昨年度の不調がたたって、合流に
時間がかかっているようです。機会があれば、レッドソックスとのオープン戦
を観戦したいものです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > スペースシャトルの段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.kennedyspacecenter.com/
ケネディ宇宙センターは、アパートメントから車で約40分ほど西に走ると到着
します。アメリカ南部に位置する理由は、理科で学習したように地球の自転を
利用して打ち上げを行うからです。また、大西洋に面しているのはブースター
の着水に便利だからです(多分・・・)。
KSCにはビジターコンプレックスをはじめ、さまざま見学施設が揃っています。
組立工場やロケットを運搬するクローラーなど実際の作業現場を遠くから見る
ことができます。また、巨大なアポロロケットや宇宙服の数々。「月の石」は
間近でいくつも見ることができます。これは1970年の大阪万博でアメリカ館の
目玉展示だっただけに懐かしさを覚えます。
また、学習施設では、月面を歩いた人類は12人しかいないことや理科で習った
内容を思い出させてくれます。改めて小さい頃に読んだ科学の本を見てみたい
と思わせます。ここへ来るとディズニーランドのトゥモローランドに似ている
ことに気づきます。東京ディズニーランドにはどうしてアポロロケットがある
のか不思議でしたが、アメリカ国民にとってニューフロンティアの象徴であり、
明日への希望としての宇宙開発であったことで納得できます。
宇宙開発は旧ソ連との開発競争で国家威信をかけた計画であり、成功への思い
は相当なものだったことが推察できます。展示物や説明を見ていると、詳細は
わからなくともその熱い思いは伝わってきます。壮大な計画と投入した莫大な
予算は、基礎的科学研究のひとつになり、アメリカに多くの利益をもたらした
ことでしょう。宇宙開発研究から派生した技術や商品もたくさんあります。
その意味で1986年1月に起きたスペースシャトルのチャレンジャー爆発事故は
アメリカ国民にとって大きなショックだったと思います。また、この事故に
よって、その後のシャトル計画も大きな影響を受けました。
日本でのロケットの打ち上げは種子島宇宙センターなので、これを見る機会は
皆無に等しいと思います。オーランドではこれが間近で見られるのでラッキー
です。昨年の12月には、商業用小型ロケットが打ち上がるのをアパートメント
からでも目視できました。
当初、Final Missionとなるディスカバリーの打ち上げは11月3日の予定でした。
燃料タンクから液漏れが露見し、4度に渡って日程変更が続きました。12月の
打ち上げ予定も遅延し、さらなる延期でようやく今回にこぎつけました。安全
第一ですので、このような措置は当然ですが、装備の使い回しにより点検でも
見えないような不具合の箇所があるのでしょう。
さて、2月24日(木)の午後4時55分が打ち上げ予定時刻です。ビーチラインの
高速528は、普段に比べてかなりの交通量です。KSC周辺まで通常ならば30分で
到着できるのが、1時間弱かかりました。見晴らしが良い場所では道のサイド
に車を停めて、かなりの人が見学の準備をしています。私たちは、発射場から
十数マイル南方に位置するバナナ・リバーにかかる橋のたもとから見学です。
そこでも多くの人が「その時」を待っています。
予定時刻になると北の方角から煙が見えます。その中心に爆発時の大きな炎が
上がります。シャトルが上昇するのが見えてきました。まるで機体は炎と煙に
押し上げられているようです。シャトルは上昇しながら、徐々に西の方へ進路
を取ります。機体は雲に隠れてしまいましたが、その時、ようやく発射の爆音
が届きます。Padから10マイル以上も離れているので、轟音ではありませんが、
唸るような音はこれまで聞いたことがありません。雲間から再び現れた機体は
さらに小さくなっています。やがてブースターが外されるとシャトルの姿を目
では確認できなくなりました。
ほんの数分の光景でしたが、何とも感動的です。これまでKSCで何度も映像を
見ていますが、実際の打ち上げは何とも言えません。あいにく緩やかな南風が
吹いていたので、音が伝わりにくいこともありましたが、待ちくたびれるほど
の時間でもなく、本当にラッキーな見学になりました。打ち上げ後には一斉に
車が移動しますので、暫し時間つぶしをしました。しかし、夜11時になっても
道が混んでいたのには驚きです。
今年でシャトル計画は中止です。4月と6月に予定される2回の打ち上げを残す
のみになりました。KSCではレイオフが話題となり、地元のニュースでも取り
上げられています。一大産業ですから多くの人達がKSCに雇用されています。
フロリダも大きな転換点を迎えることになります。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:
半年先ですが、すでに帰国後の仕事の予定が入り始めました。残りはあと半分
しかしないないと考えるのか、それともまだ半分もあると考えるのか?惰性で
過ごすならば後者の考え方ですが、好奇心を高めるならば前者です。やはり、
あれもしておけばよかったと後悔することだけは、No Thank Youです。
この半年で間、日常生活を送るだけの基盤はできました。お店での用事はある
程度ならばできます。というのも、向こうは仕事なので相手が一生懸命聞いて
くれるのと、こちらも決まった表現でOKというのが大きな理由です。しかし、
相手の言うことがほとんど理解できるようになれば、どれだけ楽なことか・・・
これまでやってきた分だけ自分が伸びると考えれば、先が楽しみです。80年代
の曲ですが、アメリカではJourneyのDon't stop believin'がよく流れます。
この曲のごとく、とりあえず自分の可能性を信じてやってみましょう。結果は
後からついくるものです。
この研修を振り返れば、2008年5月19日に大学に申請しています。その時には、
現在の状況を全く予想できませんでした。勇気を持って一歩を踏み出すこと、
そして強く願うことで、自分の道が開けることがあります。今はここから何を
つかむかが重要です。幸いUCFからこれまで多くのケアをもらい大変感謝です。
大学のeメールアドレスまで頂き、Novell GroupWiseを体験しています。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
アメリカに来て、コジマガ発行がこれで11回目となりました。残すところあと
半年ですので、このままのペースならば第80号まではお届けできると思います。
きっと日本に戻ると発行ペースは元に戻ってしまうので、100号まで達成する
には相当の時間が経過するかも知れません。
一方、研修ブログも書き始めてから183日目となり、継続によってかなりの分量
(文字数12万字以上、写真150枚以上)になりました。これだけ書いておけば、
後日の振り返りにも使えることでしょう。ブログにリンク設定していませんが、
すでにアクセス(自分を除く)が1100を超えており、日頃より読んで下さって
いる方に感謝です。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第71号
□───────────────────――2011.03.03─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.071
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
米国ではメジャーリーグの春のキャンプが始まっています。MLBのほとんどの
球団がフロリダとアリゾナで実施し、フロリダには東部を中心として15球団が
来ています。
人気球団のヤンキースはタンパ、レッドソックスはフォートマイヤーズという
フロリダ半島の西側でキャンプを行っています。オーランドではアトランタ・
ブレーブスがキャンプをしていますので、ディズニーワールドまで見学に行き
ました。スタジアムの周りに練習グランドがいくつもあり、ここで多くの選手
が練習をしています。残念ながら川上憲伸は昨年度の不調がたたって、合流に
時間がかかっているようです。機会があれば、レッドソックスとのオープン戦
を観戦したいものです。
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■アメリカ短信 > スペースシャトルの段
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☆関連サイト:http://www.kennedyspacecenter.com/
ケネディ宇宙センターは、アパートメントから車で約40分ほど西に走ると到着
します。アメリカ南部に位置する理由は、理科で学習したように地球の自転を
利用して打ち上げを行うからです。また、大西洋に面しているのはブースター
の着水に便利だからです(多分・・・)。
KSCにはビジターコンプレックスをはじめ、さまざま見学施設が揃っています。
組立工場やロケットを運搬するクローラーなど実際の作業現場を遠くから見る
ことができます。また、巨大なアポロロケットや宇宙服の数々。「月の石」は
間近でいくつも見ることができます。これは1970年の大阪万博でアメリカ館の
目玉展示だっただけに懐かしさを覚えます。
また、学習施設では、月面を歩いた人類は12人しかいないことや理科で習った
内容を思い出させてくれます。改めて小さい頃に読んだ科学の本を見てみたい
と思わせます。ここへ来るとディズニーランドのトゥモローランドに似ている
ことに気づきます。東京ディズニーランドにはどうしてアポロロケットがある
のか不思議でしたが、アメリカ国民にとってニューフロンティアの象徴であり、
明日への希望としての宇宙開発であったことで納得できます。
宇宙開発は旧ソ連との開発競争で国家威信をかけた計画であり、成功への思い
は相当なものだったことが推察できます。展示物や説明を見ていると、詳細は
わからなくともその熱い思いは伝わってきます。壮大な計画と投入した莫大な
予算は、基礎的科学研究のひとつになり、アメリカに多くの利益をもたらした
ことでしょう。宇宙開発研究から派生した技術や商品もたくさんあります。
その意味で1986年1月に起きたスペースシャトルのチャレンジャー爆発事故は
アメリカ国民にとって大きなショックだったと思います。また、この事故に
よって、その後のシャトル計画も大きな影響を受けました。
日本でのロケットの打ち上げは種子島宇宙センターなので、これを見る機会は
皆無に等しいと思います。オーランドではこれが間近で見られるのでラッキー
です。昨年の12月には、商業用小型ロケットが打ち上がるのをアパートメント
からでも目視できました。
当初、Final Missionとなるディスカバリーの打ち上げは11月3日の予定でした。
燃料タンクから液漏れが露見し、4度に渡って日程変更が続きました。12月の
打ち上げ予定も遅延し、さらなる延期でようやく今回にこぎつけました。安全
第一ですので、このような措置は当然ですが、装備の使い回しにより点検でも
見えないような不具合の箇所があるのでしょう。
さて、2月24日(木)の午後4時55分が打ち上げ予定時刻です。ビーチラインの
高速528は、普段に比べてかなりの交通量です。KSC周辺まで通常ならば30分で
到着できるのが、1時間弱かかりました。見晴らしが良い場所では道のサイド
に車を停めて、かなりの人が見学の準備をしています。私たちは、発射場から
十数マイル南方に位置するバナナ・リバーにかかる橋のたもとから見学です。
そこでも多くの人が「その時」を待っています。
予定時刻になると北の方角から煙が見えます。その中心に爆発時の大きな炎が
上がります。シャトルが上昇するのが見えてきました。まるで機体は炎と煙に
押し上げられているようです。シャトルは上昇しながら、徐々に西の方へ進路
を取ります。機体は雲に隠れてしまいましたが、その時、ようやく発射の爆音
が届きます。Padから10マイル以上も離れているので、轟音ではありませんが、
唸るような音はこれまで聞いたことがありません。雲間から再び現れた機体は
さらに小さくなっています。やがてブースターが外されるとシャトルの姿を目
では確認できなくなりました。
ほんの数分の光景でしたが、何とも感動的です。これまでKSCで何度も映像を
見ていますが、実際の打ち上げは何とも言えません。あいにく緩やかな南風が
吹いていたので、音が伝わりにくいこともありましたが、待ちくたびれるほど
の時間でもなく、本当にラッキーな見学になりました。打ち上げ後には一斉に
車が移動しますので、暫し時間つぶしをしました。しかし、夜11時になっても
道が混んでいたのには驚きです。
今年でシャトル計画は中止です。4月と6月に予定される2回の打ち上げを残す
のみになりました。KSCではレイオフが話題となり、地元のニュースでも取り
上げられています。一大産業ですから多くの人達がKSCに雇用されています。
フロリダも大きな転換点を迎えることになります。
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■UCFから
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☆関連サイト:
半年先ですが、すでに帰国後の仕事の予定が入り始めました。残りはあと半分
しかしないないと考えるのか、それともまだ半分もあると考えるのか?惰性で
過ごすならば後者の考え方ですが、好奇心を高めるならば前者です。やはり、
あれもしておけばよかったと後悔することだけは、No Thank Youです。
この半年で間、日常生活を送るだけの基盤はできました。お店での用事はある
程度ならばできます。というのも、向こうは仕事なので相手が一生懸命聞いて
くれるのと、こちらも決まった表現でOKというのが大きな理由です。しかし、
相手の言うことがほとんど理解できるようになれば、どれだけ楽なことか・・・
これまでやってきた分だけ自分が伸びると考えれば、先が楽しみです。80年代
の曲ですが、アメリカではJourneyのDon't stop believin'がよく流れます。
この曲のごとく、とりあえず自分の可能性を信じてやってみましょう。結果は
後からついくるものです。
この研修を振り返れば、2008年5月19日に大学に申請しています。その時には、
現在の状況を全く予想できませんでした。勇気を持って一歩を踏み出すこと、
そして強く願うことで、自分の道が開けることがあります。今はここから何を
つかむかが重要です。幸いUCFからこれまで多くのケアをもらい大変感謝です。
大学のeメールアドレスまで頂き、Novell GroupWiseを体験しています。
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■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
アメリカに来て、コジマガ発行がこれで11回目となりました。残すところあと
半年ですので、このままのペースならば第80号まではお届けできると思います。
きっと日本に戻ると発行ペースは元に戻ってしまうので、100号まで達成する
には相当の時間が経過するかも知れません。
一方、研修ブログも書き始めてから183日目となり、継続によってかなりの分量
(文字数12万字以上、写真150枚以上)になりました。これだけ書いておけば、
後日の振り返りにも使えることでしょう。ブログにリンク設定していませんが、
すでにアクセス(自分を除く)が1100を超えており、日頃より読んで下さって
いる方に感謝です。
2011年2月13日日曜日
第70号(2011.02.13)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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■□□> コジマガ kojimag@ 第70号
□───────────────────――2011.02.13─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.070
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
2010年はiPhone4とAndroid携帯によって、スマートフォン元年になりました。
今年は各社からタブレットがぞくぞくと登場するのに加えて、春にはiPad2の
発表されるとの噂が世界中を駆け巡っています。2011年は、スマートフォンと
タブレット端末が入り乱れて、熾烈な競争を繰り広げながら新たな市場を開拓
してゆくものと期待されます。
また、これらの通信インフラにも大きな変化が見られます。日本でDocomoが
昨年末にLTEサービスを開始しました。アメリカでもVerizonがLTE用の携帯
新機種を市場にどんどん投入しています。無線による高速ブロードバンドは
LTEに加えて、無線LANからの発展形であるWiMAXとの競争によって、急速に
市場へ浸透するように思われます。
今年の通信関連市場の動向は見逃せません。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > アメリカ経済の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.cnbc.com/
アメリカにいると日本の情報はほとんど入ってきません。ネットなどで自分で
情報を取りに行かないと全く分からない状況になります。幸いアパートメント
も研究所もネットは完備ですし、さらにiPhoneからでもアクセスできますので、
まずまず快適な情報環境と言えるでしょう。
日本人がアメリカ生活を送ると為替の動きにかなり敏感になりますが、地元の
人は円ドルレートに全く関心はなさそうです。そもそも円と元・ウォンなどの
区別がつかない人がいても不思議でありません。また、例えばカシオが日本製
ということを知りませんし、韓国製品と日本のそれと明確には意識していない
と思います。多くの日本人が海外事情にそれほど関心を示さないのと同様です。
テレビではCNBCが株や経済の専門チャンネルなので、これを見ると経済や社会
の動きや話題になっていることが把握できます。また、株式の話題では、日本
であまり馴染みのない企業の名前も覚えることができます。さらにバーナンキ
FRB議長が実際にインタビューを受けていたり、自らコメントを出す姿を見る
こともできます。日本では新聞記事でコメントを読むことはあっても、映像で
見る機会は少ないだけに、貴重な経験です。
さて、2008年のリーマンショックでは甚大な損失を被ったアメリカでしたが、
株価は以前の水準ぐらいまでに戻しています。やはり日本の不良債権処理の
失敗から学び、迅速かつ大きな措置を施した成果でしょう。そんなアメリカ
ですが、オバマ政権発足時に掲げた公約の実施は、思惑通りに実現できない
ようです。国民皆保険制度の「オバマケア」は大きな政府の象徴としてみな
され、異論が噴出しています。これ以上の国の借金はすべきでないという声
が大きくなっています。昨秋の中間選挙で米国民主党が大負けをし、閣僚も
入れ替えしたのは、あまりにも日本とソックリです。
S&Pが日本国債の格を下げた報道に対して、CNBCは日本の逼迫した財政状況
を引き合いに、オバマ政権の経済政策へ危機感を煽っていました。すなわち、
大きな政府ではギリシアや日本のようになってしまうぞということを国民に
警鐘しているようです。このようにテレビの専門チャンネルではアメリカの
政治・経済だけでなく、世界の動きにも大きな関心を払っているように思え
ます。(アメリカの外交は国務長官の役割ですから、アメリカにとって世界
事情も国務の範囲なのでしょうか。)
一般教書演説以降、オバマ政権は政策転換を図っているようですが、現実に
合わせ柔軟に対応しているように見えます。しかし、基本となる成長戦略は
不変です。日本との違いは、いかに持続的に経済発展させるかという視点が
ぶれていないことでしょう、昨今、日本市場から外資がどんどん逃げてゆく
のは、グローバル化への対応の遅れや危機的な財政状況下での国債依存体質
から脱却できないところにあります。何より、揺るぎない成長路線が描けて
いないのが一番の問題でしょう。
日本経済の動きはアメリカの市場動向をチェックしていると理解が容易です。
昨年11月18日にGMが再上場しました。これに呼応した形で、一時的に円高に
歯止めがかかりました。すると日経平均が上昇します。また北朝鮮が韓国に
攻撃を加えました。すると有事にはドルが強くなるので、直ちに円安に振れ
ます。さらに、アメリカの主要な経済データが発表になると、アメリカ市場
が大きく反応して、日本はその影響を受けます。このようにアメリカ経済の
大きな影響を感じます。やはり日本経済だけを注視するのでなく、アメリカ
というフィルタを通して世界経済を眺める重要性を再確認しました。
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■UCFから
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☆関連サイト:http://www.gsis.kumamoto-u.ac.jp/opencourses/pf/2Block/05/05-2_text.html
授業が行われるメインキャンパスには研究所に車を停めてシャトルバスで移動
します。いつも研究所の敷地内に停車するルート9番のバスを使っていました。
最初の授業日には、8時30分の開始時間にあわせて時間に余裕を持って停車所
で待っていました。しかし、バスはなかなか来ません。待っている間にルート
5番のシャトルバスが何本も通ってゆくのが見えます。時間が経過するにつれ
だんだん焦ってきます。仕方なくルート5番の停車所へ急いで移動です。9番
のバスはあまりに不定時なので、次回以降は5番のバスを使うようにしました。
研究所の周辺はパーク&ライドになっていますので、第3週目からはルート5
のバス停近くのパーキングに車を停めることにしました。
毎回乗るバスには常連さんがいることも分かってきました。バスの中で学生は
音楽を聞いたり、宿題をしたり、本(nookも)を読んでいたりとさまざまです。
日本と違うところを一つ発見しました。居眠りをする、またはしようとしてる
人がいないということです。日本ならば、どんな短い時間でも寝ようとする人
はいます。また、終点が目的地のバスですから、寝ていても乗り過ごす心配は
ありません。でも、この車内ではまだ見かけたことはなく、日本の通勤・通学
風景とはちょっと違います。
さて、授業も第5週目を過ぎてくるといろいろなことが分かってきます。まず、
インストラクタである教員の指示にしたがって、学生が全員ネットから書類を
ダウンロードし、プリントアウトしてきます。授業のルールとして当然のこと
ですが、日本ならば「プリンタがない」「パソコンが壊れた」など、さまざま
な言い訳とともに提出できない学生もしばしば見られます。もちろんUCFでは
大学からノートPCを全学生に渡しているわけではありません。そうでなくとも
ICTの要求もきちん守れる環境に驚きです。授業での約束事(プロトコル)が
しっかり提示されていますが、それが守られているようです。
次に、学生の学習到達度と目標が明らかになっていることです。これを遂行上
で重要な書類がルーブリック(Rublic)です。学生はこれまでの成果(自分で
作ったレポート及びチェックされたメモなど)を紙のファイルにまとめますが、
ルーブリックが一緒に用意されています。ルーブリックとは授業での達成目標
(複数)に対して、どこまで進捗しているのかかを明らかにした表のことです。
学生はそれを見ながら、これらか自分の努力すべき点を確認してきます。
また、事前に読んでおくべき文も学生は読んできているので、face to faceの
授業も上手く展開できています。最近、サンデル教授の「ハーバード白熱教室」
が日本で話題となっているようで、大学が目指すべき理想の授業形態のように
扱われているように思えます。しかし、注意が必要なのは、このような授業の
前提には教員の努力・能力もさることながら、学生たちの事前の準備が求めら
れていることです。何の準備もなく聞いているだけの学生とアメリカのように
事前の課題をこなして臨む学生とでは、アプローチを変えなければなりません。
1回あたり50分の授業ですが、20名以下のクラスサイズということもあってか
無駄がなく中身は濃いように感じてます。さらに週3回なので学生にとっては
ハードな授業のように思います。最初に比べて学生が少しばかり減ったように
思いますが、授業についてこれなくなりドロップアウトしたのかも知れません。
3割以上の学生がドロップアウトしてゆくアメリカの大学だけに、この状況も
分からなくもありません。
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■編□集□後□記□
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先週、第45回スーパーボウルがテキサスで開催されました。やはりアメリカ
最高の舞台だけにいろいろなところで話題になっていました。当日は自宅の
アパートメントで観戦です。テレビで映し出されていた有名人にはブッシュ
前大統領とその側近たちもいました。
試合は、前半からリードを保ったパッカーズが優勝です。スティーラーズの
追い上げで3点差まで迫りましたが、やはり3回ものターンオーバーが勝利
の要因でしょう。試合だけでなく、ハーフタイムやTVコマーシャルが面白い
のも印象的です。ハーフタイムショーはコンサートさながらですし、また、
各社が競ってCMづくりをしているのがよく分かります。いつトイレに立って
よいかに悩みました。これでアメフトもシーズンオフです。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第70号
□───────────────────――2011.02.13─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.070
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
2010年はiPhone4とAndroid携帯によって、スマートフォン元年になりました。
今年は各社からタブレットがぞくぞくと登場するのに加えて、春にはiPad2の
発表されるとの噂が世界中を駆け巡っています。2011年は、スマートフォンと
タブレット端末が入り乱れて、熾烈な競争を繰り広げながら新たな市場を開拓
してゆくものと期待されます。
また、これらの通信インフラにも大きな変化が見られます。日本でDocomoが
昨年末にLTEサービスを開始しました。アメリカでもVerizonがLTE用の携帯
新機種を市場にどんどん投入しています。無線による高速ブロードバンドは
LTEに加えて、無線LANからの発展形であるWiMAXとの競争によって、急速に
市場へ浸透するように思われます。
今年の通信関連市場の動向は見逃せません。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > アメリカ経済の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:http://www.cnbc.com/
アメリカにいると日本の情報はほとんど入ってきません。ネットなどで自分で
情報を取りに行かないと全く分からない状況になります。幸いアパートメント
も研究所もネットは完備ですし、さらにiPhoneからでもアクセスできますので、
まずまず快適な情報環境と言えるでしょう。
日本人がアメリカ生活を送ると為替の動きにかなり敏感になりますが、地元の
人は円ドルレートに全く関心はなさそうです。そもそも円と元・ウォンなどの
区別がつかない人がいても不思議でありません。また、例えばカシオが日本製
ということを知りませんし、韓国製品と日本のそれと明確には意識していない
と思います。多くの日本人が海外事情にそれほど関心を示さないのと同様です。
テレビではCNBCが株や経済の専門チャンネルなので、これを見ると経済や社会
の動きや話題になっていることが把握できます。また、株式の話題では、日本
であまり馴染みのない企業の名前も覚えることができます。さらにバーナンキ
FRB議長が実際にインタビューを受けていたり、自らコメントを出す姿を見る
こともできます。日本では新聞記事でコメントを読むことはあっても、映像で
見る機会は少ないだけに、貴重な経験です。
さて、2008年のリーマンショックでは甚大な損失を被ったアメリカでしたが、
株価は以前の水準ぐらいまでに戻しています。やはり日本の不良債権処理の
失敗から学び、迅速かつ大きな措置を施した成果でしょう。そんなアメリカ
ですが、オバマ政権発足時に掲げた公約の実施は、思惑通りに実現できない
ようです。国民皆保険制度の「オバマケア」は大きな政府の象徴としてみな
され、異論が噴出しています。これ以上の国の借金はすべきでないという声
が大きくなっています。昨秋の中間選挙で米国民主党が大負けをし、閣僚も
入れ替えしたのは、あまりにも日本とソックリです。
S&Pが日本国債の格を下げた報道に対して、CNBCは日本の逼迫した財政状況
を引き合いに、オバマ政権の経済政策へ危機感を煽っていました。すなわち、
大きな政府ではギリシアや日本のようになってしまうぞということを国民に
警鐘しているようです。このようにテレビの専門チャンネルではアメリカの
政治・経済だけでなく、世界の動きにも大きな関心を払っているように思え
ます。(アメリカの外交は国務長官の役割ですから、アメリカにとって世界
事情も国務の範囲なのでしょうか。)
一般教書演説以降、オバマ政権は政策転換を図っているようですが、現実に
合わせ柔軟に対応しているように見えます。しかし、基本となる成長戦略は
不変です。日本との違いは、いかに持続的に経済発展させるかという視点が
ぶれていないことでしょう、昨今、日本市場から外資がどんどん逃げてゆく
のは、グローバル化への対応の遅れや危機的な財政状況下での国債依存体質
から脱却できないところにあります。何より、揺るぎない成長路線が描けて
いないのが一番の問題でしょう。
日本経済の動きはアメリカの市場動向をチェックしていると理解が容易です。
昨年11月18日にGMが再上場しました。これに呼応した形で、一時的に円高に
歯止めがかかりました。すると日経平均が上昇します。また北朝鮮が韓国に
攻撃を加えました。すると有事にはドルが強くなるので、直ちに円安に振れ
ます。さらに、アメリカの主要な経済データが発表になると、アメリカ市場
が大きく反応して、日本はその影響を受けます。このようにアメリカ経済の
大きな影響を感じます。やはり日本経済だけを注視するのでなく、アメリカ
というフィルタを通して世界経済を眺める重要性を再確認しました。
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■UCFから
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☆関連サイト:http://www.gsis.kumamoto-u.ac.jp/opencourses/pf/2Block/05/05-2_text.html
授業が行われるメインキャンパスには研究所に車を停めてシャトルバスで移動
します。いつも研究所の敷地内に停車するルート9番のバスを使っていました。
最初の授業日には、8時30分の開始時間にあわせて時間に余裕を持って停車所
で待っていました。しかし、バスはなかなか来ません。待っている間にルート
5番のシャトルバスが何本も通ってゆくのが見えます。時間が経過するにつれ
だんだん焦ってきます。仕方なくルート5番の停車所へ急いで移動です。9番
のバスはあまりに不定時なので、次回以降は5番のバスを使うようにしました。
研究所の周辺はパーク&ライドになっていますので、第3週目からはルート5
のバス停近くのパーキングに車を停めることにしました。
毎回乗るバスには常連さんがいることも分かってきました。バスの中で学生は
音楽を聞いたり、宿題をしたり、本(nookも)を読んでいたりとさまざまです。
日本と違うところを一つ発見しました。居眠りをする、またはしようとしてる
人がいないということです。日本ならば、どんな短い時間でも寝ようとする人
はいます。また、終点が目的地のバスですから、寝ていても乗り過ごす心配は
ありません。でも、この車内ではまだ見かけたことはなく、日本の通勤・通学
風景とはちょっと違います。
さて、授業も第5週目を過ぎてくるといろいろなことが分かってきます。まず、
インストラクタである教員の指示にしたがって、学生が全員ネットから書類を
ダウンロードし、プリントアウトしてきます。授業のルールとして当然のこと
ですが、日本ならば「プリンタがない」「パソコンが壊れた」など、さまざま
な言い訳とともに提出できない学生もしばしば見られます。もちろんUCFでは
大学からノートPCを全学生に渡しているわけではありません。そうでなくとも
ICTの要求もきちん守れる環境に驚きです。授業での約束事(プロトコル)が
しっかり提示されていますが、それが守られているようです。
次に、学生の学習到達度と目標が明らかになっていることです。これを遂行上
で重要な書類がルーブリック(Rublic)です。学生はこれまでの成果(自分で
作ったレポート及びチェックされたメモなど)を紙のファイルにまとめますが、
ルーブリックが一緒に用意されています。ルーブリックとは授業での達成目標
(複数)に対して、どこまで進捗しているのかかを明らかにした表のことです。
学生はそれを見ながら、これらか自分の努力すべき点を確認してきます。
また、事前に読んでおくべき文も学生は読んできているので、face to faceの
授業も上手く展開できています。最近、サンデル教授の「ハーバード白熱教室」
が日本で話題となっているようで、大学が目指すべき理想の授業形態のように
扱われているように思えます。しかし、注意が必要なのは、このような授業の
前提には教員の努力・能力もさることながら、学生たちの事前の準備が求めら
れていることです。何の準備もなく聞いているだけの学生とアメリカのように
事前の課題をこなして臨む学生とでは、アプローチを変えなければなりません。
1回あたり50分の授業ですが、20名以下のクラスサイズということもあってか
無駄がなく中身は濃いように感じてます。さらに週3回なので学生にとっては
ハードな授業のように思います。最初に比べて学生が少しばかり減ったように
思いますが、授業についてこれなくなりドロップアウトしたのかも知れません。
3割以上の学生がドロップアウトしてゆくアメリカの大学だけに、この状況も
分からなくもありません。
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■編□集□後□記□
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先週、第45回スーパーボウルがテキサスで開催されました。やはりアメリカ
最高の舞台だけにいろいろなところで話題になっていました。当日は自宅の
アパートメントで観戦です。テレビで映し出されていた有名人にはブッシュ
前大統領とその側近たちもいました。
試合は、前半からリードを保ったパッカーズが優勝です。スティーラーズの
追い上げで3点差まで迫りましたが、やはり3回ものターンオーバーが勝利
の要因でしょう。試合だけでなく、ハーフタイムやTVコマーシャルが面白い
のも印象的です。ハーフタイムショーはコンサートさながらですし、また、
各社が競ってCMづくりをしているのがよく分かります。いつトイレに立って
よいかに悩みました。これでアメフトもシーズンオフです。
2011年1月17日月曜日
第69号(2011.01.17)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第69号
□───────────────────――2011.01.17─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.069
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
日本が大雪に見舞われている情報は、Twitterやメールなどから入ってきます。
寒中お見舞い申し上げますとともに、降雪でも日々の仕事や大学では期末試験
もあって、読者の皆様はどうかご無事に遂行できますよう祈念しております。
フロリダでは寒波が過ぎた後、一転して好天に恵まれました。寒かった翌日、
20度を超える暖かさにアパートメントのプールサイドでは、早速、日光浴を
楽しむ住民がいました。さすがにそこまで暑くないでしょうと呆れてしまい
ますが、寒暖の感覚はどうも日本人とは違うようです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > 新学期開始と作文授業の段
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:
前号でもお伝えしましたが、アメリカでは新年早々、新学期がスタートです。
4月いっぱいで春学期はほぼおしまいになります。
今学期から学部の英作文の授業に出させてもらっています。授業内容は大学
における研究レポートの作成です。全学に複数開講されており、初年次生が
履修する科目です。共通教材に目を通してみると、日本の大学でもその内容
を教えるべきだと痛感します。
アメリカ研修期間中は毎日のようにブログを更新しているわけですが、日頃
から作文の練習は必要です。何事もしばらく離れていると、どんどん下手に
なっていきますので、日本語の練習として良い機会と思っています。また、
かつてはホームページ作成、その後はブログ、最近ですとツイッターを学生
に推薦しています。これは人に見られる文章を書く訓練となるからです。
余談ですが、最近、Twitterで気になることは「つぶやき」だからといって
ワンフレーズだけを残しても、あまり作文練習にはなりません。また将来の
自分への振り返りにもなりません。さらに、発言集はライフログとなるので、
その時の勢いから出たつぶやきが禍根を残すことになる恐れもあります。
学生が提出する作文レポートを見ていると、驚くべき体裁のものに遭遇する
ことは珍しくありません。漢字変換ミスや言葉遣いの誤りなどは瑣末な部類
で、例えば、句読点がない文、主語がない文、段落がない文章・・・これは
学年を問わずさまざまです。無茶苦茶な文章を多様化とか個性とかだとして
履き違えるケースもあり、日本の活字文化の継承に危機感を覚えます。
このような状況ですと卒業論文はおろか授業のレポート、就職活動で必要な
エントリーシートさえも書けないはずです。彼らに話を聞けば、小中学校で
作文練習、高校では小論文の訓練をやっていないそうです。一方で、文章の
形式が整っている学生には、受験対策として小論文講座などで何度も作文の
練習した経験があるという傾向があります。こうして考えると、入学試験に
知識の詰め込み科目に加えて、小論文を課して、全国的に受験対策をさせる
のは即効性があるように思います(大学側の採点が大変になりますが・・)。
また、文章が得意な学生に共通する点は、読書好きであったり読書量が多い
ことです。学術機関において読書を推奨することは当然ですが、全ての学生
に対して、なかなか読書習慣を確立させるのは至難の業です。
文章指導はなかなか面倒なだけに、多くの先生が目をつぶってしまいがちな
課題ですが、まず「型にはめる」ことで基本までは形成することができます。
「日本語表現」なる必修科目が設置されているにもかかわらず、作文の基本
が全くできていない学生も多く、文章の書き方はあまりにもまちまちです。
ですから、1年生から4年生までのゼミでは、一旦、型にはめてしまうという
無茶な教育手法を行っています。
まず文章を書かせた上で、基本的な知識(適切な単語選択から句・節・段落、
章、接続詞、代名詞など)からよくあるミス(おかしな表現)の修正などを
相互にチェックさせます。もちろん、インデントや脚注など基礎的な日本語
ワープロの使い方も含めて実施します。こうして相互に文章のダメ出し作業
を数回行えば、ほぼ全員が基本的な作文スタイルをマスターできます。一度、
自分の型ができると学生は文章が書きやすくなっているようです。
過日、研究所の同僚がランチの際に話してくれましたが、アメリカも新入生
のクラスのレポートはひどいと嘆いていました。このようにどの国でも同じ
ような教育課題を抱えています。アメリカではそれを組織的に取り組み解決
への道筋をつけています。また、作文の技術は将来、必ず役立つ基本スキル
だけに初年次からきちんとした訓練が必要でしょう(それらを必要としない
超優秀な機関を除く)。もちろん、分野ごとに文章の書き方は異なりますが、
それを教えた上で、授業のレポートから研究論文へのプロセスを示す授業が
日本の大学教育でも求められていると思います。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから
―――――――――――――――――――――――――――――――
☆関連サイト:https://webcourses.ucf.edu/
新学期が始まって、いよいよ実際のブレンド型の授業を体験することになり
ました。授業は教養関連科目なので、メインキャンパスにあるClassroom1で
行われます。授業開始は朝8時30分ですが、時間前には講義室前の廊下の床に
座っている学生(いわゆるジベタリアンです)を多く見かけます。本人達は
だらしないと思っていないのかも知れませんが、このような若者の姿は日米
一緒です。
アメリカではタバコは高額なので、喫煙者は日本に比べかなり少ないような
気がします。それでも、キャンパス内で歩きタバコ姿やタバコの吸殻が散乱
しているのは目につきます。まだ教室で食事をする学生には会っていません
が、先生からの諸注意に記載されているので、こちらでも問題なようです。
授業中に帽子をかぶっている学生、スケボー持参の学生などさまざまです。
大学にもよるのでしょうが、全体として日本の学生の方が礼儀正しいのかも
知れないと思いました。
学生に感心するのは、教員が皆で話し合いを指示するとためらうことなく、
直ぐに始めることです。また、教員の問いかけにも手を挙げて答える学生も
少なくありません。講義にメリハリがある(微妙な間がない)という感じが
します。
普段、90分の授業に慣れているので、50分授業は大変短く感じます。しかし、
週に3回授業がありますので、90分☓3回☓16週ですから日本の授業時間より
多くなります。当然のことながら毎回しっかり宿題があり、予習は必須です。
遅刻する学生やテキストを持っていない、すなわち予習をしてこない学生の
対応なども興味があります。週3回のうち1回(金曜)がWebでのオンライン
学習になります。
新学期が始まるとブックストアは賑やかになります。店内奥のエリアには
教科書がずらりと揃えられており、多くの学生たちが自分の授業に必要な
テキストを探しています。
知ってはいましたが、こちらのテキストは高すぎます。新品では$100以上
するのも珍しくなく、中古品でその3割引ぐらいでしょうか。日本でも分野
によっては高額な場合(特に、医歯薬系)もありますが、主に学部生が使う
経済学の教科書で5000円以上はまずありえません。しかし、アメリカの大学
で使う経済学関連テキストは$100以上が当たり前です。厚みがあるだけに
ページ単価で考えれば良いのかも知れませんが・・・。
担当の先生は、学生はお金が無いことに配慮し、授業で必要な箇所を講義
プリントにまとめるなどという対応をしています。一方、日本では比較的
安いにもかかわらず、学生はなかなか教科書を買おうとしません。授業で
毎回きちんと使わないのも問題ですが・・・。学期末テスト前に持ち込み
物件が発表され、「テキストのみ可」という本だけが売れるという何とも
情けない状況です。これ幸いに自著をさばくという教員もいますが、昔に
比べると少なくなってきたように思います。
アメリカの大学内での物価は、日本に比べるとかなり高いように感じます。
まだまだ日本は恵まれているのでしょうか?じっくり再考してみる必要が
ありそうです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
1月の第3月曜日は、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの誕生日で
祝日になります。誕生日が祝日になるのは、大統領では初代のワシントン
とリンカーンの2名だけで、大統領以外では彼だけです。
キング牧師で有名な演説に"I have a dream"があります。ささやかですが
私にも夢があります。少しでもこれに近づけるように日々過ごせることが
できれば、最高の人生でしょう。皆さんも夢に向かって楽しく進めるよう
異国の地より祈念しております。
□―――――――――――――――――――――――――――――
■□□> コジマガ kojimag@ 第69号
□───────────────────――2011.01.17─――
□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.069
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
日本が大雪に見舞われている情報は、Twitterやメールなどから入ってきます。
寒中お見舞い申し上げますとともに、降雪でも日々の仕事や大学では期末試験
もあって、読者の皆様はどうかご無事に遂行できますよう祈念しております。
フロリダでは寒波が過ぎた後、一転して好天に恵まれました。寒かった翌日、
20度を超える暖かさにアパートメントのプールサイドでは、早速、日光浴を
楽しむ住民がいました。さすがにそこまで暑くないでしょうと呆れてしまい
ますが、寒暖の感覚はどうも日本人とは違うようです。
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■アメリカ短信 > 新学期開始と作文授業の段
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☆関連サイト:
前号でもお伝えしましたが、アメリカでは新年早々、新学期がスタートです。
4月いっぱいで春学期はほぼおしまいになります。
今学期から学部の英作文の授業に出させてもらっています。授業内容は大学
における研究レポートの作成です。全学に複数開講されており、初年次生が
履修する科目です。共通教材に目を通してみると、日本の大学でもその内容
を教えるべきだと痛感します。
アメリカ研修期間中は毎日のようにブログを更新しているわけですが、日頃
から作文の練習は必要です。何事もしばらく離れていると、どんどん下手に
なっていきますので、日本語の練習として良い機会と思っています。また、
かつてはホームページ作成、その後はブログ、最近ですとツイッターを学生
に推薦しています。これは人に見られる文章を書く訓練となるからです。
余談ですが、最近、Twitterで気になることは「つぶやき」だからといって
ワンフレーズだけを残しても、あまり作文練習にはなりません。また将来の
自分への振り返りにもなりません。さらに、発言集はライフログとなるので、
その時の勢いから出たつぶやきが禍根を残すことになる恐れもあります。
学生が提出する作文レポートを見ていると、驚くべき体裁のものに遭遇する
ことは珍しくありません。漢字変換ミスや言葉遣いの誤りなどは瑣末な部類
で、例えば、句読点がない文、主語がない文、段落がない文章・・・これは
学年を問わずさまざまです。無茶苦茶な文章を多様化とか個性とかだとして
履き違えるケースもあり、日本の活字文化の継承に危機感を覚えます。
このような状況ですと卒業論文はおろか授業のレポート、就職活動で必要な
エントリーシートさえも書けないはずです。彼らに話を聞けば、小中学校で
作文練習、高校では小論文の訓練をやっていないそうです。一方で、文章の
形式が整っている学生には、受験対策として小論文講座などで何度も作文の
練習した経験があるという傾向があります。こうして考えると、入学試験に
知識の詰め込み科目に加えて、小論文を課して、全国的に受験対策をさせる
のは即効性があるように思います(大学側の採点が大変になりますが・・)。
また、文章が得意な学生に共通する点は、読書好きであったり読書量が多い
ことです。学術機関において読書を推奨することは当然ですが、全ての学生
に対して、なかなか読書習慣を確立させるのは至難の業です。
文章指導はなかなか面倒なだけに、多くの先生が目をつぶってしまいがちな
課題ですが、まず「型にはめる」ことで基本までは形成することができます。
「日本語表現」なる必修科目が設置されているにもかかわらず、作文の基本
が全くできていない学生も多く、文章の書き方はあまりにもまちまちです。
ですから、1年生から4年生までのゼミでは、一旦、型にはめてしまうという
無茶な教育手法を行っています。
まず文章を書かせた上で、基本的な知識(適切な単語選択から句・節・段落、
章、接続詞、代名詞など)からよくあるミス(おかしな表現)の修正などを
相互にチェックさせます。もちろん、インデントや脚注など基礎的な日本語
ワープロの使い方も含めて実施します。こうして相互に文章のダメ出し作業
を数回行えば、ほぼ全員が基本的な作文スタイルをマスターできます。一度、
自分の型ができると学生は文章が書きやすくなっているようです。
過日、研究所の同僚がランチの際に話してくれましたが、アメリカも新入生
のクラスのレポートはひどいと嘆いていました。このようにどの国でも同じ
ような教育課題を抱えています。アメリカではそれを組織的に取り組み解決
への道筋をつけています。また、作文の技術は将来、必ず役立つ基本スキル
だけに初年次からきちんとした訓練が必要でしょう(それらを必要としない
超優秀な機関を除く)。もちろん、分野ごとに文章の書き方は異なりますが、
それを教えた上で、授業のレポートから研究論文へのプロセスを示す授業が
日本の大学教育でも求められていると思います。
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■UCFから
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新学期が始まって、いよいよ実際のブレンド型の授業を体験することになり
ました。授業は教養関連科目なので、メインキャンパスにあるClassroom1で
行われます。授業開始は朝8時30分ですが、時間前には講義室前の廊下の床に
座っている学生(いわゆるジベタリアンです)を多く見かけます。本人達は
だらしないと思っていないのかも知れませんが、このような若者の姿は日米
一緒です。
アメリカではタバコは高額なので、喫煙者は日本に比べかなり少ないような
気がします。それでも、キャンパス内で歩きタバコ姿やタバコの吸殻が散乱
しているのは目につきます。まだ教室で食事をする学生には会っていません
が、先生からの諸注意に記載されているので、こちらでも問題なようです。
授業中に帽子をかぶっている学生、スケボー持参の学生などさまざまです。
大学にもよるのでしょうが、全体として日本の学生の方が礼儀正しいのかも
知れないと思いました。
学生に感心するのは、教員が皆で話し合いを指示するとためらうことなく、
直ぐに始めることです。また、教員の問いかけにも手を挙げて答える学生も
少なくありません。講義にメリハリがある(微妙な間がない)という感じが
します。
普段、90分の授業に慣れているので、50分授業は大変短く感じます。しかし、
週に3回授業がありますので、90分☓3回☓16週ですから日本の授業時間より
多くなります。当然のことながら毎回しっかり宿題があり、予習は必須です。
遅刻する学生やテキストを持っていない、すなわち予習をしてこない学生の
対応なども興味があります。週3回のうち1回(金曜)がWebでのオンライン
学習になります。
新学期が始まるとブックストアは賑やかになります。店内奥のエリアには
教科書がずらりと揃えられており、多くの学生たちが自分の授業に必要な
テキストを探しています。
知ってはいましたが、こちらのテキストは高すぎます。新品では$100以上
するのも珍しくなく、中古品でその3割引ぐらいでしょうか。日本でも分野
によっては高額な場合(特に、医歯薬系)もありますが、主に学部生が使う
経済学の教科書で5000円以上はまずありえません。しかし、アメリカの大学
で使う経済学関連テキストは$100以上が当たり前です。厚みがあるだけに
ページ単価で考えれば良いのかも知れませんが・・・。
担当の先生は、学生はお金が無いことに配慮し、授業で必要な箇所を講義
プリントにまとめるなどという対応をしています。一方、日本では比較的
安いにもかかわらず、学生はなかなか教科書を買おうとしません。授業で
毎回きちんと使わないのも問題ですが・・・。学期末テスト前に持ち込み
物件が発表され、「テキストのみ可」という本だけが売れるという何とも
情けない状況です。これ幸いに自著をさばくという教員もいますが、昔に
比べると少なくなってきたように思います。
アメリカの大学内での物価は、日本に比べるとかなり高いように感じます。
まだまだ日本は恵まれているのでしょうか?じっくり再考してみる必要が
ありそうです。
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■編□集□後□記□
―――――――――――――――――――――――――――――――
1月の第3月曜日は、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの誕生日で
祝日になります。誕生日が祝日になるのは、大統領では初代のワシントン
とリンカーンの2名だけで、大統領以外では彼だけです。
キング牧師で有名な演説に"I have a dream"があります。ささやかですが
私にも夢があります。少しでもこれに近づけるように日々過ごせることが
できれば、最高の人生でしょう。皆さんも夢に向かって楽しく進めるよう
異国の地より祈念しております。
2011年1月9日日曜日
第68号(2011.01.09)
□ Nagoya Gakuin University, Faculty of Economics
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□ Kojima seminar Mail Magazine, Vol.068
*等幅フォント(MSゴチックなど)でご覧ください。
A Happy New Year!新年あけましておめでとうございます。
フロリダ州の別名はSunshine Stateだけに、眩く明るい新年を迎えるところ
として最高かもしれません。今年も皆さんにとって、素晴らしい1年である
ことを祈念しております。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■アメリカ短信 > アメリカの年末年始の段
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☆関連サイト:
アメリカの年末年始を初体験です。アメリカで暮らした経験のある方ならば
当たり前のことでしょうが、やはり、実際に体験しないと分からないことが
多いので、大変勉強になりました。
クリスマスの24日と25日は、両日ともアメリカ人のお宅で開かれたパーティ
に加えてもらうことができました。
まずイブの24日は、こちらで知り合った日本人の方に誘われて、ココビーチ
方面に住んでいるアメリカ人宅でのクリスマスパーティへご一緒させていた
だきました。パーティのホストはじめ、何人かはすでに顔見知りでしたし、
日本人も2名参加しているので気軽な雰囲気です。
大きな家でのクリスマスパーティは初めての体験です。ダイニングキッチン
にはたくさんの食事やお酒が用意されており、皆が思いおもいに食べながら、
話で盛り上がっています。ちなみに、アーノルド・パーマーがオーランドに
住んでいることを知りました。また、クリスマスならではの飲み物として、
エッグノック(Egg Nog)に挑戦しました。ここにラム酒を入れると香りや
テーストも最高です。ただし、高カロリーなので注意が必要とのことです。
最後は、クリスマスケーキとコーヒーで大満足でした。
翌日は、研究所の同僚が自宅でのクリスマスディナーに招待してくれました。
誘われた時に、信仰する宗教を聞かれました。初めて聞かれた質問で戸惑い
ましたが、にわか仏教徒なので、No Religionです。多くの日本人と同様に
正月には神社に参詣し、仏前で合掌します。これまでも仏教系の学校に通い、
勤務先はプロテスタント系という、何ともいい加減な宗教観です。
クリスマス当日は、さすがに休日だけあって、街中を走っている車が非常に
少ないように感じました。彼の自宅には4家族が集まっており、大勢の方に
グリーティングです。その後、邸内を案内してもらいました。ガレージには、
彼の趣味である釣り道具や小型ボートがあり、ここあるキャンプ用グリルで
クリスマス用の肉を焼いています。いくつかある部屋のうち、彼の奥さんの
弁護士オフィスがありました。
全員が食卓についたところで乾杯、クリスマスならでは食事です。お嬢さん
に教えてもらったクリスマス定番の料理であるグリーンビーンキャセロール
(Green Bean Casserole)がなかなか美味です。ディナーの後には、今度は
デザートです。その後、皆が居間に集まり、何故かウクレレ(ukulele)が
出てきて、彼のお父さんのFlukeによる伴奏でクリスマスソングを歌います。
この時ばかりは、クリスマスソングをきちんと英語で歌えるようにすれば
よかったと後悔した瞬間でした。
このように連日、アメリカ人宅でのクリスマスパーティを体験できました。
プール付きの大きな家で、皆が集まり楽しそうに団欒をします。豊かさを
測るモノサシはありませんが、日本とは違った豊かさがここにはあります。
ただし、幸せはさらに別の次元ですが・・・。
さて、クリスマスが終わってもアメリカのバケーションは続きます。特に、
クリスマスセールは活気があり、クリスマス1週間前頃からプレゼントの
買出しでモールなどは大混雑です。その後もセールは続いて、正月を過ぎ
ても街中にはクリスマスツリーやリースも見かけます。また、音楽もまだ
クリスマスソングが流れてきます。しかし、日本と違うのは、定番である
Wham!のLast Christmasがほとんど聞かれないことでしょうか。
大晦日はカウントダウンです。至る場所でカウントダウンパーティがある
ようです。夜8時頃でもテーマパークへ向かう車もありますし、ダウン・
タウンディズニーあたりでも多くの車が走っていました。
知り合いの方のコミュニティでカウントダウンパーティがあるというので、
これに加えてもらいました。この時期は、自宅やその周りを電飾しており、
とても綺麗です。ガレージ前にテーブルを出し、多くの料理が並べてあり
ます。子供達もこの日ばかりは親たちの監視の下で遅くまで遊んでいます。
石炭で暖をとって、プロジェクターでNYのカウントダウン中継を待ちます。
カウントダウンの前後には打ち上げ花火が各コミュニティで行われました。
とりわけ、素人が花火を打ち上げるのに驚くばかりです。
こちらも元旦は祝日ですが、聞いていたよりもショップは開いていました。
最近は日本の正月もかつてより営業する店が増えたように、アメリカでも
そうなのでしょうか。ただ、テレビで流れてくる新年の音楽が「蛍の光」
というのは、日本人としてはどうも違和感を覚えます。
日本のクリスマス・年末年始とは全く異なるので、アメリカの風習を存分
に楽しむことができました。しかし、異文化を理解するには時間がかかり
ます。数年、暮らしてみてようやく本質が分かってくるのかも知れません。
日本は、同じアジアでも旧正月を祝う韓国や中国・台湾とも異なります。
独特な文化だけにずっと大切にしたいものです。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■UCFから
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☆関連サイト:http://www.libertybowl.org/
UCFでは12月第2週頃から学期末試験やレポート期間となりました。試験
期間が終わりに近づくたびに、学生はキャンパスからどんどんいなくなり
ます。そして、クリスマスの1週間ほど前から研究所のスタッフも次々に
休みをとるようになり、12月23日(金)に大学全体が休暇になりました。
年の瀬は大学にいても感じることができます。まず、クリスマスが近づく
と、大学に特設のアイススケートリンクや観覧車などがオープンしました。
また、アメリカンフットボールは、大晦日に開催されたリバティ・ボウル
も勝利し、UCFにとって本当に素晴らしい1年の締めくくりになりました。
1月はスタートの月です。こちらでは新年早々、仕事や学校が始まります。
今年は、たまたま2日が日曜日だったので3日が始まりでしたが、普段は
2日から始まるそうです。確かに研究所では3日は駐車場が満車でしたし、
道路には地元の小中学校のスクールバスも走っていました。大学の授業は
まだ始まっていませんが、大学スタッフは新学期の準備として仕事モード
に入っています。
テレビもでは新しく選出されたフロリダ州知事が1日から仕事を開始した
というニュースが流れていました。公的機関では、新大統領も年明け早々
から仕事というスタイルは日本ではよく分かりませんでしたが、こちらに
来て、ようやく理解できました。
来週からUCFではいよいよ授業が始まります。これから夏までのセメスター
で学生たちはどれだけ進歩を遂げるのでしょうか。
―――――――――――――――――――――――――――――――
■編□集□後□記□
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年末年始を海外で過ごすということは初めてです。やはり仕事が気になると
出かけるだけの余裕がありません。しかし、今回はアメリカのペースにあわ
せることができたので、初めてのロングバージョンになりました。加えて、
オーランドは温暖で観光都市だけに時間を持て余すことなく、有意義な休暇
となりました。
残り9ヶ月の滞在ですが、これまで以上にアメリカを存分に体験し、理解し
たいと思っています。コジマガやブログ・Twitterなどで素晴らしい内容が
発信できるようにする所存です。
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■□□> コジマガ kojimag@ 第68号
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A Happy New Year!新年あけましておめでとうございます。
フロリダ州の別名はSunshine Stateだけに、眩く明るい新年を迎えるところ
として最高かもしれません。今年も皆さんにとって、素晴らしい1年である
ことを祈念しております。
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■アメリカ短信 > アメリカの年末年始の段
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アメリカの年末年始を初体験です。アメリカで暮らした経験のある方ならば
当たり前のことでしょうが、やはり、実際に体験しないと分からないことが
多いので、大変勉強になりました。
クリスマスの24日と25日は、両日ともアメリカ人のお宅で開かれたパーティ
に加えてもらうことができました。
まずイブの24日は、こちらで知り合った日本人の方に誘われて、ココビーチ
方面に住んでいるアメリカ人宅でのクリスマスパーティへご一緒させていた
だきました。パーティのホストはじめ、何人かはすでに顔見知りでしたし、
日本人も2名参加しているので気軽な雰囲気です。
大きな家でのクリスマスパーティは初めての体験です。ダイニングキッチン
にはたくさんの食事やお酒が用意されており、皆が思いおもいに食べながら、
話で盛り上がっています。ちなみに、アーノルド・パーマーがオーランドに
住んでいることを知りました。また、クリスマスならではの飲み物として、
エッグノック(Egg Nog)に挑戦しました。ここにラム酒を入れると香りや
テーストも最高です。ただし、高カロリーなので注意が必要とのことです。
最後は、クリスマスケーキとコーヒーで大満足でした。
翌日は、研究所の同僚が自宅でのクリスマスディナーに招待してくれました。
誘われた時に、信仰する宗教を聞かれました。初めて聞かれた質問で戸惑い
ましたが、にわか仏教徒なので、No Religionです。多くの日本人と同様に
正月には神社に参詣し、仏前で合掌します。これまでも仏教系の学校に通い、
勤務先はプロテスタント系という、何ともいい加減な宗教観です。
クリスマス当日は、さすがに休日だけあって、街中を走っている車が非常に
少ないように感じました。彼の自宅には4家族が集まっており、大勢の方に
グリーティングです。その後、邸内を案内してもらいました。ガレージには、
彼の趣味である釣り道具や小型ボートがあり、ここあるキャンプ用グリルで
クリスマス用の肉を焼いています。いくつかある部屋のうち、彼の奥さんの
弁護士オフィスがありました。
全員が食卓についたところで乾杯、クリスマスならでは食事です。お嬢さん
に教えてもらったクリスマス定番の料理であるグリーンビーンキャセロール
(Green Bean Casserole)がなかなか美味です。ディナーの後には、今度は
デザートです。その後、皆が居間に集まり、何故かウクレレ(ukulele)が
出てきて、彼のお父さんのFlukeによる伴奏でクリスマスソングを歌います。
この時ばかりは、クリスマスソングをきちんと英語で歌えるようにすれば
よかったと後悔した瞬間でした。
このように連日、アメリカ人宅でのクリスマスパーティを体験できました。
プール付きの大きな家で、皆が集まり楽しそうに団欒をします。豊かさを
測るモノサシはありませんが、日本とは違った豊かさがここにはあります。
ただし、幸せはさらに別の次元ですが・・・。
さて、クリスマスが終わってもアメリカのバケーションは続きます。特に、
クリスマスセールは活気があり、クリスマス1週間前頃からプレゼントの
買出しでモールなどは大混雑です。その後もセールは続いて、正月を過ぎ
ても街中にはクリスマスツリーやリースも見かけます。また、音楽もまだ
クリスマスソングが流れてきます。しかし、日本と違うのは、定番である
Wham!のLast Christmasがほとんど聞かれないことでしょうか。
大晦日はカウントダウンです。至る場所でカウントダウンパーティがある
ようです。夜8時頃でもテーマパークへ向かう車もありますし、ダウン・
タウンディズニーあたりでも多くの車が走っていました。
知り合いの方のコミュニティでカウントダウンパーティがあるというので、
これに加えてもらいました。この時期は、自宅やその周りを電飾しており、
とても綺麗です。ガレージ前にテーブルを出し、多くの料理が並べてあり
ます。子供達もこの日ばかりは親たちの監視の下で遅くまで遊んでいます。
石炭で暖をとって、プロジェクターでNYのカウントダウン中継を待ちます。
カウントダウンの前後には打ち上げ花火が各コミュニティで行われました。
とりわけ、素人が花火を打ち上げるのに驚くばかりです。
こちらも元旦は祝日ですが、聞いていたよりもショップは開いていました。
最近は日本の正月もかつてより営業する店が増えたように、アメリカでも
そうなのでしょうか。ただ、テレビで流れてくる新年の音楽が「蛍の光」
というのは、日本人としてはどうも違和感を覚えます。
日本のクリスマス・年末年始とは全く異なるので、アメリカの風習を存分
に楽しむことができました。しかし、異文化を理解するには時間がかかり
ます。数年、暮らしてみてようやく本質が分かってくるのかも知れません。
日本は、同じアジアでも旧正月を祝う韓国や中国・台湾とも異なります。
独特な文化だけにずっと大切にしたいものです。
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■UCFから
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☆関連サイト:http://www.libertybowl.org/
UCFでは12月第2週頃から学期末試験やレポート期間となりました。試験
期間が終わりに近づくたびに、学生はキャンパスからどんどんいなくなり
ます。そして、クリスマスの1週間ほど前から研究所のスタッフも次々に
休みをとるようになり、12月23日(金)に大学全体が休暇になりました。
年の瀬は大学にいても感じることができます。まず、クリスマスが近づく
と、大学に特設のアイススケートリンクや観覧車などがオープンしました。
また、アメリカンフットボールは、大晦日に開催されたリバティ・ボウル
も勝利し、UCFにとって本当に素晴らしい1年の締めくくりになりました。
1月はスタートの月です。こちらでは新年早々、仕事や学校が始まります。
今年は、たまたま2日が日曜日だったので3日が始まりでしたが、普段は
2日から始まるそうです。確かに研究所では3日は駐車場が満車でしたし、
道路には地元の小中学校のスクールバスも走っていました。大学の授業は
まだ始まっていませんが、大学スタッフは新学期の準備として仕事モード
に入っています。
テレビもでは新しく選出されたフロリダ州知事が1日から仕事を開始した
というニュースが流れていました。公的機関では、新大統領も年明け早々
から仕事というスタイルは日本ではよく分かりませんでしたが、こちらに
来て、ようやく理解できました。
来週からUCFではいよいよ授業が始まります。これから夏までのセメスター
で学生たちはどれだけ進歩を遂げるのでしょうか。
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■編□集□後□記□
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年末年始を海外で過ごすということは初めてです。やはり仕事が気になると
出かけるだけの余裕がありません。しかし、今回はアメリカのペースにあわ
せることができたので、初めてのロングバージョンになりました。加えて、
オーランドは温暖で観光都市だけに時間を持て余すことなく、有意義な休暇
となりました。
残り9ヶ月の滞在ですが、これまで以上にアメリカを存分に体験し、理解し
たいと思っています。コジマガやブログ・Twitterなどで素晴らしい内容が
発信できるようにする所存です。
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